主人公の謎のかなり重要な部分…なのですが、今までロクに伏線を出せませんでした。
唐突すぎるけど許して腸捻転。
神喰月主人公視点日
とりあえず当面は何とかなった、か。
ツバキさんを完全に味方に引きこむ事はできなかったが、立場や状況を考えれば当然だろう。
アーク計画を防いだところで、世界に平和が訪れる訳でもねーしな。
アーク計画自体、世界に破滅を齎してその後自分が君臨しようってシロモノじゃなく、どうしようもない自然現象が起こるから、何とか生き残りを作ろうって計画だ。
大の為に小を殺す…逆か?…ようなロジックでも、大小共に道連れになるよりよっぽどマシだ。
この辺の取引の内容は、リンドウさんやアリサには教えていない。
アーク計画の情報を与えて、リンドウさんが支部長を探る動きを止めてしまえば、何か気付かれてしまいかねない。
悪いが、暫く囮になってもらうとしよう。
アリサには……うんまぁ…言っちゃなんだが、教えた所で何もできんしな。
下手な情報を与えると、支部長の事もそうだが、汚ッサンの事まで気づいてしまう可能性がある。
ゴッドイーターとして立ち直りつつある不安定な時期に、下手な事は教えない方がいいだろう。
それに、アリサの寝床は現状、支部長のお膝元だからな…。
さて、それはそれとして、フェンリルに行く事になった。
長くて2日程度で済むと思うが、その間のシオと畑の世話はアリサに任せなきゃいかんな。
堂々と理由を話す訳にもいかんから、普通の休日…或いはあるのかどうか分からん有給…の日に来てもらわんと。
休みの日を潰させて悪いね。
丁度いい機会だし、アナグラの端末で情報ゴッソリ引き出せないかな。
でも、この時期だと以前のループでサカキ博士から貰ったIDも効かなくなってるかもしれんな…。
まぁ駄目モトで試してみればいいか。
とりあえず手土産を選らばにゃならん。
アリサが世話になってるし、まずは食堂の方々への手土産と、なるべく皆で分け合えるモノ…あと支部長にも別個で選んだ方がいいかな?
…ツバキさんに、ニラとか山芋とか持っていこうかな。
流石にすっぽんは無い。
エロい気分になってくれれば、何時ぞやの『特異点(マスク・ド・オウガ)の飼い主が俺説』を唱えた時の賭け分を…。
アレ賭けてもいいって勢い任せに言ってたからな!
大筋は間違ってなかったし、俺の所に特異点が居たのも事実だったから、俺の完全勝利とは言えないが…そこは口八丁と強精効果に期待しよう。
これもGE世界産の、生命力とかに満ち溢れまくったシロモノだからな!
効果も期待できるぜ! 多分。
ちゃんとした手順を踏んで薬にすれば、元の世界の強精薬なんぞ目じゃないくらいの効果が出るらしいが……やり方覚えてないんだよなぁ。
オカルト版真言立川流にも、そっち方面の知識は書かれてなかったし。
ま、それは置いといて……色々あって疲れたし、シオと戯れて癒されよう。
そういえば、リンドウさん自身はこれからどうするんだろう?
俺としては、支部長を探り続けて囮になってもらうつもりだが…。
アラガミ状態の俺に、特異点を探せって言われて、本物の特異点を探していた訳だが……それが見つかった。
見つかったはいいが、支部長やサカキ博士に渡す訳にもいかず、農園から引き離してアナグラに連れて行く訳にもいかず、シオを始末する事もできない。
…ひょっとしたら、場合によっては覚悟完了してしまうかもしれないが…その場合、少なくとも俺と戦う事になるな。
多分アリサも参戦するだろうが、終末捕食による人類滅亡とシオを測りにかけたらどうなるか、微妙な所だ。
神喰月主人公視点2日
日程を調整して、俺は今日、アナグラを訪れている。
随分と久しぶりな気がする。
まぁ、1つの世界に滞在するのが(と言うかデスワープする間隔が)約3ヶ月程度で、今回のGE世界では既に1ヶ月経っているので、半年以上ここには来ていなかった計算になる。
実際久しぶりではあるが。
シオと農園の方は、休暇を取っているアリサに任せている。
シオのご飯も多めにストックしておいたので、飢えて暴走する事はないだろう。
支部長が何処かと打ち合わせの為、俺との面会時間はもう少し後になるそうだ。
呼び出しておいて済まない、とツバキさんに詫びられた。
俺としては、それより食堂の狂乱を治めた方がいいと思うんだけどな。
手土産持ってきたら、あっという間に情報が広まってしまった。
…以前にアリサに差し入れした時もこんな按配だった、とは聞いていたが…これ程とは…。
ツバキさんが食堂の鎮圧に向かい、俺を監視している視線も無さそうだったんで、ちょっとアナグラの中を歩き回ってみた。
監視カメラがあるので、機密がありそうな所には入れない。
とりあえず、毎回俺の部屋として割り当てられる部屋に行ってみた。
どうやら誰かが使っているようだ。
…特異点目当てに、極東にゴッドイーターが流れてきたって聞いたが、その人かね?
