フリカツ?
…一日1プレイかな。
ちなみに現時点で、約3話分の書き溜めがあり、まったくと言っていい程話が進んでいません。
第80話
神無月『東方幼霊夢で超泣いた。最初のよつばと雰囲気が懐かしい』日
どうせアナグラに連れていってくれるゴッドイーターとは合流できなかったんで、暫く不貞腐れてた。
三日目で飽きて、そろそろ動こうって気になってきた。
遺された皆が無事なのか心残りはあるが、それを言ったら今までのデスワープは殆ど心残りだらけだったし、いつもの事だ。
で、この数日の内にツラツラと考えていた…というより妄想していた。
今回のMH世界の出来事を全て強引に繋ぎ合わせた。
狂竜ウィルスには、変異したもののみなのか、それとも従来のモノも同じなのかは分からないが、霊力に反応する性質があるようだ。
もしも、MH世界で霊力を多少なりとも感知できる種族が居たとしたら?
以前の世界で霊力を持った紅玉があった事を考えると、既に廃れたか、使える種族が極端に少なかったか、あり得ないとは言い切れまい。
で、その霊力を感知する能力を、シャガルマガラが持っていたとしよう。
シャガルマガラは、狂竜ウィルスで弱らせたモンスターを捕食する性質がある…っぽい。
つまり、ウィルスを植えつけた獲物が何処にいるのか、感知する能力があってもおかしくない。
かつて、ラオシャンロンが休眠に入る前に、シャガルマガラ(当時はゴア・マガラ?)にウィルスを植えつけられた。
当時は全く効果がなかったラオシャンロンだが、休眠している間にウィルスは変異し、徐々に体を蝕んだ。
そして出てきた狂竜ラオシャンロン。
結局は討伐された訳だが、変異したウィルスをシャガルマガラが感知した…つまり何百年も前から目をつけていた獲物を見つけたのだ。
嬉々として獲物の元へ向かうが、ラオシャンロンは既に討伐済み。
ウィルスが多く残っているあの大穴へ向かってはみたが、勿論獲物はおらず、逆に残った狂竜ウィルスに汚染されてしまった。
ウィルスに汚染されたシャガルマガラは、獲物が空振りだった怒りをそのままウィルスとして撒き散らす。
…通常のウィルスと同時に、穴の奥に残っていた変異ウィルスと一緒に。
更に、八つ当たりに近くにあった村(つまり俺達の村)まで強襲した。
…ラオシャンロンを討伐した俺達が、そこに居る事を知って向かってきたのかは分からんな。
…強引に繋ぎ合わせてみたが、こんなものか?
ラオシャンロンが休眠していた何百年をシャガルマガラが生きられるのかとか、色々と抜けはあるけども。
まぁ、取り合えず考えるだけ考えてスッキリした。
何の脈絡もなく襲ってきたんじゃなくて、前後にストーリーがあったと思った方がまだモヤモヤしないしね。
さて、今回のGE世界の行動に移ろう。
いつものゴッドイーター達とは合流できなかったし、アナグラに入り込むのは難しいかもしれない。
この時期なら使える、サカキ博士の認証コードとかもあるにはあるが、アレは端末が使える場所まで行かなければ意味がない。
そして端末があるのはアナグラくらい。
うむ、意味ねぇ。
ま、今回はゴッドイーターではなく、一般人として推移を見てみますかね。
アナグラに入れないんで、まずはフェンリルの庇護下にない人達の集落に身を寄せるとしよう。
神無月『東方 メイドさんの日々見て通常テンションに戻ります』日
とりあえず寝床を確保。
と言っても、住民が居なくなってしまったあばら家でしかないが。
ま、野宿も慣れっこだった身としては、屋根とトイレがあるだけで充分すぎるくらいだ。
住民達も、余計な事に首を突っ込む人達は居ない。
このご時勢に、天下のフェンリルから離れて生きようって人達だもの。
脛に傷を持ってるか、GE2に出てきたロミオを助けた爺ちゃん婆ちゃんみたいに、若い世代にいい場所を譲ろうって奇特でお人好しな人達が殆どだ。
…もう殆ど覚えてないが、あの爺ちゃん婆ちゃんは冗談抜きで聖人かって人だったと覚えている。
探してみるかな?
…ともあれ、今回はフェンリルに加わらない一般人。
だが、ただの一般人で終わるつもりはない。
MH世界での開拓中、これでもかという程集めまくった植物系アイテム。
資金稼ぎ用の種は勿論の事、ネンチャク草やら太陽草やら火薬草げどく草ネムリ草、ムルカ君からもらったアオキノコに特産キノコにドキドキノコ、果てはマンドラゴラまでふくろに詰め込んであるのだ!
