大画面で最初からやってるぜー!
…こうして見ると、ナナの服ってスゲェ…。
神喰月悪事は狂走薬を使ったかの如く千里を走る日
ふと思ったが、カノンが誤射をしなくなったら五車多が上田に戻ってしまうな。
この名前の為か、今のところ上田するイベントは無い。
…五車多の安全の為にも、「五車多だけは撃っていい」と刷り込むべきだろうか?
まぁ、さすがにじょうだんだが。
にっきでのよびかたひとつで、うえだしなくなるわけないじゃない。
いちおうりあるではえりっくせんぱいとよんでいるのに。
…いや、上田ならまだしも五車多を広めるのは流石にねぇ…カノンも傷つくし。
それはともかく、アリサ来日…したらしい。
予想通りリンドウさん預かりになり、ツンケンした雰囲気を振り撒いているとか。
カノンも一度会ったが、「旧型は旧型なりの仕事をしていればいいと思います」なんて例のセリフを言われたとか。
……相手がアリサとは言え、俺も可愛がっている部下にそんな事を言われて黙っているほど温厚ではないが……この場合は言う事はただ一つ。
遠からず一緒にミッションに行くから、とびっきりの誤射を覚悟しておくように。
さて、それじゃ汚っさんの歓迎の準備に行きますか…あの世への歓迎だけど。
神喰月人の口に戸が立てられないので始末する日
小細工完了。
後は汚っさんの来日を待つばかり。
それはともかく、やはりリンドウさんもアリサには手を焼きそうだと思っていたらしい。
鼻っ柱を叩き折ると言うか、インパクトの強い一発を考えていたようだ。
新入りの顔合わせという建前で、カノンを連れて合同ミッションを提案したら、イイ笑顔でOKをくれた。
きっと俺の笑顔も結構なものだっただろう。
はっはっは、極東支部は魔窟だぜ?
その洗礼を受けるがいいわ。
神喰月クルペッコも鳴かずば撃たれ…いややっぱ撃たれる日
明日は合同ミッションだ。
それはいいんだが、なんかアリサが突っかかってきた。
…なんちゅーか、子猫がピィピィ鳴いてるようにしか見えない。
アリサ的には同じ新型使いの俺にライバル心を燃やしていたようなのだが、生暖かい目で眺められているのに気付いたのか、捨てセリフを吐いて逃げていった。
アリサの新たな弄り方を見つけた瞬間である。
喜ばしい事だ。
ま、それも相応の実力差があってこそ、か。
以前アリサが部下になった時にはわざわざ心をヘシ折らなければならなかったが、今は誘導するなり迫力一つで動かすなり、どうとでも出来る。
…相手が、強がってて新型使いとは言えルーキー以外の何者でもないからな。
これだけ長くハンターやってれば、それくらい出来て当たり前なのだが。
ところで、以前に話した開発グループの人達が何人か話しに来ている。
無論、杭君にご執心の例の整備者もだ。
今日来た人は、オラクルリザーブ…GE2のブラストの機能を研究している人らしい。
新型神機のデータを取らせてほしい、という事だったんで、少しばかり付き合った。
「理論上は…イケる!」と言ってたから、案外近いうちにオラクルリザーブが解禁されるかもしれない。
……仮に解禁されたとして、カノンに教えるかどうかが問題だな。
俺は……一層強く暗示を仕込んでおけば大丈夫だと思うが、流石に他の皆が不憫だし…。
まぁいいか、教えちゃえ。
それよりも、次のループに備えてその技術のデータを貰っておきたいな。
何か進歩があるか、形になったら教えてくれ…と言ったところ、渋い顔をされた。
どうも、自分の成果を掠め取られるんじゃないか?と思ったようだった。
心外だし、そもそもデータだけあっても理解できる頭は無いが……無理も無いといえば無理もないか?
