※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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もんぱらクリアしました。
ベリーイージーモードで。
逆レシーンは、おねだりしたアリスとバーニィさんだけです。

ところで、もんぱらの外伝を書いているのですが…やっぱ逆転無しにすべきかなぁ…。
深くまで描写する訳じゃないから、逆転も何も無い気もしますが。

逆転無しだからこそのもんむすという見方もあれば、原作で逆転無しだからこそ覆して上位に立つのが楽しいという意見もある。
理想郷の「望むところだ!」はその点凄かったですね。
逆転無しのまま、結果的に逆転状態w

ところで、最近は外伝を別作品として切り分けるべきか、少々悩んでいます。
そうすればR-18系統の話も遠慮なく書けるようになりますが、本編の方で外伝を小ネタにもしているので、「ここに外伝が挟まるので、ブラウザバックして見てきてください」というのも店舗が悪い。
特に仮面ライダーアラガミ!が出来るようになる夢は、あそこに挟んでおかないとワケが分からないだろうし…。
どうしたもんでしょう。





第60話+外伝10

堕陽月「新春隠し芸大会 BYモンスター」日

 

 

 前から新しい月に入ってたのに、気付かなかった。

 そういう事ってあるよね?

 新年に変わったばかりの時とか、書類に去年の数字を書いてしまったとか。

 

 ま、それは置いといて、千歳は無事に目を覚ました。

 モノノフ達みんな一安心である。

 那木さんも、何がどうなったのかよく分からんが、トラウマを振り切れたようで、千歳だけでなく他の人々の治療にも携わっていた。

 とりあえず、那木さんのキャラクターエピソードはクリアしたと思っていいだろう。

 トラウマを乗り越え、千歳にも充分な信頼を預けている。

 八方丸く収まった、という奴だ。

 

 

 さて、そうなると次のストーリーに対する準備をしておかねばならない訳だが、それよりも先に問題がある。

 千歳の事だ。

 

 別に千歳がナニした訳じゃないが、先日の診療所で知ってしまった驚愕の事実。

 即ち、千歳がフタナリだという事。

 

 恐らく、千歳が「スキンシップ」を上半身でしかしようとしないのは、これが理由だろう。

 鬼の体を晒す嫌悪感もあるのだろうが、それ以上にナニが生えてるのを知られたくない、と。

 まぁ、年頃の乙女なら分からなくも無いな。

 

 それに加えて、恐らく千歳のナニは鬼に浸食された結果できあがった物だろう。

 千歳にしてみれば、異形化し、変化してしまった自分の象徴であり、女性として本来存在しない恥辱的な部位である訳だ。

 そりゃ知られたくもあるまい。

 

 

 別に俺としては、全然問題ない。

 そりゃ千歳がタチというか突っ込む方と言うか俺の尻を掘る方に回るなら話は別だが、千歳は身も心も女の子なんだし、別に忌避感は無い。

 普通の男のナニを掴めと言われれば嫌悪感の方が強く出るが、千歳なら問題ないな!

 むしろ女性の感覚と男性の感覚を同時に受けた千歳がどうなるのか、見てみたいくらいだ。

 

 

 …性的な方面に話が流れていったので、ちょっとストップ。

 とりあえず、千歳がフタナリな事で問題はあるか?

 

 ……別に無いな。

 

 誰かに見せるワケでもなし、トイレ以外で使うワケでもなし。

 別に秘密にさせておいても問題は無い。

 「スキンシップ」も、無理に現状以上の事をする必要はないんだし。

 

 

 ただ、ちょっと俺の欲求不満が溜まり続けてるだけでね?

 

 

 

 

堕陽月「拳銃(ボウガン)は普通の武器だ!」日

 

 

 大和の頭がいつのまにやら里に戻ってきていた。

 が、何が変わる訳でもないな。

 桜花が頭領代理役を降りたんで、一介のモノノフとして戦場に出られるようになったくらいだ。

 

 

 千歳が退院したので、一緒に散歩。

 「ちょっと油断した」と言ってテヘペロする千歳にデコピンかまして思うのだが……あのツチカツギ、どんだけ死んだフリが上手いんだよ。

 前回の俺の時も、何だかんだで俺・那木さん・富獄の兄貴の不意をついて攻撃してきたし。

 俺が速攻で仕留めた時と違って、今回は千歳・那木さん・富獄の兄貴の3人とも、真っ当な戦闘体制・意識を持って臨んでいた筈。

 それを、勝利を確信させる程の死んだフリで謀って、逆に一撃。

 この3人の戦い方なら、恐らくトドメは富獄の兄貴の鉄拳だろう。

 つまり、富獄の兄貴にとっても、仕留めたと判断できる程の手応えがある一撃を受けている。

 

 死んだフリどころか、普通に死んでるよ普通。

 他のツチカツギは、死んだフリもしなければ、倒れた後に驚異的な生命力を振り絞って反撃、なんて事もしてこない。

 あのタイミングで現れるツチカツギだけの個性なんだろうか?

