あと、物理で解決してみようをちょくちょく続けて執筆中。
うーん、2話目の大筋は書きあがったけど、オチが弱いな…。
一話目みたいに、都合がいいけどシンプルな話になってくれない。
もっとこう、身もふたもない展開を書きたいんだけどなぁ…。
さて、家の事は取り敢えずこれでいいだろう。まだ部屋は余っているから、新しく見つかった滅鬼隊を迎え入れる事もできる。
家庭菜園も一応準備は出来ている。例によってMH世界の植物なので、育つのが早い早い。肉や魚はともかく、これなら遠からず経済…いや備蓄的な準備も出来るだろう。
それ以外の問題は、暫く過ごしてみないと分からない。どんなものだって、実際に使ってみないと使い心地は分からないからな。
となると、次の問題は…システム作りかなぁ。基本的には前の暮らしと同じ、掲示板で連絡事項を伝えたり、任務に出るのには浅黄の試験をクリアしなければならなかったり。
しかし暮らしや部屋が一人一人に分かれた事により、波長歩調が合わせづらくなったのも事実だ。起床時間就寝時間、飯を何処で食うか、ゴミはいつ何処に纏めて捨てるのか。
仮にも共同生活を送っていたのが、一人暮らしの集まり状態になった訳だしなー。引き籠りだって出るかもしれん。プライベート空間で何をやってるかも分からない。…危険な事でなければ、何してても構わないんだけどさ。
どうなる事かね。実に楽しみだ。子供達の成長を見るのは、実に楽しい…。
子供達の事はさて置いて、だ。いよいよ異界浄化の準備が整ってきた。
消えては現れる例の塔も、監視しているモノノフ達の報告によれば、頻繁に消える事はなく、消えたとしても暫くすればまた現れるのだそうだ。俺達が突入した直後に消えたのは、本当にタイミングが悪かったんだな。
今回は目的とする場所も分かっているのだし、浄化も左程時間はかからない。出現した直後に突入すれば、消える前に終わらせる事ができるだろう。
…心配があるとすれば、瘴気が消えた後、塔がどうなるか…だな。消えたり現れたりする現象は、それでなくなるんだろうか? 特に濃い異界の中では、時間を超えるような現象も発生するから、消滅出現もその為だと思ってたが…よくよく考えると確証がない。
よし、博士に相談してみるか。どっちにしろ、浄化記録の準備がどこまで進んでるのか確かめないといけないし。
「いくら私が天才でも、実物も見てないのに断言できるか」
…まぁ、そりゃそうよね。何やら茅場と難し気な話をしていた博士は、一言でそう切り捨てた。
「とは言え、大方の見当はついている。私の予測が的中しているなら、塔とやらの消失・出現はまた別の問題だ。瘴気に関わっているのは確かだがな。恐らく、しかるべき処置をしなければ、塔はこのまま出現・消失を繰り返すだろう。異界を浄化すれば消失までの時間は長くなるだろうが、同時に出現までの期間も長くなる可能性が高い」
ほほう。流石というべきか…。
とは言え根拠もなく鵜呑みにする訳にもいかん。
その見当とは? 結局のところ、あの消える塔は何なんだ? そして、それが正解だとするなら、博士は一体どうしてそれを知っている?
「異世界だ」
…いや茅場、そんな「イザナミだ」みたいなノリで唐突に会話に入ってこられても…しかも脈絡が無いし。
と言うか、今更なんだけど茅場は茅場でどうして博士と一緒に居るんだよ。すぐにウタカタに来るのかと思ってたら、「興味深い人と会った」なんて言って博士達と一緒に来るし…。
何がどうなって一緒になったんだ。
「私が興味を示す事なのだから、異世界絡みに決まっているだろう。出会った経緯は省くが、君同様に彼女にも異世界に関係がある。…そうだ、君が持っている、えぴたふぷれーとという武器も見せてほしいのだが」
神機はもういいのか? エピタフプレート…そういや、前にも博士に見せてたっけな。
そうか、あれに書かれているのって、俺が知っているどの言語でもない文字で、博士はそれを読めるんだっけ。同じような碑文が、マホロバの里近辺に散らばってたっけな。
「そういう事だ。君が知る世界とは別物かもしれないが、彼女は確かにこことは異なる世界の文明に深く触れている。異なる世界で栄えた文明の文字…これを解読できれば、それらがどのような場所なのか、どのような人々が暮らしていたのか知ることが出来るかもしれん! 更に、我々にとって全く未知の技術が使われている事は明白! 君とは違う方向性だが、彼女も非常に興味深い人材だとも!」
「人を研究材料扱いしているが、それはお互い様だから良しとしよう。方向性が非常に偏っているが、私に迫る頭脳を持っている男だしな」
おお、博士にしては珍しく高評価してるな。
経緯はよく分からんが、とにかくお互いに利用価値を見出した訳だ。
で、話を戻すが、結局アレは何なんだ? 博士がそれを知っている理由は?
