※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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仕事が終わってビールを買って帰ったら、穴が空いていた。
どうやら自転車の籠に入れている時に、ネジか何かに当たって破れたようです。

なんという悲運!

GE2RBは、螺旋の樹が出来たところまでいきました。
もうちょっとで新展開だけど、その前にマガツキュウビがな…あれ、ストーリー編じゃなくなったんでしたっけ?


第50話+外伝5

神造月ヘタの考え、食えぬ食料に似たり日

 

 ゴッドイーターには、それぞれノルマがある。

 一定期間の間に、これだけミッションをこなさなければならない、というノルマだ。

 細かい制度は省くが、名ばかりのゴッドイーターなんぞ居ても害悪以外の何者でもないからな。

 ゴッドイーターであるってだけで、食料の供給を優先的に受けられたり、居住区どころか部屋を用意されたり…これで仕事しないってんなら、追い詰められてる人類の余裕をガリガリ削る寄生虫以外の何者でもない。

 

 ま、ちゃんと仕事しないと、偏食因子を抑える薬剤も貰えずに、アラガミ化して死ぬ未来しか見えんけどな。

 そう言えば、また次の世界に行った時の為に薬剤を溜めておかないと…。

 

 

 それはともかくとして、俺達のチームにも当然ノルマがある訳だ。

 だが殆ど意味無い。

 俺とソーマだけで普通に達成してしまっている。

 

 ちゅーか日々是狩日の俺だけで9割、以前より丸くなったとは言え単独出撃上等絶対アラガミ殺すマシーンなソーマで7割。

 残った二人は適当に出撃してるだけでも、俺とソーマのどっちかは一緒に出ているので、軽く4割。

 合計で考えると、ノルマの2倍くらいの仕事をしている訳だ。

 しかし給料は据え置き。

 

 何かが間違っている気がするとボヤいたら、ヒバリさんに「あなた方の出撃頻度と勝手にアラガミ迎撃に向かう回数以上におかしな事などありません」と断言されてしまった。

 むぅ、自覚があるから困る。

 

 

 

 まぁそれはともかくとしてだ。

 ノルマさえ達成しているなら、フェンリルからは特に文句は出ない。

 極端な話、たった一日でノルマを達成したら、その後はダラダラダラ食っちゃ寝食っちゃ寝してても問題は無い訳だ。

 

 カノンは勿論、アリサも結構ムチャなペースの狩りについてきている。

 新型使いと言えど、まだまだルーキーなアリサのノルマなんぞ知れたもの。

 とっくにノルマは達成している訳だ。

 

 

 だと言うのに、俺の個人的な狩りにも付き合ってくれるのは素直に有りがたい。

 戦力的に必要ないとか、KYかつキチクな事は言うまい。

 感謝はデートとベッドで示しているが。

 

 

 …で、その『個人的な狩り』についてだが、要するに未だに研究中であるリンクサポートその他の研究協力だ。

 本来、研究協力の為にミッションを受けるゴッドイーターはあまり多くないらしい。

 研究と言えば聞こえはいいが、実際は役に立つかどうか…どころか、実現できるかどうかも分からない謎機能やら、判明したところで何の意味もなさそうなアラガミの生態やらを弄繰り回す道楽だ。

 それに命をかけてまで協力するよ!という物好きが居ないのも、無理も無い話だ。

 

 だから、俺達3人で協力すると言い出したら、それはもうあっちこっちから依頼が殺到してきた。

 俺としては普通の狩りの延長でしかなかったんだが、二人にはちょいとキツかったかな…ノルマに追われてる訳でもないし。

 

 

 

 しかし、二人とも、研究中のテーマの中に個人的に興味を引かれる物を見つけたらしい。

 カノンはオラクルリザーブ。

 アリサは……なんか、対アラガミ用の防壁やら、住居がどうの………ひょっとして、GE2でちょっと出てきたサテライトの原型か?

 

 まぁ、俺としても各種研究が進むのは有りがたい。

 今回ループで実用化に辿りつけなくても、データがあるだけでも次回ループの役に立つかもしれん。

 

 と言う訳で、明日も3人で狩りに励むのだ。

 その後ののアソビがどうなるかは、その時のテンション次第だね。

 

 

 

神造月食えよやぁぁぁぁ!日

 

 

 榊博士が、相変わらず細い目で俺の神機のメンテナンスを見つめていたのが見えた。

 …普段通りのポーカーフェイスと言うかアルカイックスマイルというか、誰しも思う感想だが某神隠しの主犯並みの胡散臭さをたたえた笑みだったんだが…なんとなく悔しそうに見えた。

 やっぱりいいオモチャに触れないのが残念なのか?