特許が出れば、モノによってはセレブの仲間入りが出来るらしいし。
そう考えると、ほいほいデータを見せてくれるリッカさんや研究員達の方がおかしいんだろうか。
いくら共同研究者とかに当たるとは言え…。
神喰月リオレウスの威を借ろうとするミラボレアス、人呼んで黒レイア日
リンドウさんとアリサの合同任務の日だった。
アリサは相変わらず相手を選ばずツンケンしているようだが、俺には苦手意識があるらしい。
生暖かい目がそんなにイヤか。
そしてミッションに出かけていく俺達を、コウタが念仏を唱えながら見送り、五車多が十字を切り、ソーマが目元を伏せて見送っていた。
見送られるアリサはワケが分からないようで、「極東っておかしい…」とこっそり呟いていた。
無論、その言葉が半日ほど後で、全く違う意味で繰り返されたのは言うまでも無い。
要するに『洗礼』を受けたわけだ、モロに。
リンドウさんの「空を見て、動物に似た雲を探せ」は別にいい。
開始早々、「私が一番上手くアラガミを狩れるんだ!」とばかりに切りかかっていくのも、別に構わない。
その後、ブライトさんばりの修正パンチが入っただけだから。
実際に入ったのは、修正パンチどころじゃなかったが。
言うまでもなく、誤射直撃である。
ナニが何だか分からないアリサを他所に、ドゥンドゥン撃ちまくるカノン。
若干遠い目をしつつも、カノンの射線上に入らずアラガミを狩るリンドウさん。
何故か誤射されない俺。
そして何故か誰もカノンの凶行に何も言わない。
アリサが混乱しているうちに、一度目の狩りは終わってしまった。
アリサが混乱から立ち直って(至極最もな)苦情を言う前に、次の戦闘へ。
裏モードのままのカノンが(ガンナーなのに)戦闘きって突っ込んでいき、俺がフォロー。
リンドウさんは相変わらず誤射を受けてないのは流石である。
そして同じように斬りかかるべきか躊躇したアリサに、流れ弾が。
まぁ、しっかり避けてたが。
更に3回連戦して、ようやく裏カノン様が引っ込んだのを見て、アリサは戦々恐々していた。
まぁ、以前に色々言われたお返しといわんばかりに、誤射で片付けていいのかと言いたくなるくらい誤射っていたからな。
しかもアリサがギリギリ対処できるか出来ないかのラインを狙って。
誤射を食らって、余裕で避けられた筈のアラガミの攻撃に冷や汗かいたのは、一度や二度ではないだろう。
おかげで裏表問わず、カノンの神機の方針が自分の方に向くと、即座に回避体勢に入ってしまうようになった。
と言うか、コレ普通に新人イビリの領域じゃなかろうか…。
でも構わずに連戦連戦。
敵との戦いと味方からの誤射の警戒に、アリサもあっという間に疲弊してしまった。
「ちょ、ちょっと、何処まで連戦するつもりなんです!
任務はもう終わっているでしょう!?」
「いや、幾つか纏めてミッション受けてきたから。
4人揃ってるし2人は新型だし、15戦くらいは軽いって」
「隊長が行くなら、私も行くよ。
全部打ち抜いてあげる!」(←裏カノンのセリフです)
「まぁ、普通じゃないがやってやれない事はないな」(←余裕でタバコふかしてるリンドウさん)
そして絶句しているアリサに俺から一言。
「こんなもん、極東支部では日常茶飯事だぞ」
特に俺の班ではな。
…アリサに続けて声をかけたリンドウさん曰く、
「真に受けるな。
ここまでイカレてるのはこいつらだけだ。
頭がおかしくなるだけだぞ」
カノンの誤射を平然と避けながら、サソリをバラバラにしてたアンタが言う事ですかね、リンドウさん。
…にしても、大分腕をあげたつもりだったが、リンドウさんにはまだ及ばないな。
そこそこ食いつけるくらいには、力量差は縮まっていそうだが。
「極東っておかしい…」
うん、狂いでもしないとやってけないトコだからね!
でもそこは「ドン引きです…」にしてほしかったかな!
