協調性の無い、しかも自覚の無い部下って厄介なのね…。
自分は悪くないって言い張るのも分かるんだけどさ、組織やチームの一員である以上、他の人がやらかしたら自分も頭下げざるを得ない。
それを自覚せず、庇われている自覚も無いってのは、チームとしては癌かなぁ…。
つまりはこの主人公ですな!
「味は涅槃マユリ味ダヨ!」月「なん……だと……」日
↑
気が付いたら書いてたが、この日付なんだよ?
ソーマと交代してアナグラへ。
それはいいんだが、なんか妙に討伐依頼が多くない?
まぁ、俺にとっては呼吸をするかの如くこなせる量だけどさ。
と言うか、マジでヤバいアラガミが増えてきている。
他人が受けたミッション内容とか、閲覧するにはそれなりの権限が必要なんだが、あちこちのツテを辿ればそれも想像できないことは無い。
例えば、各人の神機のコンディションとかね。
これは一体どういう事か?
極東地区は元より対アラガミ戦線の最前地区だったが、それを考慮に入れても異常な状態だ。
俺達が、新入りからベテランに評価が変わり、それに伴って任されるミッションも変じた…訳じゃない。
明らかにその辺に居るアラガミの質が代わってきている。
オウガテイルばかりだったのが、ヴァジュラテイルも混じってきているし、局地適応型のアラガミが普通にウロウロしている。
…雪山に適応したアラガミが、煉獄の地下街とかに出没して勝手に衰弱したりもしてるんだが。
よく考えたら、あの地下街も謎だな。
なんでマグマなんぞに浸されているのだ。
近くに火山でもあったんだろうか…。
それはともかくとして、カノンとアリサに心配されていた。
特務って事で、何も話してなかったらしい。
ま、実際どう話せばいいのやら、って話だしな。
口下手のソーマが色々と言い訳するより、黙ってシャットアウトしたのは正解だろう。
俺としても何をやってるか話す訳にもいかないので、やっぱり特務の一言で押し通した。
特務って完全に機密事項だしな…。
知った方も知らせた方も、後がヤバい。
あまり危険は無いが、普通のゴッドイーターにはできない任務だ、とだけ教えておいた。
唐突に出てきた裏カノンに、「女のニオイがするわ」と囁かれたのにはビビッたが。
リッカさんも協力してくれてるから、そのせいだろう、と誤魔化した。
神造月「私の能力の名は……ラディカル! (ガンパレ的) “ゴ” ッドスピィィィィィィィーーーーーーードッッッッ!!!!」日
今日は午前中はデート、午後から狩り。
シオにメシを食わせる為にも、色々狩って確保しないとな。
…原則、アラガミの核はフェンリルに提出しないといけないんだが……普段からアホみたいな量を狩ってるから、そこからちょろまかしても気付けないだろ。
普通に横流しだが。
…気付かれると厄介な事になるが、そう長くは続かない筈。
シオが特異点として覚醒してしまう前に打開策を見つけ、カタをつけないと…。
しかし、実際方法が無いんだよなー。
リンドウさんなら、もう少し突っ込んだところまで計画を調べてたかもしれないが。
…ん?
今、もうシオと会って、大分言葉も覚えている。(普通の言葉じゃなくて、シオ語で話さなきゃいかんが)
ひょっとしたら、リンドウさんの事について聞けるんじゃないか?
