※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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順調に行けば、あと1~2話で決着がつきそうです。
そこからエピローグ、オチ、裏話して完結…の予定。
最後の裏話が色んな意味で物凄く難産になりそうです。

随分と長くなってしまい、更に投稿も遅くなってしまいそうですが、もう少しで長く続いたお話も終了です。
どうかお付き合いをお願いいたします。



追記
簿記検定ネット試験3級落ちた…。
仕分けは大体わかったんですが、残高試算表と、聞いた事もない項目が出てきて混乱。
スマホアプリだけで勉強しても受かる気がしません。
簿記は練習量が大事なんですね。


第607話

 

 さて、いつまでもウダウダやってても仕方ない。現実はゲームと違って、何もしてなくても時間は進むのだ。…おかげで休日がものすごい勢いで過ぎ去っていくのだが……俺の場合は体感時間操作があるからな! 相手してくれる女も沢山いるからな! 充実した、適度な長さの毎日を送れます!(自慢&自語)

 まーともかく、とうとうクサレイヅチ&トキワノオロチに向けて突撃…となった訳だが、その前に一つだけ書き忘れていた事があった。

 

 あのクサレイヅチとトキワノオロチの融合体だが、正式に新種の鬼として名前が定められた。

 まぁ正式にって言ったって、もう一度出現するかどうか非常に怪しい鬼だけどな。何せ超古代文明に人工的に作られたらしき鬼…トキワノオロチと、イヅチカナタの中でも変異種なのか、これまた特別製のクサレイヅチが融合しないと出現しない鬼だ。名前をつけたところで、資料も残るか怪しいもんだ。

 呼びやすくなるから、まぁ異論はないが…。命名したのは博士。

 

 

 因果を奪うだけでなく、押し付ける…全く関係のない相手と、結びつける力を持つ。

 

 

 

 故に、ムスヒホトキ。

 

 

 因と果を結び、解く鬼。成程、よく言ったもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、行ってくる!」

 

「「「応!」」」

 

 

 桜花を中心とし、里のモノノフ達が、そしてうちの子達が気勢をあげる。

 今回の戦いは、班…チームと呼べるものは無いに等しい。それぞれが自筆の手紙…命令書を懐に入れ、個人個人で目的地へ向かう。

 ムスヒホトキの力は里を中心として働いているので、その範囲を抜けて暫く進んだ辺りが合流地点だ。

 

 

 

 これは因果の押し付け・簒奪による仲違いを避ける為の処置である。

 どんな強い絆で結ばれていても、その記憶を奪われ、或いは全く違った記憶を植え付けられれば、どんな形で崩壊に至ってもおかしくない。それを乗り越える可能性だってあるが、大一番で精神論に頼るべきではなかった。

 一人だけしか居ないなら、仲違いなどしようがない。

 

 因果を奪われ、記憶や認識が正常な状態でなくなったら、懐に入れた命令書で何をすべきか確認するのだ。

 …もっとも、これもやらないよりはマシ、程度の安全装置に過ぎないが。今まで何度か因果簒奪を受けた人達を見てきたが、目の前に俺が居ても全く反応なし、と言う事もあったものだ。それこそ、セクハラしても全く気付かれないくらい。…一発ヤッたら、なんか回復した事もあったっけな。

 …とにかく、懐の命令書も、存在を忘れて気付かなかったり、読んでいる筈なのに認識できないって可能性もあるからな。

 

 

 何人が予定の場所まで辿り着けるか、正直俺にも見当がつかない。

 ただ、動けなくなってしまったとしても、即死には至らないだろう。結界が無い状態になっているとは言え、鬼の生息地域からはまだ離れた場所だしな。

 

 今回に限っては、動けなくなった連中を助けようって気はない。経緯はどうあれ、クサレイヅチの因果簒奪に抗しきれずに戦闘不能になってしまったのだ。助けて正気に戻す事ができたとしても、接敵した時に耐えられる見込みは少ない。

 肉盾にもできない以上、参戦しない方がマシ…という結論は避けられなかった。

 

 

 さて、そういう訳で抵抗力的にも機動力的にも頭一つ分以上飛び出している俺は、一足お先に合流地点に到着した。

 誰も居ない…それこそ異変を察知したのか、鬼すらいない場所で待ちぼうけする事数十分。妙に凪いだ気分になっているのはまぁいいとして、本音を言えば今すぐ一人で吶喊かけるべきじゃないかと真面目に考えた。

