※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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改めてみると、ソードマスターの足捌き体捌きがバケモノすぎる。
実装されたらブシドースタイルを鼻で笑うレベル。
最低限の動きだけで野獣の攻撃を全て避けるって何ですか。
ウチのSSの色ボケは勿論、レジェンドラスタのキースさん以上の腕前…という脳内設定。


第482話

 

 

 

堕陽月弐拾参日目

 

 

 

 いやはや、昨日は実に楽しかった。色んな意味で楽しかった。

 子供達があれこれ工夫して、力を合わせて挑んでくるっていいなぁ。微笑ましすぎて、こっそりアラガミ化しちゃったよ。…最後だけね。

 

 結局のところ、勝負は俺の勝利で終わった。

 どんどん激しくなってくる襲撃や罠、抵抗を乗り越えて目標地点へ。張り倒した凛子凛花も合流し、何度も挑んできた。

 最後なんて、スクラム組んだ皆と正面切っての押し合いだ。アラガミ化したのはこの時ね。

 

 何と言うか…マホロバの里で暴れた時のような、無双気分じゃないな。もっとこう、重厚感溢れる戦いだったと言うか…。

 なんだろ、すっごくよく分かる、身近な例がある気がするんだけど。

 

 

 

 

 あ、そうか。

 

 

 

 

 気分はフロンティアG級ラオシャンロン。ただし相手は上位ハンター。

 

 

 

 

 

 ……狂走ラオシャンロンしたら、どんな事になってたかなぁ。…それじゃあっさり終わってつまらんな。

 いやぁ、群がってくるハンターもといモノノフ達を移動ついでに沈め、障害物をぶっ壊して進む姿は、自分で言うのも何だけどラオシャンロンそっくりだ。地響きを鳴らせばもっと良かったけど、流石にそれは近所迷惑。

 

 まぁ、あの子達がやった事も、近所迷惑だったろうけどね。敗北のペナルティとして、今はその片付け中だ。元々、自分がやった事は自分で片付けるって最初に言っておいたし。

 一番近所迷惑かつ、印象に残ったのはアレだな。

 

 

 進行ルートに壁を作って、ぶっ壊したら土石流が……いや、一つ一つ語って行こうか。

 まずは、凛子凛花を退けた後の事。

 最初は数で攻めれば何とかできると思ったのか、単純に4人組で襲ってきた。殆どが滅鬼隊員で、ウタカタのモノノフは数える程度。

 連携も何もあったものではなく、ただ単純に襲い掛かってくるだけ…だったのも束の間。それぞれ分担を決めて動くようになってきた。

 戦術にウタカタの面影があったから、多分最初に様子見していたウタカタのモノノフ達が提案したんだろう。

 

 アタッカーのみだったり、囮役を入れたり、一撃離脱に専念したりと、練度は低いが色々試しているのが見て取れた。

 が、それで負けてやるほど俺も甘くない。適当にあしらったり、わざと攻撃を受けても微動だにしなかったりと、効きませんアピールを繰り返した。

 

 すると今度は罠を使い始めた。落とし穴を初めとし、糸を切ったら飛んでくる矢とか棘付きの泥玉とか、毒煙、目晦ましからの集団投擲、その他諸々。

 この辺のやり方は、モノノフっぽくないから…多分、うちの子達の一部の発案だろう。イタズラ好きな子が結構いるからね。

 

 道の半分を超えた辺りから、なりふり構わなくなってきた。

 幻術を使って進行方向を規定進路外に誘導しようとしたり、壁を作って道一面を塞いだり、段差を設けてそこから飛び降りさせ、落下速度で一定以上の速度になる事を狙ったり。

 でっかい穴を掘って、飛び越えなければ進めないって状況を作ったりもしてたな。鬼の手使ってゆっくり空中移動しました。

 

 そして、一番印象に残った策。さっき少し書いたけど、大きめの壁を作り、道を塞いだ。昇るのがちょっと手間なくらい大きな壁だ。

 壁自体は二度目だったから、またか…と思ったんだが、水音がして気が付いた。それは壁ではなく……いや壁ではあるんだけど、貯水池だ。壁の向こうに、大量の水が渦巻いている。

