ホルモン治療とタマタマ切除を経ても女の子として自信を持てないMTF女子大生が彼氏と手探りで初エッチする話 作:喋家月餅太
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 性転換 MTF トランス女性 初エッチ 大学生 セックス アナルセックス 肛門性交 カップル 恋愛 性転換 TS
これまで何度かセックスに誘う彼氏だったが、ホルモン治療を開始するまでまで待ってほしいと言われていた。
ホルモン治療を始めてから体調不良に悩みながら体が女性化していく自分を支えてくれた彼氏に「この人になら初めてを捧げたい」と考える。
二人はラブホテルで男性同士と思われて断られるリスクを避けて郊外のコンテナホテルに二人で泊まることにする。
ネットで調べた情報を頼りに手探りのアナルセックスをはじめる。
彼氏の車の助手席でAは緊張していた。
彼氏のSもそれは一緒のようだったが、Aは緊張以上に不安だった。
これから行く場所でする事でSに幻滅されないかが気になっている。
本当はずっと楽しみにしてた。そのチャンスはこれまでもあったがAは待って欲しい事があって一年以上Sにお預けを我慢してもらっていた。
Sは機会を断るたびに「女の子にとって大切な事だから慎重にしようね」と優しかった。
Aは嬉しかったが同時に申し訳なかった。Aは男子の気持ちもある程度わかるつもりだったからそれがどれだけ辛いかを他の女の子よりも理解しているつもりだからだ。
助手席でどことなく緊張した空気の中で平静を装って他愛もない会話をしていたが目的地が近づくためにお互いの緊張が増していくのがわかった。
郊外のロードサイド店舗が続いているあたりを過ぎてすぐに目的地が顔を出し、Sはその駐車場に車を停めた。
駐車場で降りるのがなんだか惜しいと感じた二人はどちらともなくキスをした。キスは何度もしているが今日のキスはいつもと違った。深い。とても丁寧で感触をゆっくりと伝えるキスだった。
そのキスはこれからする事を表しているようでAは胸が高鳴った。
しばらくキスをした後、二人は車を降りた。
二人が来たのは郊外のコンテナホテルだ。今日はここで付き合って初めてのお泊まりだ。もっとも、AとSはお互いに初めての恋人なので恋人と一夜を過ごす自体が初めてになる。緊張していたのはその為だ。
コンテナホテルというのはこの頃増えて来たビジネスホテルのタイプで、普通のビジネスホテルのようにビルの中に客室やその他施設を作るのではなく、貨物コンテナを改装して作った客室や施設を郊外の広い土地に並べて作った宿泊施設だ。
見た目としてはアメリカ映画に出てくるモーテルに近く客室がそれぞれ独立したコンテナになっている。各客室の前に宿泊客の車を停める駐車場がある。駐車場に関しては駐車場のエリアと宿泊施設のコンテナのエリアと分けたレイアウトの場所もあるらしいが、初めて二人で夜を過ごすカップルにとっては客室と駐車場がセットのここのレイアウトがちょうど良かった。誰かに会うのが気まずいからだ。
予約は専用サイトから行うので客室と駐車場が予約成立時点で確定していて番号も知らされる。その番号の駐車場に停めればいいので楽だ。
二人は知ってる人はいないとはいえ人に会うのがなんだが気まずくて周りをキョロキョロしてフロントのあるコンテナに向かった。
コンテナを並べた簡素な見た目でもきちんとした宿泊施設なので宿泊手続きは普通のホテルと変わらない。フロントのスタッフに予約メールの番号を見せると規約を説明され、サインを求められた。Sが代表者として予約しているのでSがAの分も記入して最後にサインをした。
フロントのコンテナでは各自一食冷凍食品が貰えることと飲み物やつまみなどの軽食を買えることを説明された。
素泊まりだが、客室に置いてあるQRコードから出前も頼めるらしい。思ったよりも便利だし一般的なビジネスホテルと変わらなかった。
二人は冷凍食品をもらい、酒や食べるものは来る前に買ってあったのでそのまま自分の泊まる客室コンテナに向かう事にした。
AはSが手続きをしている間、一緒に説明を聞きながらフロントのスタッフが自分たちをどう見ているかが気になった。
男女二人組、カップル。そう見えているかを気にしながら時々、防犯用に設置されてると思われる鏡に映る自分を見た。
自分は二人きりの時間を過ごすためにこの男性と一緒にやって来た彼女だ。そう見えてると何度も自分に言い聞かせた。
それと同時に部屋の中で当の彼氏からそう見続けてもらえるかが不安だった。
Aは不安の表情を隠しきれないままSに手を引かれて自分たちの泊まるコンテナに入った。
中に入ると二人は驚いてその内装を見た。
小さめだがコンテナの中とは思えない、ホテルやアパートのような過ごしやすそうな部屋だったからだ。
そして、ベッドは一基のセミダブルベッドだった。つまり、Aは今日、このベッドでSと一緒に眠る。
それどころか恋人同士で一つの部屋に一泊するのだ。眠るのとは別のこともする。
二人は酒や食べ物を備え付けの冷蔵庫にしまうと、ベッドに腰掛けた。
