※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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同じ日の日記が続いています。
1日にイベントを詰め込みすぎかな…。
でも引っ越ししたり、イベントを立ち上げたばかりの忙しさってこんな感じだよなぁ…。


SSでもそうですが、私生活で思考が超絶迷走しております。
具体的にはPCの問題がPSVRの購入を経て部屋の模様替えにになるくらい。
おかげで目が冴えて寝れなくなっちまった。

・Windows7対応終了なの!?
・じゃあこの際だしPC買い替えるか。どうせならVR出来る奴で。
・でも高いし不安。あれ待てよ、グラフィックボード結構いい奴だし、修理できたら行けるんじゃね?
・バックアップとって、初期化して再インストール試してみよう。
 それで駄目なら修理に出す。
・Windows10から逃げられないなら、SSDに換装しよう。調べた限りでは自力でできそう。(素人考え)
・グラフィックボードもやり方調べればできるだろ(素人考え)
・メモリ増設はやった事あるし、必要になったらやればいいな。
・問題はちゃんと初期化できるかだな…。
・そういやPSVRが手の届く値段になってたな。PCとどっちがいいだろう。
・一応PSVRはPCでも使えるらしい。じゃあこっちで。
・でも有線だから、今の部屋模様じゃ使えないな。
・じゃあ模様替え考えてみよう。

…いかん、早く眠らなければ引っ越しや転職まで発展しかねない。


第462話

 

 次に話をしたのは、通りかかった沙耶根尾。…名前がどう考えてもおかしいが、まぁ別にいい。本人も沙耶で通しているようだし。

 この子はちょいと、精神面に問題ありかな…。サディスティックな一面が垣間見られる。いや、それ以上に『鬼を片っ端から殺したい』と遊びに行くような感覚で宣っている。「きっと楽しいんだろうなぁ~」とお目目キラキラ状態だった。

 ふーむ……やらせるなら、雑魚を一気に掃討させるような任務かな? で、大物はあまり相手にさせない。

 敵の数を減らすのを専門にする、言わば露払い役。しかし、そうだとしても制止役が必要だな。血に酔うタイプだとしたら、下手しなくても深入りしたり、止めようとした味方に刃を向けかねない。

 

 

 更に続いて、今度は紫。ポニーテールの怪力美女。

 この子はちょいと…捻くれてるとは違うな。叩き起こした時に処女ではなかった事から、昔起きていた事があるのだと思っていたが、大当たりだった。

 完全にではないが、以前の事を覚えているようだ。その為、俺に向ける視線も自然と厳しくなる。

 男性不信…と言うよりは、お頭不信か。自分達の扱いが、当時どういうものだったのか理解しているのかは定かではないが……滅鬼隊員にしては珍しく、個人的に浅黄を頂点として物事を考えているようだ。下手をすると、俺を排して浅黄を頂点に…と考えている節すらある。

 尤も、その浅黄の方が拒否するだろうけども。

 何れにせよ、今は行動を起こすつもりはないようだ。ま、今何かやっても、四方八方が敵だらけになる上、今後の為の貯えすらないんだ。それで反乱染みた事を衝動的に起こすようなら、俺も容赦はしない。個人的な感情にまで口を出す気はないが、周囲を巻き込んで破滅するタイプの奴なら、俺も甘い顔をするつもりはない。

 

 …しかし、あいつ『自分を犯した男は全て殺してきた』なんて言ってるけど……それって前の主に歯向かう事もできた、って事なのかねぇ。それともそういう設定、思い込んでるだけなのか。

 

 

 

 

 

 一人一人にかけた時間はそう長いものではなかったが、人数が人数だし、まだ話をしてない子を探すのも手間になり始めるので、あっという間に昼を超える。

 滅鬼隊の面々は、大した役割を振られてない事もあり、各々が好き勝手に過ごしていた…と言うよりは暇を潰している。何人かで集まって鍛錬している者も居れば、日向で二度寝と洒落込んだり、散策に出掛けて迷子になりかけたり、ごく少数だが里の見物に向かった者も居る。

 が、飯の時間になると続々と集まって来た。一匹狼を気取ろうとする者も居たが、やはり胃袋には勝てないらしい。

 

 

 で、その集まって来た中には、秘書執事の3人も居る訳で。

 

 

 

 

 

 

 3人揃って、飯にも手を付けずに項垂れていた。顔がやわらか戦車みたいになっている。

 

 

 

 …何となく予想はつくが、どうしたよ?