神喰月狂気の沙汰も金次第、できれば血液も日
アリサのツンケンが大分和らいだようだ。
丸くなったと言うよりは、「コイツもイカれてる人種なんだろうか?」と考えて、あまり強気に出れなくなっているっぽい。
まぁ、実際イカレた奴はおおいからな。
守銭奴も居れば、生死の緊張感を楽しむスナイパーも居るし、乱立する死亡フラグを平然とへし折る猛者は居るし。
…その死亡フラグをヘシ折る奴を見て、「平凡な人って、こんなに安心するんだ…」なんて呟いていたが。
そいつが平凡かどうかは意見の分かれるトコロだぞ。
将来は隊長クラスまで上り詰めるしな。
まぁ、当のアリサだって下乳担当ストッキング担当くぎゅぅぅぅじゃないけどツンデレ担当と、結構な変人具合なんだが。
尚、露出狂疑惑はこの世界では珍しく無いのでカウントしていない。
色々とアリサを意図的に凹ませたが、どっちにしろこうなるのは時間の問題だったと思う。
それくらい、新入りであるアリサとベテランメンバーとの差は大きいし、極東支部は変人だらけだ。
ちなみに個人的には、変人筆頭は榊博士だと思っている。
それはそれとして、明日は汚っさんの来日予定日だ。
特にアクシデントも無し、既に準備も整っている。
明日は公休日なので、こっそり抜け出しても文句は言われない。
もし問い詰められたら、「ヒマだからアラガミ狩ってきた」と言えば厳重注意と減給くらいで済むだろう。
実際、暗殺の帰りに適当に狩ってくるつもりだし。
あー、でもいつもより軽めにしとくかな。
初めて直接人を殺す事で、精神的にブレが出ないとも限らない。
さて、どうなる事やら。
神喰月他人のフリ見て我が乙笑え日
ササッと抜け出したが、その直前にカノンが俺の部屋の前でウロウロしていたのを見かけた。
冬眠前のクマみたい…というのはちょっと悪いか。
おめかししてたんで、どうもデートか何かのお誘いだったようだが……悪い事をしたかな。
あとチラッと見えたブラの色からして、中身もかなりオトナ仕様っぽかった。
…残念だが、今回ばかりは付き合えん。
ついでにアリサの様子もちょっと見てきたが……まぁ、こっちは大丈夫そうだ。
何処にイカレた変人が潜んでいるのかとビビっている節はあるが、結果的には人間的に丸くなったように見えるらしい。
今までの悪い態度の蓄積がある分、あまりいい感情は向けられて無いようだが、これ以上悪化もしそうにない。
それはそれで自分が取るべき態度に悩んでいるようだが。
「オオグルマ先生に相談したい…」とか呟いているのが聞こえた。
…アリサの反応を考えると、ちょっと刃が鈍るかな…多少鈍っても、即死しなくなるだけで結果は変わらないが。
さて、そろそろ出発するとしよう。
懺悔は聞かないししないよ、汚っさん。
神喰月恋は思案の外、狩りは思案が8割咄嗟が2割日
ミッション成功。
流石に多くを語る気にはならない。
実際、特別な事をした訳ではない。
それこそ某ゲームのアサシンがするように、すれ違い様にトスッとやって歩いて帰ったような感覚だった。
帰り際の狩りでも、特に精神の乱れは見えなかった。
でも夢に出た。
イヤな笑顔で出てきやがったからまたサクッとやったが、何度か夜中に起きる事になってしまった。
カノンのところにでも行こうかな?と考えたが、今から行ってもヤるくらいしかスる事が無い。
昼間はロマンチックなデートを求めてきたのを空振りさせといて、ストレス発散の相手だけさせると言うのは幾らなんでも不誠実が過ぎる。
弱すぎる酒を飲んで、酔った気分になって無理矢理眠った。
と言うかハンター式睡眠法を繰り返して朝を待った。
にしても、意外と動揺してたのかね?
狩りの時に精神的に乱れが感じられなかったのは事実だし、夢以外に
夢?
もしやと思って、久々にのっぺらミタマを意識してみる。
のっぺら顔に墨で汚ッサンの顔書いてやがった。
そしておちょくるように踊ってやがる。
物理的に殴れないのがホントに…・・・!
夢の中で刺したのに全くダメージも見られないから、多分アレは本当に単なる夢だったんだろう。
こいつらが切欠だっただけで。
俺を慰めるとかストレス発散させようとか、そんな意味があってやって『いない』のはこれ以上無いほど確信がある。
…ここの所考えてなかったが、こいつら本当に何なのだろうか?
いつも俺の中に居るんだから無理も無いといえば無理もないが、とにかくやりたい放題、何が起きようと他人事。
物理的に何かをするだけの力は無くて、本人達に出来る事と言えば限定された場所(つまり俺の中)での無言の意思表示のみ。
そしてただ只管にウザい。
…うーん、なんだこのカンジ……どっかでそんな奴と付き合いがあったような…。
何処かで……そうだ、多分ずーっと会ってない。
仮に思い出せたとしても、そいつがどうしてのっぺらトリオになってるかって疑問も出るが。
まぁいいや。
結局、人間一人を直接手にかけておきながら、俺は本当は殆ど動揺してなかったって事だ。
人としてどうかと思うが、今更だな。
何度も死にながら生きている時点で、俺は狂ってるワケだし。
特に討鬼伝世界の時は色に狂ってたし。
狂ってる方が楽しい事もある。
神喰月トコロ変われば弱点も攻撃方法も変わる日
アリサがラウンジで凹んでいた。
今度はサクヤさんとの女子力の差でも見せ付けられたか?と思っていたら、原因は俺と言うか汚っさんだった。
うん、この前暗殺したしね。
後始末もしといたから、アラガミに襲われたって事になってるが…そりゃ落ち込むわ。
実態はともかく、アリサにとっては信頼できるドクターだった。
「相談したい」なんてボヤいたしな………魔窟での人間関係を相談されて、どんな反応をするのか見てみたかったが。
さて、どうしたもんか。
アリサがこのままなのは…まぁ、別に不都合は無い。
言っちゃなんだが、死人なんぞ出て当然の世の中だ。
放っておいても、影は残るが立ち直るだろう。
傷心に付け込んで、いいようにする?
