黄昏月肆拾壱日目
半日くらい寝込んだ。無理な霊力運用に加え、自爆と言う形で生命力ごと吹っ飛ばしちゃったからね。いくら俺でも、体内から超エネルギーで蹂躙されれば重症にもなる。
もう回復したけどね。
夜まで安静にして気脈を整えて、そこから先はいつも通りのオカルト版真言立川流で生命力を活性化、ちょっと強引に体を修復した。
流石に自分で動くのはきつかったので、今日は皆に騎乗位で頑張ってもらいました。自力で殆ど動けない状態なのをいい事に、焦らしプレイから授乳手コキまで好き勝手にされたが、興奮や快楽に繋がっているので実益にもなっている。
…まぁ、みんなして普段はやられっぱなしなのだからと、主導権を握れる状況を楽しんでいたのは否定できないと思う。
ともあれ、一晩使って回復に努め、なんとか戦闘に支障がない程度には回復した。今でも粗方問題は無いが、あと一晩アラガミ化して過ごせば、完全に自然回復できるだろう。
もしもその間にクサレイヅチどもが接敵してくるようなら……うん、もうちょっと腰振ってから出撃になるかな。
…そして今、その回復よりも優先させている事がある。ホロウとの話だ。
うちの子達のホロウに対する視線は、率直に言って好意的なものとはかけ離れてしまっている。
何か失敗した時、俺に矛先が向かない弊害だな…。簡単に言えば、『うちの頭領が大怪我したのは、お前がしくじったせいじゃないか?』って疑惑が集中している訳だ。
ある意味間違ってはいないかな。魂喰いが上手く作動しなかった訳だし。例え上手く作動していても、十中八九俺は動けなくなっていた可能性が高いんだが。
医師として目を離す訳にはいかないと主張する那木を、内密にしなければならない話だと説得して部屋の外で待機してもらい、ホロウと話を進める。
それで、結局魂喰いが稼働しなかった原因は分かったのか?
「いいえ。あの後、異界を巡って鬼を倒し、見つけたミタマで試しましたが、同様に取り込む事さえ出来ませんでした。あなたの魂の問題ではなく、私の機能に問題があると思われます」
魂喰いは、考えていた戦略の要だ。使用できないとなると、前提がひっくり返っちまう。
自分で言うのも何だが、奴らと戦うのに俺はきっと必要になる。例え、クサレイヅチを仕留められないって因果を強める事になるとしてもな。
「はい、その通りです。ですが、魂喰いによる力を発揮できれば、あなたが参戦不可になる事と引き換えに、私が相応の力を振るう事が出来る筈でした。イヅチカナタとの負の因果を遠ざけ、人数は減るものの強力な戦力を得る」
そうだな。それに同意したから、俺は限界まで霊力を貯め込んで、より強力な『燃料』になろうとしていた。(実際には、ミタマを齧られても動けるようになろうとしていただけだが)
しかしこうなると、そうも言っていられない。魂喰いができないのなら、やはり俺も前線に立つ。
「いいえ。私の不手際で前提がひっくり返されて申し訳ありませんが、それは認められません。あなたが居れば、確実に負けます。トキワノオロチに勝てるとしても、イヅチカナタを取り逃がす事になります」
…それも、まぁ、事実ではあるか。
だったらどうするよ? 自分で言うのも何だが、俺級の戦力を今から見つけ出してくるのは難行ってものじゃないぞ。不可能に近い。
となると、俺を戦力投入して、どうにかして因果をひっくり返した方がまだ目があると思うんだが…。
「…わたしとしては、何とか魂喰らいを発動させたいと思っています」
何故そこまで魂喰らいに拘る? 強力な機能なのは確かなんだろうが、拘るべき力でもないだろう。むしろ、使わなくていいならそれに越したことはない種類の力だ。
稼働させられないならそこで割り切って、別の手法を探せばいい。動かない原因を探るのに使う労力を、別の部分に次ぎ込むべきだ。
「理由はいくつかありますが、まず代替えに出来る手段があったとして、確実性や効力が見込めるとは思えません。魂喰いに匹敵する程の力を得る方法がそうそうあるとも思えない。次に、単純に私の体・機能に異常があるのであれば、解明しておきたいのです」
確かに、自分の体に不調が潜んでいるんじゃないか、って不安はな…。
でもそれを言ったら俺の体なんてマジで訳が分からんのですが。いや比較の問題じゃないって事もよく分かるけども。
「更にはっきりと言わせてもらいますが、あなたが余計な事をできないよう、行動不能にしておきたいとも考えています。言葉や理屈で説得しようと、あなたの執念が鎮まるとは思えません。必ずあなたは、その場に駆け付けようとするでしょう。……更に言うなら、そうやって霊力を貯め込んできたのも、その為の布石を作ろうとしているのだと見ましたが」
ぐっ……。
ま、まぁ、多少はな…。(見抜いてたか…)
具体的にどうこうは考えてないが…。
「それと…」
ん? それと?