それと、情報を引き出す為にターミナルを使いたいんだが……厄介な事に、俺が知る限りターミナルがある場所には全て監視カメラが設置されている。
幾らかはダミーがあるかもしれないが、まぁ当然と言えば当然の処置だよな。
機密情報だって入ってるんだし、ゴッドイーターにとってはPCであると同時にATMみたいなもんだ。
監視しない方がおかしい。
さて、しかしそうなると厄介だな。
サカキ博士のIDがまだ有効か確かめるだけでも、監視カメラに画像として、ターミナルにはログとして残ってしまう。
俺がそのIDを打ち込んだ、という事を特定されてしまいかねない。
何故そのIDを持っている?と尋問されるのがオチである。
カメラがついてないターミナル……いや、あるにはあるな。
ゴッドイーター各員の部屋に配置されているターミナル。
…流石にカメラは無い…よな?
しかし、どっちにしろそこを使おうと思ったら、ロックがかかっている部屋に入らなければならない。
…誰かが部屋に入る瞬間に割入って気絶させるか?
それとも、カメラに霊気をぶつけて一時的に故障させるか?
…いや、よく考えたら協力してくれそうな人が居たわ。
リッカさんが。
あの人なら、ターミナルのログの改竄だってできるかもしれん。
という訳で、ちょっと相談してきた。
が、残念ながらターミナルのログを弄るのはかなり難しいらしい。
リッカさんの部屋の端末を使う事はできないって事ね。
代わりに、空き部屋に設置してある端末を使えるようにして、一時的にそこに入れるようにしておく、と言ってくれた。
ついでに、何か面白そうなデータがあったら取ってきてくれ…だそうな。
ナチュラルに危ない橋を渡るお方である。
準備に少し時間がかかるので、支部長との会合の後になる。
さて、どうなる事か…。
ファッ!?
神喰月主人公視点3日
えー、ちょっと今ワケの分からない状況に居ます。
なんつーかその、狩りの最中に溜め切りに行った大剣がバス亭で…防御しようと思った盾がお鍋の蓋だったような……スマン、忘れてくれ…。
えー、まずはですな。
支部長との会合ですが、まぁいつも通りというか何というか。
頼むから比喩とか使わずに、もっと直接的に喋ってくれ。
アーク計画の事を暗示しているんだな、って思うような所は幾つかあったが、正直言って何が言いたいのかサッパリ理解できないレベルだった。
政治家やマスゴミ相手に答弁してんじゃねーんだからよ……。
そりゃ、アーク計画の事を大っぴらに語るワケにはいかんのも分かるけど。
適当に返事してたら、よく分からんウチに支部長が納得した顔をして、話が終わっていた。
ついでに、何かチケットを渡されたんだが……なんぞコレ?
「機が訪れるまで、持っていてくれたまえ。 使うかどうかは好きにしていいがね」なんて言われたんだけど。
調べてみたが、少なくとも極東で流通しているチケットじゃない。
金券にもならん。
…やっぱアレか、アーク計画乗船用のチケットか?
