そして、コトの後。
「別に今更文句はいわねーけどよ…。お前、何でいきなり若の所に来たんだ?」
「んー…改めて聞かれると、ちょっと言葉に詰まるんだけど」
いがみ合っていた二人は何処へやら。今は二人とも、俺の体の上でうつ伏せに寝そべっている。舞華が左半分、きららが右半分と器用に分かれていた。
ソリが合わないのは相変わらずだが、それなりに付き合い方と言うか、折り合いは付けられたらしい。
やはり裸の付き合いは、最上のコミュニケーションよのう。ゆっくり話をしたい時は、お茶よりも床に誘いましょう。
まぁ、実際の所、二人が張りあったりヤったりヤられたりしているのを高みの見物していた俺に対して、「とっちめるならまずはこっちからね」で団結したと言った方が正しいのだが。
結果は…言うまでもあるまい。ダイナマイトボディ二人が協力し始めたとは言え、初めて男を知ったばかりの小娘二人で俺に太刀打ちできる筈もない。
上になったり下になったりしながら、軽い百合プレイまで仕込んで精神的にも体力的にも限界ギリギリまで善がらせました。
消耗しきった二人が回復するまで一眠りして、今はピロートークの時間である。寄り添う二人の体温が心地よい。
肉付きの良さをダイレクトに感じられて、ついつい剛直がオッキしてしまうが、今は放置。俺はともかく、二人は最低限の体力しか回復していないのだ。
まぁ、こっそりチョンチョンと触ってくるので、続きをしようと言ったら応じてくれそうではあるけども。
それはともかく、どうしてきららが突然やってきたのかは、俺もちょっと気になるな。以前に比べれば穏やかになったとは言え、男嫌い…と言うより、人間不信が治った訳でもなかろうに。
「…ちょっと、そういうのは普通、受け入れる前に聞くんじゃない?」
据え膳を食わない訳がないだろーが。どんな理由でやってきたのだとしても、断るとか有り得ないから。覚悟を決めてやってきた女に恥を掻かせられるか。
「どう考えても色狂いなのを正当化してるだけなんだけど。…ったく、本当に私も何でこんな奴を…。人生間違ったかしら…」
何を今更。間違い度合いで言えば、滅鬼隊になった時点で…いやまぁ、何も言うまい。
人生は長いんだし、人間万事塞翁が馬だ。一時の間違いでどうこう言ってちゃ、世の中渡っていけないぞ。
「自分で言うな自分で。…で、結局のところ、どうなんだ?」
「んー…昼間に、ちょっと話したのよ。鬼の目的とか、オオマガトキがまた起こったらとか…。起こさせるつもりもないし、どんな鬼が来たって負けるつもりはないけど…いつどうなってもおかしくないのも事実。もしかしたら、この瞬間にも『塔』が何かして、私達の手の届かないところでオオマガトキが起こるかもしれない。そう考えるとね…。まぁ、私も、男は嫌いだったけどあんたはそうでもないし、興味が全く無いと言っても嘘になるし、一度は経験してみたかったというか何と言うか」
「あー…まぁ、何となくは分かった…と思う。確かに、こんな気持ちいいの知らずに死んじまうなんて、文字通り人生損してるな」
お褒めに預かり光栄ですな。でもこれが普通だとは思わないように。その理屈で行くと、人間の殆どが損してる事になっちゃうからな。
と言うか、やっぱりまだ男嫌いのままなんだな。うちの子達と話しているのはちょくちょく見かけてたんだが。
「鹿之助君とか骸佐や権佐の事? …別に必要も無いのにつっかかろうとは思わないわよ。……何よ、悪かったと思ってるわよ、起きたばかりの頃の事は。自分でもどうしてあれだけ苛立ってたのか分からないんだから」
まぁ、トラウマ抱えて自覚もしてなけりゃ、苛立ちもするし抑えるのも難しいわな。
ちなみに、里の男達とは?