 まぁ、鬼にだって個性があっても全くおかしくはないんだが。 

 

 

 ところで、フラフラ散歩していたら、何時の間にやら神木の前に来ていた。

 先日からちょくちょく手入れとかしているんだが、あそこって基本的に誰も来ないんだよな。

 

 

 

 つまり、診療所ではできなかった「スキンシップ」も誰にも見られないという事だ。

 一応言っとくが、今回は俺じゃなくて千歳から誘ってきたんだからな。

 

 キスから始まって、例によって上半身のみのペッティング。

 千歳からイイ声が出始めたところで……ガサッと。

 

 

 ええなんていうかね、アイドルが逢引シーンを盗撮された事に気が付いた心境でしたよ。

 千歳も赤くなっていた顔を別の意味で赤くして、バッと離れて。

 

 

 そして、草叢からカラスが飛び立った。

 

 

 

 千歳は「なんだ、カラスか…」と、ホッとしたようないい所に水を刺されてご立腹のような顔をしていたが…俺はちょっと違った。

 こんな所にカラス?

 いや、居る事自体はおかしくないんだが、この距離で大人しくしていたのが気になる。

 これくらいの距離になれば、もっと早くに飛び立って逃げている筈なんだが。

 

 …しかも、そのカラスは木の上に止まってまたこっちをジッと見ていた。

 ……明らかに普通のカラスじゃない。

 例の影のモノノフか?

 人知れず戦い続ける影のモノノフ(仮)がデバガメか?

 …そういや、先日のコジツケで、影のモノノフ=未来の千歳という図式が浮かんでるんだよな。

 これがマジだったら、どーいう目で見られている事か…。

 

 

 

 

 

 

 あと、カラスのお蔭で千歳に気付かれなかった橘花=サン。

 木陰でホッと一息ついてるのを見逃してないからな?

 どうやら先日教えた隠形を使って、お忍びで里を歩き回ってる時、俺達を発見して後をつけてきたらしい。

 ちょっと見ない間に、本格的に腕をあげやがって…。

 

 …前回の那木さんの時といい今回といい、橘花には天然のデバガメ体質でもあるんだろうか…。

 

 

 

堕陽月「タカリと窃盗犯は死すべし。ジヒはナイ。ただしメラルーだけはギリギリ許す」日

 

 

 困った事になった。

 個人的には嬉しくもあるのだが。

 

 いや、ナニがこまったってさぁ……橘花が、「昨日、千歳さんとしていた事は何だったんですか?」とダイレクトに聞いてきたんだよ。

 …そういやまともな性知識なかったんだよね!

 前回も那木さんとの秘密の遊び(本番シーン)を見た挙句、それについて知りたいからと秋水に直接聞くようなお嬢さんだった。

 

 さて、どうしたもんだろうか。

 気分的には、鴨が葱背負ってやってきたというか、アイルーが食材持って厨房に押しかけてきたと言うか。

 ぶっちゃけ、前回同様に色々教え込んで染め上げるチャンスである。

 

 が、それでは前回と同じ徹を踏む事になる気がしてならない。

 いや、もっとダイレクトにNice Boatする未来さえ見える。

 

 だがこのチャンスを逃したくは無い。

 前回、開発するだけ開発して、結局いただく事ができなかった橘花の尻。

 チャンスが巡ってきたのだから、今度は是が非でもいただきたい。

 

 だが、千歳がなぁ…。

 

 

 俺と千歳の中は、俺が気付かなかっただけで里では既に公認の中になりつつあるらしい。

 プロデュースがどうの、アイドルの幻想がどうのと色々考えてたが、年頃の男女が二人っきりで里の外れの小屋に住んでればねぇ。

 恋人と見るか夫婦と見るかで意見が分かれているそうだが、とにかく俺達はそういう関係だと認識されていた。

 うん、常識的に考えりゃそうだったね。

 

 まぁ、それに反対しているのは初穂だけで、アイドルの幻想にも特に傷はついていなから別にいいんだが。

 

 

 ともかく、だ。

 問題なのは、千歳が俺と橘花との関係を知ってしまった時だ。

 また精神的に不安定になるのも問題だが、もっと物理的な危険も考えられる。

 本人だけじゃなくて、千歳を信頼しているモノノフ達からムラハチ食らう可能性だって考えられる。

 那木さんとか、絶対激怒するよなぁ…。

 前回の最後、浮気がバレて笑顔で矢を射てくるシーンが思い出される。

 

 富獄の兄貴だって、何だかんだで千歳のおかげで仇を取れたようなもんだし、初穂に至っては……「千歳を泣かせるような奴は去勢してやるわ!」とか叫んで、妙なブーストかかった状態で襲い掛かってきそうだ。

 桜花だって、妹をツマミ食いされて黙ってる訳が無いし…。

 

 

 

 もう八方塞がりな感じだね!

 

 …ここで、「そもそも二股とかしようとするな」という、真っ当な意見を述べるフトドキモノなんぞ居ないとは思うが、一応付け足しておく。

 俺のムラムラは!

 

 全ッ然解消されてないんだよぉぉぉぉ!!!!

 

 千歳と「スキンシップ」をするようになってからというもの、事実上のスンドメスンドメスンドメ!

 下半身を使ったスキンシップは一切無し!

 俺のシモを触ったら、自分のシモも触らせないといけないと思っているのか、千歳に色々お願いしても断固拒否される!

 

 自分で処理してもこのムラムラが治まらない、そこへ来てカモネギだぞ!?

 誰だって食いつこうと必死になるわ!

