堕陽月拾玖日目
えー、今日の事を書く前に、昨日の夜の会話を書いておく。
新しく俺に抱かれて、ヤサぐれた雰囲気が吹っ飛んだ毒の使い手・六穂。人目も憚らずに、好機と見ればメッチャ密着してきます。人によっては鬱陶しく感じる事すらあるだろう。俺はいいけどね。
公共の場では控えるのは、焦らしプレイとして納得させた。
ま、それはいつもの事として、だ。
俺は平気だと言っても、六穂が毒人間である事には変わりない。体液一つとっても、下手に触れるとそれだけで危険な劇薬だ。
そんな危険人物を、皆は…既に俺に抱かれ、複数人プレイも当然で毎晩毎晩、場合によっては日中仕事中からぬっちょんぐっちょんしている女達は受け入れられるだろうか?
「そんなの無理に決まってるよ。ぼくだって、交わってる間に毒で皆が死んだら気分悪いってもんじゃないし…。別に混ざりたいとは思わないよ。ぼくには若だけいればいいんだから」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、それはそれとして俺の目の前で女に襲われたり、襲ったりする六穂も見たいんだよね。
その辺どうなのかな、皆。と言っても、今日の夜伽担当しか居ないけど。昨晩及び昼間に楽しんだ子達は、今日はぐっすりお休みの日である。
今ここに居るのは、詩乃、神夜、雪風だ。
「毒って言われても…。例の装具を付けてれば、問題ないんじゃない?」
いや詩乃、あれ貸出する事になったんだよ。暫く、瘴気が濃い場所に潜る時間を取れそうにないから。
「むぅ、戦えないのは残念です…ですが、実際多忙極まりないので仕方ありません。…では六穂さん、聞かなければいけない事があります。正直に答えてください」
「…何さ。別に受け入れられなくてもいい、って言ってるだろ」
不貞腐れ、面倒くさくて仕方ないといった態度の六穂。
それだけ、自分の体はどうしようもないものだと諦めているのだろう。
しかし、神夜はその態度を一切顧みず、極めて真剣な表情で問うた。
「媚毒も扱う事が出来ると聞きましたが、それはつまり私達の体を超敏感にして、もっと気持ちよくなる事も可能と言う事ですか?」
「んも~、神夜さんたら何言ってるのさぁ。ただでさえ若に気絶もできないくらい気持ちよくしてもらってるのに、まだ足りないのぉ? 出来るけどぉ、多分若があれこれやってくれる方がずっと気持ちいよぉ?」
不貞腐れた言動は、即座に色ボケた。
口元に手を添え、ニヤけた笑いで語る六穂。
「充分すぎる程満足させてもらってますけどぉ、まだ先があるんだから精進しないといけない事極まりないですよぉ? 抱いてくれればくれる程気持ちよくなりますからぁ、ここで満足してたらこの人を満足させられなくなっちゃうんですよぉ」
げへへへへ、と笑う声に、えへへへへ、と同じくらい色ボケした声で返す。
そして向かい合って笑う二人の間に、猫口状態の雪風が首を突っ込む。
「じゃあ逆にー、私達の体力を増幅できる毒とかない? 体力付けば、それだけ楽しめるわよ」
「あるにはあるけどぉ、あれは疲れを麻痺させる物だからぁ、効果が切れたり素の体力が限界に達したら、すぐ動けなくなっちゃうよぉ? そだねぇ、どっちかと言うと……母乳が出るようになる毒、欲しくない?」
「「欲しい!」」
…無事受け入れられたようである。
えへへへげへへへにへへへと妙な共鳴をしている3人。
それを一歩引いて、何やら考え込んでいる詩乃。どうやら六穂を拒絶している訳ではないようだが…どうした?
「え? あ、あぁ…ちょっと気になった事が…。ねえ、六穂。楽し気なところに嫌な事を思い出させるけど、あなた、確か毒の為に子供が…」
ピタリと笑い声が止まり、また陰鬱な表情になる。躁鬱が激しいな…。
ひょっとして、これも発作の一部だろうか? …いや、昼間に抱いたばかりだから、これは多分素だな。それはそれで厄介な。
「そうだよ。それがどうしたのさ。同情なんかしてるなら、君も同じようにしちゃうよ」
「睦言の最中なら、害になるような毒は全部この人が無効化するわよ。自分だけにじゃなくて、周りの人間にも」
いきなり俺かよ。…まぁ、出来るけどさ。
で、それがどうした?
