※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

72 / 611
すみません、後書きでちょっと愚痴りますので、そこだけ飛ばしてください。
文章にして人目に晒すと楽になるって本当なんだな…。


第72話

 

 

HR月『目を閉じて筋トレすると、筋肉の動きがより分かりやすい…気がする』日

 

 エシャロットからの朗報です!

 村に移住してくる人が1人居ます!

 

 …と言っても、ギルドから派遣された職員なんだけどね。

 エシャロットがメゼポルタのクエスト受付所に顔を出した時、ギルドのお偉いさんから伝えられたそうだ。

 どんどん成果を上げて開拓を進めているから、今のままだと人手が足りなくなるだろう…という話だった。

 

 正直言って、遅いよ!と叫びたいくらいだったが、まぁ人が来てくれるだけマシか。

 ギルドの人は、俺達が狩った獲物の成果を自分達で確認しているので、エシャロットから聞いたハンター達のようにホラ吹き扱いはしていないらしい。

 が、それでも開拓地送りなんて、普通に罰ゲームである。

 中々希望してくれる人が現れなかったらしいが……その人は何でまた希望してくれたのやら。

 

 …貧乏くじ引いたのかね?

 まぁ、折角来てくれるんだし、詮索はするまい。

 来てよかった、と思ってくれるように頑張るとしますか。

 

 

 

 

HR月『ソーメンだと思ってたらソバだった』日

 

 エシャロットの友人関係をどうするかと考え込んでいたら、本人の方から提案が来た。

 友人を村に呼んでいいか、というものだ。

 ここに住むとかの話ではなく、自分達が作っている村を見てもらいたいらしい。

 

 確かにガワだけはそこそこ出来上がってきたもんな。

 しかし、どー考えてもそれはワザマエ…もといタテマエ。

 「信じられないなら、マスターの奇行を実際に見せよう!」って考えが丸見えだ。

 

 自分の言う事が信じられなかったからムキになっているのか、それとも村を作っている皆の努力がナメられているのが我慢できないのか。

 

 まぁ、どっちにしろ断る理由は無い。

 二つ返事でOKを出した。

 

 

 …さて、エシャロットの友人達が来たら、何をするべきか。

 エスピナスに乗ってまた飛ぶのもいいが、アレはエスピナスの機嫌次第だからな…。

 ドスランポスくらいなら、その場で従わせられるか。

 鳴き真似で交渉して、肉を代価に足代わりに使うくらいは出来るぞ。

 ユクモ村では、実際にガーグァを手懐けたし。

 

 だがそれだけではパンチが足りん。

 

 歓迎の一発撃が何か無いモノか……ありもしなかった芸人魂が無性に疼いて困る。

 スベるのはイヤだが、何もしないのはもっとイヤだ。

 既にエシャロットが、ガノトトスを釣り上げるという大技でハードル上げてやがっからな…。

 

 う~ん……奇行…奇行…ネタが欲しい…。

 

 

 

HR月『ゴムの伸びたパンツやズボンを履いて、「ちょっと痩せた?」と思ってみる…虚しい』日

 

 ギルドから派遣された職員と、エシャロットの友人達がやってきた。

 早いな。

 フットワーク軽すぎぃ!

 まだネタも無いのに!

 

 ハンターはまだ分かるよ。

 こっちに移住してくる訳じゃないから、装備を纏める必要もない。

 お気に入りの装備だけ持ってくればいい。

 道中でモンスターに襲われても、自分達で対抗できる。

 

 が、ギルドの職員は違う。

 この村に住み込みになるから、私物を持ってくる必要だってある。

 道中の護衛は…まぁ、エシャロットの友人達が偶然一緒になったから省けるとして。

 

 

 

 と言うか、見知った顔なんですけど職員サン!

 特徴的な髪型。

 微妙にイントネーションがおかしい言葉遣い。

 眠そうな目と、腰から下げたヴォルガノスのアクセサリ。

 

 

 ユニスじゃん。

 

 以前のループでは彼氏彼女の関係だった。

 まぁ、胸張ってそう言える関係だったかと言うと、微妙にそうでもないが。

 お互い、本当に他人を好きになるって事が無さそうな人間だったからね…。

 

 お互いに酔った勢いでイタして手篭めにし、そのまま弄ぶというか愛でると言うか、そーいう関係だったと言ったほうが正しい。

 それでもお互いの事は理解して、それなりにイイ関係を築いていると思えた。

 

 

 

 

 

 今では俺の方しか覚えてないけどね!