神造月ヘンタイと紳士は紙一重日
ソーマと交代。
何か進展はあったかと期待したが、そっちは何も無い。
男女の仲的な意味でも無い。
…保護者としてはデレてきたっぽい。
服が完成したんで、リッカさんも一緒に行った。
着せるのに一悶着あったが、割愛。
ちゃんとした服を着て、ついでに体も拭いて汚れをとったシオは、率直に言って可愛かった。
これはフェロモン疑惑とか関係無しに。
褒められていると知って気分を良くしたシオは、歌い始めた。
日本全○酒飲み音頭を。
ソーマとリッカさんに追い回された。
ついでにシオも追いかけてきた。
それはともかく、シオにリンドウさんの事を知らないかと聞いてみた。
リンドウさん、なんて言っても分からないだろうから、特徴を言ってみたんだが…リンドウさん、よく考えたら明確な特徴って無いよなぁ。
美形は美形だけど、シオには顔の良し悪しなんて分からないし、髪の毛は極東人(日本人)の平均的な黒だし。
ゴッドイーターは何人も居るし、殉職者だって沢山居る。
仕方ないので、「あの辺りで死に掛けていたゴッドイーターと会わなかったか?」みたいな形でしか聞けなかった。
で、答えはYES。
詳細を聞いて(非常に抽象的な表現しかしないので、翻訳が必要だったが)、リンドウさんっぽい事を確認した。
そして、一緒に居た子がナナっぽい事も。
当時、シオは食料を求めてその辺をフラフラ歩き回っていたようなのだが、突然何かに呼ばれているような気がしたのだそうだ。
特異点として…ではないと思う。
まだ覚醒の予兆は全く見られない。
で、その呼ばれているような気がする所に行ってみたら、そこには死にかけている…男女。
そうだよな…ナナを守っていたと思われるリンドウさんがMIAで、ナナだけが無事の筈が無い。
マグノリア・コンパスである程度の軍事教練は受けている筈だが、血の力の誘引が暴走状態って事は、精神的にガタガタな状態だったんだろう。
戦うどころか、体がまともに動かなかっただろう。
結局、アラガミの殆どを倒したものの、二人揃って致命傷(リンドウさんは腕輪を失ったようだ)を負い……自分を呼んだ事への興味から、シオが助けた。
今は、シオが「わーーっ!」した(シオ語で、アラガミ化を抑える処置をした…だと思う)後、二人を鎮魂の廃寺まで運んだ。
そして食料を探すため、二人を置いてその場を離れたのだが…戻ってきたら居なかった。
野良のアラガミが何体か居たらしいので、逃げたのだろう。
ひょっとしたら、その野良アラガミも誘引で引きつけられたのかもしれない。
…これだけの話を聞くのに、丸々一日かかりました。
神造月他人の狩り見て我が狩りに活かせ日
とりあえず、リンドウさんもナナも生きてるっぽいな。
鎮魂の廃寺付近か…。
よりにもよって、何故あそこに。
あんなところで暮らしてたら、体温が低くなって冬眠⇒永眠してしまう。
どっちにしろ、逃げたんだったらその場には…?
もうちょっと暮らしやすい所に行くと思う。
暮らしやすい…と言っても、外の世界だしな。
食料とかもう無いに等しい。
それこそ、アラガミを喰いでもしない限りは。
それに、腕輪を失い、ナナは恐らく司法取引で囮・枷として引っ張られた。
ナナを返すのも危険、自分は戦闘能力をほぼ失い、仮に支部長が追撃をかけたら殆ど反撃できない。
となると……?