「『烙印』を使えば作り替えられるんじゃない?」
「烙印?」
「この人が使ってる術の一つで、対象の魂を取り込んで、体を好き勝手に変えられるって外法よ。他にも、離れていても召喚して睦言の相手をさせたり、魂を通して直接刺激を送ったりできる。…ちなみに、この術を掛けられる時は拷問染みた気持ちよさを味わう事になるわ」
既に詩乃も神夜も施術済みである。雪風は…施術したら、乳を大きくするべきかで議論が紛糾している為、まだやってない。
「…拷問染みた気持ちよさ………じゃなくて、若、これ本当!?」
ああ、本当だ。よくよく考えれば簡単な問題だったな…。
あ、いや待て、一つ課題があった。いくら俺の術でも、体を変えただけじゃ安定しない。徐々に元に戻ろうとする力が働く。一時的に体を変えただけじゃ、着床したとしても…。
「つまりお腹が大きくなってからも、何度も抱いて術を重ね掛けする必要がある、って事よね。妊婦に負担をかけないまぐわい方くらい、あなたなら知ってるでしょう? 大体、現在進行形で霊山の直葉を遠距離調教しているじゃない」
…そうでした。お腹が大きくなってもヤれるし、直接手を触れずオーガズムさせたり体を作り替えていく事だって出来た。
むぅ、よくよく考えてみれば、ボテ腹の相手を抱いた事は無かったな。中に注ぎ込みまくって疑似ボテ腹ならあったけど。
うん、確かに。よくよく考えれば問題なかったな。
後は時期だけだ。今は鬼を惑わす結界の作成や、安心して子供を産んだり育てたりできる状況が整ってないけど、肉体的な問題はほぼ解決だ。
それを聞いた六穂は、呆然としていた。
かと思えば、思いっきり俺と詩乃に飛び掛かってくる。
「いやっほぉぉぉお!!!! やった! 若ってば最高! 一生愛してる! ぼくは欠陥品なんかじゃない! 少なくとも若の女でいる間は! ぼくが若の元に来たのは運命だったんだ! ざまぁみろ、ぼくを改造したいかれ共! お前らなんか思惑に関係なく、ぼくは幸せになるもんね! ありがとう詩乃さん! ありがとう満点の星々よ! ぼくは今最高に興奮しているぅぅぅぅ!」
…やれやれ、話し合いをしたのが、防音結界常備のヤリ部屋で助かった。
この後、興奮した六穂の痴態に当てられた上、漏れ出した媚毒を受けてしっちゃかめっちゃかな乱交に突入したからな。
六穂の声が最高にいやらしく響き渡っていた。
その後、体感時間操作の中で六穂は限界まで頑張って媚び、気絶・絶頂で起きる・気絶・絶頂で起きる・絶頂・絶頂・気絶できない・絶頂・以下ループの経緯を経て、精根尽き果てて眠りについた。
グチャグチャドロドロになった顔は、相変わらずうへへへへとだらしない、幸せそうな笑みを浮かべていた。
日記には書いてなかったが、モノノフとして戦う事を希望する隊員は結構多い。
自分の力を試してみたい者、隊員として役に立ちたい者、戦ったり殺したりするのが好きな者、ただ鬼が嫌いな者と動機は色々。しかし、彼女達全員が浅黄の試験を受けられている訳ではない。
それぞれに割り振られた役目を疎かにする事は許されず、それらをこなし、更に自分が任務でや試験で抜けた時の穴埋めの目途が立っている者のみが試験を受けている。
