最近は滅鬼隊関係で、サラッと流すようなエロばっかだったからだろうか…。
ここから難しい場面が続きそうだし、省略するのも手だとは思いますが、恐らくこのSSで最後の濡れ場になりそうだし、折角なんだからちゃんと書きたい。
次か、その次のを投稿したら、また少し間が開くかもしれません。
黄昏月肆拾惨日目
結局、昨日は虚海のところにやって来た。女に泣きつくみたいで嫌だ、と言っておきながらどうかと思ったのだが、ヤる以外にも相談しなきゃいけない事があったからな。
虚海は先日の戦いで力を使い果たし、まだ回復しきっていない状態だ。橘花・樒さんとの交代制で結界を維持しているのも、回復を妨げている理由の一つだろう。
夜中に彼女の部屋に忍んで行ったところ、自前のまんことちんこを準備万端にして出迎えてくれた。
……真面目な話をしたかったんで、そういう事をするつもりじゃなかったんだが……俺を前にした虚海は完全に発情状態に入っており、一発ヤるまで冷静に話を聞いてくれる状態ではなかったのだ。
だから虚海を抱いたのは、泣きついたんじゃない。求められたし、必要だったから応じただけだ。
そんなちっぽけな意地と見栄は置いといて、虚海に話をしたかったのは、言うまでもなくオビトの事である。
斯斯然然ありまして…。
「オビトが生きている………だと…?」
いや死んではいるんだけどな。ミタマになってるから。
オビト生存(?)の話を聞いた虚海は、思った以上に動揺していた。嬉しくもあり、もの悲しくもあり…と言った表情だ。
死んだと思っていた知人が生きていると知れば、普通は喜びそうなものだが…と考えたが、虚海の境遇に思い当ってその考えは改めた。
「ふ、ふふふ………ほんに、皮肉なものよな。ホロウといいオビトといい『千歳』といい、何故今になって現れるのか。過去がわらわらと這い出てきて、私に今更何をしろと言うのか」
…そうだった。普段のポンコツ具合ですっかり忘れていたが、虚海は時間を超えて流されてからというもの、心は擦り切れ、人の為に戦おうとしていた正義感も圧し折られ、人道にもとる行為も幾度となく行ってきたのだった。
そこに、かつて志を共にした仲間達が次々と現れる。…まるで、運命が当てつけでもしているかのように。
と言うか、今『千歳』って…。
「…先日の戦で、私の因果も少しは戻って来た。最初は、力尽きて倒れた時に見る悪い夢かと思ったがな…。あまりにも鮮明すぎるし、何よりも様々な事に説明が付き過ぎる。おんしの先の事を見透かすような言動、異様な戦闘力、私の体や過去を知っていた事、そして豹変した橘花……神垣の巫女。何度目なのかは分からんが、繰り返しているのだろう?」
…まぁ、な。と言うか、悪い夢扱いかよ、千歳。
「おんしも自分の前に、穢れも妥協も知らない若い自分が現れれば嫌でも分かる。…いや、おんしの場合は爛れた人間関係を指摘されて、羨ましいかと返しそうだが」
流石に自分を相手にその煽りはしないよ…。精々、オカルト版真言立川流の指南書を渡して『成したいように成すが好い』と囁くくらいだよ。
「邪神の囁きそのものではないか。まぁよいわ。所詮は過ぎ去った事、無かった事になっている事だ」
……千歳がクサレイヅチの中に居るってのは、黙っておいた方がいいだろうか…。流石に気分が悪いから見捨てろとは言わないだろうし、仮に言ったとしてもちんこかまんこを踏みながら命令すればあっさり従うと思うが。
まぁ、今はオビトの話だし、伝えるにしても後でいいか。
ともかくだ。
オビトを何とかせにゃならん。今のままだと、ホロウの魂喰らいを発動させたら贄になっちまう。
「魂喰らいか…。話に聞いた事はあったが、一度も使った事がないと言うから忘れておったわ。いや、当時の私は、仲間が鬼と同じような事を行うとは思いたくなかったのか…。いずれにせよ、放ってはおけんな。顔を合わせたいとは思わんが、流石に贄になると言われては見過ごせん」
会いたくない、か。オビトのあの性格からして、関係ない、友達だと押しかけてきそうだが、まぁそれならそれでいいだろう。虚海にとっても悪い結果に繋がる可能性は低そうだ。
と言うか、オビトは今の虚海の事を知っているんだろうか? ホロウが因果を取り戻した辺りから、外が見えるようになったと言っていたし…。逆を言えば、それまでの事は全く知覚していなかった。知っているとしても、この里に流れ着いて俺に犯され、腰を落ち着け…いや肉体的な腰はむしろ貪欲になり過ぎて落ち着きもクソもなくなっているのだが…てからの虚海だけだろう。
「むぅ…魂喰らいの原理がよく分からんから何とも言えんが、引っ張り出せそうは方法なら幾つか心当たりはあるな。問題は時間だ」
それな。そもそも、クサレイヅチもトキワノオロチも、そろそろ戻ってきそうな気がするんだよな。撃退してからそこそこの時間が経ったし、傷も癒える頃だろう。
もうちょっと発覚が早ければ、色々取れる手段もあったのに。
「全くだ。…私は別の作業もあるし、あまり時間を取れんしな…」
別の作業? 結界の維持の事か?
