それはそれとして、ちょっと展開に詰まり気味。
書き溜めできず、また少し更新がとどまってしまうかもしれません。
いやホント、転勤でドタバタして、新しい環境に慣れないせいですよ?
決してP5Sにかまけてじゃないですよ?
とりあえず22日までは投稿予約済みです。
神夜との稽古はかなり白熱した。速鳥が来た時、すぐに終わらせられるようちょっと強めに相手していたんだが…それが逆に燃え上がらせてしまったようだ。
死地を悦ぶ神夜だもんなぁ。強めに叩けば、そりゃ激しくなるってもんだわ。
稽古相手だった里の皆さんから、畏怖…と言うより羨ましそうな視線を向けられました。
竹刀(特注品)を振るいながらも、秋波がダダ漏れだったからねぇ。殺気の籠った…と言うより、殺気に乗せて送られてくる秋波だけど。
見ていたモノノフ達の中には、以前にうちの子達を纏めて相手した時に混ざっていた者も居たようだ。「やっぱ化け物染みてる」って声もちょくちょく聞こえた。
…さて、神夜の腕前とチラリズムや、寝技(文字通り)を存分に堪能できた辺りで、何故か秋水と一緒に速鳥がやってきた。
…何で秋水? チラッと目を向けるが、知りませんとばかりに目を背けられる。…初穂辺りに引っ張り込まれたか? それとも案外、揺さぶりをかけようとしていた橘花に逆に引き込まれたか? 今の橘花なら楽勝そうだから困る。
関節を極めてきた神夜の体を腕力だけで跳ね返して、放り投げて距離を取る。神夜は猫のように空中で回転し、何事もなく着地した。
…あんなでっかい得物使ってるのに、大した体捌きだこと。
そういや、いつだったか投げた月輪を足場に空中で跳躍した事もあったっけな。
「当家に伝わる奥義の一つです。嘘か真か、何処かの忍びから教わったものと聞いています」
忍び、ねぇ…。
速鳥、お前同じ事できる? …天狐ばっか見てんじゃないよ。見事に引っ掛かってやがる。
「……きゅい」
…このまま懐に手を入れてブツを抜き取っても気付かないんじゃないかな…。
「む…失敬。そういった技術も聞いた事はあるが、拙者には無理だ。双刀を使い、敵の体を駆けあがる事ならできるが」
それも冷静に考えると大概だけどな。
…速鳥も、対人戦にはそこそこ覚えがあるだろ? ちょっと相手してくれんかね。
「…正直、貴殿を相手に渡り合えると思う程、己惚れてはおらん。貴殿が図抜けた実力者である事、とうに知れ渡っている。…正確に言うならば、実力を測れない程の実力者である事、か。そもそも貴殿の底が見えぬ。…以前から問うべきかと思うておったが………この際だから聞いておこう。お主、一体何だ? 純粋な人か?」
不純な人間ではあるぞ、心根的に。
つってもなぁ…。人間の証明なんてどーやってやればいいんだよ。人間は誰だって自分が人間である事に疑問なんざ持たないぞ。周囲から否定されまくって、段々自信が無くなってくることはあるが。
かく言う俺も、時々自分が人間じゃなくて情報生命体とか覚書(メモ)とかのっぺらぼうとかじゃないかって気になる事がある。
「尻目ではないのか」
屁ぇこいて窒息死させたろか? それとも目から光線でも放ってやろうか。
つーか屁よりも光線よりも汚物が怖いわ、処理が面倒だから。
ま、俺を怪しむのも分かるけどな。一時、暗殺者の集団と協力してた事もあるし、人殺しの為の技術も身に付いてる。実力云々よりも、そっちが気になってるんだろう?