 それとも、研究協力者が出たのに、俺が中心だから協力要請しないとか考えてんのか?

 

 ま、何でもいいか。

 とりあえず、研究素材を集めて回る日々。

 噂では整備班の殆どが、整備そっちのけで自分のやりたい研究にフィーバーしているという話だったが…流石に整備を放り出す事はしてなかったようだ。

 

 で、段々と幾つかの研究が形になってきている。

 オラクルリザーブはその雛形が出来てきたらしいし、アリサが気にしていた対アラガミ用壁は……理論だけなら、ちょっとずつ組みあがってきているらしい。

 …ただ、それが出来上がるまで生きてるかどうかだよな…。

 俺が死んでデスワープしたとしても、二人には完成と実用化を見届けてほしいもんだ。

 

 

 

 ところで、カノンがアリサも誤射しなくなっていた。

 暗示の手応えは無かったんだが…。

 何故?と思って聞いてみたら、二人に顔を赤くして誤魔化された。

 

 

 

 ベッドで尋問してみたら、誤射したら夜の優先権を譲るとか、そーいう条約が締結されていたそうな。

 俺が砂糖で餌付けしたのと同じ事をやった訳ね。

 誤射がなくなればそれで良し、受けたら受けたで俺を一時的にでも独占できる、と。

 結構強かだな。 

 

 

 正直に白状したゴホウビをあげました。

 

 

 

神造月胃袋から生焼け肉が逆流する!日

 

 厨二病が誇張無しにに命に関わる、文字通り死に至る病だったらどうなっているだろう。

 少なくとも日本人の7割は、闘病生活すら送らず死滅し、残った3割の内半分以上は死に至ると知りつつも更なる重病化を引き起こし、更に残った半分は生きる楽しみの9割以上を失い、更に更に残った半分は特効薬や対処法を知りつつも自ら望んで感染し、更に更に更に半分はアラお得死んでも厨二病パワー(と書いてロマン回路と読む)パワーで地獄の底から舞い戻ってきたぜとなり、更に更に更に更にあらまぁなんとお目が高い、更に更に更に更に更に更にリンドウさんがMIAでござる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何時の間に!

 いや、確かに時期的に考えれば、暗殺イベントはとっくに終わっていたとしてもおかしくないけど!

 今日の夕方に伝令が走り、ミッション中に行方不明になったリンドウさんを探せ、という指示が来た時にはひっくり返るかと思った。

 

 一体何故?

 そりゃリンドウさん程の凄腕であっても、いつどんな切欠で、例えば弱いアラガミ代表格であるオウガテイルにだって上田されてもおかしくはないが…。

 

 少なくとも、アリサは昨日から自室のベッドで熟睡中だ。

 彼女を使った暗殺ではない。

 せめてどういう状況だったか確認しようとしたのだが、何でも特務の最中だったらしく、ミッションの内容すら知らされて無い。

 ただ嘆きの平原付近でのミッションだった、というのが知らされただけだ。

 

 

 極東きっての凄腕が、まさかのMIA。

 明確な死は確認されていないが、皆が動揺している。

 肉親の雨宮教官は、一見動揺していないように見えるが…僅かに体の動かし方にムラがある。

 

 恋人のサクヤさんも、雨宮教官程ではないが落ち着いているように見える。

 …誤魔化しが甘いな。

 握った手の爪が、肌を突き破りそうになってる。

 

 

 さて、どうしたものか。

 リンドウさんを探すのは文句無い。

 ゲームのストーリー通りであれば、リンドウさんはアラガミ化しつつある時にシオに遭遇し、助けられる…という流れだ。

 しかし、そのストーリーでは贖罪の街がその場所だった。

 そもそも、リンドウさんが腕輪を失う程の致命傷を負い、なおかつその体をアラガミに食われていない…という奇跡的な確率に縋らなければならない。

 

 普通に考えて、まず無いだろ。

 致命傷を負ったゴッドイーターなんぞ、放っておくだけで抵抗どころか呼吸もしない体になってしまう。

 そんなお昼ご飯確定な獲物を、どうして放置して去っていくというのだ。

 満腹?

 アラガミって満腹になるのか?

