堕陽月伍拾伍日目
ふぅ~~~………。
ほふぅ~~~~~…………。
朝だなぁ…。空が白んできてるし、鳥の声がする。
心地よい倦怠感を感じたまま、敷布団の上で胡坐をかいている俺。なんちゅーか、煙草とか煙管が欲しいな。ヤッた後の一服って、なんかカッコイイし。煙草の類は苦手だから吸ってないけど、こう、雰囲気がね。
尤も、隣で寝ているのが穏やかで幸せそうな美女ならともかく、完全屈服して脳味噌吹っ飛んで性欲最優先の、アヘ顔ダブルピース女じゃ、雰囲気もクソもありゃしないけどな。
で、静流。お前、まだ里の人達を篭絡とか言えちゃう訳?
「え…えへへへ…いい…ませぇ~ん……静流は…若さ…ま…専用の……です…」
昨晩の、自信に満ちて飄々とした態度は何処へやら。大股開きと理性の無い顔で、譫言を漏らして痙攣している。
腰が抜けてるとか、そーいう問題じゃない。やっといてなんだけど、精神的にぶっ壊れてないか、本気で心配になる乱れ度合いだった。それでも一晩攻め続けた俺も俺だけども。
まぁ、予想できた結果ではあるな。静流は閨の技術にかなりの自信を持っていた。
実際、昨晩はかなり楽しませてもらったものだ。
いつも通りに皆で飯食って風呂入って、その後に静流は俺の部屋までやってきた。手土産に持ってきた酒とツマミも美味かった。
静流は雰囲気や事前の会話も重視するタイプで、その辺も見事なものだった。
会ったら即抱き合うような、一直線じゃあなくて、ちょっと焦らすようで、ほろ酔いにしながら相手を持ち上げていい気分にさせ、それでいて主導権を確保してからお楽しみに突入。
テクニックだってかなりのものだった。接吻も、手淫も、口淫も、紅葉合わせも、明かに専門家的な技術を持っている。
気持ちよく射精させるのも、寸止め地獄で情けない悲鳴を挙げさせるのもお手の物。
受けに回っても余裕たっぷりで、体を弄り回されても自分のペースを崩さない。喘ぎ声をあげても、まだ余裕があるのがよく分かった。ついつい、「この女を本気で善がらせてみたい」と思ってしまう。
そんじょそこらの男なら、あっという間に禁断の性の味を覚え込まされ、骨抜きになってしまっただろう。
少なくとも、彼女を色仕掛け用に調整した奴は、かなり『分かっている』奴だったと思われる。机上の空論だけじゃない、それなり以上に女との接し方と、女からの接され方を知っている奴だったんだろう。
尤も、本番に突入した瞬間に、そんな評価は吹っ飛んだけどな。
いや、もう何て言うか…弱かった。突っ込んだだけでガチイキするくらいヨワヨワだった。
体の表面を責められるのは強いのに、肝心の一番大事な部分がクソ雑魚まんこもいいところだった。
オカルト版真言立川流を使うまでもない、いやそれどころか基本的な技術を使う必要すら無い。男に突っ込まれたら、それだけでアヘアヘ言っちゃう、童貞君にも負けちゃうような、超絶的に打たれ弱くて快楽最優先の、ド淫乱ちゃんでした。
…まぁ、予測できた事ではあったな…。予測可能回避不可避な案件だが。
だって静流って確かに色仕掛け用に調整されてるみたいだけど、それをやったのは阿呆の集団だぜ。
しかも国営オナホ作った上、そいつらを任務に出して無様に失敗するのを期待してたような。
それを加味した上で静流の状態を考えると……任務中は男を焦らして手玉に取る、凄腕の間諜。しかしいざ本番となると…つまり、精神安定の為に主に抱かれるとなると…あっという間に完堕ちして屈服する、主に対してだけは雑魚助極まりない女になる。
何だかなぁ…。いや俺もそーいうの好きだけどね。周りに対してはツンツンしてるけど、自分に対してだけ従順で献身的になるとか、独占欲とか優越感が超刺激されます。
…でもこれ、もしも任務に送り出した先で手や口だけじゃ終わらなかった場合、本番になったら即堕とされるんじゃなかろうか。と言うか、任務失敗を期待して送り出したのだとしたら、堕とされるのも期待されている訳で…。
