※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第498話

 

堕陽月参拾溌日目

 

 

 さて、オオマガトキを引き起こす塔の捜索はウタカタの皆に任せるとして…尚、いつもの単騎特攻をしないよう大和のお頭に厳重に釘を刺してもらった…、生活環境の立て直し、増築に専念する。

 優先順位としては異界浄化が先なのだが、それを見分するウタカタの人と、博士の準備が整ってない。

 

 …博士に関しては、割と真面目に早くしてほしいんだけどな。

 今のところ仕事らしい仕事もせず、滅鬼隊頭領である俺に対して無礼な態度を取る、俺以外に対しても横柄な事ばかり言う、挙句の果てには大々的に許可を出したと通達しているとは言え、物資を勝手に持ち出して怪しげなガラクタを弄り回して甘味をくれ甘味をくれと言う始末。…うん、示しがつきませんね! 持ち出す物資がまず役に立たないガラクタばかりと言うのが唯一の救いだ。

 あんまり口うるさい事は言いたくないが、単なる怠け者を意味も無く優遇していると思われるのも問題がある。早い所実績を作ってほしい。

 助手扱いになったグウェンと真鶴が常識的な対応をしているから助かっているが、このまま放置するのも目に余る。

 

 

 とは言え、博士も完全に傍若無人にやってる訳じゃないんだけどな。今までの経験からか、パトロンの重要性はよく知っているらしく研究費や材料を都合する俺の言葉はある程度聞き入れてくれる。…解剖するな、実験台にするなという要望以外は。あと俺を実験台にするのが無理なら、他の隊員で試そうとするから、これについては要望を引き下げた。別にうちの子達を犠牲にするのは…って事じゃなくて、この中では俺が一番博士を(悪い意味でも)信用・信頼しているから、余計な拗れが少ないだろうと思っただけだ。

 …エジソンとかフライト兄弟とかを援助している人って、こんな気分だったのかなぁ。役にも立たないガラクタを弄り回す、社会不適格者の浪費癖持ちにしか見えないもんなぁ…。

  

 博士に今やっている研究の内容を聞いてみたところ、大きく分けて三つ。

 一つ目、異界浄化について。これは俺が近日中に実際にやるので、詳細な資料を記録する為の前準備と言った方が正しい。

 二つ目、鬼の手について。前ループでは取り外しが出来ず(正確に言うと、無理に取り外すと大爆発を起こす)、量産できない構造だったが、その時の資料を活用して更なる機能の追加・コストの削減を目論んでいる。これも遠からず完成しそうだそうな。

 そして三つ目、廃材のリサイクルについて。異界で拾い集めてきたガラクタを、分析して(←分かる)浄化して(←分かる)自動的に(←分かる)合成する(←コレガワカラナイ)………まぁ、所謂錬金釜だな。埴輪と剣を合成して華を作るとか、よくよく考えてみると色んな意味でとんでもない事やってるんだが、更に深く考えると魚と草を合成して火薬を作ってる俺達も同類だった。…いや、同類…か? MH世界の調合はまだ、途中の加工経過をすっ飛ばしてるだけと思えば納得できる(効力はともかくとして)部分もあるが、こっちのは根っこから性質が変わってないか? …錬金調合も似たようなもんか。うん、この考え止め止め。

 まぁ、今のところあんまり成功率は高くないらしいけど。…調合の書でも組み込んでみるか? ……あれ、そう言えば最近持ち歩いてなかったけど、 ふくろ にも入ってなかったな。どこやったっけ…………ああ、そうだ。マイクラ能力を得た夢で、艦娘達に預けたんだっけ。失敗が多い開発が簡単に成功できるようになったと大好評だった。ちなみに調合所の何冊目まで持っているかで、出来上がる装備や建造される艦娘の種類もある程度指定できるようだった。そのシステムくれ、他のゲームでも。

 

 

 博士の研究は、周囲からの反感を抑えながらもじっくり進めてもらうとして。

 新しく作り直す住居をどうするかねぇ。

 

 この際だからと、隊員達にアンケートを取ってみた。実現可能かどうかは二の次、仕事の為の要望でも個人的な要望でも構わない…という条件で意見を募ってみたところ、以前に比べて色々な意見が出てきた。生活するうちに、やっぱり皆して成長してきてるんだな。

