※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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東方紺珠伝、届きましたー!
久しぶりの新作だぜイヤッフゥー!
…と思ってイージーモード(きもーいと言わないで)で完全無欠モードクリアしましたが、スッゲェ厳しい…。
特に地獄の妖精が。
コントローラーも効き難くなってるし、買い換えた方がいいかな。

ところで、月半ばくらいに実家に帰省するんですが、旅のお供にルミナスアークインフィニティか、ルーンファクトリー4を考えています。
どっちにするべきか…。
3DSに限定せず、PSvitaでも可。
キャラを死なせるのは苦手だから、トリリオンはパスして…実家に帰ってまでダークな気分になりたくないので、気軽な雰囲気のゲームがいいなぁ…。
出切れば後の外伝にも使えるといいんですが…。


第87話

神無月主人公視点日

 

 

 シオ、発見。

 シオ、捕獲開始。

 シオ、取り押さえ成功。

 

 お着替えタイム。

 

 シオ、逃亡。

 

 

 

 ぬぅ…なんだこの、なんだこの……茶番?

 

 そういや、ゲームでも服を着せられそうになって脱走してたよな。

 …ゲームの流れを辿ってる、のか?

 前回ループでも、リンドウさんとナナを相手に似たような事したのかな。

 

 まぁ、とにかくだ。

 俺はシオが、ソーマをコッソリ観察してるんじゃないかと思って、あいつの跡を追い、気付かれて逃げてきた訳だ。

 姿を隠したまま逃げられたのは幸いだったな。

 

 で、家まで戻ってきたんだが……農園をウロウロしていたシオとバッタリ会いました。

 とりあえず捕縛したはいいんだが、アリサにはあらぬ嫌疑をかけられるし、結局扉をぶっ壊して逃げ出すし。

 

 …だが、分かった事が幾つかある。

 シオはどうやら、ソーマではなく俺を観察していたらしいのだ。

 見つけた時、俺やアリサの真似をするように、野菜の葉を弄り回していた…適当に弄っていたようだったが。

 

 何故? と思ったが、それほど不思議はなかった。

 普通のものじゃないが、今となっては俺もアラガミみたいなもんだ。

 ソーマと俺と揃っているのに、俺の方を観察した理由は分からんが…俺は純正のアラガミじゃないし、普通の半アラガミでもないと思うんだが。

 

 いや、だからこそか?

 同じアラガミなのに明らかに違う、そんな俺が気になったのか?

 …分からんな。

 シオは恐らく、まだ人間との触れ合いが全く無い状態だ。

 本来なら死に欠けのリンドウさんを助けて、ちょっとした言葉くらいなら教わっているかもしれないが、そのリンドウさんの暗殺計画を防いだ為に接触の機会は失われている。

 文字通り、シオは真っ白の状態だろう。

 行動にちゃんとした根拠や理屈があるか、非常に怪しい。

 それだけに、シオの行動が読みづらいんだが……。

 

 

 まぁいいか。

 とにかく、シオとの最初に接触は成った。

 アリサが服というかシーツを着せようとしたおかげで逃げられてしまったが、どうやら俺に好意的だってのは確認できた。

 なら、警戒しつつもまた寄ってくるのは予想が出来る。

 …アリサが近くに居る時はどうかな。

 

 今度は背後に気を配っておくか…。

 しかし、アリサじゃないが、確かにあの格好のままなのは無いよな。

 万が一、ゴッドイーター達に目撃されても誤解されないように、怪しくない程度の格好は確保しておきたい。

 ゲームではサカキ博士が発案し、リッカさん達に頼んで服を作っていたが、今回のループではその両方にツテが無い。 

 サカキ博士に至っては、ヘタに繋がりを作ると即座に特異点やマスク・ド・オウガの正体を見抜かれそうな気がする。

 頼むとしたら、リッカさん達かな…。

 

 どうせ頼むなら、前ループ以前に蓄積したデータを渡した方がいいかもしれんな。

 フィードバックも期待できるし、それだけの技術が広まればゴッドイーターの生存率だって上がるかもしれない。 

 問題は乗って来てくれるかどうか、だな…。

 

 一番信用が置けるのはリッカさんだが、一番ホイホイ乗ってきそうなのは鬼杭千切用のパイルバンカーを開発したあの技術者だ。

 でもあの技術者の方は、周りに隠す事なく突っ走りそうだ。

 

