悪女わからせ~悪徳エルフ女王は勇者の☓☓☓で成敗される~ 作:千吹つぐ
夜、すっかりジンの居住となった露台に、サーシャはノックもせずに上がり込んだ。
「勇者ジン! どこですか! 話があります!」
「サーシャ姫か」
意外なほど近くから声が上がる。
扉の影となる樹肌のそばに、ジンがいた。
息せき切って上がり込んだサーシャは、しかしそこで足を止めた。
「しばし待て。ぬぅぅぅぅぅん……」
半裸のジンが、ゆっくりと大剣を振っている。
「すぅぅぅはぁぁぁぁぁ……」
肉体が踊る。筋肉が隆々と盛り上がり、腹筋が一秒ごとに陰影を変えていく。
名前も型もない、肉と魔力を練り上げただけの粗野な剣舞に、しかしサーシャを含めたあらゆる生き物が息を呑む。羽虫が、小鳥が、下草が、男のリズムに引きずられて気息を正していく。
それは聖樹ユグドラシルでさえ例外ではなかった。ほわん、ほわん、と辺りの枝葉が明滅し。清涼な空気が大気に満ちる。
それは人と樹木の共演だった。心を分けるふたつの種族が、舞の形で語り合っていた。
「はぁ!」
最期に、裂帛の気合があたりを打った。ざぁぁ……、梢が鈴のように鳴り響き。明滅がゆっくりと落ちついていく。
「すぅぅぅ……………………」
剣を収めて、ジンは呼吸を整える。陽の気を吸って、陰の気を吐く。反対に巨木はその陰気を吸い、陽の気に変じて大気に返した。
聖樹と勇者の数息観。それはユグドラシルの気息を整え、古い葉を落とし、また新しい枝を芽生えさせるものだった。
「……勇者ジン」
サーシャは全容こそ分からぬものの、その演舞の美しさと、そして故郷に利するものだと直感して、いっとき恨みを忘れてしまった。
「またせたな」
ジンが、体から湯気を立ち上らせたままやってくる。
「な! ゆ、勇者ジン! あなた! いつも言ってるでしょう! 汗をかいたまま出歩かないでください! 野蛮ですよ!」
「む、すまん。臭かったか?」
「く、臭いとか、そういうことではありません! 文明人としての礼儀の話です!」
言いながら、しかしサーシャの鼻孔はぷっくらと膨らんでいた。獣臭い香りを吸い込んで、肺をオスのフェロモンで満たしていく。
「それでサーシャ姫、なんの用だ?」
はっと我に返る。
「そ、そうでした。……勇者ジン! 今回の一件は、どういうつもりなのですか!」
「どう、とは?」
「お母様と結婚するなどと、私は聞いていません! あ、あなたは私と! このサーシャ・マナ・ノルニスと結婚するのではなかったのですか!?」
「お前と? なぜ?」
「――!」
サーシャの顔が怒りに染まる。
「あ、あなたは! あなたという人は!」
女の細腕が、男の頬を張ろうとする。だが大人と子ども以上の身長差が邪魔をして、平手は空を切るばかりだった。
「おちつけサーシャ姫。意味がわからん」
「い! いいから! 頭を下げなさい! た、旅の仲間が言ってるのですよ!」
「…………これでいいか?」
「~~~~っ!」
「大丈夫か?」
「う、うるさいうるさい! いいからあなたはじっとしてなさい!」
ぱしぱしと、親にじゃれる子猫のような、あるいは若い恋人同士の喧嘩のような、そんな牧歌的でくだらない光景がしばし続いた。
(…………なにをやっているのじゃ、こやつらは)
それを、オフィーリアはげんなりした気持ちで知覚していた。
(……サーシャのやつめ、これでどこが
オフィーリアは今、自室で安楽椅子に横たわっていた。露台から離れたこの部屋は、いわば魔女の工房であり、絶対の秘密に守られた安全な場所だ。
ここで女王は、娘に掛けた魔法を発動していた。
対象の意識に間借りする移し身の法。それはオフィーリアがもっとも得意とする諜報魔法だ。
(まあよい。不仲でないだけましか。これならなんとか目的は達せよう……)
オフィーリアはすこしばかり驚いた。サーシャはともかくとしてジンの態度――小娘の癇癪に付き合って、頬を叩かれて怒りもしない、そんな優しげな姿が意外だった。
(……ふん、そんな顔もできるのか)
苛立ちを無視して、盗み聞きに集中する。
「落ち着け、サーシャ姫。俺には本当に分からんのだ。お前は俺を、嫌っていたのではなかったか?」