 具体的な意見の内容は、下記の通り。

 

・個室が欲しい。

・厠を増やしてほしい。どう考えても人数に対して足りていない。

・面倒な作業を省略したい。

・最近釣りに嵌っているので、釣り堀や専用の道具一式がほしい

・酒造りに興味があるが、方法を知らない。調べ方も分からない。

・遊戯道具を増やしてほしい。

・道場の鍛錬だと、想定できる状況が限られる。あちこちに障害物や段差がある鍛錬場が欲しい。

・男を増やしてくれ。前にも言ったが肩身が狭い。

・里の友達と遊びたい。里で遊ぶならいいんだけど、何故かこっちに遊びに来るのを躊躇う事が多い。何とかならないか。

・いつも同じ武器を使っているが、連携の為にも他の武器の事を知るべきだ。練習用の、刃がついてない武器がほしい。

・連携を言うなら、里の連中の事もよく知るべきでは? 交流の場を設けてほしい。

・べんきょーしたくねぇ。書類仕事も嫌だ。鬼燃やしたい。喧嘩でもいい。

・もっと夜伽に呼んで、あ、い、今からなんてあぁぁぁ~~~

・…役得だったじゃない。まぁ私達ももっと呼んでほしいのは確かだけど、現状だと任務についている子、不安定な子が優先的に呼ばれます。逆に任を受けず、安定している子はまだ呼ばれた事のない子も居る。不平等感は解消しておくに限り…あっ、ちょっ、私まで…はい、ご奉仕いたします…。

・秘書執事さん達も大分仕事ができるようになったので、人を纏める立場から一戦力に戻りたい。

・木綿季が自分だけの体が欲しいってよくぼやいてるんだけど、どうにかならない?

 

 

 

 ふーむ、色々出たのぅ。厠は最優先で増やすとして、個室は前々から言われていた。やはり情緒が育ってくると、4人部屋でも人の視線が気になる事も多いようだ。

 趣味に関しては、たたらさんを初めとした里の協力を仰ぐしかないだろう。幾ら俺でも、趣味のHow To本までは持ち歩いてない。マイクラ的能力で何か作れるかもしれないが…。

 

 男性の数を増やしてほしい、と言うのは骸佐の要望だな。新しく発見された滅鬼隊には男性も居たが、連れてくるのは少し待ってほしい。それでも焼け石に水だし、封印されているのも女性の方が圧倒的に多かったけど。

 ただ、里との交流の場を増やせば自然と男性も増えるだろう。息吹みたいに、美人さん目当てに寄ってくる連中だっているだろう。今は美女美少女の巣窟のど真ん中に入り込むのに気後れしているだけだろうから、人数を調整できる場所を準備すればいい。

 

 …そう言えば何だかんだで全然話を進めていなかったが、ウタカタとの練武戦を計画してたっけな。そろそろ本格的に準備してみるとするか。

 上手くすれば、武器の使い方についての交流にもなるだろう。…うちの連中は頭に血が上りやすいし、シノノメの里みたいに本物の武器で斬り合わせる訳にもいかん。練武戦で使う道具も兼ねて、模造品を作りますか。或いはネタ武器……ネタ武器って安全かな? 鬼に通用するくらいの威力はあるし。

 これに関しては俺がマイクラ能力でどうにかするより、匠の手を…爆発する方ではない…借りた方がいいだろう。

 

 事務処理が面倒だって話は……うーん、どうしようかな。秘書執事チームにせよ、任務に出ている子達にせよ、それなりに出来るようになってきた。

 記録や書類から得られる情報の重要性も徐々に浸透してきているし、効率が悪い所は変えても別に構わない。

 問題は、それによってまだ任務に参加した事のない子達や、情報の重要性が理解できてない子達の意識改革が遅れる事。

 書類仕事してれば理解できるってもんでもないが……。

 

 …そうだな、充分と認められた子達に関してのみ、簡略化した方式の書類を使えばいいか。これには戦闘能力の高い低いは関係なく、筆記試験の類により合否を判断するものとする。