…それはアカンやろ。
殺人付きマッチポンプとか最悪ってレベルじゃない。
もしもバレたら……いや、それについては汚っさんの所業を調べて、バレるまでに暴露してしまえばいいか。
ショックは受けるだろうが、その辺は更に傷心に付け込んでどうにかする。
それよりもカノンと二股になってしまうのが問題だ。
今でさえ、表カノン裏カノンと考えると、ある意味二股状態なのに。
討鬼伝世界と同じ徹は踏まない。
とは言え、完全に放置しておくのも不人情な話。
まだ人間関係の修復もできてないようだから、気にかけてくれるのなんてリンドウさんくらいだしな。
ちなみにそのリンドウさんは、自室で酒を飲んでいるようだ。
サクヤさんが向かうのを見たから、多分今日はオタノシミだろう。
…まぁ、狩りに誘うくらいはいいだろう。
カノンにまだ怯えてるようだけど。
神喰月乙らぬ先のモドリ玉日
アリサを巻き込み、何度かミッションをこなした。
その度に誤射に晒され、同様に誤射られる五車多とソーマの間に妙な友情が芽生えたような気がするがどうでもいい。
そして俺だけ誤射されてないので、「こっちから!」とばかりに何度か流れ弾が飛んできたが、ショートソードで適当に弾いたからやっぱりどうでもいい。
ちなみに五車多は、アリサに対して悪感情を持っていないようだ。
ツンケンしていた頃には顔を合わせてなかったようだし、変人に怯えるようになってからは……うん、まぁ、体中にイレズミしてる見た目からして変人だからな。
悪態もつけなかったらしい。
ソーマに至っては、アリサが何を言っても無視しているシーンしか想像できん。
まぁ、誤射という名の絆で結ばれている今となっては、ワリと普通に口を利いているようだが。
さて、それはそれとして、ソーマから「アリサの様子がおかしい…お前が目をつけとけ」と言われた。
意外とお気遣いの紳士している。
でも具体的な事は何も言わなかったんで、五車多に話を聞いてみると、アラガミとの戦いの最中に、不自然な動きと言うか表情と言うか……妙なタイミングで体が強張っていたりするらしい。
むしろ、アラガミとの戦いが終わり、「私、今日、誤射が少なかった気がします!」「えー……」「いやいや、ないよ…」「ヘヴィだぜ…」とかそういう会話の最中にもふっと不安定な様子を見せるとか。
班長と言うか隊長の俺も、狩りの中で唐突に硬直するのは気づいてはいたが……てっきり誤射を警戒してのものだと思っていた。
しかし戦いが終わった後でも、となると話は違ってくる。
……なんかイヤな予感がするな。
暫く様子を見るか…。
カノンに相談してみるか?