「だ、だれがそのようなことを言ったのですか!」
「お前自身だ。……これを見ろ」
そのとき『ヴンッ』と紫電が走って、二人の間に映像が現れた。ジンの光学魔法だ。
『あ、あなたのような野蛮人! だ、大嫌いです!』
そこには過去に実際あっただあろう映像――顔を真っ赤にしてそっぽを向くサーシャの姿が写っていた。
映像がさらに切り替わる。今度はどこかの街角。
『ちょ、ちょっと勇者ジン、レディと歩くときは、歩幅を相手にあわせてください。まったく、本当に野蛮な人ですね……』
どこかのパーティ会場。
『ほらジン、腕を貸してください。私がエスコートして差し上げます。……ふん、勘違いをしないでくださいね。パーティメンバーであるあなたの恥は私達の恥でもある、それだけのことですから』
どこかの野営地。
『はい、もう傷は治りましたよ。……ふふ、本当に、あなたは根っからの野蛮人ですね。そんなことでは女性にもてませんよ? それこそ、よっぽどの物好きでないと……ふふ……ふふふ』
嗚呼……オフィーリアは天を仰いだ。なんというくだらない茶番劇だろうか。
「ど! どどど! どうしてこのような映像を残しているのですか!」
「残したわけではない、記憶から出しているだけだ。ほかにもほれ、嫌いだ、野蛮人だと、言ってばかりだぞ」
「そ、それは、そうかもしれませんが……」
鈍感男と口下手女が組み合わさると、かくも奇妙な悲喜劇を描くのかと、オフィーリアは白けきった頭で納得していた。
「そ! それでも! 私の処女を差し上げたではありませんか!」
突然、まるでそれが切り札のように、サーシャは顔を真っ赤にして叫んだ。
(な、なんじゃと!?)
その言葉はジンよりも、オフィーリアを驚愕させた。
(この馬鹿娘! よりによってエルフの姫が婚外交渉だと! なんという淫売じゃ!)
エルフとは、清楚清廉を旨とする純粋な種族だ。その貞操観念は他種族よりもずっと高い。オフィーリア自身、二百歳で結婚するまでは経験などなかったし、その後も子供を作る以外でまじわったことなどなかった。
(……おろかものめ)
女王の瞳が冷めていき、暗い決意に満ちていく。
(なるほど、自信の源はそれか。しかし、馬鹿め、猿にとってエルフの処女の価値など、犬に金貨じゃな……)
「よく分からんが、処女を捧げたら結婚するのか?」
「当然です!」
「なら、俺はまず、童貞を捧げた従軍娼婦と結婚しなければならなくなるな」
「え? ええ!? そ、そんな、お、男と女は別ですよ!」
「ならエルフと人間も別ではないか?」
再び男女が、やいのやいのとやり合う。オフィーリアはくだらなすぎて頭が痛くなってくる。
「…………なるほど、よくわからんが、わかった」
辛抱強く話を聞いて、ジンが腕を組んで、言った。
「つまり、お前は俺を好いていた、ということだな?」
「そ、そのようなわけが――」いつもの台詞を言いかけて、しかしサーシャはぐっと唇を噛み。
「――きです」
「うん?」
「で、ですから! 好きだと言っているのです!」
顔を真っ赤にして、拳をきゅっとにぎりしめる。
「あ、あなたのことは、最初はたしかに嫌いでした……。なんて野蛮で、デリカシーのない人だって思って……でも、それだけではありませんでした……」
乙女が顎を上げる。
「あなたは、いつだって本音で喋ってくれました。エルフみたいに嘘や嫌味を言わないで、思ったことを全部素直に言ってくれた……」
本音を語る。それはサーシャのような根っからのエルフにとって、身を裂くような努力がいった。
「わ、私のことも、いいやつだって、好きだって……そんなこと、私は一度も言われたことがありませんでした……い、いつも才能ないって、馬鹿だって言われて……」
「そんなことはない。たしかにお前はおどおどして、軟弱だ。だが同時に、その心奥は優しく、愛情ぶかいことを、俺はよく知っている」
「~~っ!」
「わかったサーシャ姫、嫁に来い」
ジンが、あっさりと言った。
「ただし、俺はお前を、あくまでゴラン族の嫁としか扱えんぞ。それでもいいか?」
「ゴラン族の、嫁?」
「そうだ、……サーシャ」
呼び捨てで呼ばれて、サーシャの心臓がどくんと跳ねた。