 この試験の問題は、滅鬼隊の物に限らず、過去の記録をいくらか準備し、「この記録から類推される危険と、その対策について述べよ」みたいな感じでいけばいい。場合によっては、一緒に試験を受けている者と相談するのも許可する。

 書類の形式はまた今度でいいか。今は生活環境の改善が優先だ。

 

 

 問題は…神夜と明日奈だよな…。

 神夜については、要望を聞いても別に構わない。今まで、主に生活面で皆の面倒を見てもらっていたが、大分自立してきた。

 隊員内でも多少のイザコザはあるものの、保護者が出張る必要がある場面は少ない。そうした状況であれば、うちの子達は自分から相談に向かう。神夜なり明日奈なり詩乃なり、秘書執事チームなり…。一番多いのは、何だかんだで神夜のようだが。

 相談と言う形であれば、神夜が纏め役から降りても問題はない。一緒に生活している、慕っている相手に助力を請うのは何もおかしな事ではないしな。

 

 うん、結果的には変わらないんだから、別に問題ないだろう。纏め役から、相談役になるだけだ。

 

 

 明日奈の要望は……これ、どうすっかなぁ…。

 木綿季の体、か…。幾ら俺でも人体練成はできねーよ。

 でもどうにかしてやりたい所ではある。明日奈と一緒にシノノメの里からついてきて、時々体を使って遊ばせてもらっているとは言え、木綿季にとっては退屈極まりないだろう。元が活発で、猫のように気紛れに歩き回る子だ。

 せめて、自由に歩き回れるようにしてやりたいんだが…。

 これは俺一人じゃ、どう考えても無理だな。茅場とか博士とかに相談してみよう。ちゃんと相談に乗ってくれるかすら怪しいから、何か対価を用意しておかんとな。

 

 

 

 次に…夜伽の数? 夜は呼んだ皆を限界まで善がらせた後、まったりピロートークしてるから、これ以上人数増やすのも困りものなんだよな。

 だから、日中にスキンシップを取りに行きます。隙あらば茂みに連れ込み、飯時に机の下で足を延ばしてイタズラし、厠に行けば飲ませたり眺めたり。何をしてても何処に居ても、解釈次第でエロは可能だ。

 残弾無限で時間もほぼ無限。後は積極的に機会を作りに行くかどうかだけだ。尤も、義務としてヤる気はないけどね。

 

 

 

 

 さて、今考えるのはこれくらいでいいだろう。後は一日、建設建設建設だ。

 さぁ、まずは図面を引くぞぅ! 鬼に襲われてまた壊されないように、地面まで頑丈に! 敵の侵入を検知するレーダーと罠を備え! なんかこうカモフラージュ機能も付けて! 変形合体まで行けるか!? 秘密基地を本当に作るみたいで夢が広がるなぁフゥハハハハハ~~!!

 

 

 

 

 

 そういや俺、図面引けなかったんだ。大淀たすけちくり~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ 色ボケ建築中 ~

 

 

 

 

 気が付けば朝だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、そういう訳で新築のお披露目です! 俺が一晩でやってしまいました! ……しまいました!

 ぱちぱちと疎らな拍手の音が響く。

 

 新築の家の前に勢揃いした隊員達。「またやったよこの人」って顔をしているようにも見えるし、「俺達はあんなに苦労して家を直そうとしているのに、たった一晩でここまでやっちまうのか」って顔にも見える。まぁ明らかにチート技の領域だしな…。

 

 

「あの、若様…」

 

 

 ん、どうした天音? 何か追加の要望でもあったか?

 

 

「いえ、そうではなく…不平不満と言う訳ではないのですが、何といいますか……代わった形式の家ですね。最初に若様が作ってくださった家もそうでしたが」

 

 

 ああ、まぁね。日乃本じゃまだ普及してない形だし。

 今回の家は、所謂アパート形式です。狭い土地で、個人個人の空間を出来る限り広く取るつもりで作りました。

 3館に分かれた3階建て。3つの館を渡り廊下で繋いでいて、真ん中の館入り口は、大きめのエントランスとなっています。また、破壊された家にあった個人宛ての手紙入れもこちらに移設します。…今日の夜には異動させるので、それまでに各自自分の手紙入れを確認、中身を回収しておくように。