「魂喰いと言うくらいですし、味はどんなものなのか気になりまして」
ヲヰ、ソレガホンネジャアルマヒナ。
「…比喩表現です。私も魂喰らいを使うのは初めての事ですから。使った時、どのような状態になるのか検証しておく必要があります。その点、あなたは最適な相手と言えるでしょう。仮にまたイヅチカナタに敗北して逃げられたとしても、貴方の中に情報は残ります。次に私と会った時に、その情報を伝えればいい」
情報として残るったって、因果を奪われて忘れ去るかもしれんやないかい。
「ついては、この件について一つ聞きたい事があります。あなたは自分に対して暗示をかける事ができると聞きました。それはどれ程強力な物ですか?」
ん? 何だ、藪から棒に…。
どれくらい、って言われてもな…。物によるけど、結構強力だと思うぞ。何せハンターの技だしな。
自己暗示によって普段使ってない力を引き出すとか、ハンター式睡眠法だって瞑想と暗示の合わせ技みたいなもんだし。
まぁ、割と強力な方じゃないか?
「………成程。自己暗示を繰り返し使っていると、徐々に暗示にかかりやすくなる体質になると聞きますが」
人間は良くも悪くも学習するらかね。充分有り得る話だ。
何だ、俺に暗示をかけるのか。どんなのを?
「あなたがイヅチカナタに近付かないよう、対策を打ちます。先程も言いましたが、大人しくしているとはとても思えませんので」
疑い深い奴だなぁ。無理もないけど。
…いや待てよ? 対策を立てるのはおかしくないが、それが暗示っておかしくないか? 確かに『そういう事をさせないように考えを誘導する』ができるなら効果的だと思うが、不確定要素が多すぎる。ホロウがそんな物を当てにするかな。
他に手がないから仕方なく、って事も考えられるが……こいつ、他に何か企んでるんじゃなかろうか。
「もう一つ聞きますが、あなたは性交を行う事で、相手の体の詳細を調べる事が出来ると聞きましたが、事実ですか?」
うん、それは普通にできるね。霊力を通して体内の反応を見るとか、単純に体の反応で神経とかがどうなっているのか推察するとか。
邪法に近いやり方になるが、魂まで触れる事も出来るぞ。
「それは、人間ではない相手とも可能でしょうか」
…何と性交させようとしてるのか知らないが……まぁ、可能…だな。(かつての夢の世界で、モン娘相手にも十分通用したし)
とは言え、相手次第でできる事できない事は変わってくるぞ。構造や大きさが人間に近ければ近い程、出来る事は増える傾向にある。
「では、私のような人造人間でも可能と言う事ですね」
…は?
「私の構造は、人とは違いますが、大きさや外見は概ね同じです。あなたに診察を依頼します」
…は?