車の中以上に緊張しているのがお互いに伝わってくる。顔を合わせてるが目を合わせる勇気が出ない状態でいる。
Aはそんな中、視線を下に向けた。Sの足の付け根は盛り上がっている。その意味は考えなくてもわかる。緊張していてもこれからする予定の行為を期待しているのだ。
SはAの顔にそっと手を触れ口付けをした。そしてSは顔を手から肩に下げる。そして、手が胸に届こうとした時、Aは優しく手を掴んで止めた。
「……?」
「そ、その、シャワー浴びよう? あと、『準備』もしなきゃ」
「そうだね。『準備』があるよね」
付き合って一年半になるがそうとは思えないほどぎこちない。お互いの口調や行動が噛み合ってない。
恋人として大事なステップをこれから迎える。しかも、一般的なカップルとは同じようにはいかない。その事にお互い戸惑っているのだ。
AとSはそれぞれバッグの中から何かを取り出した。お互い形は違うが大きめのポーチだ。それはこれからしないといけない「準備」の為のものだ。
二人は目を見合わせて頷きあった。
「じゃ、じゃあ、あたし、シャワー浴びてくるね」
「わかった。次俺行くね」
「うん、時間かかると思うから待っててね」
「待ってるよ」
Aは付き合いたての頃よりもぎこちなく言葉を交わすとユニットバスに入った。
このホテルの客室の風呂はトイレと風呂が一体化した三点式ユニットバスだ。
とはいっても、ワンルームマンションや安いビジネスホテルにあるような感じのものだ。
本音を言うとAはお湯を張って浸かりたかったが、これからする「準備」のことなどもあるしSがこの後シャワーを浴びることも考えシャワーだけで済ますつもりだ。
まず、Aは持って来たバスローブをタオルを干す場所にかけて来ていた服を脱ぎ始めた。
セミロングの髪にボーイッシュな格好のAはシャツとパンツを脱いでからブラジャーとショーツを外した。
全裸になったAはトイレと洗面台の後ろにある大きな鏡に自分の姿を写した。
そこにあるのはボーイッシュな女の子に見えると希望を持ちながらここにいる、小さな乳房と小さなペニスを持った自分の姿だった。
Aは女子大生として大学に通っているが戸籍上は男性だ。
高校までは男子生徒だった。つまり、MTFと言われる存在だ。男性として生まれたが、性別を女性に移行する為に言葉遣いを変え、服装を変え、身体を変えて女の子になろうとして来た。
性別移行を始めたのは大学入学と同時だ。それから数ヶ月後にSと付き合い初めて付き合って一年半になろうとする今日、エッチをする為に一夜を共にする為にこのコンテナホテルに来たのだ。
Sは中学の同級生だが卒業と同時に遠方に引っ越し祖父母を頼ってAと同じ大学に通う為に戻って来た。
Sは大学で数少ないAの男時代を、戸籍上男性である事を知ってる人物だが、それでも女の子として見てくれて交際している。
そんなSがおちんちんがある股間と丸みのない腰を見て男としてしか見れない、恋人として見れないとなったらどうしようと不安だった。
これまで身体のことはSに話してきている。だから服を脱ぐとAがどんな身体をしているかは知っている。だが、知っているといざ目にするのでは違うはずだ。
Aは男の子が興奮できなくなるとどうなるか知っている。自分が男なのか女なのか悩んでいた頃に女性のヌードを見た時に自分のおちんちんがどうなったかで経験しているからだ。勃たないどころか縮んでしまう。そうなったらお互いにギクシャクするだろう。
Aは華奢な男の子に控えめな乳房をつけたという趣の自分の身体を見ながら怖くなった。
だが、ここで怯んではいけない。Sはこれまで待ってくれたのだ。胸がないから、精子が出るから、そう言ってAがセックスを先延ばしにするのを辛抱強く性欲を抑えてくれていたのだ。
仮にもいざ勃たなくなっても挑戦してもらって気持ちよくなってほしい、そう自分に言い聞かせた。
自分の下半身で萎えるなら上半身だけ裸になってSのおちんちんは手コキやフェラで気持ちよくなってもらえばいい。どんな女の子より上手くできる自信がある。おちんちんの感覚をAは知っているからだ。
とにかくSには気持ちよくなってもらいたい。
Aはおちんちんに手を伸ばしてペニスの裏、陰嚢を摘んだ。Aの陰嚢は空っぽだ。しかも女性ホルモンの影響で萎縮して袋というより柔らかいかたまりといった感じだ。
陰嚢が空っぽなのは睾丸の摘出手術を受けたから。もうAの陰嚢はタマ袋じゃない。もうタマが入ってないからだ。
股間に睾丸がないことは精子も男性ホルモンも作られない。女性ホルモンもよく効くようになり胸も睾丸をぶら下げていた頃よりも成長した。同時に筋肉も落ちたし肌もきめ細かくなった。
おちんちんがまだ付いているのでまだ完全に女の子じゃないし戸籍も変える条件を満たさない。でも、身体は今までではあり得ないくらい女の子に近づけた。
Sに抱かれるのにここまでの節目もないだろうと思った。
Aは覚悟を決めて持って来たポーチを開けた。
ポーチの中には浣腸器が入っている。
女の子に近づいたといっても女の子が男の子とエッチする為の器官である膣はAの身体にはない。