 また、今後は全体に向けた通達も、ここの掲示板に張り出します。個人的に皆に知らせたい事がある場合、皆も張り出しして使ってくれて構わない。ただしいつまでも張り続けるんじゃなく、基本的に3日以内に自分で回収するように。

 

 さて、肝心の設備の話だが、それぞれ一人に一つ分の部屋を宛がった。勿論、今までみたいに何人かで一緒に住むのも構わない。その場合は、破壊されたままの家を直して使う事になるが…こっちの作業は君らに任せる。

 各部屋には、要望があった厠・簡易式の風呂を設置、当然水道もある。最上階でも摘みを捻れば簡単に水とお湯が出るぞ。台所もあるので、やろうと思えばそれぞれ独立した暮らしを送る事ができます。食材確保とかで、外出はせにゃならんけども。

 窓は南向きで日中は安定した明るさ。夜になっても何らかの作業を行いたい場合、壁に据え付けられた装置を使う事により、明るく安全な光が部屋を照らします。…火事の危険があるので、蝋燭を使った夜更かしは禁止とします。

 内装は個人の趣味に任せるつもりなんで、とりあえず箪笥を一つ置いている。

 

 壁は防音機能を重視していて、多少騒いだ程度では隣に振動も届きません。冬は暖かく夏は涼しい素材……と言いたい所なんだが、流石にそれは難しかった。

 しかし近日中に部屋の温度調整機能を実装するつもりです。

 それまでは、各部屋に接地した簡易扇風機で耐えてくれぃ。

 

 

「……なぁ、若。さらっととんでもない機能を付け加えてるのはいいんだけどよ…」

 

 

 ん、どうした骸佐。…言われてみれば、時代的にオーバーテクノロジーもいいとこだったな。まぁ何も問題はないが。

 ちなみに紹介してない機能はまだまだあるぞ。

 

 

「その、えんとらんす? とやらに設置されている、これ見よがしに『押せ!』と言わんばかりの『押すな』と書かれた赤丸は何だ」

 

 

 さて、皆に鍵を配ろう。実際にここで暮らすかどうか、どう使うかは皆に任せるが、とりあえず見てみてくれ。折角作ったんだし、一瞥もされなかったらそれはそれで寂しい。

 

 

「おい待て何を放置して話を進めてる何なんだこの赤丸押させたいのか押させたくないのかどっちなんだ押すなと言うならせめて隠せ!」

 

 

 えー、だって押させたくない装置を隠してて、万一見つかると、絶対押すじゃん。「押すな」って書いてても絶対押すでしょ。だったら最初から目につくところに置いておいて、押さないように相互監視させた方がいいかなって。

 

 

「理屈になってるようでなってねえ! 監視ったっていつも誰かが居る訳じゃねえんだぞ! 皆が寝静まった後に、こっそり押しに来る奴が居るに決まってる! と言うか俺が押しに来るわこんなもん!」

 

 

 骸佐は好奇心が強いタイプ、と…。

 

 骸佐が指さす先には異様な存在感を放つ、壁に据え付けられたレトロな形の赤いスイッチ。押す時には「ポチっとな」が礼儀である。髑髏の絵でも描いておこうかと思ったけど、流石に辞めた。…書いていると、ついつい髑髏ではなく黄色地に黒い扇×3個のマークに変えてしまいそうだったから。

 まぁ落ち着け。この手の物を押したくて堪らなくなるのは、押すなと言われるだけではなく、何が起こるか分からないからだ。何が起こるかさえ分かってしまえば、そう気になるようなものでもない。

 

 

「だったらこんな注意書き付けんでも…。いやそれでも押そうとするやつは出るぞ絶対…。で、何が起こるってんだよ?」

 

 

 変形します。

 

 

「変形」

 

 

 合体もします。

 

 

「合体」

 

 

 もうちょっと具体的に言うと、対鬼用撃滅戦略兵器・スタンダップホーム号が起動します。

 

 

「すたんだっぷほぉむごう」

 

 

 動力源は、この地に流れる霊脈を汲み取るエコ仕様、自然にも優しく金もかからない!

 更に具体的に言うと、まず家の外郭全体が超特殊合金に覆われます。同時に、仕込まれた全186の砲門を展開し、砲撃の雨で押し寄せる敵を殲滅!