浅黄の実力は圧倒的で(と言っても、精々明日奈と互角程度だが)、殆どの隊員は歯が立たなかった。
最初からある程度戦えていた、紫や権佐が特別だったんだろう。紅も合格扱いだったが、それも合否をかなり迷ったらしい。
命に係わる試験なので、採点が厳しいに越した事はない。
が、現状の基準では、殆どの隊員が不合格になってしまうのが困り者。
戦闘力だけは矢鱈高い奴が多く、浅黄が振るい落としているのは自分の能力を充分把握できてない者と、油断が過ぎる者が殆ど。紅と同じ日に試験を受けて失格とされた、凛子もその類だ。
だから、かなぁ。
自分が失格になったのが納得できない、って顔の子がチラホラいる。
ウタカタ、引いては人類は鬼と異界に追い詰められている。戦力を出し惜しみしていられる状況ではない。ならば自分達も戦うべきだ。
戦う力だけなら、下手なモノノフよりも強い。彼らが前線で戦っているのに、どうして自分達はそこに向かう事を許されないのか。
……強いだけで任務を受けられると思ってる辺りが、失格になる原因なんだけど…。
合格して任務を受ける子にだけ、その辺の教育をするってのが間違いだったか。
試験を受ける前にこそ、これを教え込んでいかなければならない。幸い、数少ない合格者は、実戦に出た事もありそれをしっかり理解できているから、彼女達を教官役として回せばいいだろう。無論、適正の問題はあるが。
ともかく、早い内に手を打っておかないと、面倒な事になりかねない。
反乱とは言わないまでも、どうして自分達は失格なのかと押しかけてきたり、浅黄に無用な苛立ちが向かうかもしれない。
試験で浅黄に勝てた奴はまだ一人も出ておらず、実力を証明し続けている…と言う事で今のところ不満は吹き出てないが…。
ウタカタのモノノフへの支援も間に合っているとは言えないし、合格基準を緩和……は望ましくないから、研修を事前に受ける事を義務付けますか。
さて話は変わるが、昨日の大和のお頭との話し合いで、囮作戦を計画している事が知らされた。
ああ、あったあった。ストーリーだとクエヤマが掛ったっけな。あいつはどうにも、鬼達の中でも残念な子扱いだったみたいだが。
尤も、まだ確定した話ではなくて、有効な戦略開発の一環でしかない。
囮作戦自体は、長いモノノフと鬼の戦いの歴史で、何度も活用されている作戦だ。その有用さは語るまでもない。
では今回、一体何を改めて開発しようとしているのか。
それは神垣の巫女の戦略的活用である。…これは、今までのループではなかった試し…いや、鬼達の指揮官を探る為、鬼を呼び込み、そいつを元にして千里眼の術を使ってたな。それの発展形だ。
定期的に使用する事で、鬼の戦略的な目的・集まっている数などを看破したり、
通常、神垣の巫女の力は里の結界を張る事にのみ使用される。他の事を行えばそれだけ負担がかかり、里の防衛力が下がるのだから、当たり前と言えば当たり前の話だ。巫女本人の寿命も縮みかねない。
しかし、ストーリーでも行ったように千里眼の術、シノノメの里で歴代神垣の巫女が行ったような転移の術等、便利な術は非常に多い。
多少の負担がかかっても、鬼達の勢いを効率的に削ぐ事ができるのであれば、そちらを取るべきなのではないか?