 

 

 

 

 ループの為とは言え、これは色々な意味で気まずいな。

 GE世界や討鬼伝世界もそうだったんだが、なんというか…分かれた彼女と再会したら、相手がキレイサッパリ自分の事を忘れていた、ような?

 これで彼氏が居たら、立ち直るのに時間がかかりそうだな。

 まぁ、幸いにしてフリーのようだが。

 

 何で分かるかって?

 今となっては一方的にとは言え、ユニスの事は性格から体までよく知ってるからな。

 あれで結構、アクセサリとかには気を使うタイプだし……主にヴォルガノス系のアクセサリだが。

 俺と付き合っていた時期の装いや姿勢と比べれば、少なくとも現在深い関係のある相手が居るかどうかくらいは検討が付くよ。

 

 

 すっごい気まずいけどね。

 あっちにしてみれば、初対面のオトコにそんな事を見抜かれている、知られているなんて気分が悪いってもんじゃないだろう。

 

 …あんまり接触しない方がいいのかなぁ。

 今日初めて顔を合わせた時は、何とかビックリした顔も隠し通せたと思うけど。

 

 いやでも折角きてくれた職員兼住人を避けるような事はしたくない。

 それ以前に小さな村というか集落だから、避けて生活しようと思ったら、それこそ狩猟に出ずっぱりにならなければ。

 …出来ない事もないけどさ。

 

 そういや、前回ループでも1回だけ会ってたんだよな。

 会ったというか人ごみの中ですれ違った程度で、ユニスにしてみれば俺の顔さえ認識してなかっただろうけど。

 

 

 

 …色々考えてみたが、結局のところはいつも通りか。

 デスワープして、全てリセット。

 アリサの時も那木の時も、ジーナさんやら橘花やらの時だってそうだった。

 俺が気にしててもしゃーないわ。

 

 

 …今にして思うと、前回討鬼伝世界の橘花と千歳のコンビはヤバかった気がする。

 あのまま成長させていけば、最終的には二人で俺のケツの穴を狙ってきたんじゃあるまいか…。

 

 

 

 ま、ユニスとは機会があったらまたドロドロした仲になるのも良し、そうでなければ良き隣人を目指し、最低でも仕事上での信頼を得られる事を目指しますかね。

 

 

 それよりも、ユニスと一緒にやってきたエシャロットの友人達の方が優先か。

 今は全員揃って、酒飲みまくってグースカ寝ている。

 ユニスの歓迎会も兼ねて、派手に宴会したからなぁ。

 

 明日からは、今日使った分の食料を補填する為、狩りに精を出さなきゃなるまいて。

 精々噂に違わぬ奇人っぷりを発揮させて、エシャロットの友人関係がいい方向に向くよう祈るとしましょう。

 

 

 

 

HR月エシャロット視点日

 

 

 おはよう!

 私はエシャロット。

 メゼポルタの開拓中の村で絶賛ハンター活動中の、元気印の新米ハンターだよ!

 好きな物は元気ドリンコ、嫌いなものは私を音波兵器扱いするギルドマスターかな!

 

 いつかブッ飛ばすよ。

 

 子供の頃、迷子になった私は通りすがりのハンターに助けてもらったんだ。

 そのハンターさんとは一悶着あったり色々あったんだけど、自分もあんな風に誰かを助けられるハンターになるんだ!って思って頑張ってきたんだ!

 

 だから、訓練所を卒業したばかりの時に、メゼポルタのギルドの人に「助けを求めているハンターが居るんだ」って言われて、二つ返事でこの村に所属する事になったんだけど……思い返すと、騙されたような気がするね。

 確かに人手が足りないからって、パピちゃんやギルドマスターは困ってたみたいだけど、私が助けたかった状況とはちょっと違うと言うか。

 それにギルドマスターだって、私と同じで訓練所を卒業したばかりの筈なのに、とんでもない腕利きのハンターだった。

 私の助けなんて要らないんじゃない?とかなり本気で思ってしまうくらいに。

 

 アレで駆け出しハンターっていうのは絶対にウソだと常々思っている。

 

 

 でもハンターとしてレベルアップするチャンスなのは確かだよね! 