以前に研究してもらった時には肥料や土が問題となっていたので、飛竜のフンとかも確保してある。
…流石にフンをそのままふくろには居れずに、堆肥状態にしてあるけどさ。
…ふと思ったんだが、ふくろ以外にもループに道具を持って行く事はできてるんだよな。
俺が身につけていた装備などは、ふくろに入れてもいないのにループについてきている。
神機に関しては……多分、あれはもう俺の体の一部扱いになっていると思う。
と言うのも、アラガミ化の事があるからだ。
現在は制御できるようになっているアラガミ化だが、最初は制御の為の薬剤がなくてアラガミ化して死んでたしなぁ。
多分だけど、アラガミ化した時に腕輪や神機を取り込んだのだろう。
実際、制御できるようになって何度か変身した時は、いつも持っていた装備が体の一部のようになっていた。
俺の体の一部だから、デスワープしたらふくろに入ってなくてもついてくる、と。
ま、それはともかくとして、アラガミ化が制御できるってのは便利なものだ。
薬剤の投入も必要なくなったし、実を言うと腕輪をしておく必要がない。
腕輪をしてなければ、ゴッドイーターだと思われる事もない。
…偽装工作にも使えるかもしれん。
単独任務に向かった時、腕輪を外してその辺のアラガミに食わせてやれば、MIAの出来上がりだ。
…俺の一部になった腕輪を食ったアラガミがどうなるかは、予想できないけども。
とにかく、今回はGE世界で農業やってみるとしよう。
可能であれば、食料事情を一変させてくれる。
あー、でもやっぱりアラガミが寄ってきそうだな。
今回の俺はゴッドイーターじゃない設定なんで、神機使うのはまずいし……捕縛するだけならまだやり様もあるんだが。
……よし、追い払う時は仮面ライダーアラガミで、正体を隠して行こう。
神無月五車多…改め上田、でもないエリック視点
僕はエリック。
華麗なるエリック・デア=フォーゲルヴァイデ。
何故だかオウガテイルに異様な危険を感じるゴッドイーターだ。
唐突ですまないが、少しばかり強調したい点がある。
それは、僕が『常識人だ』という事だ。
何を言い出しているのか理解できないかもしれないが、まぁ黙って聞いてくれたまえ、僕の華麗なる主張を。
僕が所属している極東支部には変人が多い。
今は別行動しているが、同じ部隊の親友にしてライバル・ソーマがその筆頭だろう。
彼は無口で表情が分かり辛いんだけど、いい奴だという事はこの僕が保証する。
ぶっきらぼうで…少々悪い噂もあるけどね。
彼の行動原理自体は非常に明確で、本人は否定する(むしろ面と向かって言ったら銃撃が飛んでくる)が、彼が自分に人を寄せ付けようとしないのは、何か背負っているモノがあるからだ。
激戦区に赴くのもその為で、自分の過酷な戦いに他者を巻き込むまいとする、寡黙で華麗な彼の生き様。
少々アウトロー寄りな性格をしているが、彼はアラガミと戦う者として、非常に倫理的な人物であると言えるだろう。
…あくまでアラガミと戦う者として、であって、戦う事のない一般人からしてみれば、とても倫理的とは見えないだろうが。
とにかく、彼の行動は素行に隠されて分かり辛いが、ある種「人道的」な行動原理に基づいていると言っていい。
が、そんなソーマも私生活では変人以外の何者でもない。
無口で他者を寄せ付けないのは仕方ない。
彼が背負っているものが、自室に居る時だけ消える、という訳でもないのだから。
…彼がおかしいのは、その、アレだ。
彼の部屋だ。
用事があって何度か入ったことがあるのだが、それはもう酷いものだった。
物が散らかっているのはいいとしよう。
武器が片付けられてないのもまだ許せる…危険だが。
だがあの弾痕はなんだ。
射撃訓練を部屋でしてどうする。
しかも君の神機はバスターブレードで、銃じゃない。
神機じゃない銃じゃアラガミには効かないから持って行く意味もない。
弾痕は明らかに、射撃の的とは懸け離れた場所に出来ていた。
…荒れ果てたあの部屋を初めて見た時、ついつい「ロックな部屋だね」と華麗なコメントをしてしまった。
うん、あれは本当に我ながら華麗だったと思うよ。
……あれ以上、悪く言わないコメントなんて思い浮かばないからね。
と言うか、その部屋ってフェンリルの所有物であって、ソーマのモノじゃないんだけど?