でもそんなモンを、どうして今この段階で渡すのやら。
やっぱ支部長が考えてる事は、イマイチよく分からん。
とりあえず、支部長との話が終わった後は、リッカさんに会いに行った。
情報を引き出すのに使える端末の事を聞きに行ったんだ。
流石というべきだろうか、既に準備はバッチリで、とある空き室を使えるようにしてくれていた。
ゴッドイーター達に見つからずに移動し、カメラだって何処にあるのか大体予想できたんで、特に問題なく部屋に入り込めた。
サカキ博士から貰ったIDも、まだ変更されてなかったようで、データベースに潜り込む事が出来た。
そこまでは良かったんだ。
正直に言おう。
サカキ博士なのか支部長の子飼いなのか、俺は極東のセキュリティを甘く見ていたらしい。
正しくないID・パスワードでログインが弾かれた時、ロックがかかる、或いはどこかに連絡が行くのは想定していた。
そこはクリアできていた。
が、例え正規の方法を使っても、ファイルを開いた時に無条件に足跡が残る、というのは考えもしなかった。
そうだよな、極秘データのセキュリティなら、それくらいやってもおかしくない。
本当に極秘のデータなら、そもそもデータ化せずに物理的に目視しなけりゃ確認できないような、紙束形式にする事だってあるんだ。
俺の想定が甘かった。
要するに、重要そうなファイルをサカキ博士のアカウントで開く⇒何処かにその痕跡が書き込まれ、それを見た人が博士に確認を取る⇒いや、知らないね。スパイかな?
という流れ。
幸いだったのは、監視カメラが無かった事と、年の為に部屋の扉をロックしておいた事。
不幸だったのは、憲兵の類が部屋の直前に来るまで、俺が気付かなかった事。
不幸中の幸いだったのは、扉が開かれる前に俺が憲兵に気付いた事だろうか。
そして、完全な密室である部屋の中で、逃げる、或いは隠れる場所を探そうとした俺は、ナニがどうなったのか、謎の空間に居る。
いや本当、何がどうなったんだろうか。
そしてここは何処なんだろうか。
奇妙な居心地のよさを感じる。
まるで故郷に帰ってきたような、「自分が本来居るべき場所に居る」と確信を持ったかのような居心地の良さだ。
上も下もアテにならない、真っ暗な空間の中、遠くで、近くで、いくつもの小さな光が瞬いている。
感覚を研ぎ澄ませば、あっちこっちに等間隔で並んだ線が見える。
そして、俺の体に向かって3方向……いや、時々4方向から突撃してくるのっぺら(小)達。
最初は何体か迎撃したんだが、数が多すぎる上、ホーミング性能が高すぎる。
俺に向かって突撃してきて、激突したのっぺらは、ナンだかよく分からんが俺の体に吸収されていた。
害は無い…と、思う。
俺の精神的ダメージ以外は。
というより、恐らく俺は「こうやって存在するようになった」。
…ナニを言ってるのかわからないと思うが、俺も分からん。
ポルポル並みに理解できんが、本能が理解している、多分。
…この際、整合性だとか誤解だとか正解だとかどうでもいいから、感じている事を箇条書きで記す。
まずのっぺらが気色悪い。
俺の体はのっぺらの集まりで出来ている。
…ここまでは、以前の妙な夢で何となく気付いていた事だ。
この辺からが本番。
多分、この空間は俺が生まれた場所だ。
3つの世界のループに巻き込まれる前の記憶もあって、その中にこんな空間があるなんて全く覚えが無いが、それでも俺はここで産まれた。
GE世界の妙な空間って事じゃなくて……多分、この空間に非常に良く似た性質を持った何処か、が俺のルーツだ。
そんで、流れ込んでくるのっぺらの一人一人…こいつらが、俺の体をちょっとずつ強化していっているようだ。
うーむ、最初の頃は貧弱君だった俺が、身体能力任せにNOUKAの真似事できるようになったのは、こいつらが原因だったのだろうか…。
直感に任せて、この空間の中を動いてみる。
なんつーか言葉にし辛いが、空中に窓口を作るというか……アレだ、何となくできそうだったんで、空間に映像を投影。
…上手く行った。
どこをどうやったかは聞かないでほしい、説明に困る。
本当に困る。
とにかく、俺がイメージした通りに空間にディスプレイっぽいものが生まれ、そこには何処かの部屋が写っている。
と言うか俺がさっきまで居た部屋だ。
そこには憲兵らしき人物が居て、部屋を荒らしまわっている。
音は聞こえないが…多分、「何処に行った」「まだ近くに居る筈だ」的な会話をしているんだろう。
つまり、俺は肉体ごとこの空間に入ってきているワケか。
それも、最後の『あっち側』での行動を鑑みるに、恐らくはターミナルを通じて。
何をどう考えてそれを実行したかは定かではないが、右手でターミナルに触れた状態で、なんつーか…感応現象的な何かを起こそうとした覚えがある。
それが実現できてしまったって事は、何か?