AがSのおちんちんを受け入れるにはお尻の穴を膣の代わりに使うのがベストだと思った。
AのようなMTFや男の子同士のカップルで愛し合うのに一般的な方法だという話は聞く。他にもおちんちんのあるもの同士の愛し合い方はあるのは知ってる。
だが、男の子と女の子がするのと同じ姿勢で愛し合うのにはこの方法がベストだ。
ここでする「準備」というのは水浣と俗に言われるぬるま湯を肛門から直腸に流し込んで中を洗浄することだ。
そもそも肛門は性感帯はあるが性器ではない、便を出すための器官だ。そこにペニスを挿入してセックスをする場合、終わってペニスを引き抜く時に中に溜まっていた便が出てしまいベッドを汚してしまったり、挿入した時に便意でセックスどころじゃなくなってしまうらしい。
Aはまだ経験がないのでどんな感じかわからないが、ネットで知り合ったAと同じ身体の状態のMTFの友人から水浣は絶対にやるべきだと聞いた。その友人は男子として元彼と交際していた時に何も知らずに彼氏の自室でそのままセックスをして緩い便を彼氏のペニスを抜いた時にベッドにぶちまけてその後が大変だと聞いた。
自室はもちろんだが、これから泊まるホテルのベッドでそんな事になるのは避けたい。それに大切な思い出になる初エッチがそれでは悲しすぎる。
Aはしっかりとお尻の穴でSのおちんちんを受け入れる準備をしようとした。
まずはスマホでブックマークをしていたやり方を解説するページを頼りに洗面台でぬるま湯を出して浣腸器の中に溜め始めた。
十分溜まったらそれを持って便器の前に立つ。そして浣腸器を肛門に差し込んでぬるま湯を直腸の中に注ぎ込んだ。
小さい頃に熱を出した時に座薬が苦手だったが、それと同じで中に生ぬるい液体が入っていくのは気持ち悪い。Aはその感覚に耐えつつ浣腸器に入れたぬるま湯を全て注いで便座に腰掛けた。
初体験の場所をビジネスホテルにしたのには二つ理由があるがそのうち一つはこれだ。風呂とトイレが一緒のユニットバスの方が都合がいいからだ。
調べるとラブホテルは殆どがトイレと風呂は別になってるらしい。特に風呂は二人で入れるように広いものも多いらしい。それだと、家で試した時にそうしたが風呂の排水溝の蓋を外してそこに肛門に溜めたぬるま湯を出す必要がある。
さすがに風呂場の排水溝を和式便器のようにまたいでしゃがんでお尻に入れたぬるま湯と中に残った便を出すというのはその後に彼氏が入浴する事を考えると抵抗がある。一緒に入浴する事もあると考えれば尚更だ。
Aは直腸に入れたぬるま湯を大便をするのと同じ要領で便器に出した。おしっこのようにお尻の穴から勢いよくぬるま湯が出ていく。全て出し終わるとお腹の中がスッキリして落ち着いた気分になった。
ぬるま湯を肛門から出す際に小さな固形のものの感触があった。立ち上がって便器の中を見ると便のかけらが何個か便器に溜まった水に浮いている。水も少し茶色がかっている。便意はなかったが直腸の中には便は結構残るものらしい。
Aは再び浣腸器にぬるま湯を入れて肛門に差し込み同じ事を数回繰り返した。
何度目かになると便器の中は出した後も透明な水のままだ。便も出し終わり直腸の中がきれいになったらしい。
Aはそれを見ると水を流そうとしたがそれをやめてもう一度便座に腰掛けた。
直腸を刺激したことが関係しているのかわからないが、おしっこがしたくなったからだ。
人差し指と中指でペニスを抑えて下に向けるとAはおしっこを出した。
Aはおしっこをする時は必ず便座に腰掛けてしている。和式トイレの際にもしゃがんでしている。ペニスがあるから立ってすることは出来るが、ペニスがあってもAは女の子だ。立ってするなんてごめんだと考えている。
おしっこを出し終わるとペニスの先端と肛門をそれぞれトイレットペーパーで拭いて水を流した。
それからAはシャワーを浴び始める。
これからSに抱かれるのだ。頭の先から足の先まで丁寧に洗いシャワーで流していく。
ずっと待ってもらってきたがA自身もこの日が来るのを楽しみにしてきた。待ち望んできた。
身体をすすぎ終わるとバスタオルで身体を丁寧に拭き鏡に映る自分の姿をもう一度確認した。
華奢ではあるが間違いなく男性の骨格。それに筋肉が落ちて脂肪がついて少し丸みを帯びている。そして女性ホルモンによって育った小さい乳房と女性ホルモンによって小さくなったおちんちん。
Sは自分の裸を見て女の子だと思ってくれるだろうか。自分の裸を見て勃起してくれるだろうか。その事がとても心配だ。
A自身もMTFが変に女の子女の子した格好を体系や容姿を考えずにして奇異に見えるのを防ぐために女性にしては背が高い事を長所にするべくボーイッシュな女の子を目指して性別移行にあたっての容姿づくりをしてきた。
まだパス度が低いころには女の子っぽいかわいい男の子として見られるのもアリと考えて人からの見られ方を意識してきた。
今の自分はボーイッシュな女の子なのかガーリーな男の子なのか、特にSからはどちらに見えるのかは気にしていた。