 むしろ、文字通り地球を食い尽くすまで満腹になりそうにないイメージなんだが…終末捕食的な意味で。

 でもイメージ的にはイビルジョーの方がよく食ってる感じがするな。

 

 

 

 

 話が逸れた。

 とにかく、リンドウさんを探そう。

 どっちにしろ探索指令は出ているんだ……恐らく、短時間で打ち切られるが。

 その間に探し出せれば…………あまりメリットは無いな?

 そりゃ生きてるに越した事は無いが、少なくともGE無印終了時点まで関わるとは思えんし。

 上手い事シオと遭遇して、自我が残ったり、アラガミ化を制御できてれば、対支部長への強力な駒…もとい仲間になってくれると思うんだが。

 

 ま、探すだけなら問題ない。

 何時の間にやら会得していた、タカの目っぽい鬼ノ眼がある。

 一度はシオの痕跡だって見つけたんだし、『そこに居た』と確信できる場所を見つけさえすれば、後は光る足跡か何かで追っていけるだろう。

 そして『そこに居た』場所はハンター感覚で見つける。

 

 

 ……なんか相性いいな、この能力と感覚。

 

 

 

 

神造月許されぬ事など無い。故に二股もイエイエナンデモアリマセン日

 

 

 リンドウさんが居たと確信できる場所は、簡単に見つけられた。

 そこに居たアラガミは、どうやらウロボロスのようだった。

 デカブツなんで、足跡一つ見るだけでも簡単に推察できる。

 

 が、そのデカブツは普通に叩き切られたようだ。

 単独で狩れる相手って原作か何処かで言ってたが、マジだったんだな…。

 

 …俺はどうかな?

 痕跡から見るに……やってやれない事はない、か。

 いっそジエン・モーラン級のデカさなら、もっと簡単なやりようが…いや、この世界でそのサイズが出たら余波だけで建物とか山とか崩れて戦うどころじゃねーわ。

 

 

 ともかく、その後の足取りを追う事は難しくなかった……途中まで、だが。

 

 

 何だ、あれ。

 

 リンドウさんが帰還の途中…だと思うが、突然大量のアラガミに襲われていた形跡がある。

 しかも、形跡から推察するに……というか、タカの目が見せた過去視からするに、誰かを庇って戦っていた?

 

 でも誰を?

 ゴッドイーターじゃない。

 どうも、誰かを抱えて動いていたらしい。

 いくら常人とは一線を画した身体能力を得たゴッドイーターと言えど、人間一人を抱えて動くのは至難の業だ。

 

 適当な重さの石とか荷物を抱えて実験した結果、多分14歳前後の……女の子?かなぁ…。

 荷物を持って重さを調節しながら、何度も同じ場所でステップを繰り返す様子を「ついに狂いましたかね?」「それだけリンドウ君のMIAがショックだったんだろう」「………」なんてコメントしつつ見ている我がチームに、ちょっと殺意が沸いたりもしたが。

 

 

 しかし、14歳…14歳前後ねぇ……を抱きかかえて…?

 ちょっとアブない妄想が走るのは、散々ヤりっぱなしなのに欲求不満だという事にして。

 

 その年齢で……女の子で………そして、突然大量のアラガミに襲われる。

 

 

 

 

 

 

 

 GE2のナナ?

 

 

 いや、まさか…。

 しかし、不自然なくらいに突然集まったアラガミとか…。

 そもそも仮にナナだったとして、何故ここに?

 血の力だって、目覚めてなんていないだろうに。

 

 ナナはこの時期だと、マグノリア・コンパス…だったか?

 後にブラッド隊員となる者を集めている、孤児院に居る筈だ。

 血の力に関しては……どうだろ、ナナの場合、やろうと思えば無理矢理叩き起こせなくもない気がする。

 ゲームでも喚起の力が引き金になったにしても、トラウマを刺激されて暴走したようだし。

 

 それ以前に、リンドウさん暗殺ともなれば、まず間違いなく支部長の仕業だ。

 支部長が、将来のブラッド隊員として育てられているナナを、マグノリア・コンパスから引っ張ってくるのか?

 …できなくは無い、気がする。

 新たにゴッドイーターとして招聘すれば、フェンリルの支援を受けているマグノリア・コンパスも断りきれないかもしれない。

 それをラケル博士が承諾するかが、一番の疑問だが。

 

 

 

 よくよく考えてみれば、血の力というのは現段階でどう認識されているんだろうか?