配置変えとかがあったら、別の人が使う可能性だってあるんだけど?
そもそも部屋をあそこまで壊して何がしたいのかと問い詰めたい。
小一時間ほど華麗に問い詰めたい。
……というか、普通はあれだけ宿舎を壊せば、懲罰くらいは当たり前なんだが。
僕はこれでもフォーゲルヴァイデ家の跡継ぎだ。
組織を維持・存続させる為、信賞必罰である事くらい理解している。
ソーマのあの部屋は、どう軽く見積もっても必罰なんだが…。
給与から天引きでもされているんだろうか?
あれだけ壊せば、ゴッドイーターの給料であっても半年程度じゃ納まらないぞ。
…と、とにかく、我が親友にしてライバル・ソーマもそこそこ変人なのだ。
僕が同じように変人と呼ばれる人種である事も自覚はある。
この刺青や服装だってそうだが、それ以上に企業の跡取り息子がゴッドイーターとして最前線に居るのだから。
これについては、我が親愛なる妹・エリナの療養なども関係しているが…それはおいておこう。
僕としては、ソーマを筆頭とした極東支部の変人達に埋もれないよう、多少のキャラ作りもしていかなければならない訳だ。
かつて、初陣すら経験する前、ゴッドイーターとしての訓練中に自らを鼓舞する為、「華麗に、華麗に」と何度も繰り返し言い聞かせ続けた結果、華麗なる生き様が素で身についてしまったが…これもキャラ作りの一部と言えなくもない。
まぁ、僕が華麗なのは事実だけどね!
さて、前置きが長くなったけど、本題だ。
近頃の戦況は、どうにも良くない。
いや、それは分かりきっていた事だ。
ただでさえ少ない上に殉職率の高いゴッドイーター、狩れども狩れども数を減らさないアラガミ、消耗していく資材、荒む人心。
救いがあるとするならば、可憐なるエリナの体調が徐々に回復しつつある事くらいだろうか。
何れにせよ、人類に限らず、アラガミを除くこの星の生命体はジリー・プアー(日本ではこう表現するのだったね)の一途を辿っている。
僕は華麗なるゴッドイーターであると同時に、フォーゲルヴァイデ家の跡取りでもある。
だからこそ、一ゴッドーイーターよりも少しばかり視野が広いと自負している。
極東のゴッドイーターは言う、戦線は膠着状態にある、と。
自分達がアラガミを食い止めている、と。
確かにそうだろう。
この僕も華麗なるゴッドイーターの一員として、その意見に異は無い。
ただ一つだけ、ゴッドイーターの殆どが気付いていない事が……資材供給の限界が、徐々に近付いてきているという事だった。
食料はある。
味気ないジャイアントトウモロコシばかりであっても。
風雨を凌ぐ建物も、フェンリルのような立派な施設もある。
フェンリル以外の人々に、行き渡っていなくても。
服だってある。
僕のように露出度が高くなっても、それはそれで華麗なので問題はない。
だが、それはいつまでも続かない。
今の資材は、アラガミの食い残しを少しずつ集め、強引に形にしているに過ぎない。
鉄にせよ糸にせよプラスチックにせよ、元になる資源を、旧世界で行われていたように発掘する事ができないのだ。
植物でさえ、この世界で育つ数は非常に少ない。
需要に対して供給が追いつかない。
ゴッドイーターの尽力により、アラガミとは戦えている。
小さな輪の中で、輪の中身を食いつぶしながら戦っている。
だが、『戦えなくなりつつある』。
これをどうにかしようと思ったら、小さな輪を少しでも広げて中身を増やすか。
或いは、全く新しい輪を見つけなければならなかった。
最近、よくそんな事を考える。
戦っている最中にさえ頭に過ぎる事があり、ソーマには注意力散漫だとゲンコツを貰ったものだ。
だがどうしても頭から離れず、しかしどうしようもない。
行き場のない熱と不安が溜まっていく。
華麗なる僕に、あってはならない姿だ。
…少なくとも、エリナにこんな顔を見せる事はできなかった。
そんな、ある日の事だった。
『彼』と出合ったのは。
…新しい、『輪』が現れたのは。
神無月エリック視点日
その日、僕はいつも通りに華麗に任務をこなしていた。
相方のソーマも一緒だ。
またいつもの思考に気を取られてソーマに小突かれたけど、それもソーマ、君のフォローを信頼している故だよ。
…いやすまない、言い訳に使うには華麗すぎる言葉だったね。
意識をとられる事自体、僕にはあるまじき華麗ならざる行為だ。
今日は特に気もそぞろだという自覚もあった。
その理由かい?