灯台下暮らし、か。
神造月狩りに落ちず、人生に落ちる日
アナグラ周辺の居住区か、フェンリルの庇護下に置かれる事を拒んで独立しようとしている集落。
恐らく、リンドウさんとナナはこのどちらかに居る。
聞き込みは難航している。
「片腕を失った男か女かは居ないか」と触れ回っているのだが、俺達がゴッドイーターだというだけで反感を買う。
この世界を滅亡に向かわせずに圧し留めているのは確かにゴッドイーターだが、人間の感情にはそんな事は関係ないらしい。
フェンリルの庇護下にありながら、食料改善のデモやら何やらをしようとする集団も居るくらいだしな…。
何も、フェンリルの庇護を受けているのだから全面的に従えとは言えないが、今の彼らは「与えられている」立場だ。
そこへ改善要求をすると言うのもね…。
この世界には、衣食住を確約する基本的人権なんぞ無いんだ。
嫌な言い方になるが、彼らの要求は自分達の立場を弁えずに、もっと寄越せと言っているようにも見える。
無論、彼らからしてみれば、最低限の物資を要求しているだけで、それ以外の事は自分達でどうにかしようとしているんだろう。
彼らの最低限と、フェンリルの最大限、その差が生み出した軋轢だ。
回避のしようが無い。
それに比べれば、フェンリルの庇護下から抜け、自力で生活しようとしている人々は違う。
自分達の事だから、自分達でどうにかしようとするのが当然。
そんな風に体現しているように見える。
フェンリルから何も受け取らない。
だから何も指示される謂れは無い、という訳だ。
確かに筋は通っている。
…ま、これはあくまで強者の理屈だ。
自力でアラガミと戦える力を持ち、食料をそれなり以上に確保する術を持ち、生活していくだけなら困らない。
あまつさえ、「死」という絶対的な現実から遠ざけられ、やり直しの機会すら持っている。
そういう意味では、俺はこの世界の何よりも、絶対的な強者と言えるだろう。
…多分に、俺のような一介のハンターが語るべきではない、政治的要素が含まれていたようにも思えるが、とにかく俺が言いたいのは…別に非協力的だからって、彼らに対して腹は立たないって事だった。
フェンリルという、この世界の経済的支配者から離れるだけあって、彼らはゴッドイーターに対しても排他的だ。
だからこそ二人が隠れ家とするのだろうが、どう探したもんだろうか。
腕輪を隠して接触してみたが、右腕の手首を隠しているというだけで、ゴッドイーター疑惑には充分すぎる。
仕方ないので、拡声器とか使って、「ビールの人、ビールの人ー。『箱舟計画』の単語に心当たりがあったらコッチ来なさい」と大々的に呼びかけてみた。
いやはや、フェンリルの影響が強い外部居住区じゃ使えない手だね。
排他的だからこそ、こんなに大っぴらにしても伝わらないって訳だ。
だが、結果は…今日は音沙汰無し。
しかし逆に、あそこならシオを置いておけるかもしれない。
フェンリルの影響が無いし、良くも悪くも変わり者(何せ、自分から比較的安全な地を出て、自力で生活を確保しようという連中だ)なので、一際変わり者のシオが入り込んでも違和感が無い。
とは言え、間諜の類が居る可能性はあるか。
リンドウさん探しついでに、その確認だな。
神造月後ろ足でフンを飛ばす日
ソーマが色々拗らせている。
シオが隠れられそうな場所を見つけた事を伝えたら、相変わらずの鉄面皮ながら渋い顔。
実際の場所を教えたら、「あんな所に置いておけるか!」と激昂する。
「そんなにシオが大切か」と言ってみれば、「そんなんじゃねえ! コイツをそんな所に置いたら、何が起きるか分からねぇだろうが!」と顔を赤くして叫ぶ。
めんどくすぇぇぇい。
とは言え、流石に今のまま預けるってのは無いよなぁ。
非常識なのは…まぁ、荒野でアラガミに襲われたショックで記憶が一部飛んだとか、精神的な疾患を抱えているとかで誤魔化せない事も無いと思うが
シオ本人が、自分の生い立ちや能力を隠さなきゃいかんって事をまるで理解できてない。
食料だって、シオが食べるのはアラガミだけ。
…隠し通せるとは思えない。
預けるなら、あそこに居るリンドウさんとナナを見つけて、二人に監督を頼まなければ。
あの二人なら、シオに「わーーっ!」された恩もあるから、そう無碍にはしないだろう。
そういう訳なんで、今日も狩りを終えてから特務と称して単独行動を取り、集落を探し回る。
若干絡まれる事もあるが、逆に脅し返した。
アラガミと毎日やりあってるゴッドイーターに、武力による脅迫や絡みが通じると思ってんの?
