※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

49 / 611
酒とつまみに金をつぎ込みすぎた…。
安いつまみを考えます。
ごぼうの唐揚げとか結構安く作れておいしいです。

あと鶏皮を程よく焼いて、カレースパイスと塩コショウで食べるのもオススメ。


第49話+外伝4

神喰月名は体を現し、体は名を作り変える日

 

 俺・カノン・アリサ・五車多の4人組で任務。

 ソーマ?

 五車多とジャンケンして勝ってたのを見たよ。

 

 4人組なら、集団心理とかそんな感じので安心感があるのか、アリサも比較的動けるようだった。

 それでも納得してないのは、やはり一人になると動けなくなると自覚しているからだろうか。

 

 

 

 そして予想通り、黒爺猫と遭遇した。

 

 

 やりあったんじゃなくて、ビルの上から顔を覗かせた程度だけどね。

 アリサが崩れ落ちなかったのは、ワリと真面目に褒めていいと思う。

 予想通り、例の上位個体だったし…。

 

 …以前、群れを狩ってた頃に姿を見られてたら、この場で戦闘開始だったろうな……地味に危なかった。

 

 

 

 とにかく、ヤバい個体が居るって事で帰還して報告。

 ひょっとしたら俺、現在のチームを離れて、また接触禁忌種探しに当てられるかもしれんな…。

 

 それはともかくとして、流石に黒爺猫(上位個体)のプレッシャーは堪えたらしい。

 五車多はアナグラに帰るなり、「今日はこれで上がらせてもらうよ」と言って一人去っていった。

 帰り際にちょっと聞いたのだが、今日は妹…という事はエリナか…の誕生日だったらしい。

 その為、ミッションが終わったら家族のところに顔を出す予定だったとか。

 

 …何気に死亡フラグ成立&ヘシ折ってたのね。

 それに、五車多にとってもショックは大きかったようだし、安心したら家族の顔を見たくなったんだろう。

 

 

 で、残った俺達はそのまま宴会に突入した。

 俺の奢りで。

 

 新人二人にあのプレッシャーはきつかったみたいだからな…。

 最初は食欲が無さそうだったんだが、俺の奢りと知った途端に甘い物ドンドン頼みやがって…。

 最近は食堂のオバチャマ方には天然砂糖を横流ししたりしてるから、スイーツの味が無駄に上がっちゃってるんだよ。

 

 

 で、何故かリンドウさんが差し入れと称して持ってきてくれたビールを飲み始めて…。

 今は2人とも程よく酔っ払い(未成年の飲酒ゥゥゥゥ!!!)、色々と愚痴っている最中でございます。

 酔ったアリサが、昔あった事とかボロボロ零している。

 ついでに頼りにしていた先生(汚っさん)が居なくなったと泣いていた。

 

 一応リンドウさんに何考えてんだって言ってみたら、上位個体と遭遇したと聞いて心配して見に来てくれたそうだ。

 ルーキーがトンでもないのと突然遭遇する事は時々あるらしく、それでショックを受けてしまう事も珍しくない。

 そこで酒というのは、そのショックを忘れる為の最もスタンダードな手段だとか。

 

 …言ってる事は分かるし、理屈にかなってないでもないが、なんか納得できん。

 

 

 ともあれ、ホロ酔い通り越して理性が飛びつつあるっぽいが、とりあえず帰ってきた時よりも元気になってるし、止める必要も無いか。

 体重?

 死ぬほど運動しているゴッドイーターやハンターに、そんなモン気にする必要があるとでも?