…と、当の神垣の巫女が言い出したらしい。更なる喧嘩の元になると考え、桜花には知らされてないが。
…これも、橘花が自分で自分の道を切り開こうと…ひいてはモノノフ達の助けになろうと考え始めた結果なんだろう。
大和のお頭としては、非常に判断に困る事だ。
橘花の自発的な意思を無下にするのは心苦しい。
しかし神垣の巫女に負担をかけすぎたり、結界を張る役目が疎かになっては本末転倒。
そして何よりも、鬼達の情報を通して、今まで踏み込んでいない異界の情報が手に入るかもしれない。
もしもそれで異界浄化に繋がるのであれば、千里眼を数回使うだけで、後の負担を物凄く軽減する事が出来る。里に一番近い異界を浄化すれば、そこから鬼が襲ってくる頻度は大幅に減るのだから。結界の強度をある程度落としても問題ないくらいになれば、間違いないく橘花の負担は劇的に軽くなる。
…色々御託を並べたが、要するに橘花が自発的に何かしたいと考え始め、そのメリットが異界浄化への手掛かり、鬼の新たな情報、上手く行けば神垣の巫女の負担軽減。デメリットが橘花の負担が一時的に増える…と、こういう事だ。
個人的には、やらない理由はない。橘花自らが言い出した事だし、あまり頻繁に行わなければ負担も誤差の範囲だ。
そもそも最悪の場合、橘花の純潔を対価としてオカルト版真言立川流でパワーアップさせるという手もあるし。…口にするだけで桜花がプッツンしそうなので、これについては何も言ってない。
いずれにせよ、これに関しては俺はこれ以上口出しを控えた方がよさそうだ。
いくら里の一員として扱われているとは言え、新参者、やってきたばかりの余所者である事には変わりない。神垣の巫女の扱いや、里の方針について嘴を突っ込める程の信用を得ているとは、とても言えない。
ただでさえ橘花を唆したようなものなのだから、これ以上引っ掻き回すのは不審感を煽りかねない。
巫女の力を使うかどうかはともかく、囮作戦は近い内に実行されるだろう。その為の人員を選別しておかないとな。
と思っていたのだが、ちと問題が発生した。
うちの子達も徐々に任務に参加し始めている訳だが、当然そうなると大なり小なり戦闘が発生する。一緒に行動しているウタカタのモノノフによる助力もあり、特に問題なく対応できている。戦う必要が無いから避けて通る、という選択に強い不満を示す者も居るようだが、今問題としているのはそこではない。
滅鬼隊員達は、一定期間主となる者の声を聞いたり、触れたりするなどのスキンシップが無いと、精神的に不安定になってしまう。
強いストレスを受けたり、タマフリを何度も使ったりすれば、その期間は急激に短くなる。どう考えても安全装置を通り越して欠陥として作動しているな…。
先日、巡回に出た紅が、トラブルに会って帰還が長引いた。本来であれば数時間、長くても半日で終わる巡回だったのが、鬼との遭遇、逸れたモノノフの捜索、更に発見した時にモノノフを食おうとしていた鬼との戦闘、異界の中で道に迷いかけると、アクシデントにアクシデントが重なり、丸一日戻ってくることができなかったのだ。
幸い、異界と言ってもそう濃い場所ではなかったので活動限界時間も長く、大事に至る前に帰還できた。
捜索の為の班が、丁度出発する瞬間に戻ってきていたな。無事で何よりと暖かく迎えられてはいたが、それはそれとして人員を集める手間は無駄になった。まぁ良い事だが。
あと、無事に帰って来た紅はと言うと、「自分がついていながらこんな事に」「本来の力を使っていれば、こんな危険は…」と思い詰めていた。そこまで気にせんでもよかろうに…。
とは言え、もし万が一の事があった時(万が一どころか、実際には頻繁にある話だが)、自分は手を抜いていたとあれば、そりゃ悔いも生じるだろう。
更に言うなら、戦闘等によって精神的負荷がかかり、情緒不安定になった為かいつもよりも自虐的になっていた。
紅の個人的な問題…自分の力とやらを忌み嫌っているのは後々対処するとして、直近のもっと大きな問題に目を向けるとしよう。
すなわち、隊員達の安定性だ。これを後回しにしていた俺も大した大馬鹿者である。俺に近い場所、普段から平穏に暮らせている環境に居る間はともかく、戦場での心理的負荷を考慮に入れていなかった。
不安定な兵士兵器なんぞ、不発弾と変わらない。
つまり、ウタカタモノノフの増援として扱いながらも、その実いつ爆発するか分からない爆弾を持たせて任務に向かわせていたと言う事だね。詰め腹切っても許されんわ。
男組は、割と安定してんだけどな…。それも日頃からちょくちょく話をしているからだろうか?
ともかく、このままでは隊員達を任務に就かせる事はできない。
どうにかせねば…。
「若様、解決の方法はそう難しくないと思われますが」
む、災禍。どういう事だ?
「任務に出る前に、若様のお情けを恵んでやればいいだけです」
ぱーどん?