まぁ、実際に殴りあいに発展したら、不始末を起こしたって事で上から何か言われるかもしれんけど。
それはそれとして、有力な手がかり発見。
妙にアラガミが増えた地区。
そんなトコで独立しようとしても、襲われて全滅する以外の未来は見えないが、本人達にしてみれば勝算があるからやってるんだろう。
フェンリルの庇護下に居るのが、文字通り死んでも御免だって事なのかもしれないが。
とにかく、ある集落で、微弱な霊気が漏れた痕跡がある。
霊力=この世界の血の力と考えると、恐らくこれはナナだろう。
…というか、ちゃんとコントロールできてるとは思えんのだが…。
今だって徐々にアラガミを引きつけているようだし、このまま何かの切欠で暴走したら…集落全滅、運よくナナが生き残ったとしても更なるトラウマ。
誘引の事に思い当たっているなら、リンドウさんは人が多い所に来るとは思えないが…まぁ、戦闘能力なくなってるからな。
一時的な避難なのかもしれん。
とにかく、その辺の事はリンドウさん達を探し出してからだな。
そういう訳なんでソーマ、明日はお前が探索だ。
余計な面倒起こすなよ?
…あと、シオを手放したくないからって探さないのもナシね。
神変月一寸先は乙日
気が付けば新しい月に突入していた。
シオとリンドウさん探しに気を取られ、クソ忙しい月末月初をエスケープしてしまっていた。
カノンにメッチャ怒られた。
それはともかく、リンドウさん探しは…まぁ、順調と言っていいだろう。
実際、ソーマがまともに探しているとは全く思ってなかったし。
微弱な霊気の後を辿っていくと、2~3個の集落を移動しているようだった。
誘引対策で、一箇所に留まらないんだろうか?
ちなみに間諜探しは、全くの手がかり0だ。
まぁ、この時代じゃなぁ…。
スパイするにしたって、敵地に忍び込んでどうこうって訳じゃない。
連絡にしたって、ボタン一つで行える。
特別な技術や目印が無いんだよね…。
スパイったって、そんな重要度の高い所じゃないから、普段見聞きした事を話せばいいだけだろうし。
鷹の目を使えば、怪しい機械を持っている人とかは分かるんだが、日頃から持ち歩いてる筈が無い。
とにかく、スパイ探しは難しい。
さて、今日も狩り⇒リンドウさん探しな訳だが、カノンとアリサに問い詰められてしまった。
流石に不信感が拭いきれなかったらしい。
五車多も問い詰めようかと悩んでいたようなのだが、ソーマを信用しているから、と言って口を挟んでこなかった。
…流石ですエリック先輩、見た目よりずっと分別がある。
で、シオの事は伏せて、リンドウさんが生きているかもしれない事を説明した。
だがリンドウさんのMIAには不自然な点が幾つもあり、大っぴらに捜索しては、見つかったとしても…場合によっては、俺達ごと暗殺される可能性もある。
「暗殺」と聞いて悲鳴をあげそうになったカノンを黙らせて、リンドウさん探しを手伝ってくれるよう頼んだ。
水臭い、何を今更…と言われたが、まぁ結果オーライか。
シオの事もバレなかったしな。
神変月時は金と素材なり日
危うくシオの事を嗅ぎつけられそうになった。
昨日の今日で何やってんだ、と言われるかもしれないが、「あれ、でも整備士のリッカさんはリンドウさん探しに協力してるんですか? 暗殺の危険があるのに?」と言われてね…。
突然言われたんで、言い訳…というか建前が用意できなかった。
別に整備しの技術や仕事を軽視する訳じゃないんだが、確かに整備士が必要な理由って無いんだよね。
シオの服の事が無かったら、俺だって巻き込む気は無かったし。
そんで浮気を疑われた。
…まぁ、仕方ないよなぁ。
現時点で、精神的には三股だもんなぁ。
事実、「あれ? ちょっといい雰囲気?」みたいなムードになった事はあったけど、リッカさんは意外と仕事の虫と言うか花より団子より仕事と言うか。
何だかちょっとフラれた気分にはなったが、まぁ普通に考えて自分から三股男の4つ目の股になろうとは思わんよな。
いや、リッカさんなら意外とアッケラカンとして、「ちゃんと私の相手もしてくれるならいいよ」とか言ってる気もするが。
納得させる為に丸々一晩かかったけど、安いもんだよね?