 

 

「…まぁ、迷走した、の一言で察してあげてください。私のところは文字通りの意味で」

 

「同じく。備蓄すればいい、火を通せばいいってものでもないのよね」

 

「…正直、まず現場に放り込んでみるべきだったと後悔しているわ」

 

 

 

 以上、監督役3人のコメントでした。そっかー、やっぱり経験無かったかー。

 

 3人とも頑張った…頑張ろうとしたらしいんだよ。でもどう頑張ればいいか分からなかっただけで。

 …やっぱり、あれか。最初の最初なんだし、まず自分でやってみようとしたか。

 

 

「災禍はその通りです。生活の改善点と言われても、そもそも普通の生活すら知らない状態でしたし…。不便や便利の基準すらなく、途方に暮れていました。とりあえず足で情報を稼ごうとして、現在位置を見失って、ようやく戻ってこれたんです」

 

「天音も似たようなものね。戦いってものを、漠然としか理解できてなかったから。班の内訳なんて全く分かってなかったし。ちゃんと、モノノフ達から話は聞いていたのよ。でもそれで何が必要になるのか、どうすればそれを埋められるのかが想像できなかった」

 

「それに比べると、時子は素直ではあったわね。暫く迷ってから、どう計画を立てればいいのか分からずに頭を抱えてたんだけど……そもそも正確な人数や予算も算出されてない状態で、計画を立てろって言われてもね」

 

 

 ……必要最低限の情報を、半ば故意に渡さなかったんだが……いかん、かなり罪悪感がマッハだ。パワハラになるよな…。

 不明点があれば質問しろって言ったし、教育係もつけたけど、やっぱ子供にやる試験じゃなかった…。

 

 

「そうでもないわ。必要な事は調べる、聞く、これは当たり前の事よ。少なくとも、私が死隠と呼ばれるようになる前、そうやって計画を立てて実行したわ。…最初は運が良かったのも否定できないけど」

 

 

 いやそれを子供に…お前の初仕事も子供の頃で、世間の事なんか何も分かってなかったんだっけ…。詩乃ならそれを言う資格はある…か?

 

 

「そこは個人の性質の問題ですし、資格云々の問題じゃないと思うけど。どっちにしろ、どうするのこれ? まだ私達は手を出さない方がいい?」

 

「初めてのお遣いに行こうとしたら、玄関開けた途端に大失敗したようなものですし、かなり心に来てますよ、これ」

 

「…まぁ、確かにここで心が折れても、得がある訳じゃないし…試験だったとしても、教育こそが本命の目的だし…。そう考えると、むしろ都合がいいんじゃない?」

 

「困り果てている状態なら、意地を張らずに…いえ、意地すら張れずに素直に助言を受け取るって事?」

 

「性質悪い…ですが、だからこそ有効ではあります。なまじ自分のやり方に自信を持てば、他者からの指導を拒む事は珍しくありません。問題は、私達が所謂『正しい指導』をできるかどうか、という話ですが…」

 

「正直、一人二人程度なら、食事の計画もできるけど…この人数だとねぇ。今は沢山できる煮物とかで対処してるけど、そうでない物を…と言われると…。絶対に想定外の事は起こるし」 

 

 

 だけど、やらない訳にもいかない。

 例えば明日奈が何らかの理由で飯が作れなくなったら、どうなる? 俺や神夜だって多少はできるけど、この人数を支えるのは無理だ。

 明日奈一人でやろうとしたって、どっちにしろ出来る訳がない。

 出来る奴を育てなきゃならん。

 

 あいつらは、その候補の最優先対象だ。そういう風に設定されたからだろうと、本来の性格なのだろうと、手伝いが必要なのだと考えて自分から申し出てきた。

 簡単に言えば、やる気を買った訳だよ。実際、空回りするくらいに勢いよく仕事をこなそうとしたんだしな。

 

 こんな事言っておいてなんだけど、多分本来であれば、問題なく遂行できてたと思うんだよ。

 それが出来るだけの知識や知能は、刷り込みされてる。滅鬼隊に携わった連中は、少なくとも技術力だけはあったようだし。

 ただ、それも過去の知識でしかないからなぁ…。

 

 

「滅鬼隊は、オオマガトキが起こる前に封印されましたから…どんなに短く見積もっても、8年前の知識ですか。それも、世界が一変してしまう前の知識…」

 

「そりゃ確かに上手く行く筈ないわ。下手に知ってると、先入観や前のやり方に縛られて、新しいやり方に合わせられないのよね」

 

 

 そういう事。だからまぁ、午前中の失敗は、そこらへんを自覚する為の準備期間だな。

 

 

 

 とは言え、やり方自体はほぼ手探りでやっていかなきゃいかんのだよな…。

 だから、小人数相手とは言えそれなりに心得がある作業を監督してもらったんだけど。大人数相手の運営をどうやるのか、あいつらを見ながらある程度は考えただろ?