 

 

 

 とにかく、手を出さないという選択肢は無い。

 俺の欲望が限界だ。

 

 

 2番目に最悪の手段を用いてでも…。

 

 

 

 

堕陽月「エンディングに入る前に泣いとけ」日

 

 

 2番目に最悪の手段。

 即ち逆ギレ。

 千歳がヤらせてくれないからこうなったんだ!の理論。

 

 …あながち間違った事でもないんだが、色々な意味で最悪だった。

 

 ちなみに一番は言うまでも無く、相手の意思を一切無視する犯罪行為だ。

 

 

 まー何ぞヤるにしても、すぐに出来るもんじゃない。

 前回だって、橘花にヤリ方を教えて実践させて、自分からヤられたいと思うくらいに熟成させてたんだ。

 同じ徹を踏もうとしているのだとしても、特に前準備も無しにイタダキマスイタダキマシタで終わっちゃ、色々な意味で不完全燃焼だ。

 

 前回同様、ヤり方だけ教え込んで、それで食えなくなるなら…まぁ、それで良しとしよう。

 

 

 

 

 それはともかくとして、ストーリーの話に移る。

 前回及びゲーム内容を考えれば、次に出てくるのはタケイクサ…ピンチになると何故か逆立ちする、実にファンキーな鬼である。

 アイツが息吹にとっては因縁の鬼で、そいつとの戦いで恋人を亡くしたんだっけか。

 

 それに続いて初穂が百日夢にかかり、「何故自分は戻りたい過去があるのに眠らないのか」という疑問を持ち、そこから精神的に崩れていったんだっけ。

 

 

 ただなー、今回の襲撃を思い出すと、ゲームや前回の襲撃とは、現れる鬼が違ってるからなぁ。

 富獄の兄貴の仇だって、従来のタイミングよりも随分前倒しになったし、タケイクサが本当に出てくるのか、さっぱり分からん。

 ついでに言えば、タケイクサが出現した時は物見隊が襲われてたが、いつ何処で襲われるのかも見当がつかん。

 

 可能であれば、物見隊の被害も防ぎたい。 

 息吹の精神的ダメージを和らげるという事もあるが、そうでなくても被害は少ない方がいい。

 小さな里だから、物見隊だって補充するのに一苦労なのだ。

 

 

 

 そうだ、千歳に頼もう。

 最近すっかり忘れていたが、千歳は動物を使役する能力を持ってたな。

 鳥でもキツネでもいいから、物見隊に付けさせよう。

 タケイクサには、瘴気をばら撒いて異界を拡張する役割がある…と記述があった気がする。

 ゲーム通りにタケイクサが来るとするなら、恐らくそれは異界の外か、あまり瘴気が深くない場所に現れるだろう。

 その辺りなら、動物達もまだ活動できるだろう。

 

 

 

堕陽月「何だか知らんが! とにかく狩る!」日

 

 千歳は二つ返事で引き受けてくれた。

 何でも、以前……まだ体が変質する前、イヅチカナタを追っていた頃は、同様に動物達を監視や警戒役にしていたそうだ。

 道理でやけに手馴れていると思った。

 

 まぁ、動物を連れて行くようにと言われた物見役達は、微妙な顔をしてたが…。

 そりゃクマを連れていけって言われたら、役に立つのかよりも襲われないかの方が気になるよな。

 千歳がお礼の先払いとして、でっかい魚(サーモン?)を渡してたから、大丈夫だと思うけど。

 

 しかし、やはり心配だな。

 そういうのが物見班の仕事ではあるんだが、これでしくじって動物達まで死んでしまったら、千歳がどれだけ悲しむやら…。

 かといって、物見班の仕事に付き合うのもな…。

 行くのはいいんだが、全部の班に付き添う事はできないし、結局信じて待つしかない。

 

 

 あ、そうだ。

 カンパーウンドして、退魔爆弾とか山ほど持たせておこう。

 多少はマシになるかもしれない。

 

 

 

 話は変わるが、ちょっと秋水と話してきた。

 以前、千歳を調べまわっていた事について問いただしたんだが、流石に尻尾を見せない。

 ちょっと悪意のある言い方で、「半身が鬼の姿のモノノフ。怪しむのも当然でしょう。ここの里の人達はお人よしが過ぎるので、僕がその分疑っているのですよ」だそうだ。

 まぁ、言いたい事は分からんでもない。

 千歳どころか、偽モノノフ(?)の俺まで普通に受け入れられてるからな。

 

 結局、千歳については何も分からなかったそうだ。

 ここ数年で死亡したモノノフは多いが、その中に動物を操る異能を持っている者は確認されていないし、増して何処かの里で体を鬼に浸食されたモノノフだって確認できない。

 最も、それらを一つ一つ克明に記録できるような情勢ではないので、あくまで「確認できない」レベルの話でしかないが。

 

 ついでに千歳の体を元に戻す方法についても調べてくれたらしいが、これは成果無しだった。

 

 

 ふーん、と納得した風に見せかけて、ここで別の方向から一口。

 

 

 

「じゃあ、千歳がこの後、過去に戻るかもしれない、って話も無いんだな?」

 

 

 そう言ったら、口先では「何の話ですか?」と言ったが、目付きが変わった。

 意外とコイツ、ポーカーフェイスが出来ないな。

 目力強くなってるぞ。

 

 ついでに言えば、いつもの秋水なら「何の話ですか」ではなく「何を言っているんですか」と言うだろう。

 微妙なニュアンスの違いだが、明確な違いだ。

 「何の話」と言っている時点で、別の話ではあるが意味のある話だ、と言う意味だ。

 「何を言ってる」なら、そもそも意味のある話じゃない、意味が見出せない話。

 