 リッカさんか…そういえば、結構前に農園に来てたけど、殆ど話せなかったな。

 この機会に接触を持っておくか。

 この農園に自前の端末は無いが、アリサが持って来た端末を経由してメールを送ればいいだろう。

 通じるとは思わないけど、サカキ博士が以前のループでくれたIDとパスワードで適当なアカウントを偽造して送信。

 

 まぁ、シオ用の服に関しては、やっぱりシオを捕らえてからになるけども…。

 

 

 

 

神喰月リッカ視点日

 

 

 いやー、終わった終わった。

 整備班の月末は地獄だよホント。

 棚卸しもあるし、神機の一斉メンテもあるし、神機以外にも色々と月一回以上の検査をしないといけない仕事が溜まって溜まって。

 普段からちょっとずつ片付けていけばいいとは言うけどさ、私だって色々やりたい事、研究したい事があるんだよね。

 勿論、それにかまけてばっかりで、何処かに不具合が出たら本末転倒なんだけど。

 

 でも、それをどうにかこうにか遣り繰りして、今まで色んな研究を積み重ねてきたんだ。

 父さんの代から研究している課題も、ちょっとずつ、本当にちょっとずつだけど、形になり始めている…と言っても、基礎理論の更に基礎がようやく定まってきた程度だけどね。

 

 こういう試行錯誤を繰り返して、ちょっとずつ大きなモノを作っていく喜びっていうのは、技術者共通のものだと思う。

 そりゃ完成したら名声を得られるとか、金銭的な見返りが期待できるとか、そういった下心もあるけどね。

 言っちゃなんだけど、こういう作業が好きじゃないと、技術者、特に研究者なんてやっていられない。

 

 

 だからこそ、ね…これはちょっと許し難いなぁ…。

 

 

 月末月初の作業が一段落ついて、溜まっていたメールを確認してたんだけど、その中に知らないメールアドレスが混じっていたんだ。

 所謂、迷惑メールって奴かな?と思ったんだけど、フェンリル内部にまでそんなメールを送ってこれるツワモノはまず居ない。

 何より気になったのが、偶然なのか調べたのか、メールのタイトルが私が以前から研究しているテーマについての事だったからだ。

 

 偶然なのか、とは思ったものの、それは考えづらかった。

 だって、父さんの代から研究しているテーマではあったけど、その理論やデータは殆ど注目されていない。

 フェンリルは、机上の空論と断じてしまった…まぁ、そう言われても反論できない段階だって事は事実なんだけど。

 

 とにかく、研究で使っている一部の言葉は、正式に認定されていない、それこそ私しか使っていないような造語さえある。

 その誰にも話してない筈の造語が、そのままメールのタイトルに使われていたんだ。

 

 正直、嫌な予感がしたよ。

 いや、別に論文が流出したって、あんまり困らないんだけどさ。

 どうせ今のままじゃ使い物にならないデータだし。

 

 

 だけど、その予感は大当たりだった。

 ウィルスとかのトラップが無いかを確認してメールを開いたら、そこにあった添付ファイルは…大当たり。

 私が研究していたテーマを、もっと完成に近づけたモノだった。

 ただし、中核となる部分が明らかに削除されている。

 

 そしてメールには一言。

 「これについて詳細を知りたければ、依頼を受けられたし。詳細は某農園にて」とあった。

 

 

 

 

 …うん、確かにこれは興味深いよ。

 あっちこっちのログやら記録やらに、今より未来の日付が入っている。

 捏造や改訂されたものじゃない…捏造したら、必ず何処かでデータの整合性が合わなくなる筈なのに、それが無い。

 つまり、この日付は本物…未来で作られたデータ?

 

 それに、このデータのあちこちに見られるクセ…論文なんかにも、その人特有のクセが出るものなんだけど、それが手に取るように分かる。

 分かる筈だ。

 だって、このクセは私のクセだもの。

 …私じゃない私が、これを作ったの?