「ぱぁどん、とは? 時間がかかるから断る、という意味でしょうか?」
いや何言ってるのか理解できなかった、って意味だが。
と言うか本気で何言ってるの。
「非常に簡単な理屈ですが…。私も含め、隊員達の精神安定に何よりも必要なのは、若様との触れ合いです。言葉、体による接触こそが私達を安定させます。それは若様もご存知の筈」
そりゃ、ね。ウタカタに向かってくる途中、狂乱寸前にまでなっていた まり が俺の言葉一つであっという間に落ち着いたからなぁ…。
あれで隊員達の不安定さと俺の言葉の効果を実感したものだ。
他にも、内面がグッチャグッチャ状態だった不知火も、思っていたよりスムーズに落ち着けられたし。
「より強く濃密な接触であればある程、私達は安定するようです。ならば、任務に出る前に可能な限り安定性を高めてから出撃させればいい。…不知火や雪風、詩乃さんの言によれば、若様と睦みあった後、胎の中に精が残っているのを感じるだけでも、強い安心感を得る事ができるそうです。任務に向かう隊員に情けを仕込んでやれば、長時間の安定が期待できます。幸い、若様には例の、体感時間操作という術があります。これを使えば、手間はおかけする事になりますが時間の消費は少なくて済むでしょう」
お、おう…。いや女の子抱くのは趣味を通り越して生き甲斐だし、手間がかかるとかそういう事は考えないけど。
要するに、女の隊員は任務に行く前に俺に抱かれる事を義務付けるのか。
オカルト版真言立川流は強化効力もあるから、戦力増強にも繋がる。
外聞さえどうにかすれば、問題らしい問題は全く無い。
「外聞も問題ありません。若様に抱いていただけるとあらば、皆喜んで体を差し出すでしょう。それはあくまで本人の意思によるものであり、明文化された義務とはしません」
暗黙の了解、という奴か。腐敗の温床になりそうだな…。
と言うか、まるでアイドルをプロデュースする為に枕営業させてるみたいじゃないか。……GE世界で限りなく似たような事やってたな。
「強制も明文化も必要ありません。ただ、任に出るモノノフに『望むのであれば、若様に愛でていただける』と囁くだけでいい。他者に知れ渡ればそれも出来なくなると理解させておけば、秘密の漏洩もありません」
いやそれは漏洩するよ。どれだけ狂信的に秘密を守ったとしても、何処かから漏れるし、誰かが察する。同じ事を何度も続けるのであれば、猶更。
しかし、現状じゃ確かにそれ以上の方法は無いな…。
滅鬼隊の安全装置を取り除くとしても、一人一人抱いていかなきゃならないし。
うーん…。
分かった。災禍の案を採用しよう。ただし、本当に俺との行為を希望する場合のみだ。
「その場合、不安定な状態のまま任務に向かわせる事になりますが?」
む…抱かないと安定させられないって訳じゃないんだ。要するに俺の残滓を感じる状態であればいい。
直接一対一で言葉を交わして、それを繰り返し思い出させるとか、霊力を体に流し込んでおくとか、やりようは色々ある。
「…そうですね。ですが、それはあくまで若様に抱かれる事を拒否した場合の対応である事をお忘れなく。効率で言えば、やはり若様の情けを恵むのが最高です」
あぁ……? なんか俺が怒られてるみたいな言い方になってないか?
まぁいいけどさ…。と言うか、災禍。
「はっ」
災禍は誰も拒もうとしないと考えているようだが、そーいうお前はどうなんだ?
「…無論、若様が求めるのであれば、どのような事でもさせていただきます」
一瞬の沈黙の間に、災禍の目は俺の股間を凝視していた。
うん、これ確実に本気だわ。自分も何でもするつもりだし、誰一人拒まないと本気で考えてるわ。
元々、書類仕事中に机の下で詩野に奉仕させてる時とかも、鉄面皮を装いながら耳を澄ましていたからな。ムッツリさんであった。……いや、なんか違うな。こう、奉仕したい衝動を抑えていると言うか…。
災禍は秘書だし、求められてもいないのにでしゃばる訳にはいかない、とでも思っていたんだろうか?
まぁ、何にせよ。
ここまできて「やっぱり無し」は、俺にも災禍にも酷だろう。
目で「若様を甘やかしたい」と全力で主張している事だし、存分に堪能させていただきますかね。