 …ま、言葉の内容についてはコジツケみたいなものだが、とにかく。

 秋水が尻尾を出した。

 

 そこへ一気に畳み掛ける。

 里ではまだ、俺、千歳、桜花、大和の頭くらいしか気づいて無い、影のモノノフの存在と、その能力。

 それらがどうしても、千歳に被る事。

 …そして、現段階では知りようも無い筈の、秋水と陰陽方との繋がり、そして過去へ戻って北の地を救出する目的の事。

 

 まぁ、実のところ半分くらいはハッタリだった。

 秋水が間諜である事は事実だし、その目的を知っているのも事実。

 影のモノノフ=千歳疑惑がある事も事実。

 

 だが、それらを結びつける決定的な証拠が無い。

 なので、ちょっとした事から怒涛の勢いで理論展開して畳み掛け、勢いで押し切ろうと思ったのだが。

 

 

 

 アカンかった。

 

 いやぁ、流石にメガネかけてる陰険秀才枠だけの事はある。

 余計な事を言わせないように、反論の糸口を捕まえさせないように、クーガー兄貴まであと3歩くらいの勢いで喋りぬいたと言うのに、話の後からキッチリ要所要所に反論かましてきやがった。

 

 

 

 結局、秋水には弁舌じゃ勝てないので、四の五の言わずに切り札を出せ、という事がよく分かった。

 つまるところ、過去に戻ったと思しき現象について話せ、という事だ。

 

 もう今後のループでは、秋水に最初っから全部ブチ撒けてしまおうかなぁ…。

 

 

 

 とにかく。

 

 ループについて話した為か、秋水もそれなりに本腰入れてこちらの話に付き合ってくれた。

 ループの原因が千歳から聞いたイヅチカナタにあるかもしれない、と言うのが効いたのだろうか。

 別にウソは言ってないぞ、確信が無いだけで。

 

 

 色々聞かれたりしたが、まぁ目的は達成したと言っていいだろう。

 予想通り、秋水には影のモノノフに心当たりがあるらしい。

 近い内に会わせてくれるらしいが、条件を出された。

 

 対面するのは俺と秋水のみで、誰にも知らせない。

 そして、影のモノノフについて口外しない事。

 

 

 …それ自体は構わないんだが…やはり、単純な味方という訳ではないんだろうか?

 とりあえず、秋水からお呼びがかかるのを待ちつつ、息吹のイベントに備えるとしますか。

 

 

 

堕陽月「狩ろうと思った時! 既にその準備くらいまでは終わっている! 「狩りに行く」なら使ってもいい!」日

 

 今日も今日とて普通に狩りを終えて、別の班で出動している千歳が帰って来るまで里をブラブラ。

 前はこんなに時間を持て余さなかったなぁ。

 帰ったら那木さんとイロイロする準備に余念がなかったし、それ以上に前回は普通のモノノフでは考えられないペースで狩りを続けていた。

 今回は、千歳をプロデュースする為に、常軌を逸した狩りは見せないようにしてるからな。

 

 代わりに橘花と遊ぶ事にした。

 里の茶屋で団子を頬張っている所に遭遇したんだが…周囲に護衛の姿が無い。

 また抜け出してきたらしい。

 色々と問題にされてはいるらしいが、最近では「どうせあそこの茶屋だろう」とパターン化された事もあって、多少は長く出歩けるようになったらしい。

 まぁ、里の中でそうそう危険に遭遇する事って無いしな。

 そう考えると、護衛の意味が分からんが…。

 

 

 里の中を出歩くようになって、橘花は多少明るくなったように見える。

 閉じこもってばかりだと気が滅入るのは当然として、やはり自分が守っている里の営みを直接見られるのは、気分的にもいい事なんだろう。

 後は、お気に入りの遊び(木登り&飛び降り)が出来て、文字通りストレス発散になっているとか?

 

 今日も今日とて、団子と茶をシバいた後に、何か新しい遊びは無いかと尋ねられた。

 …んだが、顔がちょっと赤いなぁ。

 

 そういや、この前千歳とキス&愛撫してた所を覗き見てたんだよな。

 そして、あの遊びは何だったのかと聞かれて誤魔化したっけ…。

 ………よし、教え込もう。

 二股とかもう後回しでいいや。

 ムラムラが煮詰まって、このままだと色々な所で暴発してしまいそうなんだ。

 今後の出来事に冷静に対処する為にも、発散しないといけないと思いマス、まる!