先日ね、父と話をしたんだ。
エリナの様子とか、会社の経営状況はどうかとか、味気ない事だったけどね。
その中に、僕の興味を大きく引きつける話題があった。
最近、極東から謎の植物が、何種類か流出しているらしい。
華麗とはとても言えないシロモノだが、これについて注目すべきなのは、その異様なまでの汎用性だ。
ただの植物と侮るなかれ。
例えば草…ネンチャク草と呼ばれているそうだが、この植物は文字通り粘着質。
いわば糊のようなものなのだが、その弾力や強度が異常なのだ。
そんじょそこらの接着剤とは比較にならない。
しかも、磨り潰して粉にして使えば(幾つか加工の手間は必要だが)、コンクリートのような物質になる。
調整次第で簡易接着剤から、ヘタをすると対アラガミ防壁にさえ使える可能性がある、とかなんとか…。
あまつさえ、焼けば食べられる。
しかも、特定の土壌があればあっという間に育つらしい。
その特定の土壌とやらも、然程珍しいモノではないとか。
そんな勢いで育って、土地の栄養とか大丈夫なんだろうか…。
他にも色々な物が市場に食い込んできている。
どうやら扱っている者が一つの窓口しか設けていないらしく、その規模は小さなものであるが、様々な視点から注目を集めているらしい。
まぁ、当然だろうね。
先にあげたネンチャク草にしたって、明らかに既存の植物とは全く別物だ。
少なくとも、一般的に出回っている植物図鑑(もう旧世界の事を想像する時にしか使えないシロモノと化しているが)にあるどの植物にも該当しない。
つまり、今まで知られてなかった全く新しい生物…もとい植物の誕生。
そう、誕生だ。
知られていなかった、というだけではない。
断じてない。
既存の植物とは明らかに違った生態系を持った植物なのだ。
僕は、これにどうしようもなく曳き付けられている。
単なる錯覚、早とちりかもしれない…とは考えもしなかった。
『新しい輪』だ。
この徐々に磨り減っていく世界を打開する何かが、見つかった。
僕の華麗なるシックスセンスが、絶対的な確信を持って告げている。
幸いな事に、この新しい物資の出所は極東。
そして何処から出ているのか、偶然手に入れた情報によって目星はついている。
僕はこの任務が終わったら、物資の出所を見に行くのだ。
これはエリック・デア=フォーゲルヴァイデ個人の興味…いや、希望であり、同時にフォーゲルヴァイデ家の跡取りとして当然の事でもある。
もしも個人的な接触を持つ事ができれば、僕自身も、会社も大きな飛躍を得ることができるかもしれないのだ。
そう、考えていた。
夢想していたと言ってもいい。
華麗なる未来を思い描いて、これ以上無い程の無様を晒した。
ビルの上から飛び掛ってくるオウガテイルに、僕は気付かなかった。
ソーマも間に合わない。
飛び掛ってくる影に気付いて振り返ろうとした瞬間、「ああ、僕がオウガテイルを嫌っていたのは予知でもしていたのかな」と他人事のように思っただけだった。
そして、彼は現れた。
NTD3DS月久しぶりにツバキさん視点
極東は相変わらず地獄だ。
だが地獄であっても、私の故郷でもある。
地獄という意味でも、土地という意味でも。
相変わらず戦況はジリ貧。
殆どのゴッドイーターは気付いていないが、徐々に破滅が迫りつつある。
物資の限界、ゴッドイーターは徐々に数を減らしている。
阿呆がやらかした為にゴッドイーターが失われる事もあれば、純粋に殉職した者も居る。
…引退した後、抑制剤の配布がされず、「処理」された者も居た。
…いや、話が逸れたな。
最近は妙な事が立て続けに起こっている。
見た事もない物資を仕入れてきて、サカキ博士を初めとした一部の研究者が狂乱していたりな。
まぁ、あの連中がおかしなのはいつもの事だ。
マッドだからしかたない。
やらかすようなら、容赦なく仕置きするがな。
特に気になっているのは、謎のアラガミの目撃報告だ。
ここ数週間で急速に噂が広まっている。
まぁ、妙なアラガミの目撃情報自体は珍しくない。
新種も居れば見間違いもある。
言うまでもなく、その8割が流言飛語だ。
ちなみに2割はガチで、新種が出る度に死者が増える。
そして、今回はどうもその2割のようだ。
目撃情報が多く、その情報も具体的で、しかもある程度統一された内容。
これを放置しておく事はできない。
どのようなアラガミであれ、相手の情報がないというのは脅威だ。
アラガミの行動は予測がつかない。
今でこそ、ある程度「このような性質がある」という情報が構築されているが、アラガミとの戦いのノウハウが無かった時期は悲惨なものだった。
多くの屍の上に、アラガミ達の付け入る隙が見出され、なんとか人類は滅亡を免れている。
…今回も、多くの屍が生み出される事になるだろう。
こんな時は、現役を退いた我が身が恨めしく思える。
最前線で戦っていた頃は、このようなもどかしい思いをしなかったのに。
代わりに、常に死の危険に晒される事になるが…。
ともあれ、まずは目撃されている新種のアラガミの情報である。
昇ってきている報告では、総じて人型であり、その両腕からは剣が伸びている。
中には、剣が変形して盾になった、という報告もあった。
また、炎・冷気・電撃などを体から放つ。
その他、奇妙な能力を操り、相対したゴッドイーターが突然金縛りにあった、という話もある。
ホールドトラップか?