 

 

「…まぁ、ね。神夜の言葉を繰り返すけど、それが『正しい指導』かどうかは別の話よ」

 

「それでもやらなきゃいけない、か…。うーん、やっぱりそういう専門の人がいるに越したことはないけど…流石にそんな都合よくはいかないか」

 

「現時点で出来るのは、互いに助け合う事と、出来そうな人に教えを請う事ですね。…そういう意味では、教えを請える相手が居ます。言うまでも無く、ウタカタの人達です」

 

 

 だな。俺もお頭としての心得を教えてもらおうと思ってたし。どっちにしろ、今から山ほど世話になるんだ。それを恥だの借りだの言うような事じゃない。

 とは言え、今日一日はまだ様子を見る。

 俺もまだ全員と話はできてないし、夜まで自分達の判断で行動しろって言ったんだ。途中で切り上げさせてちゃ、本人の為にもならないし、気分もよくないだろ。

 飯の後からの奮闘に期待、だな。3人とも、もう少し積極的に口出ししてもいい。

 

 ま、何だ。俺らが不安そうにしてちゃ、あいつらだって益々不安になるだろう。仮にも人の上に立ってる状態なんだ。自信持った面して行こうや。

 幸い、暫くは九葉のおっさんの援助で凌いでいける。それが尽きるまでに、里で生きていけるだけの体制を作り出すぞ。

 

 

 …視界の端で、3人が飯を食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………こんな感じで良かったでしょうか? ほぼ流れに任せて喋りましたけど。と言うか、正直途中から何が言いたかったのか分からない事極まりないです」

 

「想像以上に凹んでいたから、何とか元気付けようとしたはいいけど…」

 

 

 いんじゃね? 途中から3人とも、目くばせし合いながら聞き耳立ててたし。

 経験が少ないのも善し悪しだな。疑問も持たずに素直に信じ込んでくれたぜ。 

 

 俺はむしろ造反とは言わないまでも、反感を持たれないかが心配だった。失敗を見越して任を当てるなんて、嫌がらせ以外の何物でもない。

 『育てる為にわざと厳しくしていた』なんてのが通用するのは、お互いに充分な信頼関係があるか、関係がその場限りで終わっても全く問題が無い時くらいだよ。

 

 

「信頼、あるんじゃないですか? 少なくとも、あの子達はあなたを信じ切っています…。ああ、だからこそ失敗するだろうと思っていたのが…」

 

「…心象、よくなったかしら?」

 

「嘘も言ってない、気合も入ったようだしね。…実際、困り果ててるのは確かなのが…」

 

「そこはもう、行き当たりばったりでもどうにかしていくしかないでしょ。ま、開き直れば面白い状況だしね。大体、先行きが見えないって言ったってシノノメの里から出られなかった時よりはいいし、未来の事が分からないのなんて当たり前よ」

 

 

 明日奈は図太ゲフンゲフン肝っ玉母ちゃんだな…。胃袋掴んでるし。

 さて、俺も飯食い終わったし、そろそろ仕事に戻りますか。はー、暫く狩りには出られそうにないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、またしてもご飯の時間。夕刻である。

 この時間まで色々と話をしてきたのだが、量が多すぎるのでそれらを全て記すのは割愛する。

 

 とりあえず、彼女達のこれからの運営について、目途は立った…とだけ言っておこう。表面上の触れ合いしかしてないので、上手く行くと確信は無いが。

 そうだなぁ…印象深かった事を、幾つか書いておくか。

 

 

 まず、浅黄と話した時の事だ。こいつは以前の記憶も持ってるから、ちょっと不知火の態度について相談をしてみたんだけど。

 

 

「……反乱を誘発させるのはどうかと思うんだけど」

 

 

 言葉の返しようもございません。この辺の、欲望を制御できない点に関しては、俺は浅黄よりも頭領適正は無いと思う。

 

 

「…それにしても、不知火、不知火ね……。私もあまり関与した事はないんだけど…確か、昔は幻影の滅鬼隊と呼ばれていたわね。自身が幻術系の術の使い手だという事もあるけど、他にも理由があって……何だったかしら、あの時聞いた噂…。確か、紫が協力して任務に当たった事があって…」

 

 

 紫かぁ…。…いや、まずは話を聞こう。あいつの事だから主観全開になりそうではあるが、浅黄を相手に話したという事は少なくとも嘘はついていないだろう。勘違いしている可能性は成大にあるが。

 それで、何と言っていた?