 

 

堕陽月「おっぱいがあっても色気が無けりゃ意味ねーな」日

 

 流石に初っ端から尻は難易度が高い。

 自分でする、普通の少年少女に必須の発散方法も。

 

 何より、それを教えた所で、俺が突っ込める訳ではないんで、ムラムラは発散されない。

 

 

 

 なので、手で男のナニをナニする方法を教えます。

 

 

 

 と言ってもこれまた難易度が高いので、かなり誘導したけどね。

 

 話は変わるが、橘花は千歳に対してコンプレックスを持っているようだ。

 仲がいいからこそのコンプレックスだと思うが…劣等感と言うか、羨望と言うか。

 

 橘花は自分の境遇を呪っている。

 そして自力で道を切り開いていくモノノフに憧れを持っている。

 今までは桜花がその象徴だったのだろうが、今はそれよりも身近な友人として千歳が居る。

 

 見た目、自分と同年代(多分中身も同年代)、エース級として戦場に出られるモノノフであり、異形にも関わらず里人との関係は良好。

 また、よく里の中を走り回っているところを見かける。

 

 橘花にとっては、自分が手に入れられない物を全て持っているように見えるだろう。

 事実かどうかは関係ない。

 そう見えているなら、そうだと思い込んでしまうのが人のサガだ。

 

 

 仲がいいのは間違いない。

 だが、それと同時に本人も気付かないウチに溜め込んでいくモノがある訳だ。

 

 そこに、付け込む隙がある。

 

 

 「千歳には出来ない事を、自分がやってのける」という誘惑。

 友達と呼び合い、憧れ妬んでいた千歳ではできない事を、自分がやっている。

 

 それが橘花のタガを外す切欠になった。

 

 

 初めて教えられた性的知識に目を白黒させ、他人のナニに触れる事に抵抗を見せ、しかし「千歳はやってくれない」という言葉に釣られて。

 顔を真っ赤にしながら触れてくる橘花は相変わらず可愛らしかった。

 

 しっかりヌいてもらいました。

 一回だけだったけど、かなりスッキリしたよ…。

 

 そして次のステップへのタネを植え付ける事も忘れない。

 しっかりと、女性が自慰する場合のやり方も教えておきました。

 あの分だと、数日中に好奇心に負けて試してみると見た。

 

 

 

堕陽月「チート寄生トレイン垢バンは当然の出来事、驚く事もないが許されない」日

 

 

 エロにかまけていたら、とうとう来ましたよ息吹のキャラエピソード。

 物見隊が大物の鬼に襲われたと聞いて直行。

 息吹が一足速く出発していたが、多分モノノフの恋人がどうの、というゲームと同じイベントがあったんだろう。

 

 幸いというべきか、千歳がつけていた動物達や俺が渡した退魔爆弾とかが多少は効果があったのか、物見隊の損害は前回よりはマシだった。

 重症3、意識不明2、軽症は残った全員(動物含む)。

 そして意識不明2の中に、息吹に頼んだ人の恋人が居たらしい。

 

 まぁ、生きてたんだからセーフだよな。

 前回は死んでしまって、錯乱して息吹に当たったようだったが、今回はセーフ。

 意識不明の重態だから無事とは言えなかったが、今は既に診療所に運び込まれて手術を受けている。

 生き残れるかは微妙な所だが……仮に死んでしまったとしても、流石にそこから息吹に矛先が行く事は無いだろう。

 息吹は結局死なせてしまった、と落ち込むかもしれないが、追撃が無いのは大きな差だ。

 

 

 

 さて、問題になりそうだったもう一つの案件。

 どの鬼が来るかって問題だが…予想通りというか、前回とは違った鬼が来ていました。

 本来なら、息吹の因縁の鬼であるタケイクサだった筈なんだが………マガツイクサがきていました。

 

 

 お前かよ。

 

 

 見た目が色しか変わらないから、息吹も最初はタケイクサだと勘違いしてたくらいだよ。

 俺だって、マガツイクサの攻撃を見てようやく気付いたし。

 息吹は息吹で、腕を3本くらい切り飛ばした後で、ようやく「違う…あいつじゃない…?」と気付いてた。

 

 と言うか割とマジで厄介だったんですが。

 考えてみりゃ、マガツイクサって上位依頼で出てくる鬼だもんな。

 ストーリー的に下位の現状で出てきちゃ、敗北確定イベントでもなけりゃパワーバランスが崩壊している。

 

 

 まぁ、それでも勝てはしたんですけどね。

 

 

 

 姿を見せずに支援してくれていた、影のモノノフのおかげで。

 で、戦った後、とうとう影のモノノフが俺の前に姿を見せた訳ですが。

 

 

 いやもう、俺ちょっとナニが何だか分からない。

 今日はもう、千歳とスキンシップしてから寝て、明日状況を整理する。

 

 あと思いっきり2回もビンタされて、割と痛い。

 

 

 

堕陽月「ブゥ~メランブゥ~メラン戻ってこない事もあるだろう」日

 

 

 影のモノノフ(千歳命名)について。

 今回のループで初めて現れた、正体不明の人物。

 ウタカタの里が鬼の大規模な攻勢に見舞われた際、人知れず防衛に参加していた。

 痕跡からすると、敵から離れて戦う術士タイプで、千歳と同じ動物を使役する力を持っていると思われる。

 また、千歳と全く同じ髪飾りを付けていたようだ。 

 

 この人の存在に気付いているのは、俺、千歳、報告を上げた桜花と、多分桜花から報告が行っているであろう大和のお頭。

 そして、この影のモノノフと繋がりがあると思しき秋水のみだった。

 

 秋水を問い詰め、影のモノノフと引き合わせる事を確約したものの、正直言って会ってどうするのか、という疑問はあった。

 影のモノノフ=未来の千歳、という疑惑もあったので、万が一それが事実なのであれば、近い内におきるであろうタイムスリップに対しても対策を練らねばならなかった。

 

 

 そして、とうとう昨日対面した訳だが………千歳があんなクールビューティになるんですかね!?