と言うか愉悦しまくったんで俺の方が色々な意味で元気になってしまったよ。
とにかく、同時に3人動けるようになったので、リンドウさん達が居ると思われる集落を、それぞれ分かれて調査する。
俺のところはハズレだった。
アリサもハズレ。
で、帰ってきたカノンのポケットに、「明日の16時に鎮魂の廃寺で」と書かれた紙が入っていた。
…気付かれずに入れたリンドウさん(多分)を流石というべきか、カノンが隙だらけだと思うべきか…。
神変月三乙に報酬無し日
リンドウさんと接触。
ようやく見つけた。
接触したのは俺一人だ。
ソーマはまだシオのお守があるし、アリサとカノンが居てはシオの事を話せないので、悪いが置いてきた。
勿論納得してなかったんで、意図的に足腰立たなくしてきた訳だが。
リッカさんは、アナグラで色々とアリバイ工作をしてくれている。
いやはや、世話になりっぱなしだね。
研究に協力してくれるお礼だって言ってたけど、研究資料は俺も貰ってるからな…。
それはともかく、リンドウさんは相変わらず飄々とした顔で、何でもないかのように現れた。
ちょっと無精ヒゲが生えてるが、アナグラと違って生活環境なんか整ってないからな…無理も無い。
あと、ちょっと臭う。
やはりと言うべきか、腕輪…どころか肘から先が無くなっていた。
…あー、でもこれは片腕のバランスの崩れにも大体対処できるようになってるな。
武器さえあれば、大抵のアラガミは狩れそうだ。
最初は警戒されていたようだ(アーク計画の事を仄めかして探してたからな)が、腰を据えて話をした。
アーク計画の正体を、俺達もほぼ突き止めている事。
終末捕食を起こす為の特異点…シオの事。
ついでに、今までどうしていたのかも聞いた。
大体は予想通りの行動をしていたらしい。
ウロヴォロス討伐の帰りに、荒野で何やら茫然自失している少女…特徴を聞く限り、やはりGE2のナナだった…を発見。
それと同時に異様にアラガミが集まってきて、逃げ切れずにナナを庇いながら乱戦に突入。
自分の口癖通りに隠れたり逃げたりしていたものの、どれだけ隠れてもあっという間に見つけ出される。
とうとう捌ききれなくなって、腕輪を破壊され、致命傷…。
意識が遠くなり、もう駄目かと思ったら…気が付けば何処かの家屋に居た。
白い少女を見た気がするが、イマイチ覚えていない。
意識がハッキリした時は、野良アラガミがどんどん接近してくる時で…傍で同じように眠っていた少女を抱え、逃げた。
散々追い掛け回されたが、何とか撒いて、近辺の集落に紛れ込んだのだそうだ。
…それがナナから発せられる、得体の知れない力の為だと気付いたのは、落ち着いてからだった。
リンドウさん自身も整理できてない状況とかがあったので、情報交換。
そもそも、リンドウさんは腕輪を失った自分が、アラガミ化しない事を不思議に思っていた。
それが特異点であるシオ…リンドウさんの記憶にある、白い少女の事だと伝えたら、一度会ってみたいと言い出した。
助けてくれた礼もしたいし、特異点とやらを一度確認しておきたいそうな。
それは別に構わないんだが…リンドウさんなら、大を生かす為に小を殺す、とか言ってシオを斬ろうとはしないだろうし。
そもそもシオを斬ったとしても、次の特異点が産まれるだけなんで、実際は僅かな時間稼ぎにしかならない。
小を殺して小しか得られない。
ところで、ナナらしき少女は一体何をしているのかと言うと…相変わらず呆然自失としたまま、殆ど動かないらしい。
とんでもない、精神的なショックを受けたのか、それとも薬物投与の類か…。
ナナの過去やマグノリア・コンパスの胡散臭さを考えると、どっちもありそうなのが嫌な所だ。