 土は土遁、水は水遁のタマフリで用意したんだろう。この短時間でよくもまぁ…。

 ぶっ壊したら洪水に見舞われるのは確実。流石にどうしたものかと悩んだのだが、俺がどうこうする前に壁が自壊した…いや、多分遠隔操作の土遁で何かやったんだろうな。

 真正面から鉄砲水を喰らう事になりました。

 地面に神機突き立てて踏ん張ったけど、あれはヤバかったなー。押し流されてたら、ルート外に出る上に速度違反で敗北確定だった。

 

 

 

 

 …実を言うと一番ヤバかったのは、進路の外から誘惑された時だったんだけどな…。

 「ねえ、ここでしようよ」ってくぱぁされた時は、思わず足がそっちに向かってしまった。誘惑してきたのは雪風だったが、あいつ最近随分色っぽくなってきたからな…。これがゲームであれば、通常版雪風とは別に堕淫の雪風なんて特別キャラが作られているだろう。調教の成果が出ていて何よりだ。

 その瞬間に、今まで姿すら現してなかった詩乃からの狙撃。…俺の事をよく分かってるなぁ、こいつら…。

 

 

 

 そして、最後の最後は完全な正攻法…正攻法? とにかく力技で挑んできた。

 目標地点の一歩手前、つまり最終防衛ライン。皆が勢揃いして待っていた。囲んでボーで叩く戦法かと思いきや、全員でがっちりとスクラム組んで、真正面から俺を押し返そうとしてきた。

 小細工無し、数十人分の純粋な圧力。いくら俺でも、通常の状態じゃ対抗しきれない。

 思えば、正面から組み合ってしまったのも悪かった。一度組み合ってしまった以上、それを下手に崩すのは危険極まる。一人二人程度なら安全に投げる事もできるが、数十人が一度に転倒した日にはどうなる事か。

 かと言って素直に負けてやる気もなかったので、服の下だけこっそりアラガミ化し、その力で強引に押し切った。…圧力で怪我人が出なかったのは幸いだった…。

 

 悪手だったのは俺だけではない。挑んできた皆もだ。

 俺を正面から押し返したところで、ゴールするのが遅れるだけ。横から押して、規定ルート外に押し出していれば、あの距離ならまず間違いなく対応が間に合わなかった。

 

 敢闘賞、かな。いや本当に、想像以上に楽しめた。

 うちの子達もウタカタのモノノフ達と共闘したおかげで、新しい戦い方や自分の問題点に気付いたし、連帯感も深まった。言う事無しだね。

 後から事の仔細を知った大和のお頭には、「そういう事をするなら俺達にも話を通せ。と言うか参加させろ」なんて言われたけども。流石に主力級まで参加されちゃ、こうまであしらえないよ。

 あと、囮作戦でクッソ忙しい時期に、こんな大事で引っ掻き回すなって至極当然の事を言われました。

 …参加してない滅鬼隊員だけの催しのつもりだったんだがなぁ…。  

 

 

 とりあえず、色々やらかした穴やら薬物の痕やら壁やらを、全員で撤去させています。ウタカタの人達も、手が空いている人は手伝ってくれている。

 「今度やる時は教えてくれ、酒持って見物に行くから」だそうだ。次にやるとしたら、ウタカタと合同で練武戦になると思います。

 

 ちなみに、終了直後に凛子と凜花が土下座しに来ました。生意気言って申し訳ございませんでした、だって。

 なんか全裸土下座しているシーンが脳裏に浮かんだが、キャラが違うよーな気もする。と言うかちゃんと服着たまま土下座だった。

 俺は別に気にしてないんだけどねぇ。若い子がちょっとヤンチャした程度だし。

 

 

「気にしてないのなら、即断即決でこんな大騒ぎまで発展させてないと思うのですがそれは」

 

 

 瞬間的に頭に血が上ったのは否定しない。まーアレだ、近所の子供に干し柿取られて怒るよーなもんだ。マジ頭来たけど餓鬼ってそういうもんだし、大した被害じゃないから割り切るのも早いよ。