 今までは誰も知らないと思い込んでいたが、案外そうでもない気がしてきた。

 

 少なくとも、GE2の黒幕だったラケル博士はその力を確信しているだろうし、その為に何年も前から準備してきた筈。

 ラケル博士の実家がどれくらい力を持っているかよく分からないが、フェンリルだって妄言を相手に移動要塞を作れる程の資材は出さない。

 

 

 

 …落ち着け。

 ひょっとしたら、本当はナナではなく全く違う女の子で、アラガミが寄ってきたのは何かしらの薬剤による誘引という事も考えられる。

 

 まずはリンドウさんだ。

 乱戦になった後の事は、痕跡が殆ど消えているので追いかけるのは難しい。

 別の痕跡を探さないと。

 

 

 

 

神造月井の中の蛙、ガノトトスに食われず日

 

 

 冷静になって考えてみたが、やはり支部長の仕業…なんだろうなぁ。

 ナナなのかどうかはともかくとして、恐怖や混乱で動きが取れない子供を一人抱え込むのは、相当なハンデだ。

 そこへ乱戦が来なければ、リンドウさんなら生き残れたと思うが…タイミングが良すぎる、というか悪すぎる。

 

 リンドウさんを始末する為だけに、何の関係も無い幼い子供を巻き込むのか?と言うか気分の悪い問いかけはあるが、何せあの支部長だ。

 人類の未来の為と言い切って、覚悟完了しちゃってるあの支部長だ。

 そもそもアーク計画が発動した日には、幼い子供どころか人間の殆どがお陀仏する。

 今更躊躇うとは思えんな。

 

 

 で、予想通りに探索任務が早々に打ち切られそうになっているようだ。

 あっちこっちから反発の声が上がっているが、撤回させるには至らない。

 支部長の影響力の強さ故、かな。

 

 とは言え、勝手に探す分には文句を言われる筋合いも無い。

 特に俺のチームは、ミッションのついでにウロウロしては遭遇したアラガミを討伐したり、偶然近くに居た別のチームを助けたりしているんだから。

 …それはそれで別の意味で問題な行為なんだけどね。

 トータルでは利益になってるし、ヘタな事をすると助けられたチームとかが色々言い出すんで、黙認されてる感じ。

 

 その俺達の自主探索までは掣肘が入らないのは、リンドウさんの死を確信しているからか?

 まぁ、どう考えたって普通はお陀仏、或いはアラガミ化が決定してる状況だもんな…。

 タカの目を使った探索でも、痕跡がまるで見つからない。

 アラガミの腹の中に入ってしまったのなら、そりゃ痕跡も見つからないが…いや、血痕とか服の喰い残しはあるかもしれないな。

 

 

 考えてみれば、誰かが死んでいるかもしれない状況と言うのは…初めてに近い。

 近い状況と言えば、MH世界でメゼポルタがルコディオラに襲われた時くらいか。

 あの時はユニスが死んでいるかもしれない、と思ってその場で暴発しちゃったからなぁ…。

 

 それ以外の時は、誰と一緒に居ても大体死ぬのは俺が先だった。

 唯一の例外は、ヴァジュラの雷撃から俺を庇って、一緒にお陀仏したと思しき以前のアリサだけだ。

 とにかく、誰かが先に死んで俺一人が残されるって状況には縁が無かった。

 これは幸運…と思うべきだったのかな。

 

 まぁ、その幸運も尽きてしまったかもしれないが。

 

 

 

 結局今日も、リンドウさんの手がかりは無し。

 シオが居た形跡も無かった。

 

 

神造月アイ! キャン! ハーント!日

 

 今更なんだが、俺が汚っさんを殺った事、支部長に気付かれて無いよな?

 自分で暗殺したからか、自分が暗殺されるって事も割りとリアルに考えられるようになってきた。

 証拠は残ってないと思うし、誰にも気付かれずにやったつもりだが……ああ、ちょっと不安。

 でも俺の場合、文字通りの死、ジ・エンドにはなりそうにない。

 どちらかと言うと、カノンとアリサで両手に花の状況を失う方が怖い。

 

 

 あと、表カノンが最近Sっ気にも目覚めつつあるのがコワイ。

 俺に対してじゃなくて、俺に弄ばれてるアリサに更にちょっかいを出してヒィヒィ言わせる事を楽しんでいるっぽいんだが……まぁ、裏カノンの存在を考えると、素質があるのは何らおかしい事ではないな。

 

 