「ゆ、勇者ジン……」
「ジン『様』だ。……ゴラン族の嫁は、なによりもまず、夫を立てねばならん。誰よりも夫を愛し、夫を信じ、従うのだ。……エルフにとってはさぞ屈辱だろう」
「っ! そ、それは、そう、かもしれません、けど…………♡」
言いつつ、サーシャの口調は甘い。
「代わりに、俺の愛はお前のものだ。……俺はお前を守り、お前を愛し、お前を信じると誓う。……俺の命を、お前にやる」
「っ!」
「それでいいか?」
サーシャは最初、言葉では応えなかった。
「……っ! ……♡……♡♡♡」
きゅっと、ジンの体を抱きしめる。ろくに腕も回せない小さな体でくっついて、むぎゅぅ、と乳を押し付けた。
「ジン……いいえ、ジン様ぁ……」
すぅぅぅぅ、と匂いをかいで、うっとりと相好を崩す。
「は、はい♡ なります♡ サーシャは、ジン様の妻になります♡」
「わかった。ではいまから俺たちは
「は、はい♡ ジン様……旦那様ぁ……ん」
ジンがかがみ込んだ、反対にサーシャは背伸びをして、男の口づけを受け入れた。
「ん……ちゅぅ……ちぅ……ちゅううう」
首に手を回し、顎に手を当てて、サーシャは情熱的なキスをする。
「ん……ぷはぁ……はぁ……はぁ……すぅぅぅぅ」
キスをして、サーシャはそのまま男の胸に顔を埋めて、肺いっぱいに深呼吸した。
「ああ♡ なんて良い匂い……旦那様の匂い……素敵……」
「そうなのか? 臭い臭いと言っていたのに……」
「そ、それはその……だってそんな恥ずかしいこと、言えなくて……でも、ああ、もうだめ……我慢できません……すぅぅぅぅぅ……」
子犬が乳を求めるように、サーシャはスンスンと匂いを求めた。胸、首筋、鎖骨、エルフの形良い鼻が、最後には脇毛のなかにうまった。
「はぁぁぁぁ……いい匂い。……本当は、ずっとこうしたかった。すっぱくて、獣臭くて、なんて素敵……」
縮れ毛に美しい顔をねじ込んで、サーシャはうっとりとした笑みを浮かべた。
(うう! なんたる悪臭じゃ!)
一方、オフィーリアは苦しんでいた。諜報魔法は感覚の一割ほどを共有しており、ジンの匂いが伝わってきた。
(うう、気色悪い。だというのになんだこの娘の幸福感は! うう、ううう……)
「ああ、旦那さま。おいひぃ、おいひ……じゅるるるる」
男の脇に顔を埋めて、サーシャはもっさりとした脇毛を口に含む。
(ひ! ひぃぃ! なんとおぞましい!)
オフィーリアは手をワナワナと震えさせた。嫌悪感と同時に信じられないほどの幸福感が流れ込んできて、体がひどく混乱する。
(た、たった一割でこれか! く……お、おちつけ、ただ一度きりの辛抱じゃ……くくく、馬鹿な夫婦め、最期のまぐわい、せいぜい楽しむがいい!)
「ああ……旦那様ぁ……」
サーシャがうっとりと微笑む。ジンもまた、動いていく。
ぷつん、ぷつんと、ワンピースドレスのボタンが外されていく。その布地がハラリとはだけて、ジンはむき出しの乳に吸い付いた。
「ひゃぅん♡ ジン様ぁ……」
つんと上を向いた小さな乳首を、ジンは丁寧になぶっていく。桃ほどもある、まだ成長途中の固い果実を味わっていく。
「ああ……ご主人さまぁ……旦那さまぁ……」
サーシャが、なにかを確かめるように夫を呼ぶ。ジンもまた妻の形を確かめていく。若い夫婦の触れ合いはつたなく、お互いに落ち着く場所を探していた。
「サーシャ」
「あ……」
ジンが、妻を地面に押し倒す。
「お前は美しいな」
「!♡」
傷だらけの
「あ……ああ! ジン様ぁ!」
かと思うと、拳はぎゅぅぅぅぅと締め上がり、サーシャの乳房を握りしめた。
そのどちらもが、サーシャには嬉しかった。花のように大切にされること、獣のように求められること、女としての喜びが、官能を目覚めさせていく。
「嬉しい……サーシャは幸せです。ああ、これが女の幸福なのですね……」
(ひぃぃ! そんなわけがあるか気色悪い。うう、怖気がするわ)
おぞましい幸福感が、オフィーリアの脳に流れ込んでくる。減衰してこれなのだ、サーシャが感じている快楽を思うとぞっとする。
(くぅ、できれば感覚を切りたいが、それではタイミングが……うひぃぃぃ!)