 何より、いい運動になったしね。いやぁ、やっぱちゃんと暴れて鬱憤を解消しとかなきゃな。

 でも結局のところ対人戦だったのが不満だな。やっぱ狩人は化け物級を相手にしなくちゃ。

 

 

「……囮作戦に参加する人達は除いたとしても、滅鬼隊のほぼ全戦力を叩きつけてもいい運動程度…」

 

「狩人って…狩人って一体…? モノノフよりも滅鬼隊よりも狩人が強いの…?」

 

 

 凛子凛花がちょっと壊れかけてるけど、それを乗り越えて強くなってもらいたい。

 …で、今回の戦いで、何か気付いた事はあったかね? 途中からお祭り気分になってたけど、元はと言えばお前達が俺の強さを知りたいだの、もっと強くなりたいだの言い出した事が発端だ。

 何も得られませんでした、だと流石に起こる。具体的には性癖が歪むような訓練で脳みそを叩き直す。

 

 

「いや、気付いた事は幾つもあった。まず私達は、自分で思っていた程強くない。個々の能力はあっても、それらを上手く扱えてない。それ以前に、私達はウタカタに必要とされている戦力ではない。正面から鬼と戦えはしても、主力級についていける程ではなく、ウタカタのモノノフと連携するには強さが離れている。彼等の戦い方から多くを学ぶ事ができたが、それでも足並みを揃えて戦うとなると……正直な話、やっていける自信が無い」

 

「そもそも必要とされているのが、戦闘力じゃなくて隠密、偵察、救護と、戦わない力って事よね。適正が無くても理解しているならともかく、理解も技術もないんじゃ不合格にせざるを得ないわ」

 

 

 ふむ。君達以外が合格している理由は?

 

 

「悪い言い方になるけど、ウタカタのモノノフ達と同程度の実力しかない為ね。周囲と協力する、自分の力量を知っている、班員として役割を果たす事に徹底する。私達は、なまじ力に自信があるだけに、突き進む、戦うばかり。戦いを回避するという選択肢を考えもしなかった。後は……その時に求められている能力に一致したから、かしら」

 

 

 及第点、かな。全部が全部正しい訳じゃないけど、そこに気付いてれば上々か。

 切っ掛けさえあれば、ちゃんと理解して改善できる。やっぱりうちの子達は単純だけど頭のいい子だ。

 

 気付いたからって、次の試験で一発合格になるかは別の話だ。

 精神面での改革は一朝一夕で出来る事じゃない。戦闘以外の技術を身に付けるのも、付け焼刃ではろくな事にならない。

 それらを踏まえた上で、主力級と肩を並べて戦うくらいに強くなる事を目指すか、槍働き以外の適性を得るかはそれぞれに任せる。

 

 どっちを選んでも大変だが、強くなる、出来る事を増やすってそういう事だ。

 何だかんだで地力はあるんだ。今後の働きを期待している。

 

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 いい感じに締めた後、大和のお頭に「この時期に無断でやる事か」としこたま怒られました。

 散々説教され、頭領としての振る舞いや、自分の行動が周囲に及ぼす影響力について延々と叩き込まれましたが、正直その通りに振る舞える気がしません。

 

 

 

 

 

 

 さて、俺達が大騒ぎしていたその一方で、囮作戦の準備は着々と進んでいた。桜花と橘花の間がまだ拗れているようだ。

 …流石に無いとは思うが、「この作戦が失敗すれば、橘花は千里眼を使わないよな…」なんて事を考えたり…?

 そう危惧したが、流石は大和のお頭と言うべきか。「今の桜花に囮は任せられん」と考え、別の役割をさせていた。

 

 囮役として抜擢されたのは、息吹だった。生きて戦場から戻る事にかけて、定評があるからだそうな。

 …消去法で抜擢されたような気がしなくもない。初穂は半人前をようやく卒業したばかり、富獄の兄貴はその場でドンパチ始めそうだし、速鳥は自分一人で事を済ませようとする傾向があるし、那木は貴重な医者枠。

 うちの子達は経験不足すぎて、囮役が務まるか怪しいもんだ。

 …うん、消去法じゃなくて、問題が無い、欠点が特に無いって事で抜擢されたんだと思っておこう。息吹だって、そんじょそこらのモノノフじゃ及びもつかない腕前なのは事実だし。