 特攻癖のある頭モノノフになってしまう、うちの子達に言い聞かせている事と真逆を行ってしまうというデメリットはあるが、この場で座して待つのはそれ以上のデメリットを引き起こすようにも思える。たった一時間足らずであってもだ。

 

 今こうしている間にも、クサレイヅチ改めムスヒホトキは自己改造を続けている事だろう。最終的に何処まで変わるか、どんな形に至るかまでは分からないが、時間をかければかける程強力になるのは間違いない。何せ、今までの俺のデスループ直前の因果を取り込んでいるだろうから。…前GE世界の惑星級ミラバルカンなんぞ再現しやがったら、それだけで星ごと詰むだろう。

 ついでに言えば、博士から貰った装置の事もある。

 具体的にどんな効果があるのか今一つ分からないが、『極力、周囲に誰も居ない状況で使え』と言われている。有効範囲は狭く、効果時間も長くないとの事だから今はまだ使わないが、その条件で使おうと思ったらやっぱり一人で行くべきでは?

 

 

 …いやいや、博士も言ってたじゃないか。勝てる因果をより多く集めるだけだ、と。一人で吶喊するのが『勝てる因果』に含まれると? 足並みそろえて仲良しこよしが常に勝利の秘訣とは思わないが、ここで一人で勝手に行動するのはどう考えたって負けフラグだろ。誰が来るのか分からないが、大人しく到着を待ってろって。

 

 …という考えを、既に6回くらい繰り返した。

 うーん、合流地点の指定を間違えたかなぁ…。せめてムスヒホトキが双眼鏡で見える場所にしておけば、ちょっとでも情報収集できただろうに。

 

 

 そんな事を考えていると、ようやく一人目の到着者が現れた。

 誰かと思えば、桜花じゃないか。

 

 

「…貴様が協力者か? それとも黒幕か?」

 

 

 …は?

 

 

「……この指令書を見ろ」

 

 

 …あーはいはい、そういう事ね。うん、協力者の方だよ。

 どうやら桜花、因果簒奪の有効範囲を抜けてきたのはいいが、影響からは逃れられなかったらしい。俺の事も覚えてないし、状況も良く分かってない。

 桜花自筆の指令書には、記憶を奪う鬼が襲ってきている事、その討伐の為に合流地点に向かっている事、争っている者を見つけても先に進む事を優先する事、そこに居るモノノフと協力して戦えと、要約するとそんな事が書かれていた。……協力者は人格面に多大な問題があるので、注意するように…とも。

 

 しかし黒幕って?

 

 

「こんな訳の分からない状況にいきなり放り出され、右も左も過去の事も分からなくなっているんだ。いくら自分の筆跡で協力しろと書いてあっても、疑うのは当然の事だろう。あまつさえ、人と人の諍いを見逃せとまで書いてある」

 

 

 まーたしかに…。と言うか、右も左もわからないって、ここは通い慣れた道だろうに。

 …ちょっと待て、過去の事も分からない? 俺の事を忘れるのはまだ分かるとして、逆に何を覚えている? 里の事は? 妹の事まで忘れてるんじゃなかろうな。

 

 

「里…何処かの里で戦っていたのは、朧ながらに覚えている。刀の扱いも、記憶は無いが体が覚えていそうだ。妹…そうだ、私は妹を……橘花を守る為に戦っていた!」

 

 

 そこまで忘れてたのかよ。思ってたより、因果簒奪の影響力が強いな…。こりゃ他の連中もどれだけ辿り着けることか…。

 

 

「他の連中? お前以外にも誰かいるのか」

 

 

 …マジかよ…。顔合わせたら思い出すかな? 

 ともかく、相手は規格外の大型鬼だ。あれを潰そうとして総力戦に出てるからな。合流こそできてないが、人数は結構なものがあるぞ。

 本来、モノノフは多くても4人一組の行動だが、その10倍は居る。……全員合流できれば、だけども。

 

 

「…基準はよく分からんが、本当に大事になっているようだな…。ん? と言う事はここに来るまでに見かけた連中も…?」

 

 

 戦いに参加できない里の人達も居るけど…どんな連中だった? …お?