 

 

 そろそろ食堂もお開きの時間なんで、宅呑みに移行する。

 アリサの部屋は宴会できるような状態じゃない(酔いに任せて自己申告した)ので却下。

 俺の部屋はなんかカノンが反対した。

 カノンの部屋なら、まだスイーツの作り起きがあるって事で、そっちで呑む事になった。

 

 …甘い物ばっかりってのもなんだな。

 いざとなったら、ふくろからオツマミ出すか。

 

 

 

 

 

 それにしても、なんかこう、既視感があるなぁ。

 なんだっけ……。

 

 

 部下で…。

 

 心が折れかけてて……。

 

 

 酒呑んで……

 

 

 

 

 

          あ

 

 

 

 

 

 

神喰月イイ奴と書いてバカと読み、お人好しと書いて悪党と読む日

 

 

 えー、討鬼伝世界で色々な意味で醜態を晒した為、自分の自制心とか理性とかの弱さを克服すべく、MH世界で山篭りという名の修行に励んでいた俺ですが。

 その途中で、修行の仕方を間違えたと感じるようになりました。

 色欲に溺れない為と称して他者との付き合いを極限まで減らしていましたがが、色欲の対象が近くに居なければ色に溺れる筈も無し。

 結果として自制心を鍛えるどころか、欲望を溜め込んでしまうようになりました、と。

 

 欲望を溜め込む云々はさておくとしても、本当に俺が学ばなければならなかったのは、色欲を抑える方法ではなく、付き合い方だ。

 破滅ギリギリの道をフラフラフラフラする歩き方ではなく、適度に発散し、適度に抑え込む事で、破滅しない程度に楽しむ方法だった。

 

 

 と言う訳で、ちゃんとした効果が得られる修行をしていなかった俺は、またまた二股…いや、表カノン裏カノンも一人ずつとして数えるなら、三股男になってしまいましたとさ。

 

 

 …まぁ、前と違ってそれなり以上に打算を含んでるのが事実だよ?

 男として、尚更最悪だけど。

 

 

 アリサの洗脳と言うか調教方法なら、以前のループでよーく分かっている。

 汚っさんが長年暗示をかけてきた結果だったのか、当時は真言立川流オカルトバージョンも速鳥仕込みの誘導術も無しに、立派な忠犬……デスワープ時に俺を庇った辺り、ホント忠実だった……になったくらいだ。

 今やれば、カノンと『おんなのたたかい』をしないように刷り込むくらいは簡単だ。

 

 カノンにしたって、表は割りと躾けを素直に受け入れるから、「良い船だね!」しないようにする程度はできると思う。

 裏カノンは……奔放の一言で済ませるのもどうかと思うが、昨晩の態度からすると、あまり気にして無いようだ。

 自分の相手をしっかりシているなら、あまり細かい事を言う気は無いらしい。

 …裏カノンの態度は、『表』のカノンに対するスタンスでもあるんだろうか?

 

 

 カノンの裏表の考察はまた今度にするとして、うん、まぁそのなんだ。

 

 

 もう言うまでも無いと思うけど、ヤッちゃったワケだ。

 

 しかも3P。

 精神的には4Pでもある。

 

 

 …しかも、前と同じ徹を踏まないように、仲違いや嫉妬に関する暗示・躾けを速攻で徹底的に施した。

 流石に嫉妬を完全に抑え込もうとすると難しいし、上手く行ったとしても二人のストレスがマッハなので、嫉妬すら自分の欲情に転換してしまうような方向で。

 つまり、嫉妬するよりも先に「私にも」と思ってしまうように暗示を施した。

 ……こんな都合の良すぎる暗示が使える辺り、やっぱりオカルト版真言立川流は紛れもなく邪法である。

 都合がいいから使うけど。

 

 

 

 …色々と後悔する部分はあるが、今朝方まで右手にあった弾力と、左手にあった柔らかさを思い出すと、後悔はしてもコレはコレでアリだと思える。

 流石に起きた直後は色々とパニクっていたり、カノンに張り手を貰ったりしたが、人間関係が一気に破綻する事は無いと思う。

 そういう暗示も刷り込んだし、何より経験も霊力への耐性も殆ど無い生娘にとって、オカルト版真言立川流は麻薬のようなものだ。

 

