割と楽しめたと思います。
敵の数は無双物なのに、ゲームシステムというかバランスは確かにペルソナでしたね。
弱点を突くかどうかで非常に難易度が変わりますし、普通の無双物とは完全に別物でした。
これは新しい分野っぽいのではなかろうか?
ストーリー的には、従来の改心とは違うやり方でした。
ぶっ飛ばしてからシャドウ相手の語りとはいえ、ボス達の心根を変えたのは一貫して怪盗団の言葉でした。
この辺に今回のストーリーのテーマがあるような無いような。
特別な改心という力が無くても、人と人との繋がりで人は変わっていける。
そういうテーマがあったんじゃないかと思います。
……はて、このSSは何かテーマを決めて書いていたような、そうでもなかったような…?
そしてただいま、難易度RISKYプレイ中。
カンストの義経でも、チュートリアル戦闘で瞬殺…成程、こいつぁリスキーだぜぇ…。
黄昏月壱日目
新しい暦に突入。なんか今回は異常に長かった気がするが、これも全て鬼とかクサレイヅチとか諸々の都合の仕業なんだよ。
年越しそばならぬ暦超え乱交も結構盛り上がったなぁ。非参加者から、五月蠅いとばかりに天井ドンされまくるくらい。防音防震にしてるのにね。
おかげで大部分の子は安定したので、取り敢えず良しと言う事にしておこう。
残った子だけなら、会話だけでも充分間に合う。いつもの手段が取れなかった場合の対応は、後々考えるとして…。
今の問題は、相変わらず逃げ回っているらしき塔。
虚海から速鳥に続報が入ってないかと期待したが、今のところ無いらしい。或いは隠しているだけなのか。
安定した子達は、優先的に任務…塔をスッ転ばす為の罠の製作を担当させ、そうでない子達はそれぞれ世間話をする。
…その中で、幾つか面白そうなネタが上がってきた。いや面白がっちゃいけないとは思うんだけど。
鹿之助、骸佐、権佐。数少ない男性チームが、何やら里の女性、並びに男性に言い寄られているとか。
一応言っておくが、女性はともかく男性に言い寄られているのはおかしな意味ではない。任務に行く時に班を組みたいとか、特に目的も無く駄弁ったりとか、そういうのだ。
簡単に言えば、友人が出来たって事かな。打算交じりなのも否定はできんが。
女性陣は…かなり本気で狙ってるっぽいのから、ちょっといいなと思って話しかけてるの、家を継ぐ者を探しているのまで様々だ。
先日の大暴れで、彼らの将来性を見出した者が居たらしい。
……ただ、鹿之助に言い寄ってる女性は、かなり視線が偏っているよーに見えるんだが…ケツを掘られないよう、対策だけ教えておこう。
ちなみに俺には、そーいう話は無い。
……まぁ、仮にも一組織の頭領で、更にその組織の9割以上を妾・愛人同然の扱いにしてる男に、そうそう話しかけようとは思わんわな…。
寂しくなんてないやい。
えー、それはともかく、3人に言い寄ってる女性達だが、骸佐は少女くらいの年齢に、権佐は熟女(この世界での基準。具体的には口外しない)に人気があるようだ。鹿之助は年齢を問わないようだが、まぁ、さっきも書いた通り、目が、ね? 捕食者になってる奴も居れば、金…じゃない、ハクになってる奴も居る。
………俺がやってる房中術、覚えてみる?