Aの本音は女の子だと思ってもらえる事が望みだ。だけど、Sが興奮してくれるなら好きで居てくれるならかわいい男の子でもいいと思ってる。その割り切りはトランスとして不幸になりたくなければある程度しなければならないと考えているし、一番の望みはSに愛されることだからだ。
バスローブを掴んで着る前にもういちどAは自分の姿を見た。
AがSだけじゃない、他人からどう見られるか、これもラブホテルじゃなくビジネスホテルを選んだ理由だ。
Aが男の子に見られる、MTFだと見抜かれたらラブホテルを使うのに不都合だからだ。
ラブホテルは女性同士の客は歓迎されるが男性同士の客は断られる所が殆どだ。理由は色々あるが十分な準備をせずにセックスを初めて便で部屋を汚す男性カップルが少なくないらしい。それを防ぐためにラブホテル側は男性同士の客を断るのだそうだ。
ラブホテルの店員にAが男の子に見られたら断られるし、事実身体的には男性同士のカップルだ。Aが睾丸を摘出してる以外は二人とも男性器のある身体だし、汚すリスクのある肛門でのセックスをするのは事実だ。
確実に泊まれる場所できちんと配慮して行為をする。そうする必要があったのだ。
二つのラブホテルを利用しない理由を考えて見るとAは本物の女の子じゃないことをどこまでも突きつけられる。
でも、男の子の身体を持つ女の子に生まれたことを気にしてもしょうがない。そうであっても事実、AはSの彼女だ。
裸を見てもSの気持ちが変わらず、気持ちが盛り上がってくれる事を祈ろう。
Aはバスローブを着て、着てきた服を手にとってユニットバスを出た。
「おまたせ」
「終わった?」
「うん」
短い会話だが、ユニットバスでした準備がこれからSとのセックスの為であることを意識して照れた。
「俺もシャワー浴びてくるね」
「待ってるね」
Sは特に緊張したり照れたししてる様子もなくいつもの調子でユニットバスに入っていった。
Aは一人きりになった客室のベッドの上で周りを見回した。
一泊だけだし目的は一つなので荷物も下着の着替え程度だ。
だが、枕元には見慣れないものがあった。それは飲料のペットボトルより補足一回り小さいプラスチック製のボトルだった。
そのボトルの中身はローションだ。今日の計画を立てるに当たってSが買ってくると約束していたものだ。
Aがこれも買ってくるつもりだったが、「彼女の初めてをもらう男の責任として」Sが用意すると主張していたものだ。
肛門は膣のように濡れない。そこにおちんちんを挿入するにあたり馴染ませるのに必要なものだ。
Aはローションの存在を意識すると緊張した。そのつもりだししっかり二人で計画を立ててここに来たがこれからSに抱かれると実感をした。
部屋の静かさが耳に付く。
その静けさの中で浴室からはショボショボと水がある程度の高さから溜まった水に落ちる音が聞こえてくる。
Aは久しぶりにこの音を聞く。これはSがおしっこをする音だ。Sは男性なので立っておしっこをしているのだろう。
自分が立ちションをするのは嫌だがこうして男の子が立ちションをする音を聞くのは好ましく感じる。
音を聞くとSのおしっこが出る部分がこれからAの身体の中に入ってくると意識して興奮してきた。
(わたし、Sくんに抱かれるんだ。Sくんのおちんちん、どんなだろう……)
Aは耳が熱くなる感じを覚えた。
落ち着かなくてバスローブを開いて自分の下着姿を確認した。
今日のために買った勝負下着だ。女性ホルモンを打ち始めてからブラジャー、睾丸摘出を受けてからパンツを女性向けにしたが、今日はボーイッシュを気取っているが可愛い下着を選んだ。
以前はおちんちんがはみ出るので穿けなかったビキニタイプのショーツだが、今は股関節側からはみ出るタマタマも無くなったし、腰側からはみ出るペニスも小さくなってショーツの中に収まってくれるので穿くことが出来る。
ペニスの分、パンツは盛り上がるがそれでも女の子のかわいい下着を身につけられるのは嬉しい。
これをSに早く見せたいし、脱がしてほしい。
「俺の方もおまたせ。待った?」
Sは同じ様にバスローブを着てバスルームから出てきた。
「わたしに比べたらすぐだよ」
「そっか。これから始めるんだよね」
「そうね」
目を真っ直ぐ見ながらSはAの頬に手を触れた。そして、顔を近づけてキスをした。
女性ホルモンを打ってからAの身体は感覚が敏感になっていった。Sとはホルモン治療前から付き合っているが身体が女性に近づく度にキスの感触にどんどん感じるようになっていく。
今日はお互い一線を越える事を意識しているせいかキスが丁寧でいつもよりも気持ちがいい。
その感触にAはSの事を本当に好きだと思った。
Sは唇を離すとAの目を真剣に見てそれから優しくゆっくりと押し倒した。
Aは鼓動が早くなる。Sも同じはずだ。
SはAのバスローブに手をかけて脱がし始める。AはSの顔を見るのが怖くなって横を向いた。
バスローブを開き、Aは下着姿をSに晒した。続けてSも自分の着ていたバスローブを脱ぐ。
Aは恐る恐るトランクス一枚のみの姿になったSを見た。
Sは顔を赤くして目を見開いている。そして喉仏が動くのが見えた。唾を飲み込んだのだろう。
(Sくん、興奮してくれてるの?)