 

 

「鎌とか鍬とか持って、虚ろな目でうろつきまわっている人や、鎧と武器を身に着けて、周囲を異様に警戒している…多分モノノフとか…」

 

「………関わるべきではない。理性は期待できん」

 

「なっ!?」

 

 

 おー、速鳥。お前はどこまで何を覚えてる?

 

 

「…拙者の事も知っているのか。どうやら、味方として判断してよさそうだ」

 

 

 …お前さんもそこまで忘れてるのね。素直に姿を現した辺り、何もかも忘れ去っているって訳じゃなさそうだが。

 

 

「貴殿に察知された故、身を隠すだけ無駄と判断したのみ。それより、ここに来るまでに見た者達だが、疑心暗鬼に陥って行動不能になった者が多数いた。動ける者も、周囲を警戒し、出会った者と斬り合いにまで発展していた」

 

「!? その者達は!?」

 

「痺れ薬が手持ちにあった故、動けなくして放置した。拙者の指令書には、そこまで書かれていたからな」

 

 

 ああ…里人同志が争う託宣があったから、予め用意しておいたのか。流石に周到…。

 それに、桜花達が到着までに矢鱈時間がかかったのは、周囲を警戒しながら進んでたからなのね。

 

 

「そうだな。…残った者達を助けに…」

 

 

 無理。戻ればまた、記憶を奪う鬼の影響下に入る事になる。そうなりゃ元の木阿弥、ミイラ……は分からんだろうから即身仏取りが事故って仏さんになっちまうだけだ。

 元より覚悟の上で出てきたんだし、助けられるだけの物資も時間も無い。

 助けたところで、記憶を奪う鬼…ムスヒホトキに同じ術をかけられたら元の木阿弥だ。そうなるくらいなら、大本の鬼を狩った方がまだ被害が少なくなる。

 

 …納得できんだろうが、これも大和のお頭……お前達を纏めていた里長の決断だ。血が滴る程、拳を握りしめてたがな。

 あと、お前さんの指令書にもそういう内容が書いてなかったか?

 

 

「ぐっ…」

 

「…拙者としても忸怩たるものがあるが…」

 

「言いたくありませんが、仕方ありませんなぁ。俺らの手はどこまでも届く訳じゃない」

 

「それでも、目についた奴だけは、な」

 

「!? 何奴!?」

 

 

 権佐と息吹か。連れだって到着とは仲がいいな。槍使い同志で親交があったのは知ってるが。

 

 

「ほー。なんか馬が合うと思ったが、元から知り合いだった訳か」

 

「さっきも自然と動きが合ったし、互いの動きを熟知している感はあったな」

 

 

 ん、何かと戦ったのか? …よく見れば、槍の穂先に血がついている。でも、ここらに鬼は居ないし…。

 

 

「ここに来るまで、何度か諍いを見つけたんでな。まとめて叩き潰しただけだ。…ああ、放置しても致命傷には至らんぜ」

 

 

 それは刺したのは事実と言ってるようなもんだが。よく息吹が人に切っ先を向けたもんだ。

 

 

「いやいや、刺したのはこいつ…権佐だっけ? だけだ。俺は石突で殴り倒しただけだから」

 

「俺が刺そうとしたのを止めに入ってきてな。ちょいと揉めたが、それで一緒に行動し始めた」

 

「うわぁぁぁぁ!!!! あああやっと人が居たぁぁぁ!」

 

「おい馬鹿、あんまり先行するな!」

 

「迷子になっちゃうでしょうが!」

 

 

 …今度は鹿之助、骸佐、雪風か。騒がしい奴らだなー。

 おーい、お前ら3人、状況はどれだけ分かってる? ってか、俺の事覚えてるか?