診察って何の為…ああ、魂喰いが使えない理由を特定しろって事か。
…できる…とは思うが、そもそもホロウの体の構造自体、把握してないからな…。微に入り細に入り、体中を執拗に弄り回す事になるぞ。ホロウの構造次第では、一回二回で終わるかも怪しい。
「構いません。後の戦闘に支障がないのであれば、多少の危害を加えられる事も想定に入れています」
危害って…ああ、スパンキングとかか。流石に初心者相手に、いきなりソッチ系に走るつもりはないが。
今までの症例を鑑みると、苦痛よりも「気持ちよすぎて苦しい」って場合の方が多かったぞ。いや自慢じゃなくて、文字通り。
「苦痛も快楽も同じです。…そもそも、私も今までの旅で多少の経験がありますが、そのどれも特筆するような感覚を覚えた事はありません。また、私に触れた人間も、よく分かりませんがすぐに辞めていました」
ほーん。まぁ分かった。そういう事なら、こっちとしても特に問題がある依頼ではないし…早めに取りかかるか。
ただ、事の前には湯浴みをして、体や衣服を清潔にしておくのが一般的な礼儀だ。
思うに、今までの経験ではそういう事をしていなかったのが、萎えて辞める原因だったんじゃないかな。基本的にホロウが現れるのは、クサレイヅチとやり合う最中か直前、そうでなくても時代の変革期の真っただ中で衛生状況に気を使ってられる場面じゃなかっただろうし。
「…確かに、今のように快適な衣食住が保たれている状況は稀有でした。では、要望通りに清潔にしてから再度来ます」
うん、うちの子達のも話を通しておく。少なくとも、因縁を付けられる事は無いと思うから、安心してくれ。最悪、何かあったら言ってくれればいい。
じゃあ、また後で。
…ケケケ、予想外の展開になったが、こりゃ好都合だわ。
魂喰いに堪える為に力を貯め込んできたが、それをオカルト版真言立川流にまるごと注ぎ込んでやろう。与える霊力が強ければ、その分快感や幸福感がマシマシになっていくからな。ドロドロに溶かし尽くして、「イヅチとの闘いにくるな」なんて考えもしない程服従させてやろう。
単純な欲望だけで考えても、人造人間だろうが不感症だろうが、美人が俺に抱いてくれって言ってるのに断る訳がない。むしろ断るようなら俺じゃない。
うちの子達からは「なんであんな奴を」と不満が出るかもしれないが、そこは「わからせ」の為だとでも言っておけば納得するだろう。
それにしても、ホロウが性の影響を甘く見ていて助かった。これまでの経験…と言っても、ホロウが経験したのは胸や尻を少しばかり触らせただけで、本番は無いと言っていた。
ホロウが無反応だったり不衛生だった事で萎えた、と言うのもあるのだろうが、単純に度胸や性根の問題なんだろうな。見ず知らずの相手に協力しようって、お人好しな奴らだ。多少見返りを求めたとしても、それで女を好き勝手にするって所まで至れなかったんだろう。あからさまにヤリ捨て、約束を守る気が無い相手であれば、ホロウが察知して潰してるだろうしね。
だが俺は違う! 無反応だろうが無表情だろうがヤる! ヤって堕とす!
これまでの経験とも呼べないような経験を鼻で笑うような性感で以て蹂躙してくれるわ!
「セックス? 大した事ないし、男なんてどうでもいいわ」とかしたり顔で語る女を、チン媚びするしか頭にないド低能メスまんこに突き落とす…。実に滾るシチュエーションではないか。
ヒャッホー、今までそういう目で見た事ない女だったが、意識して見ると意外とそそる女やないけ。遠慮なく雌にしちゃろ。
…真面目な話、クサレイヅチとやり合うのを拒否しようとするホロウを、理屈も戦略も抜きに説得できる、千載一遇の好機だからな。
当初の予定通りに魂喰らいが発動し、俺がそれに耐えられていたとしても、ホロウに気付かれる可能性はある。最初だけ騙しぬけたとしても、いざ戦いが始まれば確実に気付く。
そうなったら、戦いの最中に実力行使してでも俺を排除しに来る可能性がある。
戦いの最中に、味方に向けて発砲する筈がない…と思うのは浅はかだ。かつては浮気がバレてしまった時の那木という前例だってある。あの因果が残っているとしたら、同様に目の前の敵を放り出してでも刺しに来る可能性は否定できない。
それ以前に、ホロウは俺が居れば無条件に負けると考えているのだ。俺を排除せず共闘すれば、どれ程有利に事を運んだとしても最終的には取り逃がす。逆に、どれだけ味方に不利益になろうと俺を排除できれば、万分の一でもクサレイヅチを仕留める可能性は残る。だったらホロウとしては、義理も道理も戦略も放り出して、後者を取るしかないだろう。
だからこそ、ヤる。ホロウが逆らわないくらいに、誰が主か徹底的に刻み付ける。
排除しようとしてきたら、お手・お座り・イけ、だけで失禁して動けなくなるくらいに躾ける。
ま、それはそれとして診察は真面目にするけどね。
自分は正常な筈なのに、機能の一部が働かないって不安になるじゃろ。不確定要素や不安要素は取り除いておくに限る。
魂食らいの原理が理解できれば俺にも応用できるかもしれないし、ホロウを躾けるのに体の構造を把握しておくに越したことはない。
最初は真面目に調べて、分かった時点でそのまま屈服させにかかるとしよう。
…うちの子達も混ぜた方がいいかな? ホロウに対して良くない印象を持っている子が多いし、きららの時と同じように全員の玩具状態にしてヘイトを取り除くか…。
いや、辞めておくか。ホロウが警戒しそうだし、診察ともなれば一対一で丁寧にやった方がいい。隣に極上のメスが侍っていると、欲望のままに暴走してしまいそうだしな。