…俺が目印にしていた微弱な霊力の痕跡を考えるに、そんな状態でも誘引の力は発動しているようだな。
放置しとくと、色々な意味でヤバいか…。
おでんパンでも作ってくるか。
それで駄目なら………年齢的にヤバいが、いつもの手段でどうにかしてみよう。
…青い果実か……ヤベ、背徳感で滾ってきた。
ナナを一目見たんだが、幼い割りに色気のある体しとる。
でも、空虚な表情で全部台無しだ。
これは笑ってもらわんとなぁ…。
あと、まだゴッドイーターになっていないのか、腕輪はしていなかった。
神変月正直の頭にルーデル閣下が宿る日
ソーマと交代…する前に、集落に寄ってリンドウさんとナナに接触。
おでんパンを突きつけてみたところ、自失状態からは回復した。
代わりに思いっきり泣き出してしまったが。
どうしろと言うのだね。
何だ何だと集まってきた人達が見たのは、泣き崩れながらおでんパン食ってる少女と、その保護者として認識されていたリンドウと、泣くな泣くなと宥めようとしながら、更なるゲテモノ(一般人から見たおでんパン)を取り出す俺。
うむ、訳が分からなかった事だろう。
誘引の力が発動しなかったのが幸いだな。
リンドウさんから「お前、そんな物食べさせてどうするつもりだったんだ…」と言われてたのが、まさかのこの反応。
戸惑っていたようだったが、「それとこの子に、何か関係があるのか? この子が何処の子なのか、知ってるのか?」と問い詰められた。
知っているというか、大体の所属しか知らないんだが……答えようとしたら、ナナがビクッとした。
…怯えている。
自分の所属を知られる事?
……そこに戻される事?
咄嗟に適当な事を答えた。
ヘタにつついて誘引が発動しちゃ、エライ事になってしまう。
目を離すと、いつ何処で発動するか分からないし…シオに会いに行くのに、ナナも一緒に連れて行く事になった。
で、車で移動中、泣きつかれたナナが眠っている間に所属の事を話した。
フェンリルの養護施設である、マグノリア・コンパスに居る筈で、そこで特殊なゴッドイーターになる為の訓練を受けていた…筈。
アラガミを引き寄せる特殊な力があり、幼い頃にそれを発動させ、母親を含む何人ものゴッドイーターを全滅に追いやってしまった過去がある。
また、その特殊な力…誘引は、多分トラウマを刺激すれば無理矢理引き出す事もできる。
…リンドウさんから見ても、やはり支部長の陰謀のようだ。
トラウマを刺激して、誘引を発動させたまま呆然としているナナをリンドウさんの帰還ルートに放置し、罠にかけるつもりだったか。
だが、それだけだと所属を明かそうとした時の怯えが説明できない。
それについてはリンドウさん曰く、「捨てられたんじゃないか、って思ってるんだろう」だそうだ。
成程、コントロールできない誘引なんぞ、アラガミを呼び寄せる疫病神以外の何者でもないし、それを自覚したんのなら捨てられたと思っても無理は無い。
…そこまで色々把握している(おでんパンとか明らかに個人の思い入れがある物だしね)俺にも疑惑の目を向けていたが、とりあえず反目する程ではない。
差し当たり、シオに誘引の力をどうにかしてもらえんかな。
リンドウさんのアラガミ化だってどうにかできたんだし、シオに「わーーっ」してもらえば封印くらいは出来るんじゃなかろうか。
次の外伝は九龍学園に暫定。
そして後書きの発言がアンケートみたいになってしまった事に少し反省。
一応、あの夢にもちゃんとした(?)理由や設定や括りがあるので、何でも出す訳には行かないです。
括り?
時守が実際にプレイした事があるかって括りですよ…。
ですんでダークソウルとか無理ですマジゴメンなさい…。