…あれ、これ言った事あったっけ? 前の時だったか…。
「…………」
構えるなよ。俺の相手は人間じゃなくて、鬼、怪物、神様だ。
信用できないなら…一手、合わせてみたらどうだ? 殴り合って分かるとは言わないまでも、手筋から探るくらいはできるだろ。
「それこそ、格上を相手にやっても一方的に見透かされるだけであろう」
…チッ、乗ってこないな…。このまま帰られると、作戦失敗になってしまう。
と言うか俺って速鳥にここまで疑われてたのか…。いやこの時期の速鳥だと、そもそも信じていると言える相手は大和のお頭くらいだったけども。
「でしたら、私がお相手いたします! 話の流れがよく分かりませんが、格上でなければよいのですよね。シノノメの里にも忍びの術を修めた方はいましたが、速鳥さんはそれ以上の腕前とお見受けします。その業、是非とも堪能したい事極まりないでえす! さぁ! さぁさぁ!」
おおっと、ここで神夜が突っ込んだ。やる夫板界隈であれば、アップでAA化されそうな満面の笑みだ。でっぱいの前で手を組んでいるが、それだけで色仕掛けになりそうなんだよな、この子…。
このフルスマイル、本人の性格とは裏腹に、非常に圧しが強い。戦い関係であれば猶更。
天真爛漫、人を疑う事を知らない幼子のような無垢な笑み、素性的な意味での育ちの良さと体的な意味での育ちの良さが強調される姿勢、無意識の圧力で承諾を求めてくるプレッシャー。
これを断るには、幼い子供の無邪気なおねだりを一刀両断し、その辺のお子様を真顔でブン殴るような非情な精神が必要になるだろう。ただしそれは犯罪だ。
ズイズイ迫る神夜に、壁際に追い詰められる速鳥。そうだろうそうだろう、お前にその笑みは曇らせられまい。子供を斬る事を拒否して仲間を斬った程だからな。戦いが絡んだ神夜の頭は、遊びに夢中なお子様同然だぞ。
むっちり美少女に迫られる速鳥を羨ましがっている者も居るようだが、当の本人はそれどころではないようだ。…こいつに色仕掛け、通じてるのかよく分からんな。
戦いの最中に反応されたら邪魔だからって、切り落としたりしてないよな? 昔の忍者は、変装とかに邪魔だから薬を使って毛根を絶滅させる事もあったと聞いたし、それと同じノリで去勢していたとしても……いや、考えるのは止めよう。男として踏み込んではならない領域がある。速鳥が反応してないのは、覆面で顔が分かりづらいのと、ひんぬー派だからだ。物理的に反応できないんじゃないんだ。
数分後、神夜の可愛らしい(断り辛い)駄々に屈服した速鳥は、道場の真ん中で双刀(木刀)を持って構えていた。
「…辛うじて、失敗は免れましたね」
うん。でも、何で俺があんなに怪しまれてるんだろうなぁ…。うさん臭さでいったら、秋水の方がずっと上だと思うんだが。
実際、陰陽寮所属だしな。
「陰陽寮云々なら、僕よりも茅場さんが当て嵌ると思いますが。人でなし度合いで言えば、僕はまだ軽い方です」
あいつは異世界関係の餌を与えておけば、とりあえずは何もしないから…。
「…本当にそう思いますか?」
……その内、なんかとんでもない物を持ち出してきそうだな、って気はする。考えてみれば、神機を見せたのは失敗だった気がしてきた。
あれ、危険な事に定評があるアラガミ細胞を使った武器だもんな…。万一再現でもされたら…。よくよく思い出してみれば、この世界にはアラガミ細胞と似たような存在がある。虚海が使う、蝕鬼の触媒だ。アラガミは何でも捕食して摸倣して増える。蝕鬼は何でも取り込んで分裂して増える。仮定は違うが、性質は非常に似通っていた。
しかも今、博士と一緒に研究に携わってるんだよな…。よくよく考えなくても劇物混ぜちゃってる…。しかもそこに、素直だけどやたらバイタリティに溢れたグウェンも居る。……ブレーキ役の真鶴の苦労が目に浮かぶ。今度、何かいい酒でも差し入れしてやろう。
ま、まぁその話は後だ。今は速鳥が先決だ。一体何を隠しているのやら。
「大体予想は付きましたけどね」
え、本当に? 何事?
「大方、出所不明の情報を掴まされたのでしょう。口留め付でね。黙っているという事は、少なくとも今は不利益になる予測が立たず、信を置くべきか迷っていると思われます」
出所不明の情報…。異界から帰って来た時からああなったって事は、異界の中で?