 さて、それはそれとして、予想通りあっという間にリンドウさん捜索任務が打ち切られた。

 正式に命令として出されてしまっては、ゴッドイーターにはどうしようもない。

 逆らったら給料が減る恐れもあるし。

 

 

 大体、こっそり探そうにも、俺でさえ未だに手がかり一つ見つけられないのだ。

 当てもなく、あるかどうかも分からないものを探すのは、精神的にも体力的にも非常にキツい。

 余程強い縁か思いいれでもなければ、探索の手が徐々に衰えていくのも仕方ないだろう。

 …それに、死者ばかり気にしていると、今度は自分が死者になってしまう業界だからな。

 

 

 

 俺も探索は続けるつもりだが、次の事を考えなければいけない。

 つまるところ、特異点の確保、隠蔽。

 

 なんだけど…よくよく考えたら、それって解決策になってない気がする。

 終末捕食を引き起こす為、支部長はずっとシオを探し続けるだろう。

 「見つからないから諦める」なんて戯言を抜かす筈が無い。

 

 

 

 と言うか、どうすりゃクリアになるんだろうか?

 そもそも終末捕食を防げばいいのか、要するに?

 

 だが終末捕食自体は、特異点が存在する限り必ず起きる。

 アーク計画とは、そのタイミングを人間側で操作し、そして終わるまで一部の人間だけでも宇宙に逃がして生き延びさせる、というものだ。

 

 もし、特異点が居なくなったら?

 …意味無いな。

 また別の特異点が出るだけだ。

 それこそ、GE2の赤い雨みたいな弊害を伴って。

 

 アーク計画を阻止するとしたら、「その計画は不可能だ」と立証して支部長も信じさせなければいけない。

 だが計画が無くても、何時になるかは分からないが終末捕食は起きる。

 更に言うなら、終末捕食が終われば、恐らくアラガミは姿を消すだろう。

 

 代案を出すとしたら、アラガミが居なくなり、人類をより多く存続させ、なおかつ終末捕食もしっかり防がないといかん訳か。

 この世界の仕組みをぶっ壊せとか、ムチャな話だ。

 そんな方法があるんなら、とっくに支部長とかがやってるっての。

 

 

神造月楽しすぎて、腹減っちまいそうだ!日

 

 赤い雨で思い出した。

 よく考えたら、GE2では終末捕食はもう起こらなくなったって話じゃないか。

 螺旋の樹がどうのとか、どっちにしろジュリウスが戻ってこなかった事しか覚えてないが、終末捕食を起こさせない手立て自体はあったんだな。

 確か、ジュリウスが特異点として螺旋の樹の中に居るから新しい特異点も発生せず、終末捕食も起こらないんだっけ。

 正確に言うと、終末捕食は起こっているが、螺旋の樹の中で留まっている。

 

 これと同じ事をすればいい訳だ。

 アラガミは世に残る事になるが、実現できれば終末捕食による人類全滅は無くなるし、アーク計画も実行不可能にはなる。

 …問題はその方法と……恐らく、シオがジュリウスの立ち居地になり、事実上の生贄にならなきゃいかん事と……仮に螺旋の樹が出来上がった場合、それをぶっ壊されたらまた捕食が起きるんじゃないかって事かな。

 

 ま、あくまで予想だ。

 まずは実現できる方法を探さなければどうしようもない。

 だが、研究できるだけの頭脳を持った榊博士は、俺に手を貸してくれないと断言しているし、支部長は敵側。

 …他の博士………ラケル博士と、色っぽいねーちゃん?

 ……も、敵側か。

 

 こりゃ次回ループで榊博士に相談するしか手がないかな。

 それまでは、役に立ちそうなデータとかを片っ端から集めるとしようかね。

 

 

 

 

 

 ところで、アリサと着衣パコパコ(無責任館長に非ず)してて思ったんだけどさー、この世界で露出狂疑惑持ちが多いのって、資材不足で充分な衣類が支給されないから、って言われてた覚えがあんのよ。

 でもね、GE2を思い出してみ?

 アリサはちゃんと体を隠せる服を着てるのに、何故か一番上のボタンだけ留めて、ヘソとか、角度によっては下乳とか見える格好してたのよ。

 …やっぱ露出狂…。

 

 それ以前に、女の人は露出が多いのに男は普通に体を隠す服着てんだぜ?