 中毒性があり、一度味わえば忘れられず、度々思い出し、「もう一度」とつい思ってしまう。

 本当に麻薬並みにタチが悪い。

 どう考えてもエロゲ仕様(しかも陵辱系抜きゲー)だ。

 

 

 

 

 と言うか討鬼伝世界の霊山よ、あんなタチの悪い技術が書かれた本を普通の書庫にしまっておくんじゃない。

 

 

 

 とにかく、暫くカノンのご機嫌取りをする必要はありそうだし、アリサもフクザツそうではあるが、とりあえず問題は無い。

 3人揃って、酒に泥酔しての盛大な自爆だと思ってるみたいだし。

 時期を見て誘えば、有耶無耶に持ち込める。

 

 

 で、当面の問題だったアリサのトラウマは、これを機会にしっかり封印させてもらいました。

 と言うか、そうじゃなければ流石に据え膳だからってホイホイ食べないよ……ウソ臭いけど、本当だよ。

 

 とりあえず、当面の間はトラウマで動きが止まる事は無いと思う。

 また黒爺猫とかヴァジュラタイプに直撃したら話は変わってくるだろうが、ザコ相手なら普通に戦える筈だ。

 

 これも確認しないといけないが…流石に今日すぐには無理だな。

 加減したとは言え、足腰ガタガタだろうし、そもそもまだ『破った』ばかりだから痛むだろうし。

 それにこんな形での初体験になってしまったから、俺への感情も複雑なものがあるだろう。

 最初は一緒に行かず、サクヤさん辺りに同行してもらって調子を見てもらうとしよう。

 

 

 

神喰月

 

 

 エリックからパンチを貰った。

 ソーマから蹴りとチャージクラッシュを食らった。

 久々に強烈な誤射を叩き込まれた。(主語をつけるまでもない)

 そして砂糖を容赦なく減らす。

 

 

 今読み返して思ったんだが、エリックって誰だったっけ?

 

 

 

 

 あ、五車多の事だった。

 素で忘れてた。

 

 とにかく、チーム内での俺の立場が色々とヤバい。

 仕方ないっちゃ仕方ないのだが、何で知ってんの?

 

 

 

 そうか、酔っ払った状態でカノンの部屋に歩く俺達が目撃されていたか。

 そしてその翌朝、カノンとアリサが仲良くダウン。

 理由は頭痛や吐き気ではなく腰痛。

 うん、どう考えてもアウトですな。

  

 

 さて、どうしたもんか…。

 アリサについてはリンドウさんや、丁度一緒に居たサクヤさん、それから一応コウタにも様子見を頼んでおいた。

 前から気にしてはいたようなので、「多分大丈夫になってるから」と言うと首を傾げたが、承諾してくれた。

 サクヤさんの視線が冷たかったが。

 

 

 リンドウさんからの差し入れも一因なので、未成年にビールを持ってきた事もチクッてみた。

 どっちにしろその場に居た責任者は俺なんだから、人のせいにしないようにと怒られてしまった。

 むぅ、信用度がマイナスだ。

 

 

 ちょっと狩りはオヤスミにするか。

 別に俺一人で行ってもいいんだけど、あんまり平然としているのも何だしな。

 エリックからも、「アラガミなんぞ狩っている暇があったら、彼女らに対する誠意の示し方でも考えたまえ」なんて言われる始末。

 外見の割りに正常な思考をする人だ。

 

 

 

神喰月ブタに真珠(と書いて「飛ばないブタはただのブタ」と読む)日

 

 

 カノンは既に割り切っているっぽい。

 まぁ、たった一晩とは言え、そういう暗示を裏表両方に散々刷り込んだからな。

 

 あの夜の反応を思い返すと、むしろ見られる楽しみに目覚めかけているので、アリサが居るのもそれはそれで…とか考えているっぽい。

 誰も居ないところで、あの夜の事を思い出してニヤけているのを目撃した。

 

 前のループでも、野外で自分を慰めてたみたいだからな…露出の気はやはりあったらしい。

 ま、元々この世界って、露出狂疑惑じゃない女性の方が少ないからね。

 デフォルトだね。

 

 で、アリサの方も…とりあえずアラガミとの戦いで、動けなくなる事は無くなっているらしい。

 上手く暗示が効いているようだ。

 最低限の条件はクリアしたと言っていいだろう。

 

 では、この先どうする?