「いらねーよ。今のところ、所帯を持つとか考えてもいねえ。大体、下手な事すると里との確執に繋がるだろうが」
「俺は…さわりだけでも覚えておきましょうか。出来れば、迫られたのを穏便に回避する方法を主に」
なんでぇ、つまんねーな。別に俺みたいに無節操に手ぇ出せとは言わないが、もうちょっと欲を出したり、人との繋がりを作ってもいいんだぞ。
うちの子達は、良くも悪くもうちの中だけで完結できちまうし。
あと権佐、悪いが俺の術の中に回避の方法は無い。問題が起きたりしたら、捻じ伏せて解決するばっかりだからな。
つーか、初手回避でって…。
「俺も男として欲が無い訳じゃないんですがね、それ以上に相手を選ばなきゃならんもんで。…下手に関係を作ると厄介そうなのが多いんでさ」
「具体的には?」
「人妻、未亡人、嫁ぎおく…もとい、ご縁がなかったご婦人方、その他諸々。下手なことをすると、そのまま絡め取られそうなんですわ」
おおう……なんか納得。そういう雰囲気あるわ、権佐。不倫物の小話の主人公っぽいというか。
他二つはともかく、人妻はやばいな。旦那がそういう趣味だってんならともかく。
俺も、人の女には手を出さないようにしてるんだが…酔っぱらってやっちまった事に気付いた時には青ざめた。旦那さんが恩人みたいな人だったから、猶更…。
「何やってんだよ大将…。つかそんな経験してるんだったら、もう少しくらい女遊びを自重しろよ」
それは鳥に水中で呼吸しろと言ってるようなもんだ。自重したら自重したで、不満を言う子も出そうだし。
鹿之助は?
「この流れで聞く!? …きょ、興味はあるけど、ほら、その…あれで…」
二人が断ったからって、自分も断らなくてもいいんだぞー。
…割と本気で身に着けとけ、掘られそうになった時の逃げ方を。受け入れ方でもいいけど。
「なんの想定をしてるんだよ若ぁぁぁぁぁ!?」
女であっても、目覚めるときは目覚める。そーいう事だ。
まーなんだ、別に積極的に仲を深めろとまでは言わないから、人脈は作っておけ。もしも独立する事になったとしても、助けてくれるようにな。
「おお、居た居た。頭領さんよ、ちょいといいかい?」
里を歩いていると、息吹に声をかけられた。
珍しいっちゃ珍しいな。別に不仲って訳じゃないが、単純に話す機会は少なかった。息吹も、男と話してる暇があるなら女に声をかけてるし。…ナンパというよりは、軽い挨拶程度の声掛けだが。
今は用事もないから、構わないよ。塔追跡の為の痕跡もそこそこ集まったから、異界に向かう必要もないし。
「そうかい、そりゃお疲れさん。…でよ、明日奈嬢に聞いたんだが、お前さん異国の事に詳しいんだって?」
詳しいっていうほどでもないが。俺が知ってるのは、極一部の土地の偏った知識だけだ。
…俺の知っている『異国』が、この世界のこの時代にあるとも思えんしなぁ…。
「それならそれで構わないさ。ものは相談なんだが、異国にはお嬢さん方と懇ろになれるような催し物ってのはないのかい?」
懇ろに、ねぇ…。あるにはあるが、その手の催しは定着しないと効果が薄いぞ。縁もゆかりもない聞いたこともない…かどうかは知らないが、突然聖人…仏教でいう釈迦牟尼の誕生日を祝え、と言われたって戸惑うだろ。
「やるなら、由緒正しい謂れがどうの…って話じゃなくて、もっと分かりやすい催しか…。今この里でもできそうな事といえば、盆踊りくらいなんだよな…」
…しかしいきなりどうしたんだ。女好きなのは知ってるが、「お前さん程じゃないよ」うっせ、俺は単なる色狂いだ。
ご婦人に声をかけるのが趣味なのは知ってるが、本気で誰かと懇ろになろうとはしていないだろ。お茶に付き合ってくれれば儲け物、くらいにしか期待してない。
それが悪いとは言わないが、突然そんな事を言い出す理由がわからない。
誰か惚れた女でもできたか?