 

 いや、それはいいんだ。

 この日付の真贋はともかくとして、是非ともこの資料は欲しい。

 理論の完成に、大きく近付く。

 

 

 

 

 でもね、だからこそ私は許せない。

 技術者のプライドってものを、まるで理解せずにデータを投げてきたこの蛮行が。

 

 さっきも言ったけど、研究者の真髄、真骨頂は、地道な実験と試行錯誤の繰り返しだ。

 革新的な技術とかブレイクスルーなんていうのは、試行錯誤をやり尽くした辺りで出てくる程度で丁度いい。

 先達の積み重ねの上に自分の積み重ねを載せて、次代へ渡していくのが研究者だ。

 

 だけども、こんな風にデータだけ放り投げられて、納得できると思う?

 調べ、試行錯誤する楽しみを奪われた。

 知らない誰か…単純に考えれば、信じ難いけども自分ではない自分…が必死に積み重ねてきた結果を、釣りのエサのようにホイッと放り投げられる。

 

 技術者特有の、いや私特有の感性かもしれないけど……許し難い。

 

 

 いいでしょ、この誘いに乗ってあげる。

 でも、このデータ欲しさにいくんじゃない。

 一発、スパナで殴ってやる為に行くんだから。

 

 確か、あの農園…一度行ったきりだったけど、今はアリサが滞在していた筈。

 新型神機の使い手が、どうなっているのか確かめておくのもいいかな。

 

 よし、善は急げ!

 スパナと、念の為にハンマーとかスタンガンとか用意していくよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 スタンガンどころか事案だった。

 手錠を持ってこなかったのが悔やまれる。

 

 

 

 

神喰月リッカ視点2日

 

 

 えーっと、何がなんだか分からないけど、この子が特異点?

 確かに、人間のように見えて人間じゃないみたいだけど。

 マスク・ド・オウガじゃなかったの?

 

 うーん……ウソ…じゃなさそう…。

 フェンリルに報告しないの?

 まぁ、なんだかカワイイ子だし、フェンリルに渡したら解剖とかされるかもしれないし、通報を躊躇う気持ちも分かる。

 でもやっぱり事案かな…だけど、この子は農園の人に懐いているみたいに見えるし…いや、だからってこれはちょっと…。

 

 

 

  首  輪  は幾らなんでもないと思うんだけど?

  

 

 ギリギリでチョーカーと言い張れない事もないけど、でも長い紐ついてるじゃない。

 思いっきりリードじゃない。

 確かに何処かに結びつけるような事はしてないし、つけられている本人も紐にじゃれついて遊び道具にしているけど。

 

 これが無いと気紛れに何処かに行くのを捕まえられない?

 「ハウス」と「お手」を仕込んでいる最中?

 …いえ、お手はいらないでしょお手は。

 

 そっちはアリサの趣味?

 なんだか子犬みたいでカワイイ?

 …まぁ気持ちは分かるけど……いややっぱり首輪、でもチョーカーだし…と言うか服がボロ布じゃない。

 

 

 ……はぁ、あのデータを送ってきたのはキミで、この子…シオちゃんの服を作ってもらう為?

 それはこの際いいけどさ……ふぅん、普通の服だと嫌がって逃げるのね。

 だからアラガミ素材の服を作る……でも、材料どうするの?

 幾ら私でも、横流し染みた真似はできないよ?

 言っちゃなんだけど、アリサは戦えるようになってる?

 多分、材料を集めている途中でヴァジュラとも交戦する事になると思うけど…。

 

 

 …分かったわ。

 確かに、いつまでもここで暮らせる訳じゃないか…。

 

 でも、すぐにはやっぱり無理ね。

 アリサを戦線に出すかどうかは私達が決める事じゃない。

 雨宮指揮官に許可をとらないと。

 

 それに、戦ったりリハビリしたりはしていないでしょ?

 やっぱり、訓練兵扱いからやり直しって事になるんじゃないかな。

 

 こっちから申請はしておくから、数日中に連絡が来ると思うよ。

 材料が集まったら、私のところに持って来てね。

 それまでは……うん、シオちゃんはこのままって事になるから。

 事案にならないように頑張ってね。

 

 

 

 

 

 うん?

 研究のデータ?