 実際、ギルドマスターについて狩りをするようになってから、どんどん自分が強くなってるのが分かるから!

 その自信が危ない、っていうのも含めてね。

 

 ま、それくらいの成果がないと、この村ではやっていけないよね。

 なんだか知らないけど、素直に狩猟が終わった試しが無いし。

 予定外のモンスターが乱入しまくるし、しかも最初っから最後まで怒りっぱなしな事も珍しくないくらいだし。

 もう、ホントにワケがわからないわよ。

 

 

 

 それはおいといて、人としてはちょっとアレなマスターだけど、ハンターとしての腕は本気で信頼している。

 噂に聞くG級とかギルドナイトにもなれるんじゃないの?と思ったんだけど、マスターには真顔で否定されてしまった。

 

 「あそこまで突き抜けるのは、実力的にも性格的にも無理」って言ってたけど、そういう人達と会った事があるのかな? 

 実は元ギルドナイトで、経歴を隠して一般ハンターに身をやつしているとか?

 そう考えると、訓練所を卒業したばかりなのにあんなに強かったり、いきなりギルドマスターになってる説明もつくね。

 

 ま、本当にそうだったとしても、それで何が変わる訳じゃないよね。

 マスターは私達のギルドマスター。

 とっても強くて、時々…いや頻繁…常に…えーと、とにかくヘンな事をやらかす、見ていてとってもドキドキするハンターです!

 人としてはどうかと思うけど。

 …なんとなくだけど、マスターは色に溺れて転落するタイプに思えるなぁ。

 

 と言うか、ムネがドキドキするというかドキがムネムネするって表現した方が正しい気がする。

 

 

 そんなマスターに連れられて、私やパピちゃん、それにニケちゃんもよく狩場にやってきています。

 本当はやっちゃいけない事の筈なんだけど、マスターが「笑顔がステキならなんだって大丈夫!」と言い切ります。

 うん、それなら大丈夫だね!

 一時期ニケちゃんが死んだような笑顔になってたけど!

 

 

 それにしても、開拓って面白いんだね!

 元々はレベルアップの為にギルドの人たちが持ってきた話を受けたんだけど、今はそれ以上にこの村が好きになってきてるよ。

 何から何まで自分達でやらなければいけない状況だけど、こう、自分達でやってるんだ~っていう実感が物凄くある。

 普通のハンターは、きっと農場の設備を一から作るなんて事やらないよね。

 それは職人の仕事だし。

 まさか、ハンターになってから最初の仕事が狩りじゃなくて、農場作りだとは思わなかったよ。

 今となっては、農園の柵や農具は勿論、簡単な家だって建てられちゃうようになったんだ。

 ハンター引退しても、大工としてやっていける…というのは、流石にちょっと言いすぎだけど。

 

 

 えー、そんな状態だから、私もこの村がどんどん好きになってきてたんだ。

 

 だから、かなぁ。

 メゼポルタの皆に再会した時、マスターや村がどんな風に思われているのか聞いて、本当にショックだった。

 

 マスターがホラ吹き?

 コネでギルドマスターになった、ハンターの風上にもおけない奴?

 

 バカ言っちゃいけないよ。 

 そりゃ、マスターは信じられないような事をよくやるよ。

 信じられないのも仕方ないとは思う。

 

 だけど、マスターはそれ以上に村を頑張って発展させようとしてるんだ。

 見ず知らずの相手だからって、そんな風に侮辱されていいような人じゃない。

 それが私の友達なら尚更。

 

 尊敬……どっちかと言うと畏怖だけど……しているマスターを、噂だけで友達が判断して、嫌悪するのはとてもとても哀しい事だ。

 

 だから、久しぶりに会った同期の皆との狩猟そっちのけで、マスターがどんな人なのか必死で伝えた。

 

 

 

 

 余計信用されなかった。

 

 かなーりショックだったけど、改めて考えてみると当然の結果だったような気が…。

 いやでも幾つか実例を見せたのになぁ。

 具体的には、その後に皆で狩りに行った密林で、崖の上から飛んで平然と着地してみたり。

 野宿している間にも、寝ていたのにモンスターの襲来にすぐに気付いたり。

 

 何より、マスター直伝のガノトトス一本釣り!