「いーや、俺はこれでも一途な男なんでね。心は揺るがないさ」
…故人に、だろうけどな…。これに関しては、俺がどうこう言う問題じゃないし。
しかし、それならどうして突然そんな事を。
「前に、大和のお頭とお前さんが練武戦を計画してたのを思い出してね。腕を競うのも悪くないんだが、折角美人さんが増えたんだ。ちょっとくらい盛り上がってもいいんじゃないかと思ってな」
その美人さんは、ほぼ俺のお手付きなんですが。
「…知ってるよ…」
血涙やめーや…。人間関係をややこしくする事が目的じゃないだろうし、要するに狙いは景気づけか?
「そういう事だ。ここ最近、戦力が増えたおかげで楽になっちゃいたが、その分激戦も増えた。体の疲れもあるが、それ以上に精神が疲弊してる。元々、豊かではあっても変化に富んだ里じゃない。祭りもあるにはあるんだが、まだまだ先だし、何よりも代り映えしなくてなぁ」
うーん…マンネリ打破か。結構難しい問題だ。
ただ奇抜な事をやるだけだと、訳が分からないと引かれて終わり。
皆が参加できて、安全で、興味を惹く洋風のイベント…。
単純に考えれば、バレンタインデー、クリスマス、七鍵守護…もとい、ハロウィン、
「ふむふむ。刃練蛇韻、苦離済増、覇路得院。名前からして独特だな」
その当て字もね。異国には一部を除いて漢字なんて無いんだから、仮名表記にしとけ。
他には……パイ投げ祭り、チーズ転がし祭り、トマト祭り、水かけ祭り、ワインかけ祭り…。酒やら肉やら魚やらとにかく食い放題の祭りもあるし…。
「食い放題はちょっと無理だな。そこまで里も懐に余裕がある訳じゃない。水かけ祭り…はまだちょっと肌寒いし。…ちーずやらわいんやらは、確か異国の酒や食べ物じゃなかったか?」
パイもトマトモだ。
「食べ物で遊ぶのは良くないな。節分だって、後から食ってるんだし。うーむ…」
食い物から離れれば…そうだな、燈篭流しみたいなのがあった筈だ。紙で作った燈篭みたいな奴を飛ばすんだ。上手く行けば空に向かって上がっていくんだよ。
燈篭流しを水面下から見てりゃ、あんな感じになるんじゃないかな。
でかい人形を用意して燃やす祭りとか、火薬を使った玩具を飛ばす祭り、仮面をかぶった祭り、どろんこ祭り、猫祭り…俺に一番縁があるのは、狩猟祭だな。
「ふぅん…色んな祭りがあるんだな。世の中は広いぜ。…仮面? 仮面を被ってどうするんだ? まさか被るだけって事は無いだろ」
それだけでも結構楽しいもんだぞ。普段やらない事をやれるって言うのは、それだけで冒険してる感があるしな。
何をするかって、色々あるんじゃないか。
軽い仮装を楽しむも良し、普段と違う自分を演じてみるもよし、本気で変装して正体不明の怪人を演じるも良し。皆が皆、誰なのか分からなくなったら…普段言わない本音とかも言えるようになるかもな。
目の前に居るのが誰なのか分からない。本音をぶちまけて居る自分が、誰なのか気付かれない。
結構…面白くなると思うよ。
「確かにそれは興味があるが…後々の人間関係が大丈夫かな…。じゃあ、その火薬を仕込んだ玩具ってどんなのだ? 危険じゃないのか」
火薬なんだから、そりゃ危険はあるよ。要は花火だよ、花火。小型の奴な。
そもそも火薬は戦略物資だし、使わせてくれるとは思えんよ。
「…お前、こっそり隠し持ってたり…」
材料しか持ってないな、今は。
そうだなぁ、人と人の距離を縮めやすい催し…。
………アレかな。祭りって程じゃないけど、その分準備も簡単だし、何かあっても籤運とか冗談って事で片づけられそうだし。
「おっ、何か思いついたか?」
名前が思い出せないんだけどな…。
まず、準備するのは男女で同じ人数の参加者。別に同じじゃなくてもいいけど、後が面倒になったり、あんまり美しくない絵面が出来上がる可能性もあるのでお勧めしない。
次に紐。更にそれを覆い隠す布。
「ふむふむ。男女の距離を縮めて精神的に充実させようってんだから、男女で同じ人数を集めるのは道理だわな。それで?」
紐をあみだ籤状に結ぶ。多少動かす事が出来れば、尚いいな。それを布で覆い隠したら準備完了。
参加者には男女で分かれてもらい、それらに向かって意味深な問題を出す。そうだな、例えば『愛が有れば年齢どころか性別、種族の差も関係ない?』とか。ちなみに息吹の返答は?