 

 

 

 

 

 むぅ、何も考えてなかった。

 トラウマ自体はそのままなので、徐々に精神的な耐性を付ける必要があるが…それよりも先に、人間関係を修復せねば。

 どんな形でもいいから決着をつけないと、色々な所から(特に女性)の視線が痛い。

 

 

 

神喰月枯れ木も山火事の賑わい日

 

 五車多が情報を持ってきてくれた。

 「本当なら、僕が手を貸すのはお門違いだと思うんだけどね」と、皮肉も一緒に。

 では何で教えてくれたのかと言うと……なんかヤバそうだったから。 

 

 マジありがとうございます五車多さん。

 お礼と言ってはなんですが、このループでアナタを決して上田させません。

 

 

 五車多さんが教えてくれたのは、「カノン君とアリサ君が連れ立って歩いているのを見た」だった。

 

 それだけ?と思うかもしれないが…時期が時期だ。

 酒に酔って、不本意な形で『初めて』を奪われたアリサと。

 奪った男の恋人(とカノンは思っているだろう)のカノン。

 

 実に良い船が建造されそうである。

 戦艦になるか駆逐艦になるかは分からないが。

 

 冗談抜きで流血沙汰も覚悟した。

 

 

 

 覚悟したんだが……探し出した時には、二人で仲良く話し込んでいた。

 アリサの方はまだ複雑そうだったが、それについてもカノンが愚痴を聞いているようだった。

 よく分からないが、勝手に和解してしまったらしい。

 

 

 

 

 でもだからって、俺とも和解した訳じゃないんだよね…。

 

 

 

 

神造月知らぬ仏より見知った肉日

 

 

 新しい月に突入。

 棚卸しはスムーズに行くようになったがやはり面倒くさい。

 逃げたソーマにはいつかお礼をしようと思う。

 

 それはそれとして、カノンが一緒にミッションに行ってほしいと願い出てきた。

 別にそれ自体はおかしくない。

 元々同じ隊なんだし、一緒に行かない方が問題だ。

 

 が、俺と二人だけで、と言うのが…。

 ソーマも五車多も「さっさとケリをつけて来い」とばかりに我関せず…自業自得とは言え、ちょっと怖い…。

 

 

 

 

 そしてアリサが一緒だなんて、もっと聞いてなかったよ!

 アレだけ好き放題に弄んでおいてなんだが、気まずいってレベルじゃねえ…。

 アリサも他人行儀と言うか距離を測りかねてる感じだし、カノンだけが妙に楽しげなのが気にかかる。

 一体何考えてんだろうか…。

 

 ミッション出撃前に、日記も兼ねて辞世の句でも書いておこうかと思ったが、気の利いた句なんぞ思いつかない。

 精々が、「討鬼伝世界と同じ徹を踏んだなー、進歩してないなー」と思っただけだ。

 

 …何が何でも生き抜く覚悟を決めておこう。

 

 

 

 

神造月石橋を叩いて試すくらいなら、舗装して渡れ日

 

 丸く収まりました。

 と言うか治めました。

 

 結局、カノンは別に何かを企んでいた訳ではなかった。

 俺にもアリサにも、特に誤射もしなかった。

 ただ「3人仲良く行きましょう!」みたいなノリでミッションに誘ったらしい。

 

 アリサと俺との間で気まずい空気が流れていたが、ミッションとあらば話は別だ。

 俺はいつも通りにサクサクと狩って行き、アリサも…戸惑いとかはあるみたいだが、動きに問題は無さそうだった。

 