 いやー、挑戦するのは初めてだったけど、上手くいってよかったわ。

 失敗したら逆に釣り上げられてパックンチョ、なんて事もあるらしいし。

 マスターが一回、本当に丸呑みにされかけたんだって。   チッ

 

 

 

 その甲斐あって、「ホラ吹きを庇う事ないでしょ」から、「エシャロットがこんな風になってるんだし、いくつかは本当かも…」くらいに改善された。

 その代わり、皆が私を見る目が、得体の知れない怪物(になりつつある)を見る目になってる気がするけど…。

 

 いや、確かに一気に成長した自覚はあるよ?

 マスターに散々狩りに付き合わされたし、訓練所卒業当時では考えられない事も幾つかできるようになった。

 その筆頭が、皆にも見せた高所からの無傷着地なんだけどね。

 

 今ひとつ原理の分からない、ハンター式肉体操作術で実現してるんだけど…あんな事ができるようになるなんて、訓練所では全く教えてくれなかった。

 メゼポルタとかの、所謂「名門」の訓練所なら出来て当然らしいんだけど、色々な意味でカルチャーショックを受けた。

 

 と言うか、あんな事をホイホイ教えていたら、ハンターになる前に訓練生の8割は墜落死すると思う。

 それを出来るようになっちゃった、私も私だけどさ。

 

 それだけじゃなくて、他の皆との狩りの腕が、明らかに差が付いていたのもショックだった。

 みんな駆け出しハンター、いや訓練生のハンターだったから、上とか下とか考えない、気楽な狩り仲間だったのに。

 

 嫌いになった訳じゃないんだけど、みんなの動きに不満を感じるようになってしまった。

 動きが遅い。

 判断が遅い。

 狙いが甘い。

 段取りが遅い、準備が足りない、緊張感が足りない、警戒がなってない、その他諸々。

 

 みんなの腕が鈍っているとかじゃない。

 明らかに私一人が別格(と言ってもルーキーの中では、だけど)になっていただけだ。

 

 だからって、私がアレコレ言うのも空気が悪い。

 と言うか悪くなった。

 皆、上も下もない関係だった、つい先日まで同レベルだった私から、上から目線(に感じられたのかもしれない)でアレコレ指示されて、気分がいい筈が無い。

 

 

 

 強くなったのは喜ばしい事の筈なのに、私は疎外感を感じていた。

 

 

 

 でもそんな事で拗ねる私じゃない!

 元気ドリンコ飲めば、マイナス思考も一発矯正!

 5本くらい一気飲みして水腹になっちゃったけど、解決策も思いついたからモーマンタイ!(マスターが教えてくれた言葉だけど、どこの方言だろう?)

 

 

 考えてみれば当然の事だったよね。

 私一人が強くなったのが悪いなら、皆で強くなればいい!

 (デスマーチの道連れが欲しい訳じゃないよ!)

 ハンター的に考えて、腕が上がるのは大歓迎だし!

 (人外への道、皆で飛び込めば集団自殺!)

 

 みんなを村に招待しよう。

 私達が作っている村を見て欲しいっていうのもあるし、ひょっとしたら一人くらいは村に留まってくれるかもしれないしね!

 

 さぁ、帰ったらマスターに相談してみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 相談したらOKを貰えたのはいいんだけど……やるかどうか迷っていたらしい、デスマーチ中級編の開催が急遽決定されてしまったわ。

 勿論、私も皆も強制参加枠。

 

 その名も、「ドキッ! 丸ごとレベルアップ!! 奇襲だらけの密林サバイバル大会」。

 色々な意味でヒドいタイトルだけど、デスマーチ初級編を卒業した私としては、嫌な予感しかしないタイトルだ。

 

 初級編が、自然の中で生き延びる為の訓練だったから…今度は多分、強い敵を狩る為の訓練か、乱入してきた強敵を煙に巻く訓練だと思う。

 …最近、狩りに行けば乱入祭な私達だけど、流石に訓練に丁度いいような相手が乱入してくる保証なんかない。

 

 という事は…。

 

 

 

 

 

 モンスター役のマスターが、奇襲をかけてくるって事だよね…。

 

 

 すっごいイヤな予感がして、まさかと思って聞いてみたら、見た事もないような輝く笑顔を見せてくれた。

 …笑顔は大事だけど、不安をぶっ飛ばすのにとっても大事だけど!