 

 

 

 冗談はともかくとして、矢張りというべきか、影のモノノフは千歳だった。

 ただし、現在里に居る千歳と違い、タイムスリップしてウタカタに流れ着いたり俺と出会ったりする事は無く、人々の悪意や迫害を身に受けながら、50年以上を生き抜いてきた千歳。

 別の世界線の千歳、って事でいいんだろうか?

 でも今は同じ世界に居るけどね。

 

 ちなみに、多分まだこっちの千歳は知らないんだろうが、体の成長・老化が止まっているらしく、表情を除けば外見は千歳と瓜二つだった。

 何せ本人な訳だし、ドッペルケンガーもビックリのソックリさん度合いだった。

 

 ややこしいな。

 あっちの千歳は虚海と名乗っていたし、この呼び方にするか。

 

 しかも虚海は陰陽方だと言う。

 ひょっとして秋水の上司かと思ったんだが、それはちょっと違うらしい。

 そもそも陰陽方は、ちゃんとした組織ではなく個人の集まりと言った方がいいらしいけど。

 

 

 本当なら色々と聞いたり、協力関係を打診したりしたかったんだが、虚海はあまり話をする気は無いようだった。

 今回も、本当なら姿を現すつもりはなかったとか。

 ウタカタの里の防衛にこっそり参加していたのも、千歳という存在が興味深かったからで、ウタカタを守る為ではない。

 

 

 …千歳に比べるとえらくポーカーフェイスなんで、イマイチ感情が読み取れなかったが……千歳に対して複雑な感情があるのは確かだろうな。

 別の歴史(?)を歩んだ、いや歩んでいる自分。

 しかも自分とは違い、ウタカタの里という居場所を得て、自分が散々苦労した原因である異形も変わらないのに、自分だけは受け入れられている。

 

 何故だ。

 何故自分はこうならなかった。

 虚海と千歳と、何処が違うのだ。

 

 

 その一方で、多分こうも思っているんだろう。

 

 手の届かなかった夢見た場所が、そこにある。

 自分自身ではないが、ある意味自分がそこで暮らしている。

 自分では歩めなかった道を進んでいるのなら、そのまま進ませてやりたい。

 「自分」が辛い目に会うことを喜ぶ理由など無い。

 ならば、「自分」が二人居るという珍しい現象も興味深いし、ウタカタに少しばかり手を貸してやってもいいか。

 

 

 …虚海の目的はまだ分からないが、多分こんな所だろう。

 

 

 ちなみに、本来なら顔を見せるつもりは無かったのに、姿を現した理由はコレだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「『私』というものがありながら、神垣の巫女となにをやっとるか!」

 

 

 

 

鬼側の手でビンタが飛んできた。

 スゲェ痛かった。

 

 …この前、手のやり方を教え込んだ時に見られていたらしい。

 そういや、神木の前で千歳とおっ始めた時も不自然なカラスが居たな……デバガメしてやがったな?

 

 しかし、それでこの反応という事は。

 

 

 

「ああ、経験無いのか」

 

 

 

 2発目のビンタが飛んできた。

 

 

 




 さて、また夢を見ているが、今度は一体ドコじゃらホィ。
 何だか見覚えがある感じの荒野である。

 …夢をみるようになった頃の、アレか?
 最初の夢(外伝)と同じ世界か?
 そういえば、あの時はまだ単なる夢としか思ってなかったんだよな。

 実際、あれでなんかスキルを習得した気分にはなっていたが、「ゲージが足りなくて使えません」状態だったし。
 得意技はイオナズンです、みたいな。


 しかし、ちょっとこの荒れようはあの時の夢とはワンランク違うような気がするな。
 あの夢に関しては、最後の謎の踊りのイメージが強すぎて、よく覚えてないが……空気もひどく乾燥しているし、何だか排気ガスっぽいと言うか…。

 別の世界なんだろうか?




 と思っていたら、敵キャラ出現。
 …やっぱあの時と同じような敵が出てきた。
 男ばっかりだったけど、格好は似たり寄ったり。




 ま、今更そんな雑魚にどうこうされる訳がなく、サクサク狩りましたが。



 とりあえず、何も無い廃墟に一人突っ立っていても襲われるだけだ。
 どっか水とか飲める所ないかなー、とウロウロする事にした。







 雑魚の集団に襲われる事数回。
 掛ける1.5イコール返り討ちにした数。
 襲われた直後に半殺しにしたら、潜んでいた敵兵が1/2の確率で襲ってきた。

 で、その3割くらいがバイクに乗っていた。

 そして目の前で見ず知らずのにーちゃん達が轢き殺される事、6人くらい。
 そのまま襲ってきたのでバイクごと叩き壊したが、思えば勿体無い事をしたかもしれない。
 奪えば足にするなり、ガソリンに火をつけて走る爆弾にするなり出来ただろうに。


 ま、やっちまったものは仕方ないんで、そのままウロウロしていたら、雑魚集団のボスらしき奴にブチ当たった。
 他の奴に比べても、図体がでかいんだが…まぁ、言っちゃなんだが人間の能力の域を出ないな。
 それなりに小知恵も使うタイプの奴だったみたいだが、俺に見ず知らずの人間を人質にしたって通じないし。
 
 人質にされた人、悪いね。
 まぁ殺される前に助けてやったんだから、それで良しとしてくれ。
 あとブン投げた大樽爆弾の爆発に巻き込まれて生きてる辺り、アンタ結構グレイトだぜぇ…。(CV.ワカモト)



 ところで、このデカブツなんだが…モヒカン頭に、なんかNとか書いてあるんだけど。
 意図が分からんな。
 N…N………そういや、他の雑魚もNが書いてあったような……集団と言うかチームを現しているのか?