 そして悪くは無いが良くもない、微妙な空気のままでミッションは終了。

 

 

 

 

 

 

 そのまま何故か俺の部屋で3Pに流れ込んでしまった。

 と言うか、どーやらカノンの真の狙いはコレだったっぽい。

 前回の3Pで、見られながらよがる快感に目覚めてしまったらしい。

 裏カノンがあっさりと白状してくれた。

 

 よくよく考えてみれば、前ループ時でも覗き・野外・常習犯という見事なコンボを決めていたしな…。

 裏カノンの奔放さは表カノンと表裏一体と考えれば、ある意味当然の成り行きかもしれない。

 そういう素質があったんだろう……はっきり明記してしまえば、男に悦ばれるようなヘンタイの素質が。

 

 

 そしてアリサはアリサで、あの時にかけた「嫉妬やらなにやらを欲情に転換してしまう暗示」が発動。

 あれよあれよと言う間に、淫靡な空間に引きずりこまれてしまった訳だ。

 

 俺もこの際だからと、この関係を受け入れるようにと暗示をかけたり、快楽を刷り込んだりと…。

 要するに二股公認するように、色々とヤッちゃった訳だ。

 

 そうでなくとも、「私一人じゃ受け止め切れません…」みたいな事をカノンがボヤいていたが。

 

 結局のところ、下半身のタフさだけで認めさせたようなもんだな…。

 公認だから討鬼伝世界と同じ結果にはならないと思うが、酷い話だった。

 

 

 

 だがこうなっちゃったからには、遠慮する必要は無い。

 表裏カノンもアリサも、思い切り染め上げてやる。

 

 

 

 

 それにしても、リンドウさん暗殺騒ぎはまだ来ないんだろうか?

 やはり汚っさんが居なくなったから、新しいチャンスを伺ってるんだろうか…。 

 

 

 

 

 

 …リンドウさん暗殺、ね。

 あの時、アリサは俺を庇ったんだよな…。

 前回は寝たまま起きなかったし…。

 

 

 別に、今回肉体関係を持ったからって訳じゃないが……それこそ、同じ徹を踏まないようにしないとな。

 

 

 

神造月「くっ、殺さないでください!」日

 

 とりあえずカタはついた。

 色々視線が厳しいところも残っているが、これは自業自得なんで仕方ない。

 カノンは相変わらず、チームで動く時は誤射しまくっている…まぁ普段通りだ。

 

 アリサは頻繁に俺やカノンと組んでミッションに行こうと誘ってきた。

 終わった後にナニしているのは言うまでもない。

 

 五車多からはこれについて色々小言を貰っているが、彼が本当に言いたかったのは二言だけだ。

 

 「僕の妹には近付かないように!」

 「そして羨ま妬ましいぞッ!!」

 

 …ま、彼も思春期の男だったという事だ。

 ソーマは興味無さそうだった。

 「ひょっとして、ED?」って聞こうかなーと思った瞬間、溜めも無しにチャージクラッシュが飛んできた。

 はい、何も言いません。

 

 

 

 さて、色々あって結局色欲に溺れるゲッスい奴になってるが、とりあえず当面の問題は無くなった。

 となると、次の課題はリンドウさんMIAシーン、特異点…シオの確保。

 霊力による感応種モドキは、今回殆ど霊力を使っていない(誤射対策くらいだ)から出現しないだろう。

 

 MIAシーンは…黒爺猫の群れでなければ、どんな手を使ってくるか分からない。

 シオの確保は………ああ、今回は榊博士からの協力も依頼も無いからな…。

 こっちで勝手にやるしかないか。

 匿う場所の準備も含めて…。

 

 いや、よく考えたら、シオをこっちで確保する必要は無いんじゃないか?