 

 

「任務中とそうでない時とで、まるで別人のようだった…だそうよ。雰囲気もそうなんだけど……これは紫も、自分で言っておきながら半信半疑だった事。曰く、任務中の事を聞いても、全く知らないような素振りをされた。任務中に受けた傷が、次の任務の時には跡形もなくなっていた。文字通りに、別人だとしか思えないくらいに態度が変わっていたとか…」

 

 

 んー……別の『不知火』に交代した、という可能性もあるけど…。

 

 

「その場合、前の『不知火』は恐らく…。……そういう規則なのか、それとも理由の無い拘りなのかは知らないけど、基本的に私達は型番一つにつき1名しか起こされていなかったから。でも、仮にも私はその辺を統括する立場にあったんだけど、不知火を交換したって話は全く聞いてないのよね。……ああ、そうだ、私も一つ、心当たりがあったわ。任務を伝える時に少しだけ話をしたんだけど、その話題に入ると同時に、別人としか思えなくなるくらいに雰囲気が変わったの。『幻影の滅鬼隊』と言うのは、そのあたりが由来だったようね。幻のように、自分の実態を掴ませない…」

 

 

 具体的にどのように?

 

 

「あの時は確か、遊郭への潜入任務だったわね。命じた途端、雰囲気が一変したわ。傾国の魔娼、と言いたくなるくらい。淫蕩な事なら何でもござれ、自分が良くなる為なら仲間を貶めるのも娘を生贄にするのも躊躇いなし……と、流石に口にした訳じゃないけど、そういう雰囲気だったわ。…立場や命令を無視して、その場で斬るべきだと本気で思ったものよ」

 

 

 単なる変装と言うか、潜入の為のキャラ付けじゃないかもしれない…と。

 多重人格の類……実例があるからなぁ、誤射姫様という実例が。

 いや流石に考えすぎ………とも言えん。一度、内面観察術を使ってみるか。俺だけならともかく、雪風の人間関係にも関わる話だ。念を入れておいた方がいい。

 

 

 

 

 

 次に印象に残った事は、鬼の襲撃があった事。まぁ、これも小規模なものだ。雑魚しかいなかった。

 一匹だけミフチが里の近くまで近付いてきたが、威嚇すると大人しく去って行った。

 

 …これは、あれか? 序盤の、初穂と一緒に任務に行った帰りにミフチに尾行された、あの任務か? いやもうちょっと大規模だったよな。じゃないと、新入りをソロでミフチにあてる理由にはならないし。

 

 まぁ、ともかくアレだ、夕方になった頃、襲撃を知らせる鐘の音が響き渡った訳だ。

 戸惑う滅鬼隊を他所に、俺は高所に上って鷹の目で敵を探した。

 結界に近付いているのは、雑魚数匹とミフチ一体。

 

 …正直、『こんなのが来ただけで大騒ぎするな』と言いたくなったけど……いやいや、この考えはいかんな。慢心しとる。

 俺だって死ぬときは死ぬんだし、ミラボレアスに潰されるのも、餓鬼に喉元杭千切られるのも代わりはしない。

 そもそも、ここには戦闘経験がない人達が沢山居るんだ。結界に鬼が近づくと言うのは、充分に大事だった。

 

 ともあれ、ここで座して待っていては…逆に俺一人で片づけてしまっても、後々の為にならない。

 俺達が住んでいる場所は、結界の隅っこ。今後も襲撃があったら、真っ先に矢面に立たされる場所だ。

 そういう時、自分達の力で居場所を防衛できるよう、経験を詰ませておかねばならない。『放っておけばお頭や誰かが何とかしてくれる』なんて、論外だ。

 

 

 

 

 

 とは言え、多少なりとも戦闘力を持っているとは言え、統率も取れてない、基本も分かってない連中を実戦に放り出すなんて論外なので。

 

 

 

 

 