 そんな事を考えていたら、なんか勧誘された。
 いやチームNじゃなくて、別の集団に。


 ……言っちゃ何だが、弱そうで没個性な集団だ。
 チームNに比べると体が小さく、服は灰色のツナギっぽいのに皮の帽子その他で個性無し(と言うより「まとも」と表現した方がいいんだろうが)、手には小さな棍棒やら細い槍やら、そして何よりアクが無い。

 どうやら自警団か何かの集団らしく、さっきの連中を一蹴した俺を見込んで、一緒に戦ってほしいそうな。
 ちなみに人質ごと爆弾でドカーンしたところは、都合よく見ていなかったらしい。


 まぁ、俺としても好き好んであいつらみたいなのと無償で戦いたくはないし、集団に属していればそれなりのメリットはあるだろう。
 給料出るそうだし。







 という訳で、このヒョロっちそうな連中の集団に加わる事になった俺ですが。
 早速襲撃……ではなく、何故か会議に参加させられております。

 重要な会議らしいので、面倒…もとい新参者の俺が参加していいのか?と遠慮しようとしたのだが、「打開策が見えない状況なのだ。とにかく意見が欲しい」との事で、逃げられなかった。
 しかし、重要な会議だっつー割には、俺何も情報を知らされてないんじゃが。

 本当に面倒だなぁ…ウトウトしている間に、夢が覚めんものかしら。



 そんな事を考えていると、数人が会議の場に入ってきて席に着いた。
 ……なんか…こう、よく見るまでもなく一人一人違う人だっていうのはよく分かるんだが……なんだこの、うーん……誰を見ても同じに見えるというか、影が薄そうと言うか…ぶっちゃけ、物凄いモブキャラ…いや、モブキャラを通り越して背景臭が…。


「全員揃ったな?
 それでは第二十七回目の会議を始める。
 だがその前に、この度から我々に加わってくれた彼を紹介しよう」


 あ、俺ね。
 ハイハイ。


 適当に自己紹介して、それぞれ名乗ってもらったんだが…ぬぅ、覚えられん。
 と言うか覚える気にならん。
 なれん。
 何だと言うのだね。



「さて、今回の議題だが…従来通り、我々の認知度についてである」


 認知度?
 つまりこの集団は知られてない?
 うむ…さも在らん、この背景臭ではな…。

 と言うか、この人達って自警団じゃないのか?
 有名になる必要あんの?
 確かに、自警してるやつらが多く居れば、その周辺での犯罪者への抑止になるかもしれんが。






 …と、思っていたが、事はそんな程度の話ではなかった。



 ドン!と突然地面(会議と言っても、小さなテントの中で地面座りだ)が強く叩かれた。 
 何事!?


「くっ、何故だ、何故なんだ!
 どうして我々は、全く注目されないのだ!
 それに比べて、奴らときたら…あんなにも有名で、代名詞とさえいえる表現すら持っているのに!」

「気持ちは分かるが、落ち着け。
 猛ったところでどうにかなる問題ではないのは、身に染みているだろう。
 まずは、それぞれ意見を出し合ってほしいところだが…我々の意見は、今までの会議でほぼ出尽くしているからな。
 君の意見を聞こう」


 いきなり俺かよ。
 初参加の会議で、趣旨もよく分かってないのに発言を求められてもねぇ。


「正直、何について話し合ってるのか今ひとつよく分からないんだが……まず誰に、どういう層に自分達を知ってもらいたいのか、明確にした方がいいんじゃないのか?」

「ほう……確かに、今までは我々の存在をアピールする事ばかりに目が行って、対象をどうするかと言うのは二の次だったな」

「対象を特定し、それに見合った方法で喧伝する…理に叶っている」

「素晴らしいな。 君には軍師の素質がありそうだ」



 …二十何回も会議続けてて、この程度の意見も出てなかったんかい。
 大丈夫かなこの連中…。



「では、手始めに青少年に対象を絞る。
 まずは、奴らと我々の相違点を考えてみよう。
 何故、彼らは奴らの事を知っていて、我々の事を知らぬのか。
 一体、奴らの何が青少年達の琴線に触れ、記憶に残るようになったのか…だが」

「あー、すまん、一つ質問。
 さっきから「奴ら」が目立ってばかりいる、と言ってるようなんだが、「奴ら」って具体的に誰なんだ?
 それに、代名詞と言える表現って?」

「む、すまん、説明が足りなかったな。
 奴らというのは……そうだな君をスカウトした時にも戦っていただろう。
 例えばあの時の、Z……ZEEDのような野獣達だ。
 代名詞、と言うのはそのままズバリ、『モヒカン』の事だ」



 …………Z?





 ああ、アレはNじゃなくてZだったのか。
 Zが横向きになってNね、ハイハイ。
 と言うかZEED?

 モヒカン、野獣、ZEED……………北斗の拳ワールド!?
 という事は、この連中は…北斗の拳ワールドの、味方のモブキャラ達?