 

 

「若ぁぁぁぁ! 怖かったんだよぉぉぉ見かける人見かける人なんか殺気立ってるし、銃声まで響いて来るしさぁぁぁ!」

 

「やかましい! …覚えてはいるが、色々記憶が飛んでるな。顔を見て、ようやく思い出せた」

 

「私があんたの事を忘れる筈ないでしょうが。…あれ、でもなんか思い出せない事もあるような…」

 

 

 覚えててくれたかー。かなり嬉しい。

 つーか、3人揃ってよく辿りつけたな。うちの子達では、権佐に続いて2番乗りだぞ。もっと早く来れそうな奴らも居るのになぁ…。

 

 

「ああ、それ多分、道が分からなくなってるんだ。俺らはこいつ…鹿之助の探知能力があるのを覚えてたから、指令書にあった協力者らしい反応に向かって進んでたんだが」

 

「ふと気が付いたら、見知らぬ場所で一人きりだったもんね。地図はあったけど、現在地が分からなければ落書きと同じよ」

 

 

 …記憶が奪われた事で、土地勘が無くなったのか。長年この里で過ごしていた里人達ならともかく、うちの子達はその辺をやられると弱いな…。

 こりゃ、思った以上に辿り着ける人は少なそうだ。

 

 

「銃声…と言う事は、やはり誰かが争っているのか…」

 

「失礼します。…争ってはいますが、あれは人と人との闘いを止める為です。危害を加える為の発砲ではありません」

 

 

 おう、那木も到着っと。どういう事だ?

 あの銃声、誰がやってるのか知ってるの?

 

 

「ええ。ホロウ様が、自分は鬼の力に抵抗力が強いので、限界まで人の争いを抑止すると」

 

 

 ホロウか…。確かにあいつなら、鬼の力に影響される事も…。

 いやしかし、別に悪いとは言わんのだが、あいつの使命からしてクサレイヅチを討つのに消耗しに行くのは…。

 

 

「そのホロウ様から、言伝を預かっております。『あなたの勝利を確信しているので、私はこちらに回ります』と」

 

 

 

 

 

 ……そう、か。

 参戦を認めさせるどころか、託されてしまった…か…。

 こりゃ責任重大だなぁ…。いや責任とか言ってる場合じゃなしに全滅するか否かの瀬戸際なんだけど。

 まぁ何にせよ、負けられない理由がまた一つ増えたと思っておこう。

 

 

 …あれ、でも待てよ、ホロウってそんな事言うキャラだったっけ?

 任せるにしても、もうちょっと毒を吐きそうな気が…。

 

 

 

「遅くなったみたいね! 後はお姉ちゃんに任せなさい!」

 

「ったく…。よりにもよってこいつに当たるとは…。騒がしいったらありゃしねえ…」

 

 

 続いて到着した初穂と富獄の兄貴により、思考が中断された。富嶽の兄貴はあからさまにゲンナリしている。来る間に、初穂が相当騒いだんだろう。精神的にも戦力的にも成長しているのに、騒がしいのは変わらない奴だ。

 …それはそれとして今なんか、すごいヤバイ事に勘付きそうになった気がしたんだが…。

 うーん、何だったか…思い出せん…。

 

 

「おい、何頭抱えてんだ。状況を一番把握しているのは、みたところ手前だ。多少無茶な事でも文句は言わねえから、説明するなり指示を出すなりしろ」

 

 

 ん? あ、お、おう。

 …あ、もう時間か…。

 

 辿り着けたのはこれだけか。想像以上に少ないと言うか何と言うか…。

 ホロウが自ら残ったのを差し引いても、ほぼウタカタの主力陣じゃないか…。なんかの補正でも入ったか? もしもこの場面がゲームシナリオに含まれているのなら、うちの子達は居らずに主力陣+ホロウ+主人公だったんだろう。

 

 

 ま、気を取り直して…来れない奴が多いのは残念だが、これ以上待つことはできない。

 この面子で突っ込むとしますかね、正直、もうちょっと辿り着けると思ってたんだがな…。特に明日奈や神夜、詩野とかの幹部級。土地勘が無いって意味じゃ、そこらの一般モノノフよりも弱いから、仕方ないと言えば仕方ないのか。

 

 

 …にしても、皆記憶が虫食いだらけになってるだろうに、よく落ち着いてられるな…。俺なら、誰も彼もを警戒しているだろうに。

 

 

「落ち着いていると言うのも変だが…まぁ、何というか、腑に落ちる感覚はあるな」

 

「それな。何と言うか、自然に立ち位置が分かると言うか」

 

「そうね。いつもこうだった、って感じがするわ」

 

「ああ、だから信用したのはあるな。この位置取りが俺らの日常だった、って感じがするぜ」

 