 

 作戦結構は明日の昼。早ければ夕方には敵を釣り上げ、日が堕ちるまでにカタを付けられる。

 今回、囮作戦が鬼達に読まれているかは分からない。昨日の大騒ぎとか、鬼の注目を集めそうな事もやっちゃったし。

 

 だがどうなるにせよ、ハードな一日になる事は間違いない。囮が戻ってくるのを待つ間の精神的重圧だって馬鹿にならない。

 つまり、うちの子達がそれだけ不安定になる可能性が高いと言う事だ。

 

 

 

 

「つまり、今から交合して皆を安定させるのね」

 

 

 身も蓋もないですな、明日奈さん。女握りとはオヤジくさい。ちなみに一部の海外では、幸運のお守り扱いされているとか。

 

 今更、拒まれるかもとか、相手の意思を尊重してとか建前を言うつもりはない。

 流れ作業になってしまいそうなのは申し訳ないが、精神安定・パワーアップ・躾けを同時に行えるんだから、合理的な話でもある。特に躾けは重要。慢心したり敵を甘く見て突っ走らないよう、臆病なくらいに躾ける必要があるからな。

 

 さて、誰から呼ぼうかな~。ああ、乱入したければいつでもいいよ? 明日奈と神夜だって、囮作戦参加者なんだしね。

 

 

「…んー…それは最初からそのつもりだけど。ちょっと天音について相談が」

 

 

 天音? 戦闘部隊の統括役を任せてるし、天音も抱く必要があるが…。

 

 

「交わる云々は置いといて…いや、別に天音に落ち度がある訳じゃないのよ。でも、少なからず不満を持つ子も居るみたいなの。上から目線……は、ちょっと違うかな…。あの子ってほら、『若様第一主義!』じゃない? 若様の為なんだから、黙って従え!みたいなところが」

 

 

 確かにあるな…。俺に対しては懇切丁寧で絶対服従なんだけど、逆に言うと俺以外に対しては…。

 任務に従事するようになった子達に上司として接しているけど、心配りが足りないって感じだったのか?

 

 

「加えて言うなら、私や明日奈さん、詩乃さんに対して遠慮のようなものを感じます。最初にお世話したからなんでしょうけど、何というか、恩師を部下として扱うって難しいじゃないですか」

 

 

 ああ、そこはよく分かる。誰だって、年上の部下とか、元上司を部下として扱うって難しいよな………絶対殺すと思う程にしごいてくれやがったクソ教官とかならともかく。

 ふむ、それで? 一体何を企んでる?

 

 

「企むって失礼な…。ただ単に、これから一大作戦なのにそういうしこりを残しておくのは危険じゃない。一時のものでしかなくても、気晴らしをさせておくべきじゃないかと思うの」

 

 

 ほほう…続けて。

 

 

「具体的には、男装の麗人っぽいのを襲って輪姦するのって、倒錯的で興奮するなーって。肌と肌を合わせれば垣根は超えやすいし、皆の気が済むんじゃないかなーっと」

 

 

 …明日奈、日中からそんな事考えてたのね。

 よし採用。なんか天音に似合いそうだ。神夜、詩乃と一緒に……いや、今回躾けする子達と一緒に襲い掛かってくれ。俺は抵抗するなって命じて見物を決め込むから。

 しかしそうなると、天音は最後に回さざるをえないな。

 それまでは、作戦準備と最後の確認に徹してもらうか。

 

 うん、とりあえず……紅から呼ぼう。あの子は精神的な安定性に、特に難がある子だから。たっぷり甘やかして愛でてやらねば。

 

 

 

 

 

 案の定、紅は自虐モードに入っていた。うーん、前に任務後に話してから大した接触無かったからなぁ…。

 自分の全力の事を教えて、囮として立候補すべきだったんじゃないか、なんて考えに捕らわれていた。仮に教えていたとしても、そこでここまで悩む奴を囮なんぞに使えねーって…。

 

 

 

 

 この後は体感時間操作を使ったとしても、丸一日交合に費やすので、今日の日記はこれで終了。

 

 

 

 

 

 

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