 俺が何かしなくても、榊博士はアラガミとの共存という夢を見て、シオを確保した筈。

 最終的には支部長に奪われてしまうが、そこに横槍を…入れられるかな…。

 しかし、こっちでシオを匿えるという確証が無いのも事実。

 何より、シオが特異点として覚醒したりしても、俺には全く手の打ちようが無い。

 

 それなら何も知らないフリをして…そうだ、支部長が不在の間に人型のアラガミの噂でも流すか。

 そうすれば、榊博士がゴッドイーター達を動かして、勝手に確保してくれるだろう。

 

 うん、ワリと現実的な考えに思えてきた。

 シオに関してはこの方針で行こう。

 

 

 

神造月狩って武器の手入れをして、装備の構成も考え直せ日

 

 当面、できる事が無い。

 リンドウさん暗殺対策にしてもシオ確保にしても、できる事が無い。

 いつ来るかも分からない時期をじっと待つというのは、意外と厳しいな…狩りの間だったら、あんまり苦にならないんだけど。

 

 とりあえず、最近は狩りを続ける毎日だ。

 終わった後はカノンと遊んだりアリサで遊んだり、KENZENなデートなんかもしている。

 時々不KENZENで退廃的な遊びにも耽っているが。

 具体的には最近ちょっと縄とか試し始めた…うむ、奥が深くてよく締まる。

 

 …一応、付き合っている二人(裏も入れれば3人)は公認の仲なので、ギスギスしないように気を使っていれば、討鬼伝世界のように痴情の縺れでnice boatする事は無いと思う。

 

 

 カノンの意識改変は、正直言って梃子摺っている。

 ワリと暗示にかかりやすいタイプなのだが、どういう訳だか「○○は撃ってはいけない」のような暗示には非常に抵抗力が強い。

 ……「どういう訳だか」もクソもないような気もするが。

 逆に、「味方の悲鳴より敵の悲鳴」系は非常に効果が高かった。

 

 効果が高すぎて、裏カノンが「もっと近くで断末魔を聞きたい」と言い出す始末だ。

 ガンナーだというのに、接近戦を試行錯誤しようとしている。

 

 …でも悪くはないんだよなー。

 まだ動きがぎこちないからリスクとメリットが釣り合ってないけど、回避と接近の練度次第では…。

 

 ゼロ距離射撃だから誤射のしようが無い上、避けられる事もまず無い。

 バレットエディットで、リーチを捨てて破壊力に全振り。

 

 この二つが上手く組み合わされば、多大な火力を得られる事だろう……誰しもが忘れているが、衛生兵なのにねぇ…。

 戦術が慣性すれば、次のループでも、上手くやれば洗脳無しで誤射を減らす事ができるかもしれない。

 これは研究の価値ありだな。

 

 

 アリサはと言うと、予想外…というより思った以上に精神が安定したようだ。

 やはり長年暗示をかけられてきたからなのか、操られている状態…いや、依存対象が居る状態?…に慣れているんだろうか。

 ともあれ、多少のツンデレ気質は残っているが、従順…を通り越して都合のいい女になりつつあるような気がする。

 

 都合がいいのは良いんだが、それはそれで面白くないなぁ…。

 キャラの持ち味が消えてしまうと言うか何というか。

 

 ………それに、今更な事を言い出すが、アリサを都合のいい道具扱いする気はない。

 同じ外道である事は否定できんが、汚っさんと同じ扱いになるのは心外だし……何より、以前に関係を持った時の事がな…。

 どうも俺は他人を心底から愛しいと思う事が無い人種だ、というのは自覚があるところなのだが、それでも俺なりにアリサを大事にしていたのだ。

 何より、俺を庇ったアリサの最後と、前回昏睡状態だったままのアリサのイメージがチラつく…。

 

 どうにも、今元気にしているアリサが眩しく思えてしまうんだよなぁ…。

 

 

 

 感傷に浸るのはともかくとして、やる事が無いなら暫く戦力増強に努めよう。

 リンクサポート、オラクルリザーブ、先日聞いた神機の暴走制御…実現できたら狩りが格段に楽になる技術は幾つもある。

 …他の世界で使う事を考えると、リンクサポートは後回しだな……専用の機械が必要になるから、別世界じゃ使えない。

 