 

 …要らないよ。

 引っ叩きにきたつもりだったけど、面倒になっちゃった。

 

 

 

 

神喰月アリサ視点日

 

 

 ついにこの時がやってきました。

 ゴッドイーターとして復帰する時が。

 

 わかっていた事です。

 そしてそれが望みでもあった筈です。

 ゴッドイーターとして再び戦い、パパとママの仇を討つ事が。

 

 この居場所は…許されるのなら、私の第二のホームと呼びたい…、再び立ち上がれるようになるまでの止まり木であると、わかっていました。

 ここに来た当初は、もう立ち上がれない、もう無理だとずっと思っていましたが……人間って案外しぶといと言うか懲りないですね。

 

 美味しいご飯を食べて、精神的にも肉体的にもゆっくり休んで、気が付けば錯乱しそうになる癖(?)もなりを潜めていました。

 マスターは「汚ッサンに煽られなくなったからかな」とか言ってましたが、汚ッサンって誰でしょう?

 まだ、ヴァジュラと実際に相対した時にどうなるかは自信がありませんが、全く何もできないという事は無いと思います。

 

 …錯乱した時、頭をド突かれる衝撃を思い出せば、なんか冷静になれるようになりましたし…。

 リンドウさんが言っていた、動物の形の雲を探すより効果があります。

 思い出すだけでも非常に痛いですけど。

 

 

 例え錯乱しなくなっていても、楽な道である筈がありません。

 信頼も失われていますし、あの頃の私の言動の為に好感度は限りなく低い。

 ゼロどころかマイナスからのスタートになります。

 

 でも、それくらいで丁度いいでしょう。

 

 

 

 ゴッドイーターに加え、NOUKAとしての修行だと思えば!

 

 見ていてくださいマスター、私は、アリサはやります!

 ゴッドイーターとして、そしてNOUKAとして更なる成長を遂げて帰ってきます!

 ここで学んだ事、そしてマスターへの恩を決して忘れません!

 

 

 …と意気込みはしたものの、出撃しない日はこちらに戻ってくるつもりなんですけど…い、いいでしょうか?

 

 …はい、ありがとうございます。

 少なくとも、私に分けてくれたシモフリトマトの種を育てて収穫するまでは死んでも死ねません。

 

 それに、シオの事も心配ですし。

 ……い、いえ、マスターをペ○だと疑ってる訳じゃないんですよ!?

 どっちかと言うと微妙に非常識なマスターの言動に影響されて、シオが無茶苦茶な事を言い出さないかと心配で!

 

 …あ、自覚はあるんですね…。

 それにしても、頭のいい子です。

 2~3日前に捕まえたばかりなのに、私達の言葉をどんどん理解している…。

 

 でも一番最初に教えた言葉が「オナカスイタ」はどうなのかと。

 まぁ確かに、特異点でマスターに懐いていると言ってもアラガミですから、飢えさせると危険というのは分かります。

 だから空腹を感じたらすぐにそれを訴えるようにするのは、理に適ってはいますね。

 

 まぁとにかく、シオちゃんにお手は教えましたが、まだおかわりを教えていません。

 そういう意味でも、またここに戻ってきます……多分、3日後くらいには。

 

 

 

 それにしても、シオ…どうしていきなり落とし穴に嵌っていたんでしょうね?

 朝起きて農園を巡回していたら、いきなり地面から下半身が生えていて絶句しました。

 畑に植えていたマンドラゴラ辺りが突然変異したのかと思いましたが…。

 

 まぁ、大方農園に潜り込んだ時、偶然落とし穴に嵌っただけなんでしょうけど…そもそもマスター、なんであんな所に落とし穴を?

 ヘタをすると私もかかってたかもしれない位置だったんですけど。

 

 …足跡とかを辿って、シオの巡回ルートに当たりをつけて仕掛けた?

 害獣駆除の技術の一環?

 NOUKAってそんな事まで出来るようになるんですか…。

 

 

 で、私に伝えていなかった理由は?

 修行の一環……?

 日常に配置された危険を、察知できるかどうか?

 

 

 …目を逸らさないでください。

 忘れてたんですね?

 

 全くもう…。

 ま、帰ってきた時には、新しい罠に引っかからないように気をつけますよ。

 それに、わかってますって。

 シオの事はリッカさん以外には話しません。

 ゴッドイーターに戻っても、私はマスターの弟子ですから。

 

 

 それじゃ、新生ゴッドイーターNOUKA・アリサ、行ってきます!

 

 

 

 

神喰月主人公視点日

 

 

 アリサがフェンリルに戻っていった。

 と言っても、フェンリルに個室が用意されているからって、そこでの寝泊りが義務付けられている訳でもなし。

 こっちに戻ってくるのに、特に問題はなかった筈だ。

 

 しかし、アリサが俺の弟子…しかもNOUKAの弟子って…何時の間にそんな事になってたんだ?