「お前は『前』に、カラクリ石があった『舟』を見たのだろう。要するにあれと同じだ。ただし、こっちの『舟』…お前が言う所の『塔』はまだ一部の機能が生きているんだろうな。異世界へ移動しようとする機能が。それが時折発動し、何処かに……そうだな、文字通り異世界まで移動できている訳ではなさそうだから、遠く離れた現世か、或いは次元の狭間とでも言うべき場所に一時的に移動する。そこから推力不足で戻ってくるのだろう。それが消失と、その間は時間が経過しない現象の正体だ」
待てい茅場。機能の一部が、って言っただろうが。直すにしても異界をどうにかせにゃ何もできんわ。
舟…アレか。色々話したり推測も混じったりしたからどれが結論だったかイマイチ覚えてないが…確か、鬼を討伐する為に送り出された船団…って話だったかな。
それが放浪の末、この地に何隻か墜落した、と。
「そういう事だ。言うまでもないが、私が作っている鬼の手も、あの舟に使われている技術や、マホロバ近辺にあった碑文の技術が大きく関わっている。それらを調べていくうちに、異世界で使わている文字や、何処の機能がどう影響しているのか予想できるようになったのだ。」
成程ねぇ。…まだ言ってない事があるのは確かだが、まぁそこまで聞く必要もないか。何もかもを知らなければ信用できないと言うなら、それは誰も信じてないと言う事だし。
博士から隠している事を聞き出すとか、温厚な方法じゃまず無理だ。武力に訴えるともっと無理だ。勝ち負けで言えば勝てるだろうけど、意地を張り通して口を噤むのが目に見えている。色事なら…ワンチャンあるかもしれないが、諜報目的でヤるのは憚られる。いや、相手が完全な敵なら、ハニトラと割り切って口説き落とすなり、イくにイけない生殺しにして遊ぶのもいいんだけど。
「ふむ。では、その機能を一時停止させる事も出来るのだな?」
「当然だ。私が知っている舟と同じ形式であれば、すぐにでも出来る。違ったとしても、最悪動力源をふんだくってしまえば止まるだろう。…いいカラクリ石が手に入りそうだな」
そんじゃ、まずは異界の元となっている部分を浄化、それと同時に記録。
それが終わったら塔…舟の移動機能を停止させ、封印されている子達の救助はそれからだな。
こっちはもう準備できてるけど、そっちは?
「少々機材に凝ったから時間がかかったが、問題ない。さっさと始めるぞ」
いやウタカタの里からも人出してもらう事になってるから。
まぁ、あっちもそう準備に時間はかけないだろう。異界の浄化が本当に出来るのなら、例え自分達の手が届かない場所であっても即座にやってほしい、と言うのが本音だろうし。
さて、ウタカタからは誰が来るのかな?
問い合わせてみたところ、随分な大所帯になっている事が判明した。
異界浄化が可能なら、その瞬間をお頭である自分が確認せずに誰がする、という大和のお頭。
そういう記録は自分の役目だという秋水。
学者的な解説・知識であれば自分も負けてはいない、そもそも彼らの監視は自分の役目だという那木。
鬼が出るような場所ではないとは言え、護衛は必要だからとついて来る気満々の初穂。
何かと醜態を曝してしまった為、汚名を返上したいと主張する桜花。しかしこれは周囲の状況から、あまり行けるとは思っていないようだ。
…要するに、殆どの主要メンバーは、現場を確認したいと思っている訳だな。
まぁ、異界浄化は人類にとって悲願のようなもの。それが本当に叶う歴史的瞬間が来るのなら、そりゃ誰だって見たいだろう。逆に名乗りをあげなかった人達は、それよりも自分の役割を優先したという事だろう。
特に、初穂と秋水はなぁ…。初穂にとっちゃ時を超える元凶になった異界が消える瞬間だし、過去に死んだ仲間達を助ける為に戦力を送り込む…なんて考えてる秋水にしてみれば、異界浄化の価値はどれ程のものか。
モノノフの編成は基本4人までなんだけどなぁ…まぁ、別に問題はないけどさ。それくらいが連携しやすい数って意味でしかない。
これで何人だっけか…博士は勿論、異界浄化の真実を確かめにきたって真鶴だって居る。何人かは完全な非戦闘員として割り切るか。
鬼が出るとは限らないが、こういう時に話がスムーズに進んだ試しがないからな。
何にせよ、異界浄化よりも危険なのはその後だ。
うちの子達や大和のお頭には話を通して、備えもしてもらっているが…異界が消えれば、その後に起こるのは鬼達の縄張り争い。それに負けて逃げて来た鬼達による、里への襲撃。
まぁ、消失させる異界の場所が場所だから、そう強い鬼は来ないだろうけどな。