………寝取られ趣味でもあったんだろうか、彼女を調整した奴は…。
ともかく、これじゃ篭絡も何もあったもんじゃない。多分、静流ならそこまで行かなくても相手を操る方法は心得てるだろうが、それがエスカレートしたら…。
色恋に狂うと、人は理性が吹っ飛ぶからな。思いを募らせるあまり、暴走する奴が出ないとも限らん。それで強姦でもされたら……即堕ち、かな…。まぁ寝取り返すのは簡単だろうけども、あらゆる意味で対人関係が滅茶苦茶になっちまう。
まぁ、なんだ。そっち系の技術を全て使うなとか、否定する訳じゃないから、これからちょっとずつ耐性を付けていこうな。
自分で言うのも何だけど、俺の相手して理性が吹っ飛ばない程度になれば、仮にナニかされてもそうそう好き放題される事は無いと思うから。
「は、はぁ~……い……さっそく…れんしゅう、しましょぉ…」
やれやれ、完全に頭が性欲一色になってるな。俺もあんまり人の事言えないけど、生活に支障が出る程ではないぞ。人生には何度も支障が出たけどな。
とりあえず、一回気絶させるか。一眠りすれば頭も冷えるだろう多分。
…ぶっ飛んだ理性を回復させるセックスも出来なくはないんだけど、あれは専ら羞恥心を消さない為に使ってるからなぁ…。
自分の失態(痴態)を思い出して頭を抱えそうなのもあるし、起きたら暫く一人にしてやろう。
さて、静流の世話を時子に任せ、朝風呂を浴びて頭をスッキリさせてから考える。
時期的には、そろそろ鬼の指揮官…ゴウエンマとやり合う頃だっけか。
ゲームストーリー的にはどうだったっけな…。確か速鳥のイベントは、ゴウエンマ戦の後だった筈。
しかし………それ以上の事が思い出せん。ゴウエンマ戦って、何かあったっけ?
里の皆の特攻癖は、速鳥を除いて一通り終わってる筈だし、ゴウエンマに関連したエピソードは特に無かった気がするんだが。
…鬼の指揮官、前半戦の山場な割には、普通に狩りに行ってただけのようだった気が…いやそれが悪いとは言わないけど、思い返すともうちょっと盛り上がりや話の展開に変調が欲しかったような…。
いや、この考えはいかんな。ゲームとして考えるならともかく、今は現実だ。余計なドンデン返しなんかあっても困る。
とは言え、実際問題っちゃ問題なんだよな。何だかんだで、橘花の口八丁のお陰で鬼の指揮官やオオマガトキを呼ぶ塔の事は知れているが、実物は未だに手掛かりすら見つかってない。
今までのループでも、ここまで見つからなかった事は無い。
…橘花が千里眼で見たのは、鬼の場所じゃなくて俺の過去だったからな…。もしもゴウエンマが従来とは違う場所に移動しているとしたら、どうやって見つけたものか。
速鳥を初めとした偵察班も色々頑張ってくれているようだが、異界は広大な上に入り組んでいる。手掛かり無しじゃ、ちょっと見つけ出せる気はしない。
……実は古の領域の中に居て、既に消し飛ばされていた…なんてオチはないよね? 或いは、例の穴を抜けた先の異界に居るって事もないよね? ない事を祈るが、一応調べに行った方がいいかもしれんな…。
差し当たり、俺達が今優先すべき事としては、やはり異界の浄化だろうか。
オオマガトキを起こすなら、恐らく周囲にそれなり以上の瘴気が満ちているのが条件の一つ。異界を浄化してしまえば、その条件を完全に潰してしまえる。もしも異界を浄化した場所に塔が無くても、探索する範囲を狭める事は出来る。
…となると、次の目標はゴウエンマが居た筈の戦の領域だな。戦の領域に至るには、まだ浄化されてない乱の領域を抜ける必要があるが…そう長い距離を進まなければいけない訳じゃないから、別に問題は無い。
一応大和のお頭に報告して、うちの子達メインで探索する事にしよう。
さて、あの辺の鬼って何が居たっけな。異界浄化の影響で、今までにない鬼が出てくる可能性もあるが、情報を纏めておいて損は無い。