 

 




外伝月 酔って一晩で書き上げました日



 ここ何処よ。
 例によってまた夢をみているっぽいんだが、マジで何処よ?
 田園っつーの?
 稲とか植えてる畑があるんで、何となく日本っぽい…そして田舎っぽい。 

 それはいい。
 食料が豊富で、実に結構な事だ。
 
 うん、食料が多いのはいい事だ。
 多少獣に食われたって、飢える事も無いし、わざわざ危険を犯して討伐する必要も無い。






 だが獣よりもヤバそうなASHIGARUが居るのは何事だ。

 何故ローマ字かって?
 足軽じゃねーんだよ、明らかに。
 普通の足軽じゃ。


 確かに、一見すると戦国時代とかによく出てきそうな、下っ端の兵隊っぽい格好をしている。
 三角形の…多分陣笠って奴…カサと槍、和風の鎧に草履。
 そしてワラワラ群れている。

 うん、どっからどう見ても足軽だ。
 だがその行動は明らかにASHIGARUだ。

 ナニやってるかって?



 合体攻撃してんだよ。
 モブキャラザコキャラにあるまじき、合体攻撃なんだよ!
 なんか地位の高そうなのが号令を出すと、2~3人で一組になって合体してんだよ!

 2~3人ならまだ可愛い方で、大人数で足を掴み捕まれして大きな輪になり、車輪のように転がっていくとか、人間ピラミッドしたと思ったらガチーン!なんて効果音が聞こえて防御力が跳ね上がったり!
 仕舞いにゃ、槍を芯にして3人くらいで縦に繋がり、グルグル回って大竜巻すら起こす始末!
 物理法則を無視するにも程があらぁ!

 …ハンターでゴッドイーターでモノノフの俺が言えた事じゃないけどね。


 と言うか、こいつら本気で何者だ?
 足軽って、確か本来は特に訓練とか受けてない農民、一般人だよな?
 それがこんなマネが出来るってんなら、ここの農民は既にNOUMINだ。
 
 うーん、こんな連中ばっかりだったら、黒船が来たって軽く叩き返しそうだなぁ…。
 竜巻が起こせるんだし、津波くらいは起こせるんじゃね?


 んで、何の因果かインネンか…(自業自得だとするならば、真っ先にエロ関係のご乱交の因果が浮かんでくる)…あるのか知らないが、俺もそのASHIGARU部隊の一人らしい。
 だが合体技なぞ………









 できたよ。



 司令官が謎の掛け声を出したら、勝手に体が動いて合体技に参加していた。
 竜巻を起こす奴だ。
 …スゲェ、あれは新感覚だったぜ…。
 人間ってその気になれば、冗談抜きで竜巻起こせるんだな…。
 練習すれば、俺一人でも竜巻起こせそうな気がしてきた。


 それは幾らなんでも錯覚だって?