Aは疑問を解消するためにSのトランクスを見た。中からまっすぐ前に向かってトランクスの生地が押し上げられている。トランクスの中のSのペニスは勃起している。
(興奮してるんだ。そっか、わたしの裸、興奮させられるんだ)
Aは大きくなったSのちんちんに安堵した。そして、自身も今まさに同じように勃起していてその興奮がどんな感じなのかを共感していた。
Sは横になってるAの背中に手を入れた。ブラジャーを外すのがわかる。
横になってるとやりづらいだろう。Aは身体を起こした。
Sは童貞のはず。自分が初めての彼女だからだ。ブラジャーの外し方は分かるだろうか。エロサイトなどで予習はしてるだろうし、外し方は難しくないが慣れないと苦戦するだろう。Aもまだブラをつけるようになって一年くらいだ。自分でつける際にも苦戦したのはついこの間の話だ。
こういう時に彼女としてどうしてあげられるだろうかと考えた。
Aの背中に手を回したSは手探りでホックの形を確かめる。しばらく知恵の輪のように悩みながら外そうとしていたが、なんとかホックの位置関係を把握したらしく外す事に成功した。
本当ならAは手伝ってあげたかったが、男の子なら彼女をエスコートしたいと考えるはずだ。付き合い始めてからSは「彼氏として」を考えて接してくれている。ここで手伝ってしまったらSの気持ちを否定する事になってしまうかもしれない。
もどかしいが見守った。こうしてホックを外すまでの間の苦戦する男の子の姿はとても可愛いと思えた。そして、時々、平らな男性の胸に自分の小さく膨らんだ胸がブラジャー越しとはいえ触れて自分が女の子に慣れてると実感できて嬉しかった。
Sは肩紐を下ろしてブラジャーをAの身体から離した。Aの小さな胸が露わになる。
その姿をSは息を飲んで見た。
Aはその様子にいてもたってもいられず、Sの右手を掴んで胸に触れさせた。
「柔らかい……」
「小さくてがっかりしてない? 豊胸手術とかしてないからホルモンだけだとこれが限界なの」
Aは申し訳なく言った。MTFで豊胸手術をする人は結構いる。女性ホルモンで育つ乳房のサイズはたかが知れてるしどうせなら大きな胸が欲しいからだ。
だがAはお金がかかるのもあるが豊胸手術には抵抗があった。手術が怖いというのもあるし、その後のケアも話を聞くと怖い。それ以上に人工物を身体に入れて形を変えるのは「違う」と感じるのだ。
「男の子って大きい方がいいんでしょ?」
「そんなことないよ」
「無理しなくていいのよ」
「Aは男のことを誤解してるよ」
「え?」
「俺は大きさにこだわりはないし、男がみんな大きな胸を好きなわけじゃない。貧乳が好きなやつだって多いんだよ。俺もあんまり大きな胸は好きじゃない。Bくらいかな、小さい方がどちらかといえば好きかも」
「Bってわたしくらいだよ」
「うん、好きなサイズ」
小さな胸が好き。大きな胸は好きじゃない。大きさにこだわりはない。Aからしたら考えた事もない事だった。
Aは高校まで自我の面はともかく社会的には男の子だった。男の子として男の子の振る舞いを身につけて育って来た。むしろ女の子はまだ初心者で人も会う時は演じている状態だ。
でも性的指向は男性。女性の何に性的魅力を感じるかなんて知らない。自分を見てSが胸の小さい方が好きだと言う。自分が女性を好きな男性に持ってたイメージとは違うが所詮はイメージだ。本当なのかも知れない。
本当じゃなく優しい嘘かもしれないし、実は男の子として好きなのを隠して言ってるのかもしれない。
それでも好きな人の言ってくれた事は信じたかった。それに、自分の胸に興奮している事はSの股間を見れば分かる。信じようと思った。
SはAの胸を上気した顔で見つめながら両手で揉み始めた。触り始めはおっかなびっくり、感触を確かめちょうど手に収まる角度を探りながら揉んでいく。
乳房同様に大きくなったAの乳首は好きな人に見られた興奮で勃っていたが触り方を模索するSの手が触れるたびに感じてピクッと身体を震わせる。
Aはまだ女体の感覚に慣れていない。まだ頭は女性ホルモンを打つ前の男性の鈍く一点集中型の性感に最適化されたままだ。
ホルモン治療を受けてから男性ホルモンを増やさないためにオナニーを控えるようになったが、睾丸を摘出して抜歯が終わって傷口が塞がった後もなんだかオナニーをしようという気分には慣れなかった。
精子も男性ホルモンも作らなくなった身体で女の子の感覚に近づくのを実感したい気持ちはあるがその為に触るのがおちんちんというのに抵抗があったからだ。それにホルモン治療前の男の子の飢えにも似た性欲が今はおとなしいものに変わったせいもある。
でもこうして胸触られてみると身体の奥底ではエッチな欲が湧いて来ているのが分かる。
飢えとは違うもっと柔らかな欲だ。もっとSに触られて感じたいと思いAはSを気持ち良さで潤んだ瞳で見つめた。
Sはそれを見ると胸を揉むのを止めて人差し指で乳首を刺激し始めた。
「あぁっ……」
思ったよりも鋭い刺激だった。
「あぁぁぁ、あぁぁぁ……」
不規則で連続した声が抑えさせずAの喉から出てくる。
Sはそれから両胸の間に舌をつけてそのまま正中線に沿って下に向かっていく。
ゾクゾクとした寒気に似てるが気持ちいい感覚が下の接触したところと背骨を平行に流れる。
Aの身体は胸から下、へそから腰、股間と下に向かうと脚の付け根までの場所は男の子の形をしている。
舐められて気持ちがいいのは嬉しいがSは舐めている部分が男の形をしている事をどう思っているのだろうと快感に塗れる中で僅かに残った頭の中の余裕で思った。
Sは舌がへそにたどり着くと、Aのパンツに手をかけた。そしてゆっくりと手をかけて下げていく。
身体的に男性の女の子であるAの最も男の子の部分があらわになる。
身体に手を加える前に比べれば大きさも硬さも控えめになった勃起をしているペニスがSの目の前に現れる。
「勃ってるね」
Sは微笑んで言う。
Aはその指摘が怖かった。勃つのは男の子の現象。女の子の場合は濡れる、だ。勃つなんかじゃない。それを目の当たりにしてSはどう思うのか。
Sは手をAの蟻の門渡り辺りに伸ばしてそこから前に向かって中指でなぞり始めた。
「本当にタマがないんだね」
「うん。取ったから」
「空っぽの袋なんて初めて見るよ。Aはちゃんと女の子になったんだね」
AはSの言葉に驚いた。おちんちんを触りながら「ちゃんと女の子に」と言う。