 と言うかZEEDって確か北斗の拳の記念すべき、北斗神拳でひでぶった第一ザコキャラじゃないか!
 ちょっと待て、まさか俺がケンシロウ役!?
 いやでもケンシロウがこんな会議に出るとは思えないし……まぁ夢だからいいか。
 万が一伝承者クラスと会う事があったら、サインでも貰ってから戦うだけ戦ってみよう。
 拳王様の一撃を食らったら、夢の中でもデスワープしそうだけど。

 まぁ落ち着け、伝承者との戦いによって夢の中でもトラウマを負うかもしれないという可能性からは目を逸らし、ちょっと考えてみよう。
 なんか俺もこの会議にちょっとだけ興味が出てきた。 



「奴らときたら、知っての通り無法の限りを尽くす犯罪者の群れ。
 ああいう連中が居るから、世の人々は日々を怯えて暮らさねばならぬ」

「それに抵抗する我々は、無辜の民達の盾と言えるだろう。
 無論、力不足な面があるのも承知している。
 我々は専門の拳法家達のような、超人的な力は持っていないからな…」

「しかし、だからと言って我々が全く注目されないのはおかしくないか?
 別に注目を集めて有名になりたいとは思っていないが、居ないような扱いをされるのには納得がいかん。
 野獣達は「モヒカン」の一言で、その姿や行動まですぐにイメージされると言うのに、我々のような自警団と来たら、「え、そんなの居るの?」のような反応を返される事も珍しくないのだ」



 なるほどね。
 俺も北斗ワールドの味方モブなんて、居たかどうかすら全く覚えてないからなぁ。
 命がけで戦ってるのに、そんな扱いじゃ納得いくまい。

 しかし、どうしてそこまで目立たないのか?
 まずは奴らこと、代表としてZEEDの連中とこいつらを比較してみよう。




・体格:野獣に比べて小さい。鍛えているのかもしれないが、無闇にムッキムキな野獣との比較効果でモヤシに見える。

・武器:体が小さいので、扱える武器の大きさも小さくなる。迫力に欠ける。

・人数:野獣の方が圧倒的に多い。

・能力:武器・体格の差の為、「我々自警団が10人くらい集まれば、野獣の一人や二人!」レベル。

・容姿:全員似たり寄ったり。自警団はむしろ顔を隠している場合さえある。
    野獣にも同じ事が言えるが、あちらは全体的に奇抜かつ野蛮そうな印象を受ける。世紀末ルックという名称すらある。
    ファーストインプレッションという点で、完全に野獣側の勝利。

・名前:自警団。名称無し。敵キャラは一応グループ名がある場合が多い。

・行動:野獣は荒野にヒャッハーと叫ぶ。自警団は「うおーーっ!」くらい。
    野獣は襲撃し強盗する。自警団は防ごうとするが、大抵力不足で殺される。
    野獣は武器の斧を舐める。自警団は武器を手入れしているのかよく分からない。
    野獣は暇を持て余すと奇行・蛮行に走る。自警団は歩き回る。
    野獣は悪党。自警団は正義の味方っぽい。

・知恵:自警団の勝ち……なのか? 野獣は悪党なので、意外と小知恵や悪知恵を使う奴が多い。

・死に様:味方モブキャラ達が倒されるのは、大抵野獣の一撃によるものなので、血飛沫が舞う。
     野獣は北斗神拳や南斗聖拳で倒されるので、顔が個性的に変形したり、気持ちよくなったり、三枚に卸されたりする。

・環境:自警団は、世紀末救世主にカメラが行く為、まず画面に映らない。
    写ったとしても、世紀末救世主の強さを際立たせる為の野獣達の、その強さをアッピルする為の虐殺(される)負けシーンくらい。
    野獣は世紀末救世主にひでぶうゎらばされに行く為、死ぬ瞬間とかは画面に映る。

・生息地域:自警団は地元にしか居ない。野獣は全国各地に出没する。

・技:自警団は武器で攻撃するくらい。モヒカンは「みろ!おれさまの北斗神拳を!」或いは「突撃! 南斗人間砲弾!」





 なるほど。
 こりゃ目立つ筈無いわ。
 俺だって、モヒカンとか言われりゃ北斗の拳のザコキャラがすぐ思い浮かぶけど、味方の名無しキャラとか言われても全然イメージが沸かないし。
 モブキャラ臭を通り越して、背景臭がするのもむべなるかな。
 なんか哀れになってきた。

 しかしこれを目立たせろってムリゲーじゃろ。
 この世界に人達にも、例えば画面の前の誰かさんにも、まず注目されねーよ。
 仮に目立たせようとするなら、死に様を工夫するしかあるまい。

 死んでいく間際に…遺言とかじゃすぐ忘れられそうなんで、奇抜な発言や悲鳴を上げるとか。
 死んだ後のポーズをボン・ダンスじみたものにするとか。
 
 しかし、流石に死ぬ前提の方法で注目を集めろ、とも言えず。


 既に会議ではなく、目立たない事への愚痴大会となりつつある彼らを眺めていた。














 ふと目が覚めてみると、なんだか自分に才能があるような気がしてきた。
 具体的には『体力の才』が。
 …クエストやミッションを100回くらいこなせば、体力がちょっとだけ上がりそうな気がしないでもない。

 こんなのより、南斗人間砲弾を覚えたかったな…。
 列車砲の方でもいいが。

外伝:北斗の拳(特に北斗無双)編
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