あの辺の鬼と相性のいい子を選ばねば。
夕方。
今日もそこそこ充実した一日だった。と思う。
大和のお頭からは、今度の動向についても了承を貰えたし、きららの事も……次は無いという条件で様子見を許してくれた。
ついでに、鬼の指揮官討伐・オオマガトキの為の塔をぶっ壊したら、その時こそお祭りも兼ねて練武戦を行おうって話になった。
来年の話をすると鬼が笑うと言うが、笑ってればいい。油断しているところに首を掻き斬るまでだ。
練武戦か…。うちの子達、どれだけやれるかな。
改善が必要な点も多いけど、ちゃんとした教育を受け、実戦経験を積み、その後の反省会までしっかりやらせているお陰で、結構な勢いで実力を伸ばしている。
それでも対人戦とは勝手が違うし、何より里のモノノフ達は経験という点では間違いなくうちの子以上。極限状態で生き残るための底力は、恐らく比べ物にならない程だ。
防御に徹されて、焦れて来たところで反撃を狙われれば、実力差を覆される可能性は充分にある。
ま、負けも時には必要なもんだ。
…それまでに、きららが皆に認められればいいんだが。
そのきららは、紅に担がれて目を回しているんだけどね。
……紅、何がどうなった。
「む、お父さ…もとい若。何って言われても、見ての通りとしか言いようが…。今日の罰は、アサギさんの愚痴に気が済むまで付き合う事、だったろう」
…気が済むまで付き合って、こうなったのか…。
「正確に言うと、気絶したのを見てようやく矛を収めてくれた、って感じだな。どれだけ鬱憤が溜まっていたのか…。見ていて同情するくらいだったぞ」
どっちに?
「両方に。自分がやった事らしいが、身に覚えのない事で責められるきららもだし、それだけ負担をかけさせれ続けていたアサギさんも。…なぁ若、まだ舟に封じられている人達がいるが、本当に解放するのか?」
ああ、時期はともかく、いつかはするつもりだ。
…どうした? 反対と言うか、懸念事項でもあるのか?
紅にしては珍しいな。普段であれば、むしろすぐにでも解放したいと思ってそうなのに。
「ああ、それは確かだ。封じられている同胞を見捨てるなど、正しき人の道ではない。…だが、アサギさんから聞く過去の話を考えると、どうにも…。きららを迫害していたらしいし、その他の問題行動も、聞けば聞く程な…」
その懸念はよく分かる。
でもきららもその問題児の一人で、問題行動にも理由はあった。努力の方向を盛大に間違えていた訳だが。
ちゃんと言い聞かせて、自分達の行動の何処が悪かったのか自覚させれば、案外何とかなるかもしれん。幸い、過去の記憶が残ってない子も居るだろうしね。
それ以前に、少なくとも放置はできんのだ。
滅鬼隊の戦力は証明されてしまった。ちゃんと下地を整える必要があるとか、教育が必須だとか、その辺の事はさておいて、強力な力を持った無所属のモノノフ。記憶を失っているかは目覚めさせないと分からないが、もしも何も覚えていないようなら、恩を着せれば自分の陣営に取り込むのも容易だろう。
…要するに、まだ眠っている子達を狙って、政治屋気取りや戦力が欲しい連中が集まってくるかもしれないんだ。
まぁ、本当に危険な状況に陥っている里なら、援軍を出すのも吝かじゃないが、目を覚ましてない、何が出来るのかも分からない子を道具のように渡すのは違うだろう。
「成程…。そうなるくらいなら、起こしてここで現在の状況を教え込み、我々の一員として扱った方がいいという事か。追放になる場合や、独立を望む場合もあるだろうが」
そういう事。誰かが手を伸ばしてくる前に、全員起こして自分で判断できるようにするのが理想なんだけどな…。
ところで、きららと随分仲良くなってないか? 紅も、きららのやった事は許容しがたいって考えだったのに。
「やった事は確かに許容できないが、彼女の引け目には私も覚えがある。…私の力は、今でも忌避すべきものだと考えている。それを知られ、孤立したらと思うと……仲間と認められる為に暴走した彼女の気持ちも、分からないではない」