非常に頭が良い…というより、戦術的な行動を取り、目晦まし、隠形、囮、分断して各個撃破など、アラガミとは思えないような戦い方をするらしい。
妙な話だ、と疑問に思うより先に、脅威が優先される。
もしもこのアラガミが本当にそれ程の頭脳を持っており、尚且つ他のアラガミを統率したらどうなる?
また、その手法を他のアラガミが多少なりとも学習したら?
人間とアラガミのパワーバランスが、一気に崩れ去る。
…そして、更に話をややこしくしているのが……このアラガミに助けられた、と主張する何人かのゴッドイーターや一般人だ。
アラガミを文字通り神の遣いだと主張し、自ら食われに行くような狂信者や、或いはトチ狂って自分はアラガミの王なのだと主張する人種は昔から居た。
何度か私も『対処』した事もある。
今回もその一種なのかと思ったが…ゴッドイーター達まで、「彼は敵ではないかもしれない」などと言う者が現れている。
しかも根拠を言わせてみたら、「格好いいから」「ロマンを感じた」「ニチアサが帰ってきた」その他諸々……。
…狂信者に対して通じる理屈ではないのはわかっているが、「理由になってない」と叫んでやりたい。
今日も今日とて、エリックが何やら熱弁を語っていた。
正直な話、看過できるような事ではなかったので、首根っこを捕まえて止めさせたが。
…アラガミを、「味方かもしれない」と考える者をのさばらせる訳にはいかんだろう。
謎のアラガミが、実際に敵なのか味方なのか、それ自体は関係ない。
ひょっとしたら、将来…遥か未来で、アラガミとの共存の可能性が芽生えるとして、それが現在どうだと言うのだ。
味方かもしれないたった1体の事を考えて、アラガミを狩る手が鈍ってしまえば、どれだけの被害が出るか分からない。
これが昔の、人間同士の戦争をやっていた頃であれば、内通の疑いをかけられかねない行為だ。
しかもそれを広めようとするなど…それこそ憲兵が出張ってくる。
しかし、この謎のアラガミが実在するのは、否定しようの無い事実らしい。
とりあえずエリックに似姿を書かせてみたが……生憎と、私は落書きを華麗と評する審美眼も、抽象画だと言い張る根性も持っていない。
…リンドウに探らせてみるか?
しかし、いくら奴でも初見の敵が危険な事は変わりない。
昔に比べれば随分と成長したものだが、やはりな……庇護すべき弟、という感覚をまだ引きずっているのだろうか、私は。
お互い成人したというのにな。
何れにせよ、調査をしない訳にはいかんか。
可能な限りのメンバーを揃えるとしよう。
…アラガミの呼称はどうしようか?
アンノウン…ではあるんだが、巷では既に、誰がつけたのかわからん名前が知れ渡っているようだ。
……別にそのままの名前で構わんか。
しかし…本当に誰が名付けたのやら。
エリックの姿絵でも、そこだけ異様に存在感を持って、何なのか分かるように書かれていたから、目に付きやすいのは確かだと思うがな。
二本のブレード、変形する盾、炎氷雷と多様な攻撃手段を持ち。
熟練のゴッドイーター達を翻弄する程に知恵が回り。
ついでに、時々謎の決めポース?をする。
……そしてオウガテイルの顔を持った……誰が呼んだか、「マスク・ド・オウガ」…か。