…………あっ。
鳥や小動物を妙に気にかけていると思ったら……虚海か。そういやあいつ、動物と会話が出来たっけな。
「…虚海さんの事まで知っているとは。まるで本人と会った事があるような言い方だ」
…まぁ、ね。あいつは俺の事を知らないだろうけども。
とは言え、陰陽寮で知ってるのはそれくらいだな。秋水と、虚海と、後は茅場。普段何やってるのかすら知らないしね。
で、虚海が速鳥に何か情報を持ってきたって? 恐らくは、オオマガトキを呼ぶ塔に関する情報を。
「証拠は速鳥さんの懐にあるのでしょう? 奪って確かめてみてはどうですか」
そうだな、決まった訳じゃないから確認は必要だ。証拠だって必要だし、その為に速鳥をここまで誘き寄せたんだし。
…イイ感じに、神夜に意識が向いてるな。背後から素破抜き、もとい羽交い絞めにして抜きとるとしよう。…稽古に水を差された神夜が拗ねるだろうけど、仕方ない。
では、不意打ちごめ「横槍はいただけません!」うおお!?
「ぬっ!?」
あと一歩で間合い、と言う所まで無音で距離を詰めたが、俺に気付いた神夜から木刀が飛んできた。稽古に使っている奴じゃなく、壁にかけられていた予備の木刀だ。
避ける間に速鳥には距離を取られ、邪魔スンナとばかりに神夜の追撃。そっちは下がって避けたけど。
「…何のつもりか。先程も妙に稽古に「余所見もいただけませんねえ!」ぬおお!?」
…あかん、神夜にバーサークしとる。速鳥との稽古がそんなに楽しかったか。確かに正面から戦っているように見えて、忍び特有の動きが沢山使われてたけども。
速鳥が俺を警戒するのも構わず、いいから続きだ、乱戦上等と言わんばかりに笑顔で斬りかかる神夜。ついでに俺にも斬りかかる。しっかりと退路を塞いでいる辺り、そーいうところだけは理性が残っているようだ。
あーもう滅茶苦茶だよ。後ろの秋水が呆れた顔をしているのが、見なくても分かる。
しゃーないなぁ。ここまで来たんだ、もう四の五の言っても仕方ない。
速鳥、その懐に隠してる奴見せてみろやぁ!
15分後。
いつもとは違うやり方で神夜を気絶させて鎮圧。ドサクサに紛れて、速鳥が隠していたブツも掏り取った。
速鳥は逃げようとしたが、隠し持っていたブツが奪われている事に気付き、渋い顔で足を止めた。観念したようだ。
「随分と強引な事をする…。必要が無いから伝えなかっただけだと言うのに」
そういうのを放置しておくと、確実に面倒事の元になる。
つーか、お前は態度に出過ぎだ。皆、何かあったんじゃないかって心配してたぞ。
懸念事項があるなら共有するべきだ。何があったのか知らんが、速鳥に起きた事が他の連中に起きる可能性は高い。
そう言いながら、奪った袋から取り出したのは、予想通りにオオマガトキの為の塔についての情報が書かれた文だった。
明らかに速鳥の字ではない。
…やっぱり誰かからの情報提供か…。
速鳥、何でこれを隠した? こいつの送り主がどういう意図を持っていたか、敵か味方かはともかく、共有した所で問題は無かっただろう。
「文の最後を読めば分かる。これの事を秘密にしておくなら、新たな情報を提供する、とあるのだ」
どれどれ……あ、本当だ。
「現状、不審ではあるが情報という益があり、敵対している訳でもなく、対価を要求されるのでもなく、そして何よりこやつを探ろうにも手掛かりが無い。更には時間すら無い。どの道、これよりは塔の破壊を最優先とせねばならぬのだ。ならば余計な事は伝えずお役目に集中し、そして次の接触を待つべきと考えていたのだ」
だというのに、と避難がましい目をする速鳥。
そういう訳でしたか…。確かに、これは俺の判断ミス、踏み込み過ぎだ。情報提供者(虚海)が何を考えて接触してきたのかは分からないが、問答無用で露見してしまった今、次の接触は期待できない。
速鳥が自分からバラしたのだろうと、俺達が探り当てたのだろうと、再度接触してくる可能性は大幅に下がる。