紅が言う力とは、彼女の切り札…圧倒的な再生能力と身体能力を齎す、鬼の力だ。恐らく、滅鬼隊の源流に近い力なんだろう。ひょっとしたら、きららから得られたデータを元に、紅は創り上げられたのかもしれない。
鬼を素材にして異能を取りつけられているのは他の子達も同じだが、紅はその力に対する忌避感が特に強い。
彼女がよく口にする、「正しき人の道」に拘るのも、その鬼の力に対する反発なんだろう。
自分を人と異なる異物であると考えている節があり、孤独感を抱えている。そのくせ、根が寂しがり屋で甘えん坊。とっ捕まえて甘やかしている時に、俺を『お父様』と呼んでしまって慌てる事もあった。
そんな紅は、きららの過去…鬼の仲間ではないかと迫害されていた彼女に、自分を重ねて見ているのかもしれない。
全く、優しい子だねぇ。甘いとも言えるけど。
「…それは若だって同じだろう。きららを斬り捨てる事を良しとできなかったから、こうやって代案を出したんだ」
尤も、その忌避すべき鬼の力は、再生能力は処女膜復活に、身体能力は締め付けやバキュームを強烈にする為に、躊躇いなく使われている訳ですが。
うちの子達は目を覚まさせる為に纏めて睡姦したからな。破瓜を体験できるというのは、かなり羨ましがられています。
更に言うなら、日ごろから「正しき人の道」に拘っているのに、本人は背徳的な好意にゾクゾク来てしまうらしい。
まだ良識を捨てきれる程、『趣味』に耽溺している訳ではないので、まだ不浄の穴を弄り回す程度。指も入れられない段階なので、舌先で念入りに穿り返す。
触れてはならない場所を敢えてゆっくりと開発され、体が変わっていく絶望とと羞恥心と背徳感を二人で堪能しています。
「そ、それは! お父様が! …って、きららも居るのに、道端で何て話をしてるんだ!」
きららは気絶してるから問題ない。うちの子達なら、紅が甘えん坊な事はとっくに知れ渡っているので、猶更問題ない。
ちなみに紅のお父様呼びは、睦言では完全に定着している。最初に呼んでしまった時は盛大に慌てたが、近親相姦ごっこが出来ると悦んで、むしろ命じて続けさせた。
本人も最初は拒否しようとしたが、甘えさせられて骨抜きになった上、禁断の関係に大興奮してしまった。そしてその興奮が忘れられずに、人前では若、男女の時間ではお父様と呼ぶようになった訳だ。
「うああああああ何喋ってるんだ改めて何やってるんだ私ぃぃぃぃ!!! お父様の馬鹿ぁぁぁぁぁあ!!!!」
…からかい過ぎたかしら。鬼の力まで使って、きららを担いで爆走して行ってしまった。
お詫びに、今夜の夜這い最初の一人目は紅にするか。…いや、それとも特殊嗜好部屋(SMルーム)に呼んだ方がいいか? 緊縛くらいなら、今の紅でも抵抗なくヤれそうだし。
ふむ……ともあれ、まぁ、問題ないな。きららにも早速、仲のいい相手が出来たようだし。おっと、鹿之助も助けられて懐いてたっけな。
後は、このままギリギリ洒落で済ませられる程度の罰が続く事と、きららの忍耐力が限界を迎えない事を祈るだけだ。
…適当なところで、きららのケアもしなきゃいかんな。
舞華とは喧嘩したままだろうし、上手く受け入れられる為に……………舞華?
…いかん、舞華の報酬の事忘れてた。普通の任務の受け方じゃなかったから、報酬の受け取り方も違う。どこでどう受け取るのかも伝えてなかった。
それに、大きなトラブルは無かったが初任務で疲弊しただろう。精神的に不安定になっている可能性はある。場合によっては、抱いて落ち着かせてやらなければいけない。
とりあえず、遅くなって悪かったあと謝って、状態を見るか。
報酬内容は…ハクにするか、武器とか道具がいいか……本人に選んでもらおう。
追記
舞華は特に不安定にはなっていなかった。
報酬を聞いたら、ハクを希望された。里で豪遊したいようだ。