「ああ! ジン様! そんなとこ! ああ!」
寝そべったサーシャが、嬌声を上げてのけぞった。その股間にはジンがうずくまっており、小さな性器を丁寧に舐めあげた。
「そんな! いやらしいこと! だめ! だめですぅ!」
「だが、お前のここは喜んでいるぞ」
「い♡ 言わないで。言わないでぇ♡」
野太い舌が繊細に膣を味わい、巨大な口腔が小さなクリトリスを吸い上げた。
「きゃあああああ!」
サーシャの身体が、びくんびくんと跳ね上がる。性器を夫の口に押し付けて、人生初の快楽に溺れる。
(……な、なんだこれは、こんな感覚、妾も知らぬぞ!)
絶頂の余波だけで、オフィーリアは圧倒された。これほどの深い快楽など、いままでどの夫とも感じたことがなかった。王女にとって夜の営みは子を得るためであり、快楽を得たことなど一度もない。
「入れるぞ」
甘くイッて、どこか呆然としているサーシャに、ジンはペニスをあてがった。
「サーシャ、お前を孕ませてやる」
「あ♡ はい♡ ご主人さまぁ♡」
サーシャの手が、足が、ゆるゆるとジンを捕まえていく。
「どうぞ、抱いてください。サーシャは旦那様の……ジン様の赤ちゃんが欲しいです……あ♡ ああ♡♡」
最初、ペニスは亀頭までしか入らなかった。一ヶ月前まで処女だった膣はきつく、無理をすれば裂けてしまいそうだった。
「サーシャ……」
「ジンさまぁ……んちゅ……」
ジンは決して急がなかった。ほんの入り口で注挿をとどめて愛撫をし、新妻が落ち着くのを待った。
ごつごつとした指が繊細にひらめいて、サーシャの皮膚をかするように撫でていく、虎のような口が愛をささやき、舌先がやさしく乳首を舐める。
「あ……ああ……あああ♡」
サーシャはたちまちに開いていった。肌が上気し、異物を拒むようだった性器が、今度は求めるように濡れている。
「ん! んんんん!」
ずるん! と、ペニスが半ばまで埋まり、亀頭が膣奥を叩いた。
「あ……全部、はいった?」
「ああ、よくがんばったな」
ジンが不器用な嘘をついて、妻の頬をそっと撫でた。
「偉いぞ、サーシャ」
「あ……うれし……ジン様ぁ」
身体が開いても、ジンはまだ急がない。サーシャの身体を最優先して、自分の欲望を押し殺していた。
(……妾のときとは、ずいぶんと違うではないか……)
まるで、いや、まさに姫君にでもするような、それは愛情に溢れた性交だった。オフィーリアは我知らず歯噛みした。嫌悪とも嫉妬とも付かない感情にイライラする。
「ん……ちゅぴ……ちゅぱぁ……」
ジンはまだ動かない。つながったままキスをして、あくまでサーシャの反応を待つ。
「あ……あの……旦那様ぁ」
そして、先に辛抱が切れたのは、花嫁の方だった。
カチカチだった膣はすっかり緩み、縮こまっていた股がヒク付いている。
「もう、大丈夫ですから……その、えっと、もうすこし……」
「犯されたくなったか?」
「そ! そんないやらしい言い方……」
「いいじゃないか。俺は嬉しいぞ」
ジンが軽くキスをする。
「あいにく俺は鈍感な男だ。お前がそうと言えば、信じてしまう。だからサーシャ、俺の前では素直になれ」
「素直、に?」
「ああ、俺はそれが、嬉しい」
ジンの身体がぴたりと止まる。僅かな快楽すら取り上げられて、サーシャの唇が震えていく。
「サーシャ、どうしてほしい?」
「……っ! ……く……く……」
「なんだ? 言ってみろ」
「く……くださぁい……♡」
両手が口元を抑える。快楽と羞恥心がせめぎあう。
「だ、旦那様の、お、おちんちんくださぁい。サーシャのここ、いっぱい突いて、お腹にいっぱい、射精してください……」
色白な肌が、真っ赤に染まる。
「ど、どうかサーシャを孕ませてください。……サーシャ、旦那様の赤ちゃん欲しい……産みたいです……ですから、どうか……どうかぁ……♡」
ジンは、妻の願いを叶えた。
「ひぁぁぁぁぁ♡♡♡♡♡♡♡」
ずるん! 注挿が始まる。愛液に濡れたペニスが小さな膣を味わっていく。
「あ! あああ~~~~!」
サーシャが身を捩る。エルフの若妻は快楽にも慣れておらず、喘ぎ方すら拙かった。
「サーシャ……」
ジンは、そんな妻を
じゅぶ! じゅぶ! 水音が激しくなっていく。半ばまでしか入らなかったペニスが深く刺さっていき、少女の新しい場所をえぐっていく。
ぱぁん!