 いやいや、やっぱ人間ってスゲーわ。
 ヘタなアラガミとかモンスターとか鬼とかよりよっぽど上に行けるナマモノだね。
 実体験付きで確信したよ。

 ちなみにその実体験っつーのは、俺達が竜巻起こした事じゃなくてだな。





 今目の前に迫っている、鬼みたいな顔したじーさんが、その竜巻を軽くぶっ飛ばしてくれちゃった事なんだよね。



「ちぇすとーー!!!」

「しぬぅぅぅう!!!!」

「ちぇすとちぇすとちぇすとー!」

「いやああああああ!!!!」

「見えん…現が見えん…ちぃとも見えん…」

「なら俺もみるなああああ!!!」

「おお、手応えがあるのが居るのぉ…示現流完成の礎となるがよか!」

「謎の食通さんこの人止めてぇぇぇぇ!!!」

「雲耀の速さまで昇っていくどぉぉぉ!!!!」


 …このような攻防を、10分くらい延々と行っております。
 言うまでもなく俺は逃げる側だ。
 生きているのは夢ゆえのご都合主義の為だろう。



 てゆーかこの爺さんアレだ、戦国BASARAの島津のじっちゃんじゃねーか!
 俺好きなキャラというかマイキャラだったよ。
 
 でもそれが襲ってきてるって悪夢どころの話じゃないんですがね!
 作中で色々なキャラに「鬼島津」なんて呼ばれて畏敬を祓われていただけあって、洒落にならん実力だ。
 逃げ回りながら狩りの要領で色々仕掛けてみたんだが、文字通り一刀両断。
 シビレ罠も叩き潰され、閃光玉は一気に突っ込んできて視界の外にホームランされ、ミタマの金縛りは霊力すら感じられない一喝で無効化され、神機に至っては食いつかせようとすると怯えて拒否する始末だ。
 冗談抜きでバケモノだ、このジジイ。
 勝てる気がせん。
 狩りなんて戦い方は、相応の実力差か付け込む隙が無きゃ意味を成さないのだと骨身に染みた。


 畜生、どうせ会うなら女性陣か、小早川氏と会って鍋について語りたかった!
 小早川氏にこんがり肉を食わせたら、なんかハンターとして覚醒しそうなのに!

 小早川秀秋&アイルー天海様のモンハン二人道中マグマグの旅にご期待ください!
 


 …現実逃避はともかくとして、さっきから必死こいて逃げ回り、隙をついては小細工しかけているが、もう限界だ。
 道具は尽き、手札は全て切り、更にこれだけ逃げ回って反撃までしているからか、この爺さんまるで油断や慢心が見当たらない。

 そしてついに袋小路に追い詰められてしまった。


「ふぅぅ…ここまでのようじゃの…。
 逃げ回るのは情けなかとが、面白かったぞ」

「そう思うなら見逃してくれませんかねぇホントに!
 次の戦場でも目一杯逃げ惑って楽しませますんで!」

「それでも兵(つわもの)か。
 終の奥義で屠ってやるけん、冥土で誇りんしゃい」

「俺の場合死んでも死なないんですけど!」

「死なんというなら、それを見せてみい!
 いくどぉ!」


 ブーッとベルセルクのドラゴン殺しみたいな武器に酒を吹きかけて、大上段の構え。
 …ていうか、雷が迸る。

 もしかしなくてもこれはアレか!
 「示現流 断岩」か!?
 隙が多すぎだが、当たれば大抵の敵はお陀仏のあのロマン技か!?

 だがそれなら避けられるかもしれん。
 あの一撃は振り下ろしの一発のみ、威力を高める為に次の攻撃へのコンボとか攻撃範囲を犠牲にしまくった一発。
 唐竹割りだと考えると、まだ避けやすい一発の筈…!


 一か八かだヤケクソだ、どうせ死なないやってやる!
 鬼ノ目!
 鷹の目!
 そしてミタマの空蝉!

 一発避けたらすぐに逃げ






















 俺に認識できたのは、振り下ろされた一発が体を2分割して、意識が消えていく僅かな間だけだった。
 空蝉すら効果を発揮できないとか、マジで人間業じゃねえ…。

 その僅かな間に、この妙な目は断岩を刻み付けていた。
 動き、太刀筋、呼吸に体裁き、全て記憶している。



 だからって出来るかこんなもん!
 レジェンドラスタの斬撃が可愛く見えるレベルだよ!
 基礎技術レベルが違いすぎて話にならん!
 
 こりゃ鬼杭千切でも遠く及ばんな…。




 夢から覚めてから試してみたが、代わりに槍を軸にしてグルグル回転する大道芸を覚えた。
 練習すれば、竜巻とは言わないまでも扇風機の代わりくらいは出来るかもしれない。


外伝:戦国BASARA編
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