Sにはエッチの誘いに睾丸切除まで待ってと言った。Sはそれを待ってくれた。そんなSの中でAが女の子になった限りをここにしてくれたんだ。つまり、女の子として自分を見てくれている。それはAにとってとても嬉しい事だった。
Sの中指はそのまま前の方に進んでいく。空っぽの陰嚢を越えるとペニスの付け根に辿り着きそこから裏筋を優しくなぞっていく。
じわりじわりとおちんちんに気持ち良さが広がっていく。大好きな人の手がAの一番感じるところをいじっていく。
それを見つめているとAのおちんちんの先から透明な水滴が出た。射精はしなくなってもカウパー氏腺液は出てくる。これはAが感じている証拠だ。いつもなら嫌なものだけど今はSが触ってくれる事によって出たのだ。とても喜ばしい事に思えた。
しばらくAはSからのペニスへの愛撫を受けていた。オナニーを一年以上していないSにとってはとても心地いいものだった。
男子だった頃の射精をするおちんちんへの刺激よりも女性ホルモンで変わった体質で感じるものは質も強さも違う。乳首だけでオナニーをする事はホルモン治療をしてからも度々あったが、それでも感覚の変化は感じていた。乳首以上に性感帯の集まるペニスの快感は格別だった。
「もう大丈夫。と、止めて……」
Aは慌てておちんちんを刺激するSの手を止めた。
本当に慌ててたみたいだ。頑張って高校時代から練習してきた女声の出し方をしくじって男の子みたいな声を出してしまった。
「えっ?」
「これ以上したらイっちゃうから……!」
声を震わせながら女声に戻そうと慎重に言う。聞かれたくない声を聞かれてしまった。引いてないだろうかとAはSの様子を警戒した。
「ここでイったら本番できないもんね」
Sは笑いながら言う。Aはその様子に咄嗟に出た声のことを気にしてないと感じで安心した。
そしてイってしまってせっかくのエッチを台無しにしてしまう心配も必要なくなった事にも安堵した。
SはAが賢者タイムになってエッチする気がなくなる事を心配したし、Aは射精と呼べるのかはわからないが精子が含まれないとはいえ透明な液体をイったさいに放出してしまう事を危惧した。
Aの危惧はおちんちんでのオナニーをしたくない理由でもあるし、彼氏に男である証拠である現象を見られたくないしで避けたい事だ。
何かを怖がる様子を見せたAに対してSはそっと抱きしめた。
「Sくん……」
AはSの男性らしいガッチリとした感触の身体にドキッとした。
自分も一年位前まではこんな身体だったが、こうして他人の身体として感じるととても気持ちのいいものだ。
それからSは腕をほどきもう一度やさしくAを押し倒した。
Sも抱きしめた時、Aの身体が自分と違う柔らかい感触である事に興奮した。童貞であるSにとって初めて感じる女の子の感触だからだ。
そして二人ともお互いのおちんちんが触れ合ったのにはムラムラを加速させた。特にSは自分のおちんちんが限界まで膨張するのを感じた。早く先に進みたくてしょうがない衝動に駆られた。
Sは寝かせたAの脚を広げて両膝を曲げた。
Aの下半身の先にいるSからはAのペニスと空っぽで縮んだ陰嚢が見える。
見られてAは股間を手で覆いたい衝動を感じたがそれを必死で抑えた。これからSが何をしてくれるのか分かったからだ。ここはSに全部委ねよう。
Sはローションのボトルを取り、蓋を開けて左掌に注いだ。それを右の人差し指につけてAの肛門に塗り始めた。それに続けて自分の人差し指全体にも塗る。
最初は肛門を円を描くようになぞっていたがその半径を狭めていきゆっくりと指の先を差し込んだ。
肛門括約筋の力は思いのほか強くなかなか指は入っていかない。それでもゆっくりと中に押し込んでいく。
ローションの滑りも手伝って第一関節まで指が入った。Sはそこから奥に入れたり少し出したりしながら肛門をほぐしていく。
指の出し入れを繰り返すほどゆっくりとAの肛門はほぐれていく。Sは指を中指に替えてほぐし続けた。
指の挿入に対する肛門括約筋の反発でSはセックスの為の器官ではない場所におちんちんを挿入する事を実感した。
友達の話を聞くと指でほぐしたりしなくても膣は濡れさえすればすんなりペニスが入っていくらしい。
だが、Aには膣はない。肛門がAの膣なのだ。だからしっかりほぐしてできる限り痛くないように挿入してあげたい。
丁寧にほぐしていき中指が奥まで入っていき出し入れもすんなりいくようになってきた。
本人からすればあまり好ましいことではないがSはおちんちんはでは大きいもののあまり大きくない方だ。中指の挿入ができれば後はペニスで慣らせばいいだろうと思った。
「A、挿れるよ」
「うん、初めてだから優しくしてね」
「痛かったら言うんだよ」
「ありがとう」
AはSが手を止めた時に覚悟を決めていた。怖いが挿入までのSの動作の一つ一つを見つめる事にした。
Sはパンツを下ろした。するとあまり大きくはないがそそり立った逞しく血管の浮いたペニスとタマタマの重みで垂れ下がった陰嚢が顔を出す。
Aは自分の男子時代より少し小さいくらいのSのおちんちんに少し拍子抜けしたが、まっすぐ上を向くその様子をすごくエッチに感じた。
大きいとはいえないが女の子への変化を始めた今の自分の小さくなったおちんちんよりずっと大きい。
全裸になったSはコンドームを着けた。Aはコンドームもそれを着けるのも初めて見る。
どうしてつけるんだろうとAは思った。子宮や卵巣どころか膣すらない自分は妊娠する心配はない。それにお互い初めて同士だ病気の心配だってないだろう。
ただ、優しいSの事だ。何か考えてくれてのことだと思った。今日までの間、「女の子の初めてをもらう男としての責任」を口にして来たのだ。
続けてSはコンドームを着けたペニスに念入りにローションを塗っていく。そして再度、Aの肛門の中と外にも塗っていく。
膝立ちになってSは両手でAの両太ももを持ち上げた。お尻が持ち上がる。そうすると肛門も少し上を向いてSから見やすくなった。
Aは恥ずかしくなった。今、彼氏に大事な所を見られてる。それも真剣な眼差しでだ。
そしてSは腰をAのお尻に近づけていく。
ペニスの先端が肛門にくっつくとそのままぐいと押し込んだ。
「……!」
最初は入り口で堰き止められたがそこからさらに押し込むと指でほぐしたこととローションの効果なのかスルッと入った。
(痛ぁっ……!)