ヤるだけヤって霊力は回復増幅させたし、あまり負担にはならないと思うんだが。
「結界の維持を甘く見過ぎだ。神垣の巫女だからこそ、結界を貼りながらでも平然と行動できるが、本来であれば超が付く程の難易度である事を忘れるな。力だけでどうにかなる話ではない。専門外の私や樒では、集中する必要がある故、結界を維持している間はほぼ動けん」
確かに、里をまるごと覆う結界だもんな。普通の術者じゃ逆立ちしても出来ん芸当だったわ。
だからこそ、神垣の巫女が貴重で重要に扱われるんだよな。
で、作業って?
「…聞いてないのか? …ああ、そういえばおんし、何をやったのか知らんが最近は里の者を避けていたな。簡単に言えば、総力戦の準備だ」
総力戦…。確かにそれは準備も必要だが、これまでの戦いも総力戦の繰り返しみたいなもんだったろう。物資や士気が尽きないのが不思議なくらい、総力戦が頻繁にあるってどうかと思う。
「それだけの戦いが連続で発生するのだから仕方あるまい。普通は、一生に一度あるかないかという規模だしな…。だが今回のは今までとは決定的に違う。里の者、文字通り全員が戦力となる」
? 里の全モノノフが…………うん?
文字通り全員…って、まさか一般人も? …いやいや、まさか…。
「そのまさかだ。訓練中の未熟な若手モノノフは勿論のこと、農民、稚児、妊婦、家畜まで全て戦力扱いだ」
扱ってどうすんだよ、そんなもん。
頭数だけ揃えればいいってもんじゃなかろうに。戦えもしない人間が、戦いの場に出てきても足手纏いにしかならねーよ。KAMIMAZEでさえ、成功させるにはそれなりの技術が要る。
雁首揃えて鬼の餌になるくらいなら、里の中で畑でも耕してた方がよっぽど貢献になるわい。
誰だよ、そんな乾坤一擲を履き違えたような、神算鬼謀を自分に向ける自滅用軍師は。
「当事者全員さ。それと早合点するな、鬼と斬り合う場に出る訳ではない。何度も繰り返される戦いで、自分達も何かしなければ危険だと言う事を実感したんだろう。確かに何が出来ると言う訳ではないが、それでも『何かできる事をしよう』とする辺りは好感が持てるな」
それで足引っ張る結果になっちゃ、何もしない方がまだいいと思うんだが……その辺は考え方と状況の違いかな。
んで、実際何をさせるつもりなんだ?
例え里人全員からの歎願があったとしても、大和のお頭が非戦闘員を対策もなく戦闘に放り込むような真似をするとは思えん。むしろ、そんな事を言い出したら『銭湯に行って水風呂で頭を冷やせ』とでも言いそうだ。どうでもいいが、サウナの後でも水風呂で潜っちゃいけないぞ。
…そういや、サウナの設置はしてなかったな…。
「一言で言えば、霊力の捻出だ。これも割と外法の類なのだがな…。里人から絞り出した霊力を使い、前線で戦うモノノフ達の強化・回復に当てるのさ。その為の儀式場を作り上げた。使用者がその場に留まっている間、徐々に霊力を吸い上げて貯め込むという寸法だ。…即興で組み上げたものだから、手入れが大変でな…。おんしの交合も、似たような術であろう? あれ程の劇的な効果や効率は望めんが、参加者の数が数だ。相応の効果は望めよう」
あー、成程。確かに総力戦だな。そして邪法だ。
本来であれば、人間を罠っつーか呪いをかける為の術なんだろ。指定した場所に居る人間は、知らないうちに徐々に生命力を削られ、いつしか衰弱死…って奴。
……ん? と言う事は、里の人達も繰り返していると…。
「だから言ったであろう、外法の類だと。生憎と、数日程度で安全性を高める為の制限を付けられる程、単純な術ではない。あまりに霊力が吸い上げられれば、当然死に至る。…まぁ、その前に卒倒するだろうがな」
自分から命削って、戦いの準備をしようとしているのか…。
流石に生活に支障がない程度にしてくれると思うが、戦況が悪いと知らされたら自分の命を丸ごと糧にしようとする奴さえ出るかもしれんな。ここの住人、最前線の住人だけあって何気にガンギマリ勢が多いんだよなぁ…。
だからって、力になってくれるのを拒否するのもおかしな話だし…。
「そもそも、下手に何もしないよう抑圧したら、それこそ何をやらかすか分からんと言うのがお頭の判断だ。最悪、鎌とか鍬とかを武器にして鬼に殴り掛かりに行く奴が出かねん」
ライフコッドの住人かな? クワこうげき! カマこうげき!! イネカリ斬り!!!
出来るんだったらガチで戦ってもらうのも有りかもしれん。
うん、いい方法じゃないか。
モノノフの強化に繋がり、足手纏いは出ず、里人も疲労感というダメージを負う事で『自分も何かしたのだ』という達成感と、共に戦っているという意識も出来る。
ちょいと安全性に問題があるが、そこはまぁ、個人の責任と言う事で。
「即興で作り上げた物な上、使用者が絶えず訪れるので、微調整が大変なのだ…。今日もこれから赴かねばならん。…まぁ、面倒だと感じていたが、張り合いは出てきたな」
一発やってすっきりしたからか?
それともオビトの件があったからか?
「…阿呆」