俺はターミナルを相手に感応現象を成立させたって事か?
アリサでさえも成立しなかったというのに。
いや、肉体ごとこの空間に入ってきている時点で、普通の感応現象じゃない。
ワープの類?
うーむ…。
憲兵が暫く部屋から去りそうになかったので、その間にこの空間の事をちょっと調べてみた。
遠くでピカピカ光っているナニカと、俺に流れ込んでくるのっぺら以外は何も無い空間だ。
とりあえず、のっぺらが何処から流れ込んでくるのかを追ってみた。
正直言って気色悪かったが、明らかに異常なこの事態…ひょっとしたら、ループに関する重要な情報が得られるかもしれない。
…と勇んで向かってみたところ、のっぺらは空間に空いた穴から流れ込んできていた。
そーいや夢でもこんなカンジだったな、と思ってより詳しく調べようとしたが、なんかこう…見えない壁に阻まれる。
次元断絶とか、第三の壁とか、そんな感じか?
またしても出来そうな気がしたんで、ディスプレイ投影。
…のっぺらの3つの流れの内、2つは成功した……5秒も経たずに消えてしまったが。。
そこに投影されていた映像は、明らかにGE世界のモノじゃない。
MH世界と、討鬼伝世界の光景だ。
…う~む…。
のっぺらが流れ込む穴をルートにして、その先の映像を映し出したようなんだが…つまり、この穴は別の2つの世界に繋がっていて、そこからのっぺらが入ってくる?
でも討鬼伝世界ならともかく、MH世界にはのっぺらなんて居ないよな。
…いや待て、本当にアレって別の世界の光景か?
映像が妙に乱れてたせいかと思ってたが、映し出されている生物の動きが不自然すぎる。
映像が途切れたのだって突然すぎる。
映像が荒くても映ってはいたのが、まるで誰かがテレビの電源を強引に抜いたみたいに唐突に消えた。
…監視されている?
ここがターミナルの中であるなら、不自然なアクセス経路が発見されて、それを潰される…というのは不思議な話ではない。
要するにハッキングと、それを防ぐ防壁だ。
…アカン、ナニがナンだか分からなくなってきた。
混乱してたけど、混乱を通り越して目の前にある情報すら処理できなくなりつつある。
憲兵も部屋から去ったようだし、退却するか…。
しかし、どうやったら出られるんだ、ここ…。
神喰月主人公視点4日
ワケの分からん空間から、扉を開けるよーな気軽な感覚で脱出して、今の俺は農園に居る。
アリサが滞在してくれたおかげで、何とかシオも農園も無事だった。
アリサは休暇が終わったので、アナグラに帰って任務中の筈だ。
代わりにシオの晩御飯のストックが無くなったけどな。
無邪気に食べてるのがカワイイ、ってアリサがホイホイあげちゃったらしい。
まぁ、そっちはまた狩ればいいだけの話だ。
普通の生物と違って絶滅なんかしない(むしろさせたい)相手だから、気兼ねなく狩れるのがいいね。
結局、あの空間は何だったのか…。
恐らくサイバースペースと言うか、電脳空間と言うか、そんな感じの奴だろう。
唐突にSFチックになったものである。
と言うか、なんだって俺にそんな能力が備わってたのやら。
あの空間の中で感じたように、俺があそこで産まれたのであれば、まぁ分からないでもないが…。
ん?
でも、ループが始まったのってMH世界からだよな?
そうなると、俺がGE世界のサイバースペースで産まれたのと矛盾しないか?