 男女両方に、等分に服が支給されてるとすれば、やっぱり露出が多くなる筈がない。

 それ以前に、男の方に多く衣類が渡されてるとなれば、色々と反発が出るだろう。

 露出してヤバい部分が多いのは、男よりも女なんだから。

 

 セクハラ騒動でフェンリルが崩壊しそうだな。

 

 

 




外伝月 緑色日



 今度はまた、毛色の違った夢を見ているようだ。
 見渡す限り不毛の大地。
 空はどんよりと曇って、なんかビルの残骸っぽいのが砂に埋もれているのが見える。
 かなり遠いな…。

 しかし何ちゅうか、遠近感が狂う。
 砂漠と倒壊したビル以外何も無いんで、ビルが妙に小さく感じる。

 いやそれよりも問題なのは、だ。
 俺が全く動けないって事なのよね。
 金縛りになったみたいに、ホントに体がピクリとも動かない。
 と言うか手足の感覚が無い。

 …ヤバくね?
 この夢、普通の夢じゃないみたいだし、このままだとヤバくね?
 …ま、大丈夫か。
 いつぞやの夢じゃ、鬼島津のじーちゃんに真っ二つにされたけど、精神以外のダメージは無かったもんな。

 でも兎に角退屈だし、動けない状態ってのは精神的によろしくない。
 何とか動けないかと身じろぎとか試してみたんだが……妙な金属音がするのと、体が何処かに繋ぎとめられているような感覚がある。
 

 …ひょっとして、俺、拘束されてる?


 うわぁい、嫌な予感!
 拘束してやる事なんて、拷問か分解か改造かイメージプレイだけじゃないか!

 おぅふ、何とか自由になろうとガチャガチャやってたら、体の中を弄くられているような気がしてきたよ!





 …って、あれ?
 何か…遥か遠くで光ったような………いや、見間違いじゃない!
 何かが空を飛んでくる!
 バカが戦車でやってくる!

 鳥か!? バカか!? ヨロイか!?
 いや違う、あれは…








 かいぞうにんげんがあーまーどこあでとんできた!




 そして同時に、俺の体がフワッと浮き上がる感覚。

 嫌な予感がして、くるくるとその場で回ってみると。


 丸くて緑色の目みたいなのがついてるボールが、ひーふーみー………5個。
 …5個?

 ちょっと待て、これってもしかしなくてもアレだよな、かえってきたへんたいだま。
 でもあれって確か6機あった筈。

 1機足りない。
 そしてついさっきまで身動きがとれず、今も手足の感覚が無い俺。



 すれ違うボールに映し出される俺の姿は、やっぱりボールだった。



 そりゃ手足の感覚が無い筈だよ、動けない筈だよ!



 ってああ、言ってる間にアーマードコア…ネクスト…と交戦!
 腕前はどんなもんだ!?
 ドミナントだったら生き残れる気がしないんですが!?


 あ、何か通信を傍受した。


『あんなものを浮かべて喜ぶか、変態共が!』

『ありがとうございますッ!』

『ブヒィ!』


 …心底いらないものも傍受してしまったようだ。

 とか言ってる間に、もう残りは俺一機だよ!
 やっぱドミナントかよ!

 ぶ、武装!
 武装は何がある!?
 えーと移動用のフロートユニットに、クイックブースト。
 …あれ、確かヤバい粒子を撒き散らすキャノンと、アサルトアーマーがあった筈なのに…?


 残った機能は2つ。







   自爆。






















    変形。





 そしてまた要らん呟きが傍受される。


『ふっ、まさかあの1機が本当に残るとは』

『運命とはなかなか良いセンスをしているようだ』

『さあ諸君!
 本来ならお目見えするどころか、開発を禁じられた我々の熱意と趣味と技術の結晶のお披露目だ!
 会社を騙して開発してたから、披露したらお叱りが出る前にさっさと逃げるぞ!』

『オス、有給休暇の手続きは万全です!』

『よろしい!
 ソルディオス・オービット改め、変形人型決戦兵器!

 チェーンジコジマシーン!』


 ガタガタと動いて、球形から何やらゲッターなカンジの人型になろうとしている俺の体を感じつつ思う。


 …よし、他のへんたいだまとの合体が無いだけマシだな!




 どっちにしろ武器が無いから、サイバイマン式に飛びついて自爆しかできねぇんだよ!


 俺の最後に、ネクストが泣いた! 
 じゃあの。






















 起きてから冷や汗流しながら試してみたら、アサルトアーマー撃てそうだった。
 慌てて中止した。


 コジマは、まずい…。


外伝:アーマードコア編
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