…完全に勇み足と言うか余計な事しちまったな…。
いや待て、露見したのはまだ俺だけだし、何とか誤魔化しが…。
「効きませんね。既に皆さん集まっているようです」
秋水が示す先には、入り口の扉隙間から覗く、目、目、目。
…なんだか妖怪っぽいな。
スパンと扉を開けて、初穂達がぞろぞろと入ってくる。突然やってきた主力陣に、ぶっ倒れたままのモノノフ達は目を白黒させていた。
「話は聞かせてもらったわ! 人類はめつぼーする!」
「何の話だ初穂」
「別に特に意味は無いけど、何となく言ってみた。悪かったわね、速鳥。あんたいっつも一人でお役目するし、相談とか報告も大和にばっかりだったから、てっきり意味も無く抱え込んでるのかと思ったわ。と言うか、隠すんだったらもうちょっと取り繕いなさいよ。何もしなくても、何かあったってみんなに露見してるじゃない」
「その言葉、お主からだけは言われたくなかった」
謝っているのかいないのか。普段の速鳥の態度に一因があると言っているのは間違いない。
…うん? 大和のお頭は居ないのか?」
「ああ、居ない。『速鳥が言うべきではないと判断したのなら、それで構わない』と言ってな。探る事までは止められなかったが」
…信じている訳だね、俺達と違って。
普段のコミュニケーションが足りてない為だ、と言い訳してもいいだろうか。
「で、実際の所どうなんだ? こうして周囲を見ている分には、不自然な人間は居ないし、ここに居る連中だって吹聴するような事は無いだろう。ばれそうになったが逃げきった、として誤魔化せないか?」
「それこそ、相手がどこの誰かも分からぬのだ。誤魔化しようも確かめようもない。…この文は、異界の中で鳥が持ってきた物だ」
「鳥…? 何かの比喩か?」
「いや、文字通りの意味だ。雀であった。異界に普通の動物がいるだけでも珍しいというのに、その鳥は拙者の前に文が入った袋を置くと、距離を置いて様子を見た。中身を確認し、文を読むのを見届けてから飛び立ったのだ」
「捕らえられなかったのか?」
「流石に距離がありすぎた。…どう見ても目的意識を持って行動している。そもそも、雀に人の文字が…分かるとしても、書けるとは思えん。何者かが使役しているのは間違いない」
「鳥を使役…ああ、それでお前、里に居る犬猫鼠やら鳥やらを妙に意識してたのか。鳥を操れるなら、他の動物だって操れてもおかしくない」
下手をすると、操るところか会話までできるかもしれないな。天狐という、人と僅かながらも会話できる前例はある。
この辺に居る小動物がこの光景を見ていたら、ちょっと誤魔化しきれそうにないぞ。不自然な動きをする動物なら探し出せるが、ここに普通に居合わせただけの動物に後から接触されたら…。
「動物相手に情報を漏らすなと命令しても、全く意味はありませんね。そもそも何を漏らしてはいけないのかすら理解できないでしょう。……僕に一計あります。ここは任せていただけませんか」
「一計…?」
「ええ。詳しい事は、いつ誰に見られているか分からないので言えませんが、悪くはならないでしょう」
秋水の言葉に考え込む一堂。
現状、確かに秋水の案とやらに乗るしかない。良くも悪くも、こちらからは一切接触する方法が無いのだから。
むぅ…俺としては、どうするにせよ、これ以上速鳥の意見を無視して暴走する訳にはいかないとしか言いようが…。
「…拙者は構わぬ。どの道、今は塔に集注するべきだ。その後に、独自に調べさせてもらう。その時は、今度こそ余計な事をせぬように」
はい…。
よっぽど頭に来たのか、いつになく言葉が刺々しい。普段であれば、最初から期待していなかった、何も信頼していなかったとばかりに淡々と話を進めるのに。
解散して、決戦の準備を進めながらも、俺はどうしたもんかと考えていた。
勿論、速鳥の事だ。虚海の事もあるな。