 人を何よりも不安にするのも笑顔だなんて、知りたくもなかったよ!

 

 泣けてきた!

 元気ドリンコもう一杯!

 

 …プハッ、よし笑顔!

 

 

 ものっそい不安になったけど、ロクでもない事にしかならないという確信もあるけど!

 その分、みんながレベルアップするから問題ないよね!

 ちょっと恨まれるのも覚悟の上さ!

 

 まぁ、真面目な話、多分マスターの事だからあれやこれやの奇想天外な手段で奇襲しまくってくると思う。

 最低限、断崖絶壁の上からの急降下(マスターが尊敬している『かっか』って人のモノマネらしい)と、チャチャブーみたいに地面に埋まるドドン・ジツは確定している。

 それを見れば、マスターの関して流れている噂が……デマじゃなくて事実だってイヤでも理解できるでしょ。

 噂がウソじゃなくて、事実だと証明するのに苦労するのも珍しい…。

 

 

 とにかく、皆には悪い事をしたと思っているけど、私達のマスターをバカにしていた報いと思ってもらおう。

 噂話しか判断基準が無かったんだから仕方ないとは思うけど、それだけを元にして情報の裏付けを取らなかったのは事実だ。

 そんなんじゃ、巷で流れているモンスターの俗説とかに踊らされて、エライ目にあっちゃうよ?

 私だって、討伐対象のモンスターに限らず情報収集は怠らなくなっちゃったからね。

 ま、コレも訓練の一環って事で。

 

 

 

 

 

 

 

 皆が村にやってきた!

 ギルドから派遣された職員さんも一緒!

 私が何も言うまでもなく、派手な歓迎会になったよ。

 それだけ歓迎してるんだよね。

 何せ、移住希望者なんてずーっと話にも出なかったんだから。

 

 ユニスさんっていう、ヴォルガノスがとっても大好きな人だった。

 あのアクセサリ、何処で売ってるんだろう…。

 あとマスターの知り合いなのかな?

 顔を見た時、ちょっとだけど驚いていたような…。

 

 そうそう、私の同期の皆も紹介しておかないとね!

 

 一番、ランス使いのシルキー!

 ガラス細工の加工が趣味だよ。

 

 二番手、弓使いのナモナ!

 とにかく楽しい事が大好きで、狩りの時も面白いかどうかが最優先!

 マスターと混ぜたらどうなるのか、メッチャ不安だね!

 …パピちゃんと一緒に、絶対阻止の方向で動いてます。

 

 三番手、ヘビィボウガンのクラリス!

 よく居酒屋でお酒呑んでるよ。

 飲み仲間の3人と一緒に居る時に話しかけたら、絡まれるから注意してね!

 

 

 そして私を加えた4人で、新人4人衆。

 …歓迎会でハメを外しすぎて、村の備蓄がかなり消えてしまいました。

 こ、これって私達のせい…?

 

 いや、確かに歓迎会するんだからって事で、予め食料その他は多めに溜め込んでいたし、終わった後にも補充にいくつもりだったけど。

 この分だと、マスター主催の「ドキッ! まるごと暗殺! 気が付いたら人が少なくなっている密林ホラー大会」ついでに、生肉とか狩らなきゃいけなくなりそう…。

 マスターの妨害に怯えながらか…。

 

 

 うん、皆のトラウマにならない事を祈ろう。

 まぁ、トラウマになったらなったで、狩りの時はイヤでも油断しなくなる…と言うか油断『できなくなる』から、結果オーライなんじゃないかな、うんきっとめいびー。

 

 

 

 

 