あの空間で生まれたなら、GE世界か…仮にそこで死んだとしても、討鬼伝世界からループが始まると思うんだが。
…分からんな。
幾つか仮説は思いつくが、不愉快な結論ばかりだ。
どうやらターミナル…というより、恐らくはインターネットに繋がる電子機器…を経由しないとあの空間には行けないようだ。
フェンリル内部に入り込まないと、また試してみる事もできない。
多分、他の2つの世界に至っては、入り口さえ無いだろう。
出来る事なら、今回のループで色々解き明かしてしまいたいものだ。
さて、それはそれとして、よく分からんウチに支部長に言質を取られ、極東における農園作りに協力する事になってしまった…らしい。
らしい、というのは、支部長の話の何処でそれを俺が承諾したのか、サッパリ分からないからだ。
なんか騙されてる気がするが……まぁ、農園をあちこちに作ると言うなら、俺としては反対する理由は無い。
この世界の食糧事情の改善、という目的に、少しでも近づけるだろう。
形さえ作ってしまえば、後はアリサに任せておけばどうにかなる。
その程度には、アリサも熟練度が上がっていた。
さて、それは置いといて…ツバキさんが家にやってきた。
そういや、ツバキさんって支部長との話を盗聴器使って聞いてたんだっけか。
…ひょっとして、支部長の話が分かりづらかったのって、盗聴を警戒してたからでもあるんだろうか?
どんだけ警戒しとんねん…実際に盗聴されていた以上、警戒しすぎとは言えないが。
ちなみに昼間だから、シオは寝てる。
ともかく、ツバキさんの用向きは、支部長との話についてだ。
…ナニがなんだかよー分からんウチにああなってた、と言っても信じてくれない。
「秘密裏にアーク計画とやらさえ探り出す貴様が、あの程度の会話で混乱する筈があるまい」って………ああうん、言ってる事は分かりますよ。
実際、探り出そうと思ったら、とんでもなく頭がキレる奴じゃなければ、跳ね返されて『処理』されるだけってレベルの機密だしさ。
でも俺の場合、最初から知ってたってだけなんだよね…とてもじゃないが説明できん。
…まぁ、ツバキさんと敵対する事にはならなくて、良かった良かった。
支部長に協力する事にはなっているが、それはあくまで畑の拡張その他の事のみ。
食料の自給率が上がる事に、ツバキさんとしても異論は無かった。
…で、その後は「これからどうする?」的な話を(かなり一方的に)された。
具体的に言うと、出し惜しみせずに隠してる情報全部吐けやオラァ、みたいなカンジで。
…酒飲みながら。
長い話だし、シラフで話せるような事でもない。
いや、真面目な話なんだから普通はシラフだろって言われると反論できないけどさ。
実際色々隠してるしな…信用できないだろう、と思って黙ってた奴から、個人的にバラしたくないモノまで。
後者はともかく、前者を隠したところで全く意味は無い。
こうやって聞き出そうとしてくるんだから、それなり以上に情報の信憑性を認められたと思っていいだろう。
とは言え、GE無印についての情報は、もう大した奴は残ってない。
GEBに至っては、リンドウさんが無事だから発生しない可能性が大。
GE2は……どうだろうな。
アレって終末捕食が防がれたから、その代理を探そうとして発生するイベントだったし。
まぁ、仮に終末捕食を防げた場合、どんな事態が考えられるかってのは、重要と言えば重要な情報だが…。
赤い雨とか、フライアのモノスゲェ胡散臭い博士とか、悪女的なキャラだと思ってたらヘタレだった赤い方の博士とかの情報は省いて、次の特異点が産まれる可能性がある事を伝えた。
つまり、今回を凌いでも、根本的にどうにかしない限り、終末捕食の危機は消えない。
ツバキさんが頭を抱えていた。
気持ちは分かる。
人類が生き延びようと思ったら、分の悪い…どころじゃない、勝ち目なんぞ無いに等しい戦いに勝ち続けなければならないのだ。
そう考えると、アーク計画は確かに非常に有効な手段だろう。
一度終末捕食を終えてしまえば、当分は同じ危機は訪れない。
代わりに、新しい世界の中で一から生存権を確立していかなければならないが…問答無用で世界が滅びる可能性は激減するんだ。
…俺もシオとかに関係が無かったら、そっちを支持してたかもしれんなぁ…。
ウンザリした様子のツバキさんと顔を見合わせ、手元のビールを一気に呷った。
その辺からは、もう愚痴大会だ。
ヤケになったのか、意外と酒に弱いタイプなのか、それとも内部情報をこっそりリークするつもりなのかは分からんが、フェンリルの裏事情とかもちょこちょこ話しに出てきた。
次回ループに使えそうな情報も幾つか…覚えとこ。
そんで、まぁなんだ、いい加減予想もついてるだろうが。
ツバキさん、美味しくイタダキマシタ。