速鳥が何か抱えているというのは当たっていたが、それに対する判断を信じず、無用に突っ込んでしまった。
そういうのを放置しておくと、致命的な時に限って噴き出して、どうにもならなくなる…これは間違ってはいない。経験則でもあるし、誰もが認める事だろう。
しかし、今回に限ってはそれは間違いだった。速鳥はしっかりとした根拠と明確な筋道を持って、俺達に余計な情報を渡さなかっただけだった。
時期は違うが、ゲームストーリーと同じだとすると…失点の挽回の為に一人任務に向かった速鳥を、信用しなかった…と言う事になる。それまでのストーリーで、意味も無く単騎特攻を繰り返されまくっていたので、信用しろと言う方が無理、という意見もあるが。
任せる事と助力に行かない事が同じではないように、黙している事を暴く事と心配している事は違う。
とにかく、速鳥の心象は最悪…とは言わないまでも、他人に頼らない傾向に拍車をかけてしまった事になりそうだ。
…厄介な事しちまったが、どうこう言っても仕方ない。いつでも正解の選択肢を引ける訳じゃないんだし、よくある事だ。
速鳥については、今後挽回していくしかないだろう。信用信頼、考え方の問題だ。すぐにどうこうできるような話じゃない。
…ところで、秋水の策とは一体どんな物だろうか。
素直に教えてくれるとは思えなかったが、一応聞くだけ聞いてみた。
バレたらまずい話なら、口には出さないだろうし…。
「ああ、あの策ですか。何もありませんよ」
…はい?
「何もありません。強いて言うなら、本人を確認して、正面から説得するだけです」
説得って…いや、確かにそうか。秋水は虚海本人と面識もあるし、接触する方法もあるんだっけ。
バレていないようならそのまま放置、そうでないなら利を提示して誘導すると。
「そういう事です。こう言っては何ですが、虚海さんはあまり策謀には強くありませんから、丸め込むのはそう難しくありません」
まぁ…なぁ。かなりポンコツだもんな。術は凄いが、立ち回りが不器用すぎる。
根が善人なのが、スレて自棄になって悪人気取ってるようなもんだからな。それに付き合わされる方は堪ったもんじゃないだろうが。
わかった、虚海に関しては秋水に任せるよ。何か手伝いが必要だったら言ってくれ。
「…不要です。あなたが居ては、むしろ虚海さんも警戒するでしょう」
確かにそうか。そんじゃ、あいつを頼むよ。
「………この際なので、二つ言っておきますが…あの男と直接の繋がりは無いようですが、僕はあなたに気を許している訳ではありません。ですが、その戦闘力、集団を纏め上げる力、得体の知れない知識と道具…。僕の目的の為に、それらは大きく役立つ筈です。あなただけでなく、その配下も。その為に力を貸しているにすぎません」
前にも似たような事言われたなー。
秋水の目的って言うと、過去に遡って北の里の皆を助けに行く、か。
「それと…自覚があるかは分かりませんが、あなたは陰陽寮からも注目を集めています。虚海さんもその一人です。用心する事です」
それだけ言って、秋水は去ってしまった。
…陰陽寮から注目、ねぇ。陰陽寮所属の茅場が既に居座ってるし、今更だと思うんだが。でも秋水が忠告してきたって事は、それだけじゃないよな…。
まぁ、注目を集めない方がどうかしてるってのは確かだが。
異界の浄化から始まって、滅鬼隊…うちの子達の復活、それに伴う霊山でのあれやこれや…。
うーん、改めて考えると火薬庫みたいなとこだな。これだけ詰め込まれてたら、逆に手を出したくなくなりそうだけど。
陰陽寮は他の連中を知らないから置いといて、虚海が俺に注目する理由…。あいつの目的は、元々居た時代に戻る事だった筈。物珍しくはあるだろうけど、異界浄化は虚海にとってそう興味を惹かれるものじゃないだろう。
はて、何があいつの興味を引いたのやら…。
ま、いいか。まずは目の前に迫った戦いに集注しよう。