 そういう訳なんで、今日は同期の皆と一緒に狩りです。

 皆もちょっと食べ過ぎたと思っていたらしく、食料備蓄を手伝うのに文句は無いそうです。

 

 でもそれがサバイバル訓練の一環っていうのは、よく分かってない顔をしていた。

 

 まぁ、そりゃそうだよね。

 食料が目的だって言っても、モンスター達の相手をする事には変わりないんだし、その真っ最中に妨害染みた事をするなんて、ハンターは勿論人としてどうかってお話だ。

 命がかかった現場で無駄に茶々を入れたり、面白半分でおふざけをされるようなものだ。

 歓迎なんかされる筈ないし、むしろ排除されて当然。

 

 …でもね、マスターがやると、茶々とかおふざけとか、そんなレベルじゃなくなるのよ。

 「モンスターと戦っている時には邪魔をしないから」と言ってたけど、そもそも戦うまで保つかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案の定、戦う前に全滅してしまった。

 

 練磨の密林に踏み入って10分後、既に脱落者1名。

 奇襲は3度受けて、その内2度は何とか防ぐ事ができた。

 ついでに言っておくと、マスターが奇襲をかけたのは、私達…もっと正確に言うなら、他の3人…が死角のモンスターに気付かず、攻撃されそうだった後。 

 そのモンスター自体はマスターがこっそり狩っていた…というか音も立てずに暗殺していた。

 つまり、形はどうあれマスターは私達を助けていた訳だから、後から文句を言われても、「本物のモンスターに奇襲されるよりマシ」というタテマエが成り立つ訳ね。

 …パピちゃんの発案かな?

 ヲノレ ヨケイナコトオ

 

 ともあれ、一度目の襲撃は明らかに手抜き。

 ガサガサと音を立てて、これから襲撃しますよっていうのを教えてたから、奇襲と呼べるかも怪しい。

 私達が気付かず通り過ぎてから音を立てたんで、警戒する皆を他所に、私が迷わず攻撃。

 私はマスターがそこに居るって気づいてたからね。

 マスターは私の大剣を受け流して、私達を狙っていた(勿論マスターが暗殺済み)ランポスの死体を指差して、また茂みの中に消えた。

 

 二度目の襲撃は、ファンゴの大群だった。

 どこからあんなに連れてきたのやら。

 あと先頭を走っていた大きなファンゴ(ドスファンゴじゃないと思う)の右目に刀傷があったように見えたんだけど、マスターの仕業かな?

 ちなみにそのファンゴの背中に乗って、腕組みして支えも無しに平然と直立していたのが印象に残っている。

 唖然としている皆に対してボウガンで一撃。

 私が弾いてガードした。

 ファンゴの群れは、そのまま走り抜けていき、直線状にいたイャンクック(背後から狙われていた)に突撃していった。

 

 

 三度目の襲撃は崖の上から。

 ここまで来ると、皆マスターがどういうナマモノなのか理解していたんで、しっかりと周囲を警戒していた。

 でもまだ甘い。

 警戒が緩いし、何よりマスターの奇行を考えると、単に武器防具を構えてりゃいいってもんじゃない。

 

 殺気がした(マスターの隠密レベルを考えると、明らかにわざとだ)んで上を警戒。

 崖の上から私達を狙っていたらしいババコンガが転がり落ちてきた。

 それと同時に、マスターが崖上からフライアウェイ。

 唖然としているナモナの背後に着地すると、有無を言わせず首をキュッと。

 

 …モンスターに例えれば、首筋に噛み付かれたようなものだ。

 まず一死。

 

 ナモナを担いで、マスターはまた消え去った。

 急いで追ったけど見つからなかった。

 

 流石にナモナに何かするとは思わないから、多分ベースキャンプに寝かせているんだろう。

 一端戻って合流しよう、という結論になった。

 

 

 そしてキャンプに戻るまでの間に、シルキーが消え去っていた。

 今度は私も気付かなかった。

 これで2死。

 私もまだまだ甘い。 

 

 隠れる場所が多い密林の中に居ては、奇襲を防げる筈も無い。

 ベースキャンプに向けて、クラリスと二人でダッシュする。

 のだけど、当然それは予測されていたらしく、人間向けの落とし穴が幾つか仕掛けてあった。

 …シビレ罠を使わなかったのは気遣いなのかな?