 確かに、タダで寝食提供するのも癪だったんで、農園の手伝いとかさせてたが…気が付けば自分からアレコレ聞いてくるようになって、土いじりもミミズも平気になってたが。

 何がどういう経緯でNOUKA志望になってたのかは全くの謎だ。

 

 まぁいいけどさ…。

 何だかんだで立ち直ったみたいだし。

 

 ヴァジュラやトラウマに対する過剰反応(因縁を考えると過剰とは言えないかもしれないが)は、トラウマが全く癒えないように、汚ッサンが延々と突きまわしていた為だ。

 そうでなければ、よくも悪くも時間と共に癒えていく。

 アリサもここ暫く、トラウマとは距離を置いた生活をしていた為か、随分と落ち着いてきた。

 

 …根本的な治療にはなってないと思うけどな。

 それこそ、年単位の時間をかけるか、根本となっている黒爺猫をサクッと狩るくらいの事はしないと。

 

 

 それにしても、今回はアリサと懇ろにならなかったなぁ。

 これから、っていう可能性もあるけど、前ループとかの俺なら同居中に確実に手を出してただろうに。

 時々起こる錯乱の発作に付込めば、簡単に突き進めたぞ。

 

 …ま、いいか。

 偶には真っ当なお付き合いも悪くないだろ。

 問題は、適当なトコで性欲発散させておかないと、シオに手を出すかもしれんって事だが…。

 

 

 そうそう、シオは結局、前回の遭遇から2日ほどして捕獲できた。

 あの後も農園に誰かが入り込んだ形跡があったんで、これはと思って落とし穴を仕掛けてみた。

 単なる穴じゃなくて、そこら辺のアラガミをコッソリ狩ってきて、そのコアをエサとして入れておいた。

 アリサにバレないように狩るのも、いい加減慣れたもんだ。

 

 一度捕まったのに、警戒心無いのかなこの特異点…とか思っていたが、本人にしてみればアレは捕まったのではなかったのだろうか?

 なんか知らんけど俺に懐いてきてたし、考えてみれば最初にシオを組み敷いたのだって、逃げられないように咄嗟に俺が動いてしまっただけで、シオ本人は特に逃げようとしていなかったように思う。

 扉をぶった切って逃げ出したのだって、体に合わないシーツを押し付けられたからだ。

 シオにしてみれば、それほど警戒する理由も無かったのかもしれない。

 

 …でもやっぱりあの格好はなぁ…。

 色気を感じるような相手でも、肉体年齢でもないんだろうが、見事なチラリズムを実現させてしまっている。

 ボロボロの布一丁なので、動けば翻るし、跳ねれば所々破れが広がりそうになるし。

 そのクセ中身の重要な部分はギリギリまで見えないんだから、なんかもうナニカの加護でも受けてるんじゃないかと本気で思っている。 

 それともアレか、特異点は地球の意思に影響されるとかそんな感じで、地球がシオの絶対領域を守っているとでも言うのか。

 

 とにかく、欲情しなくても、ついつい目が行ってしまうのはよく分かると思う。

 人間の目は動く物に吸い寄せられるって言うけど、それと同じ現象だ、多分。

 

 やっぱり早めにどうにかしなきゃならん。

 アリサもゴッドイーターとして動き始めたばかりだし、シオの服が完成するのは暫く先になりそうだ。

 俺の手持ちの素材には、服の材料になる物は無かったしな。

 

 

 …今使っているボロ布なら、シオの不快にはならないんだろうか?

 だとすると、あの布を洗濯してそのまま服に加工……できないな。

 ヘタに洗濯なんかしたら、ボロ布を通り越して破片にまで変わりそうだし、服にしたって元がボロ布じゃ、耐久力に問題がありすぎる。

 あっという間にビリビリだ。

 

 うーん……そうだ、包帯とか使ってみるのはどうだろう?

 布の上から包帯を巻いて、余裕を持たせた上体で間接部分近くを固定する。

 こうすれば擬似的な服の出来上がりだ。

 

 とりあえず試してみるか。

 

 最近はシオ、というのが自分の名前だと認識しているようなんで、呼べば来るようになっている。

 

 

 おーい、シオー。

 

 

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