「お前が真面目に答えるんなら俺も答えるぞ」
んじゃいいや。
で、答えた結果によって適当に配置とあみだ籤の結び目の位置を変えていく。何問か答えてもらった後、足元の紐をそれぞれ持ってもらい、その先に居た相手に酷薄。
「成程ねぇ。縁結びとは、中々粋な遊びじゃないか。しかも遊びでしかないから、そう深く捉える必要も無い。斬新だな…」
斬新? と思ったが、時代背景が背景なだけにそう感じてもおかしくはないか。
世界的に見れば珍しくもなんともない凡庸な発想でも、その地に無かったのであれば革新的なアイデアに思えてしまう。
ま、深く捉える必要はないと言っても、運命だとか託宣とか言って気にする奴は多そうだけどな。
それならそれで、その奇貨をどう活かすかは本人次第だ。
「よし、その線で行ってみるか! とは言え今はまだまずいな。事が片付いて、練武戦に合わせて企画するか」
そうだな、殴り合いだけじゃ皆も飽きるだろう。
シノノメの里じゃ、練武戦の前に隠し芸大会なんかもやってたしな。
企画だけでも通知しといた方がいいな。当日になっていきなり「こんなのやります」って言われても、戸惑うだけだし。
「おう! さーて、俺も参加してみっかね。お嬢さん方と楽しいひと時になりそうだ」
意気揚々と息吹は去っていく。早速準備を始めるようだ。
何と言うか、意外とお祭り男だったのね。まぁ伊達男って言うだけあって、華やかで騒がしいのが好きな奴だからな。
さて、俺はどうするかな。参加してもいいが…うちの子達がどんな藩王をするやら。
折角だし、うちの子達の間で色々と行事を定着させてみてもいいかもしれない。
それこそさっき息吹と話したハロウィン、バレンタイン、クリスマス。
…クリスマスは俺がプレゼントを準備しなきゃならんな。一人一人の好みに合わせた物にしないと…。
いやそれよりも厄介なのは、うちの子達に気付かれないようにプレゼントを置いて来る事か。
……安全地帯に居ると思っている間は、あの子達はヒジョーに呑気だから、気付かれずに忍び込む事自体は問題ないが…絶対、プレゼント置くだけじゃ済まない。
ちんぽと精子とイキ地獄がプレゼントだよ受け取れよオラァ!になるに決まってる。男は除く。
ヤるのは別にいい。時間だって体感時間操作でどうとでもなる。でも、ヤッちゃったらプレゼントを置いて行くのが俺だって気付くよなぁ。気付かなかったら気付かなかったで、知りもしない男に犯されたって事になっちゃうし。
折角クリスマスを企画するんだ。サンタさんにも拘りたいじゃないか。流石にサンタクロースを、勝手に部屋に忍び込んで女を犯し、代わりに欲しくも無い施し物を置いて去っていく、夢も希望もないレイパーにする訳にはいかない。
……まだ、実在するって信じてるしね。ただしおじいさんじゃなくてエロサンタの方を。
うん、楽しい事を考えると、やる気も出てくるな。うちの子達にも楽しんでほしいし、早い所あの塔をぶっ壊してしまおうか!
問題はその方法だけど、な…。