 いやでも私も一回喰らっても平気だったし…。

 

 とにかく、落とし穴を避け損ねたクラリスは、今度は空高くに舞い上がっていった。

 どうやら穴の中に何か仕掛けがあり、それが発動したらしい。

 空に消えていくクラリスの足に、ロープが付いていたのが見えたから…多分、何処かの木とかに結わえておいて、木の弾性とかを利用したんだろう。

 3死。

 クエストだったら報酬無しだ。

 

 その後、狙撃を2回受けた(避けたら近寄ってきていたランゴスタやカンタロスに直撃した)けど、何とか無事にベースキャンプに戻れたよ。

 キャンプには3人がちゃんとして、もう起きていた。

  

 

 

 

 正直に言えば、「こんな状況で狩りなんかやってられるか!」って状態だったと思う。

 実際、人間に襲われながらモンスターと戦うなんて気が狂っている所業だ。

 

 でも、皆の意見は真逆だった。

 

 「やったろうじゃないの!」とはクラリスの言。

 

 意地になってたんだろうね。

 内心実力を疑っていたマスターに軽々と叩きのめされて、悔しいやら恥ずかしいやら、といったところか。

 

 私としては反対する理由は無い。

 どうせ近い内にこのデスマーチは強制参加確定事項だったんで、道連れが増えるのは素直に嬉しい。

 友達を地獄に連れ込んで嬉しいのかって意見もあるだろーけど、これが友情パワーってやつじゃないの?

 マスターが言ってたユデリロンによると、色々な形の友情があるらしいし。

 

 ま、実際私としては、マスターへの認識も改めてくれるし、また一緒に狩りにいけるようになるくらいにレベルアップしてくれるんだから、否がある筈ないよね。

 

 さて、そういう訳で張り切っていこうか!

 マスターの奇行に惑わされないように、気をメッチャ強くもっていこう!

 例え脈絡も無く地面の下から這い出てこようと、ドスガレオスと一緒に湖で泳いでいようと、鳴き真似でイャンクックと意思疎通していようと、何の前触れもなく古龍と戦っていようと動揺したら負けだからね!

 

 

 

 

 

 古龍は流石に無かった(前例はあったけど)けど、飛竜となら戦ってたよ。

 イャンクックじゃなくて、陸の女王の方と。

 …うん、火球をハンマーで打ち返したって、今更あんまり驚かないね! 私はね! 皆は唖然としてたけどね!

 

 

 

 結局、私も含めて一人につき10回以上死んで、今日のサバイバル訓練は終了となった。

 精根尽き果てたみたいだから、明日は村でオヤスミかな。

 皆はメゼポルタ所属のハンターだから、いつまでも村に居られる訳じゃないし。

 

 

 私は明日もまだ訓練続行だけどね!

 皆も早く復活して精進しないと、また私だけ強くなっちゃうZO★

 

 

 ……疲れたから今日はもう寝るよ。

 

 

 

 

 




UFOキャッチャーで取れないから金返せとか言う客、初めて見たわぁ…。
しかも断ったら怒鳴り散らすチンピラ。
色々理屈ごねてたけど、別のテナントだから設定とか知らんつーの。

あの性格でどうやって生活してんだろうなーと呆れて軽蔑してましたが、ふと思いつきました。
金の問題はともかく、アレって課金したけど欲しいカードが出なかったオンゲプレイヤーの気分なんじゃね?と。

確実に出る!と(勝手に)確信して課金。
出ない(景品を取れない)悔しさを運営(店舗)に向ける。
当然相手にされない。
もっと怒る(そしてカードは出ない)


或いはこうか。


モンハンで激レア素材出ねぇ!
いや出た!
でも見間違い。
が、それを認めず「いーや確かにあった!バグだ!謝罪と買収を要求するニダ!」
一人で騒いで、ネットのレビューでゲームを貶す。


行動の如何はともかく、俺だって実生活には意味も無いゲームに熱中して一喜一憂しているし、ゲーセンの何百円かで大騒ぎする人の事を強く言えない気が…。


…でも思いつきはしたけど、やっぱ欠片も同情できんわ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。