「そもそもあんまり話す機会もないから何とも…。任務や罰の時以外、この家からあんまり出ないから」
「意外と引き籠ってるな…。退屈しないのかよ」
「んー、最近では話をしてくれる人も増えてきたから、それ程でも…。外と言うか、知らない人がいる所に行こうとすると、何だか気が萎えるのよね」
…トラウマのせいか、人見知りになってるな。うちの連中が気を許してきてるから、猶更他の人に会いたくないんだろう。
ちと問題だが、こればかりはゆっくり対処するしかない。下手に強制しても、テンパった挙句に問題でも起こすのがオチだ。
「そう言うあんたはどうなのよ。はっきり言って、自分から来るようには見えないんだけど? あんた、そんな度胸ないでしょ」
「あんだと!? あたしは大丈夫だって意地張ってただけだ! ……猶更悪いって言われると、反論できねーけど…」
「煙草、だったっけ? あれが無くなって苛々してるんだって言ってたけど、どう見ても暗示とやらでおかしくなってたものね」
うん、かなり不安定になってた。そこまで意地張れるというのは、ある意味凄いとは思うけども。
今後はちゃんと、おかしくなってきたと思ったらすぐに言うんだぞ。まぁ、そうでなくてもこっちから夜這いするか、真昼間に真正面から押し倒して犯すけど。
「真昼間…」
「夜這い…」
何を想像したのか、顔を赤くする。ちなみに拒絶はされてない辺り、いい塩梅に味を占めているようだ。
さて、そういう訳で。
「…ちょっと、お尻撫でて何をする気よ」
「お、おま、弄るのはいいけど尻の穴はあああああ」
じゃあ、続きと行きますか。夜はまだ長いからな! 体感時間操作も使ってたもの。
まんこの主が誰なのか、徹底的に教え込んでやらんとな!
黄昏月参日目
「…ふ、ふふ、ふふふふふふ」
朝飯時。
全員とは言わないまでも、大体の子達が揃って飯を食うのがうちの習慣だが、その中で異彩を放っている子が一人。
言うまでも無く、きららである。
普通に飯を食っているように見えて、明後日の方向を向いたかと思えば、俺をチラ見したり、突然だらしない表情になって小さな笑い声を垂れ流す。率直に言って不気味である。
が、うちの子達は動じない。よくある事だからな。そして殆どの子達が、一度は通った道でもある。ここまでわかりやすいのも珍しいが。
ちなみに昨晩の相方である舞華は、部屋に閉じこもって出てこない。どうやら正気に戻って、乙女心的に会うとな行為を山ほどやっていた事に気付いてしまったようだ。…多分、布団に潜り込んでるんだろうな。思い出しては発情している気配があったから、多分昼頃には一回自慰して風呂に入る為に出てくるだろう。
とにもかくにも、きららが俺と関係を持った事は、居合わせた一同にはマルッとお見通しな訳だ。
…若干荒れた気配がするな。まだきららに隔意を持っている子も居るようだから、その辺だろうなぁ。
仮にも俺が身内と認め、更に関係を持った訳だから、直接的な危害を加えはしないと思うが………あ、一人が懐から紙を取り出して、何か書き込んだ。あれは、食後に引く罰の籤に投票する紙だな。成程、罰という名目であれば多少過激な事をしても止められない。ルール上、追放や極刑などの記入も可ではあるし。
さて、あれを引くと流石にちょいとまずそうだ。確率的にはそう高いもんじゃないが、そう言うのに限って当たるのが芸に…もとい世の常。上手い事抜き取って…、
「きららちゃん、何だかご機嫌ね」
「ふふふふ! よくぞ聞いてくれたわ! 今の私に敵は無い! なんかこう、力が漲りまくってるのよ!」
(大方、若様が『あれ』した時に房中術を施したんだろうなぁ)
「罰則だろうが鬼だろうが、何でも来ーい! 束になって掛かって」カーンカーンカーンカーンカーン「…」
…鬼の襲撃を知らせる鐘だな。しかも乱打…って事は緊急事態…? この鐘の音は、うちの見張りの子じゃなくて里の方から…?
「「「「「「……………………」」」」」」
「…わ、私のせいじゃないでしょ!」
Q.フラグを立てた人に責任はあるか?