Aは一気に入ったSのおちんちんで肛門の入り口が痛くて声が出そうなのを必死で噛み殺した。
痛みに声を出したいのを必死に抑える。
入った瞬間の痛みが過ぎるとAはその行動が男の子らしくて少し嫌な気持ちになった。
Aは高校まで男子で物心がついた時から違和感を抱くのに反して男の子として育てられ男の子としての言動や振る舞いを求められて来た。
それは痛い時や辛い時に泣かずに言葉にせずに堪えることだ。だから痛みに対して「痛い」という事には抵抗がある。平気な顔をせずにいられない。
だが、女子として周りに身体的性別を知られずに過ごしていると周りの女の子たちは身体的な痛みに強くできてはいるが少しでも許容量を超えると態度や言葉に出している。
女の子としては彼氏に甘えるように「痛い」というべきだったのかもしれない。
膣ではなくお尻の穴とは言っても処女を失ったのだ。彼氏に甘えるところではないか。
だが、これまでの人生で形作られた感覚はそれを許さなかった。そこに自分が女の子じゃない事を思い知らされた。
Sは真剣な顔をしてこちらをみている。おちんちんを入れてからAがほんの一瞬頭をよぎった事に気づかずに痛がってないかを見ている。
痛みに堪えているようだが中まで入ると落ち着いたように思えたSはゆっくりと腰を動かし始めた。
AはSが腰を動かし始めた時に挿入時の痛みが来るかと覚悟を決めたが確かに断続的に肛門の入り口あたりは痛くなるが我慢できないほどではなかった。Sがピストン運動を繰り返すたびにほぐれていくのか痛みもだんだん和らいでいく。
痛みからは解放されたがその次に来た感覚にAは喉の奥に込み上げるものを感じえづきそうになった。
Sのおちんちんが奥の方に入るたびに下腹部が中から圧迫されてそれで気持ち悪くなる。
アナルセックスはお尻の穴自体の性感帯と前立腺への刺激で気も良くなるというのはあちこちのサイトや友達からの話で聞いた。だけど、初めては痛いし気持ち悪いというのはあまり見かけなかった。痛いはまだ見かけたがお腹の圧迫は知らなかった。
消化器の終端を生殖器の代わりに代用しているのだから初手で気持ちよく慣れないし不快な感覚になるものなのかもしれない。
普通に考えたら苦痛な感覚だったが、Aは気持ち悪いと感じながらも不思議と嫌だと思わなかった。
身体的には気持ち悪くても精神的には不思議と満たされた気持ちになった。
女の子はエッチではなかなか気持ちよくなれないという話はよく聞く。身体がおちんちんを受け入れるのに慣れるまで痛かったり異物感だったりだけで終わることも珍しくないらしい。
Aも女の子として身体が慣れるまで少しずつ身体が感じ方を覚えていくのだろうと思った。
それまでの間はSに気持ちよくなってもらおう。
実際、挿入されながら見上げた腰を懸命に動かすSはとても気持ちよさそうだった。
Aがお腹への圧迫感を感じるたびにSのおちんちんは気持ちよくなっていく。
その気持ちよさはAにも付いてる部分で起こってることだからよく分かる。A自身の身体で感じるのは嫌な感覚だが、Sがそれを感じてるのは嬉しいし愛おしい。
お腹の感覚に慣れてきた頃、Aはうっとりした気持ちで感じているSを見つめていた。
そして、突然Sは腰の動きを止めて目を見開いた。そして、全身の力を抜く。
(イってくれたんだ。わたしのお尻の中で)
Sは射精をしていた。腰の動きを止めたのは精子を放出したこととペニスに走る快感に浸っていたのだ。
(気持ちよさそう。出た瞬間の開放感って心地いいもんね)
Aはオナニーは男の子である事を突きつけられるので好きになれなかったが、時々どうしても「溜まって」しまって耐えられずする事があった。
その際は射精の瞬間の気持ちよさをどうしても好きになってしまう。だからSが気持ちよくなる気持ちはよく分かるつもりだ。
そしてあの気持ちよさが他ならない自分の中でもたらされたものである事が嬉しかった。
最初は痛かったしほとんどの時間、気持ち悪かったがそれでも、自分の身体の中に好きな人の大事な部分が入ってる事でよくエッチについて言われる「一つになる」という事が実感できたからだ。
SはおちんちんをAのお尻から抜いた。射精をした事で一つでなくなってしまうのがなんだか悲しかった。もっと繋がっていたいと思った。
Sはコンドームを外してゴミ箱に捨てるとおちんちんをティッシュで拭き、続けてAのお尻を拭いた。
事を終えたSはとても落ち着いた様子でAを見つめた。
Aはその様子を見て抱きついてキスをしたいという衝動に駆られたがそれを抑えた。男の子がイった後、どんな感じかは身体的に男性であるA自身身をもって知っている。それがオナニーをした際の自分のおちんちんへの嫌悪感を増幅するものだという経験もした上でだ。
そのくらい賢者タイムはエッチな気持ちから男性を遠ざける。さっきまで興奮してくれてた女の子に近づいた自分の身体にも嫌悪感を持たれてしまうかもしれない。
イチャイチャはとりあえず我慢しよう。
そう考えていたらSが手を差し出してくれた。AはSに手を引かれて起き上がった。その際に勢いが余ってSに抱きついてしまった。
Aは離れようとしたが、Sは優しく抱きしめてくれた。
ただ、さっきまではち切れんばかりに大きくなっていたSのおちんちんは女性ホルモンで縮んだAのおちんちんと変わらないくらい小さくなっていた。