 数うちゃ当たる方式の集中砲火でどうにかしました。もう文字通りの。

 とにかく遠距離攻撃持ってる奴らは、合図と共にそれ使わせて、討鬼伝世界の銃・弓矢からMH世界のボウガン類まで、とにかく狙いもクソもなく打ちまくらせた。武器が足りない者には投石もさせた。

 

 やった事は、基本的には単純。土遁使いを総動員し、敵の侵入を阻む壁を作る。あえて一か所だけ穴を開け、そこから出てくる鬼達を、纏めて銃殺刑。たったこれだけだ。…これすらも、土遁使いと俺のマイクラ能力が無ければ不可能だったんだけども。

 いやぁ、餓鬼もそうだけどミフチがマガツヒ状態にすらならずに穴だらけになっていく様は壮観だった…。あの、逆さになって回転しながら暴れる奴が出たら、問答無用で吹き飛ばそうとスタンバイしてたんだけどなぁ。

 

 襲撃がもうちょっと後、ある程度の班組が出来た後なら、もう少し直接対決に付き合って、経験を詰ませてもよかったんだが。

 結局、餓鬼や鬼火、蜘蛛なのになぜかササガニと呼ばれている小型鬼が何匹かと、ミフチが2匹しか来なかった。

 

 

 

 

 そしてそれらを数の暴力で鬼を叩き伏せた後始末の光景を、何時の間にやらやってきた和穂が呆然と見ていた。

 

 

 それに気付いた隊員達が危うくもう一度武器を構えそうになったが、一喝して宥める。

 …さて、ウタカタの里のモノノフとお見受けするが…一体、何故ここに?(見当はついてるけど)

 

 

「…え? あ、あぁ、あなたが新しくやってきた人達の頭領ね。えーっと、答える前に名乗るけど、私は和穂。ウタカタの里のお姉ちゃんよ」

 

 

 具体的には、桜花殿や大和殿よりもお姉ちゃん? 大和殿がお姉ちゃんやってる姿なんて、考えたくも無いけど。

 

 

「それは私も考えたくないわ…。ま、まぁ、色々紆余曲折とか背景とかあるけど、私は大和のお姉ちゃんでもあるわ」

 

「……どういう事でしょ?」

 

「さぁ…。でも、里のお頭を呼び捨てにして誰も咎めないって事は、単なる自称じゃないのかも…」

 

 

 背後で明日奈と神夜がヒソヒソ話しているが、その辺は後日ね。

 これはどうもご丁寧に。俺がこいつらの纏め役です。…呼び方は、若だの殿だのお頭だのお館様だの、統一されないけど…。

 

 して、繰り返しますが、何故ここに。

 

 

「何でも何も、襲ってきた連中は、私を追いかけてきた鬼達だったみたいだもの。それが、ウタカタの里にやってきた新しい人達でも、襲い掛かって害を成す? お姉ちゃんがそんな事を許せるはずないじゃない」

 

 

 俺達は、昨日里にやってきたばかりの異邦人ですが?

 

 

「関係ないわよ。里に住んでるなら、10秒前からだって私の弟分妹分よ。…モノノフってそういうものよ。私はモノノフ以前の問題だけどさ」

 

 

 …そうか。なら、機会があれば猫撫で声の媚びっ媚びな言葉でおねえちゃぁんと呼んであげよう。

 

 

「…あんたは例外。お姉ちゃんじゃなくって、初穂と呼びなさい」

 

 

 じゃあ、大和のお頭が「まってよーはつほねえー」とか言い出したら?

 

 

「……い、いまの大和でも許……許………許…っ!?」

 

「…ちょっとお頭、その辺にしておきなさい。助力に駆け付けてくれた相手で遊ぶなんて言語道断よ」

 

 

 それもそうだな。すまん、初穂、浅黄。

 …いつぞや録音したデータ、まだ残ってんだよなぁ…。再生用の機器、 ふくろ の中に残ってたかな…。

 

 

「うう…妙な物想像したおかげで、夢に出そうよ…。と、とにかく、無事だったようで良かったわ。モノノフのやり方としては、正直どうかと思ったけど」

 

 

 まぁ、タマフリどころか浄化も何もないやり方だったもんな。

 …っと、忘れてた。後始末後始末。手が空いてる奴、経文唱で鬼の死体を消しておいてくれ。

 面倒? 馬鹿言ってんじゃねえ。実戦に出たいと思う奴、さっさとやってしまえ。浄化は鬼と戦う上で必須項目だ。一人でやったらどれくらい時間がかかるのか、今のうちに体験しておくように。

 

 

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