いやでもこれからデートだし、その最中に深刻かつ他の女の話題を出すのはな…。
別に今からでなくてもいいか。
と言うかカノンから有効な情報を得られる気がしない。
神喰月一狩り終わった即乱入、狩ったら狩ったでまた乱入日
カノンは色々勉強していたらしい。
…18歳以下の筈だが、HowTo本とか何処から手に入れたのやら。
ま、それは何時何処の時代でも、禁止されていても流通はあるわな。
躾けついでに色々仕込んでいくつもりだったが、自分で勉強してるんならもうちょっと好きにさせてみる。
それはそれとして、アリサの様子が更におかしくなってきた。
医者からは特に異常は無いと診断されたようだし、念のために見れる範囲でカルテも見せてもらったんだが……。
討鬼伝世界で速鳥から聞いた洗脳誘導その他の方法の中に、同じような症状が出る手法があった。
肉体的に異常は無いが、あからさまに精神的に不安定になる。
つまり依存対象の喪失、並びに封じ込めていた恐怖や罪悪感などのタガが緩む事による、得体の知れない圧迫感。
速鳥から聞いた手法では、対象を依存させて利用するだけ利用し、後は放置すれば勝手に精神的な平衡を欠いて自滅する、効率的だが邪法の術…という話だったか。
…これらを考えると……成程。
汚っさんの洗脳は、アリサを思い通りに操る為だけでなく、アラガミへのトラウマや恐怖を抑え込む為のモノでもあったんだろう。
それを繰り返しかけられる事によって、アリサはトラウマを気にせず戦えるようになっていた。
考えてみれば、幼いアリサの目の前で、親を食い殺したのは黒爺猫…だが、アラガミ全体に恐怖を抱いてもおかしくはない。
で、その感情を抑えていた暗示がかけられなくなった為、トラウマが徐々に復活しだしている。
戦いの最中に、前後に体が強張るのはその為だろう。
本人に自覚があるかは分からないが。
どうすっかな…汚っさん殺っちゃったから、もうどうやって暗示をかけてたのか分からない。
カノンと同じように物で釣って意識を誘導できればいいんだが、アリサにはこれと言って釣れるような物が無いんだよな…。
神喰月ハンターは食わねば楊枝せぬ日
アリサも自分の不調を自覚して、焦っているようだ。
簡単な任務だったが、何度か一人で出撃し、体が強張るのをどうにかしようとしているみたいだ。
が、恐らくそれは逆効果だ。
汚っさんにかけられた暗示が解けかけている今、アラガミに繰り返し出会う事は、より強くトラウマを想起させてしまうだけ。
緩みかけている恐怖や悲しみのタガが、一層外れやすくなってしまう。
暗示によってトラウマが抑え込まれていたアリサは、それによる感情や恐慌と向き合った事が殆ど無いんだろう。
暗示をかけられる間、映像や音声で何度も見せ付けられていたらしいが、殆ど意識を持たないままでは慣れもしないし心構えだってできやしない。
むしろ汚っさんは、暗示をかけやすくする為に、トラウマを意識させないように誘導していたんだろう。
とにかく、アリサがやっている事は、時期尚早が過ぎる。
トラウマと同じ状況にあえて身を置く事で、「もう同じ事が起こっても大丈夫なんだ」と認識していく治療法もあるらしいが、現状ではとても「大丈夫」とは言えない。
これからトラウマの発露がどんどん酷くなる可能性だってあるのだ。
最低限、体が強張った時のフォロー役が要る。
そう言えば、支部長はどう考えているんだろうか?
アリサを呼び寄せたのは、リンドウさんの暗殺の為だと思っていたんだが……でも考えてみれば、その為にわざわざ貴重な新型をロシアからぶん奪ってくるか?
何かしらの裏取引があったんだと思うが…。
ひょっとして、汚っさんを呼び寄せる方がメインだった?
手駒として使える汚っさんの傍に、暗殺に使えそうなアリサが居て、渡りに船だったとか?
どっちにしろ、アリサコントロールの要だった汚っさんが居ない以上、暗殺には別の方法を取ってくる可能性がある。
警戒しておかないと…。
神喰月ショウグンギザミの耳に念仏日
アリサが日に日にヤバくなっていく。
一目見て分かるくらいの絶不調だ。
とりあえず捕まえて、一人で任務に行くなと何度も言った。
が、アリサの所属は俺の隊とは違う。
俺に指揮権なんぞある筈が無い。
アリサは相当焦っているようで、聞く耳持たずといった感じだった。
なので、フォローに着くようにカノンに命じた。
ようやく大人しくなった。
カノンはアリサの反応に涙目になっていたが、誤射の記憶が殆ど無いので手のつけようが無い。
真面目な話、アリサもカノンもこのまま放置しておく訳にはいかない。
カノンはこのままR-18から躾けていけばいいとして、アリサはまず自分の現状を把握させなければ、トラウマ克服も見込めそうに無い。
メンタルケアのやり方なんてサッパリ分からないが…元々人間の精神なんて、何が切欠でどうなるか、全く分からんしなぁ…。
それでも「あれは厳禁」「これは致命的」「そっちは微妙」なんて指標があるだけでも随分助かるんだが。
今ひとつ不安だが、速鳥仕込みの誘導術を参考にして、逆算でやってみるしかないか…。
とは言え、ケアするにしても相手に話す気がなければどうにもならん。
本当の医者とかであれば、焦らずじっくりと、患者が話す気になるまで待つんだろうが……それをやっていたら、まず間違いなくアリサは死ぬ。
今でさえ、ザコのアラガミと戦うのが精一杯なくらいなのだ。
中型が…或いはヴァジュラタイプが乱入でもしてきたら、逃げる事もできずに死ぬ未来しか見えない。
…今の記述でフラグが立ったな。
暫くは、出勤前はGE2RB、終わった後は執筆になりそうです。
更新が遅れると思いますが、ご容赦ください。