「…不確かなれど、体は覚えておるのだろう」

 

「人は忘れ去ってしまった事でも、思い起こす事ができないだけで実は覚えていると申します。例え鬼の力に毒されようと、残るものがあるのでしょう」

 

 

 いつも…ねぇ。

 確かに、大物と戦う時や、厄介ごとに立ち向かう前には、こうやって集合してたっけな。真ん中に立ってるのは、俺じゃなくて大和のお頭だったけど。

 …いや、そうでもない…か? 確かに大和のお頭が中心の事も多かったけど、ループの中では俺が中心だったことも多かった。……やらかしたのがバレて、俺だけ正座してるのも多かったけどな。

 

 そう考えると、確かに因果を奪われても何かが残っているってのは…うん、納得できなくはない。

 

 

「俺らはまぁ、若の前で気合入れるのもよくあるっちゃよくあるよな」

 

「ああ。俺らっつーより、どっちかと言うと雪風達だけど」

 

「何よ、頭領が活入れてるんだし、おかしなことないじゃない」

 

「おかしいとは言ってないが、傍から見ると狂気じみてるのは自覚した方がいい」

 

 

 そーだな、権佐。半ば意図的にそういう方向に持っていってる俺が言うのもなんだけどな…。そっちの方が統率しやすいんだよ。チヤホヤされるの好きだし。

 

 

 さて、いらん方向に話を振ってしまったが、お望み通りに戦いの時間が始まるぞい。

 誰がどこまで覚えているかさっぱり分らんから改めて伝えるが、標的の名はムスヒホトキ。因果を奪い、押し付け、貯えた因果を燃やして超絶的な力を発揮する、超古代の怪物、規格外の鬼だ。

 因果と言っても分かりにくいだろうから、単純に記憶を捏造したり奪ったり、或いは既にあるモノを全く別の物に強引に変えてしまう鬼だと思ってくれ。

 姿形は現在進行形で変化しているようだから情報は無いが、馬鹿みたいにでかい龍や獣、カラクリの集合体のように見える。でかい龍の首元には、小さめ…と言っても普通の鬼よりずっとデカイが…の鬼が一匹張り付いている。これが因果を奪う力を齎している鬼だ。こいつをぶっ殺せれば、大幅に弱体化を狙えるだろう。個人的に用事もあるから、俺も優先して狙う。

 外見から得た情報は、あまり当てにするな。奴は自分自身にも因果を付与して、外見も中身も改造しまくっている。ゴウエンマそのものの姿してるのに、脈絡もなく氷やら睡眠の術やら使ってきてもおかしくない。

 

 細かい事は言わないが、ここで奴を仕留められなければ、ウタカタの里を通り越して人類史が無茶苦茶にされてしまいかねん。鬼が時間を超えて移動する能力を持っているのは知っているだろうが、あれがオオマガトキあたりに出現したら、それこそ抗う事もできない戦力差になる。

 四の五の言わずに、奴を討ち取れ。隣にいる人間が親の仇だった事を思い出しても討ち取れ。その記憶は偽物だろうから、それより先にムスヒホトキを討ち取れ。結婚の約束をした恋人が既に死んでいたのを思い出しても、泣く前に仕留めろ。俺が里を滅ぼした男だとしても、ムスヒホトキを討ち取ってから殺しに来い。

 

 いいな?

 

 

 ………よし、いくぞ!

 

 

 

「「「「「「「「「「応!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 まずは俺、那木、雪風の遠距離攻撃組3人の連続鬼千切で、空を飛んでいる状態から叩き落す。そこから先は、各自別れて包囲戦に移

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         失敗した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 失敗した

 

 

 

 

 

 

 

 失敗した

 

 

 

 

 

 

 

 

 失敗した失敗した失敗した

 

 

 

 

 

 

 

 

    もどってきた

 

 

 

 

              とりもどした

 

 

 

 

 

           でも

 

 

 

                     どうして

 しくじった

 

 

      みんな

 

            うらぎり

 

 

    うしなった

 

                 もどらない

 

 

 

 

               これが

 

   むくいだっていうのか                

                 だけど

                      あんまりじゃあないか

            いくらなんでも

 

                 みんな

    そんなめで

 

 

 

          みるな

 

 

                    よ

 

 

 

 

 

 

 

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