「ひゃああ!?!?♡♡♡」
ぱん! ぱん! ぱん! ついにペニスが根本まで埋まり、互いの肉がぶつかりあう。淫らな打擲音が響き渡り、少女の脳を耳から犯した。
「あ……ああ……すごい……これ、すごいぃぃぃ」
サーシャはもう、なすがままだった。心と身体を開ききって、男のペニスを味わっている。恥も、誇りも消え去って、心が垂れ流しになっていく。
「だ、旦那様のぉ……お、おちんちん……しょごぉい……サーシャ……きもちいいですぅ……あ……なに、これ……なにこれぇ……」
端正な顔が歪んでいく。鼻の穴がぷっくりと開いていく。
「し、しらない、こんなの……前は……こんなのなかったのにぃ……」
「俺もだ。……サーシャ、これほどの快楽は、初めてだ」
「♡♡♡♡♡」
ジンもまた、女の身体に夢中になっていく。
二人がここまで高まったことは過去になかった。初夜のときは心が通じ合っておらず、サーシャも破瓜の痛みで快楽など感じなかった。
「あ! あ! あ! な、なにこれぇ! しらない! こんなのしらないぃぃ!」
絶頂の先触れに、サーシャが縮こまっていく。女の身体に備わった悦楽の仕組みに火花が走り、初めて使う神経が発火していく。
それは、エルフの女王も同じだった。
(な、なんじゃこれは! こ、こんな悦楽! わ、妾は知らぬ!)
禁欲を誇りとし、性交など儀式としか思っていなかったオフィーリアもまた、その快楽を知らなかった。
いや、快楽だけではない。
「サーシャ、愛しているぞ」
「ああ、ジン様……私も、私も愛してますぅ……」
サーシャの愛情、オスを愛し、オスに愛されるメスの幸福が、オフィーリアの心に流れ込んでくる。
(う……な、なんだこの寂寥感は……)
じわりと、女王の目尻に涙が浮かぶ。それは娘のものではない、オフィーリア自身の感情だった。
「サーシャ……」
「ジンさまぁ♡」
ぱちゅん♡ ぱちゅん♡ 水音まじりの注挿が続く。快感が限界まで高まっていく。
(お、おのれ! 殺す! 殺してやるぞ!)
愛し合う二人にさらされて、オフィーリアのなかで絶対に認めたくない感情が浮かび上がってくる。自分の五百年に渡る生涯で、ただの一度もこのように愛したことも、愛されたこともないという事実に打ちのめされていく。
「いくぞ、サーシャ!」
「きゃうぅぅん♡ は、はい!」
そんなこととはつゆ知らず、恋人たちは上り詰めていく。
ぱちゅん! ぱちゅん! ぱちゅん! ジンが遠慮を捨てて腰をふり、幼い妻がつたないながらも腰を使う。
「ジン様♡ 旦那さまぁ♡ サーシャに出して♡ 孕ませてぇ♡」
「ああ、サーシャ。俺の子を……孕め!」
ばっぢん! ペニスが最奥に突き刺さり、大量の精子を吐き出した。
「ひぎゅ♡ ひぎゅぅぅぅぅぅ♡♡♡」
サーシャの瞳孔が裏返り、身体がガクガクと痙攣する。手足が男に絡みついて、精子の一滴もこぼさないようにくわえ込む。
どぐん! どぐん! 精子がさらに流し込まれる。サーシャはそのたびに気をやって、始めての絶頂におぼれていった。