エッチの後、すぐにバスローブに着替えて部屋に作り付けの机の方を向いて並んで座った。
Sは持ってきていたワインとグラス二つを机の上に並べてそれぞれにワインを注いだ。
「100均のグラスにスーパーで買ったワインだけど」Sは恥ずかしそうに笑った。
Aはそれでいいと思った。お金持ちなら違うだろうがお互いお金のない大学生のカップルだ。
高級なものじゃなくていい。郊外のコンテナホテルで安ワインを飲みながら二人で過ごすのも二人きりなら十分にロマンチックだった。
AとSはお互いにグラスを取り乾杯した。一口飲むとAはSに寄り添った。
とても幸せな気分だった。ついさっき、初めて身体で愛を確かめ合ったのだ。
二人は見つめあっているとAの目からは涙が出てきた。
それは予期しない涙だった。そして涙はどんどん増えていく。そしてついには泣き出してしまった。
SはAの肩を抱く。
「A、そんなに痛かった? 大丈夫?」
「違うの。痛かったのはそうだけど、今は……大丈夫」
泣いて声が続かない。女声も保てない。男の声にもどったり裏返ったりしながら不安定に言った。
Sはその様子を心配そうに見ている。肩を抱いた手でAの腕をさすりながらおでこをくっつけ合った。
「わたし、女の子になれたんだって……。Sくんの彼女にきちんとなれたし、女の子なんだって……。ようやく女の子に……」
不安定な声で本音を告げた。Aは胸が膨らんでもお股にはおちんちんをぶら下げて興奮したら勃起する。どうやっても身体は女の子みたいな見た目の男の子であることは変わらない。
仮に性別適合手術を受けてもそうだそこについているのはおまんこそのものじゃなくておまんこみたいな形のおちんちんでしかない。
子供だって作れないし結局本物の女の子にはなれない。
それでも、女の子として、それは男の子同士の愛し方と一緒であっても、女性として男性に抱かれたのは事実だ。
それが嬉しかったし、まるで新しく生まれ変わったような気持ちだった。
「Aは去年再会してからずっと女の子だったよ。女の子として見てきたし女の子として俺は好きなんだよ」
「でも、Sくんは男の子だった頃のことを知ってるでしょ。中学の時に学校で何度も連れションしたでしょ。女の子は小便器でおしっこなんてできないのよ」
「それでも今は女の子だよ。デートに誘った時も告白した時もどれだけ魅力的に思ってたと思う? そりゃ戸惑ったよ。中学の時の男子クラスメートを女の子としてみてて好きになったことに。でも、それは今日をずっと待ってたんだ。女の子としてAを見ながら女の子のAを抱くのを」
「ありがとう……。わたし、自身が持てなかったの。胸がなかったり、ひとりエッチしないでいると夢精して女の子じゃないのを突きつけられて、それを見られるのが怖かったの。今日もおちんちんを見られるのが怖かった」
「Aのチンポ、かわいかったよ。触って興奮した」
「それって」
「俺からしたら胸がなくても射精をしてもAは女の子なんだよ。今日、ようやく抱けて幸せだったんだ」
「Sくん……」
SはAの頬を両手で持ってキスをした。そしてAを抱きしめる。
Aの涙はますます目から溢れてくる。
AとSはお互いに好きだと思った。
Aはずっと自分が女の子かどうか自身が持てなかった。確かに大学では十分に友人たちや同級生たちにはパスできている。だが、愛する人に対しては十分だと思えてなかった。
だが、本心からだと信じたいが、今、Sから男の子の身体でも女の子として見ていたと言ってくれた。
Sの体温をバスローブ越しに感じながらAは次のエッチの事を考え始めた。
お尻の穴が早くエッチに慣れてエッチが気持ちいいものになるのが楽しみだった。今のところシックスナインとか手コキとかお互いに口や手で性器を弄り合うのは抵抗がある。将来平気になるかもしれないが、やっぱり恋人におちんちんを触られるのは前戯くらいならともかくそれを本番とするのは辛い。
だから早くお尻で気持ちよくなりたい。だから数を重ねたい。今日はSが射精をしたので無理だが、次からはAからもエッチに誘っていこうと思った。
「ねぇ、Sくん」
「何?」
「わたし、もっとエッチしたい。あ、今日じゃなくてね、これから二人で気持ちよくなれるように沢山エッチの経験を積みたいの」
「それは俺もだよ。今度は家族が留守の時に俺の部屋でしようか」
「でも、おうちなら『準備』が」
「うちの風呂でしてもいいよ。それより俺ももっとAとしたい」
「それなら、わたしの家でもしようね。毎回ホテルは高いもん」
次のエッチの約束しながら見つめ合うとなんだかおかしくて笑ってしまった。
「ワイン飲もうよ。きちんとお祝いしよう」
そういってSはグラスを取ってAに向けた。Aもグラスを取り乾杯した。
「わたしが処女をSくんにあげたお祝い」
「俺がAの処女をもらったお祝い」
Aは胸が満たされた。膣の代替でお尻を使った本当の女の子の処女消失じゃないかもしれない。でも、今日AはSに女の子の大事な物をあげた。
今度はいずれSのおちんちんでAがイク日がくるかもしれない。
そうやってAとSは二人の気持ちいいエッチを模索する日々を楽しみ感じてお祝いを眠くなるまで継続した。
幸せな今日のエッチとこれからするエッチの事を色々と話しながら。