 博士がいつの間にか作業に混ざって据え付けていた結界石を用いた防壁により防御も完璧、それどころか幾つも防壁を展開して遅滞戦術も可能! 前回の失敗を踏まえて、地下は勿論空に向けた展開を可能とし、更に内部に対する警戒も忘れない! スタンダップホーム号が起動した30秒後に、あちこちにブービートラップやら落とし穴やら釣り天井やらが起動し、内部に入り込んだ小鬼を駆逐する! 当然人間かどうかの判別なんぞつかんので、起動までに脱出するか、各自自力で回避して外に出てくるように。

 館の側面には対大物鬼用に3本の撃龍槍(流石にレプリカ)を備え付け、スイッチ一つで鬼の体に風穴が開くような攻撃もできる!

 

 それでもいよいよ接近されてしまったら、スタンダップホーム号の真価を発揮する時!

 尚、ホームとは異国後で『家』を意味し、スタンダップとは『立ち上がる』という意味!

 

 つまり!

 

 この家の正体は! 人型巨大傀儡なのであるッ!

 三つの館を一つにし、その圧倒的な質量で突き! 蹴り! 斬る! ねじり潰す! そしてフライングボディプレス!

 最大の必殺技は、三つの撃龍槍を最大回転させながらのコークスクリュー、すなわちハートブレイクショット! 心臓を止めるなんて中途半端な事は言わねえ、文字通り抉り抜いてやるぜ!

 なお、そんな大暴れをした日にゃー、館の中にある物は纏めてグッチャグチャだ。

 

 そしてその浪漫の塊の起動スイッチこそが、この赤丸なのであるッ!

 

 

 

 

 

 という脳内設定です。

 

 

「設定なんだな? 本当に単なる妄想なんだな!? 今まで散々、功績と同時に問題事起こしてる頭領だが信じていいんだなこれ!?」

 

 

 いや、それを目指して色々仕込んだのは本当。でもなー、俺がこういう手の込んだ物作ろうとすると、絶対にどっかで捻じれて上手く動かなくなるんだよなぁ。

 実際、こんな所に起動装置を設置する予定なんか無かったし。

 なーんでこんな所にこんなもの出来上がってんだろ。

 

 構造上、動力源は一元にして管理してるから、スタンダップホーム号関係が上手く稼働してなければ、安全装置が働いて室内の設備は全部停止する筈なんだが。

 うーん、予備動力はまだ稼働してないな。動かして暫く様子見して、各種調整を施してから接続しようとしてたんだし。

 

 こりゃ、暫くはスタンダップホーム号関係の機能は落として、改めて構造を把握した方がよさそうだな。

 

 

「是非そうしてくれ…そしてそのまま封印してしまってくれ。どれだけ快適でも、この話を聞かされたら安心して住める気にならねえよ…」

 

 

 結局こっちに住むんかい。…別に、あっちの家を直して使っても構わんのよ?

 

 

「まだ時間がかかるし、一人部屋は俺も嬉しい。特に、自室に居る間なら厠の順番待ちをしなくていいのが最高だ」

 

 

 随分苦労をかけていたようだ。駄目な頭領ですまぬ。あと野糞するなら場所決めないとな。

 

 

「もう必要ねーだろ…。とりあえず、割り当てられた部屋に行ってみるか…」

 

 

 ごゆっくり~。マス掻きするも無意味に全裸で鍛錬するも、部屋の中なら好きにするとよい。

 ああそうそう、俺の部屋は屋上に作った。景色はいいけど、昇るのが面倒なんだよな…まぁ壁を駆けあがっていけるけどさ。近い内に、執務室の書類とかもそっちに移す予定なんで、俺を探している時はそこに来てくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに、地下室には茅場の部屋があって、何やら怪しげな実験をしていたりするが……これは黙っておいた方がいいかな。場合によっては博士もこっちに住んでもらおうかと思ってたが、うちの子達との確執が膨れ上がりそうだったから中止した。

 

 

 あと、後日赤丸ボタンの様子を見に行ってみると、周囲で乱闘した形跡があり、ボタンは鉄の箱で何重にも囲われて封印されていた。

 

 

 

 

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