※この作品はR-18です。

悪女わからせ~悪徳エルフ女王は勇者の☓☓☓で成敗される~   作:千吹つぐ

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娼婦衣装

 

 いつもの露台で、オフィーリアは立ち尽くしていた。

 

「そ、そのぅ、サーシャ? 本当にこの格好で……するのか?」

 

「もちろんです♡ さあ、ジン様。どうぞご覧ください♡」

 

 サーシャが肩に手をやって、オフィーリアのマントを剥ぎ取った。

 

 ひやり、と外気が肌を冷やす。ちりん、と何処かで鈴の音がする。

 

「うふふ、お母様ったら、とってもいやらしくって、素敵なお召しですよ♡」

 

(くぅっ! なんじゃこのハレンチな下着は!)

 

 オフィーリアは顔を真っ赤にして、下着姿の体を見下ろした。

 

 本来、エルフは下着を着けない。乳巻きだの腰巻きだのは人間族の習慣で、そんなものを身につけるだけで屈辱だった。

 

 だが、事態はそんなものではすまなかった。

 

 オフィーリアが身につけている下着は尋常のものではなかった。真っ白なレースの生地は高級なもので、コルセットやガーターベルトなど、布面積も比較的多い。だが肝心の乳や股間は丸出しだった。

 

 そのうえで、クリトリスや乳首などに小さな鈴が付けられていて、身悶えする度にチリンチリンと鳴っていた。

 

「うふふ、気に入っていただけましたかお母様? こちらは最近、娼婦の間で流行りのデザインなんですよ」

 

「しょ、娼婦じゃと!」

 

 オフィーリアはぎょっとした。

 

(こ、こやつら! よりによってエルフの女王に売女(ばいた)の格好をさせるなど! なんという不敬じゃ! おのれ! おのれ!)

 

「…………あら、おいやですか?」

 

「ひぃ!」

 

 一瞬、燃えようとした敵愾心(てきがいしん)は、しかしすぐに鎮火した。

 

「……せっかく、お母様を飾って差し上げようと思ったのに。……ジン様に喜んでもらおうと、私が手づから作った服が、そんなに不満なんですか? ねぇ? お母様」

 

 母親と似たおそろいのデザインの、ただしこちらは真っ黒な下着を身に着けたサーシャが、艶のない瞳で覗き込む。

 

「お母様はまだ、ジン様に逆らうつもりなんですか?」

 

「そ! そんなことはない! わ、妾! もうあきらめた! 降参した!」

 

 へらりと笑って、オフィーリアは万歳をした。

 

「光のヴェールだって! できればすぐにくれてやりたいくらいじゃ! ……し、しかし古い魔法は継承の条件がよく分からずに……その……」

 

「ああ、結構ですよ。そのようなお母様しか分からない細かい事は、べつに興味もありませんしね……ふふ……ふふふ……」

 

「うっ! くっ……」

 

 突然、下着がキリキリと締まって、オフィーリアを締め上げた。これらの装備はすべて『白木の鎧』を変化させて作ったもので、実質の拘束具でもあった。

 

 オフィーリアは苦しいとも、やめろとも言わずに、ただ耐えた。言い訳をしても無駄だと、すでに骨身にしみていた。

 

「さあ、そんなことよりもお母様。ジン様がお待ちですよ」

 

「は! はい……。ただいま……はぁ……はぁ……」

 

「あら、お母様。口上は?」

 

「っ! も、もちろんじゃ……うう……ううううう……」

 

 オフィーリアは歩み出る。そのたびに鈴がチリンと鳴る。

 

(く、くそ! 屈辱じゃ、しかしやらねば拷問される……こ、ここはプライドを捨てるしか……ううう)

 

 

「い、偉大なるご主人さまぁ……♡」

 

 

 中腰になり、手を掲げて、へらへらとした笑顔を浮かべる。

 

 屈辱で脳みそが煮えくり返る。だがそんな素振りを見せずにへりくだる。

 

「ほ、本日もぉ♡ この愚かな雌犬に♡ どうかご奉仕させてくだされぇ♡ わんわん♡ わんわん♡ へっへ♡ どんな芸もいたしますぞぉ♡」

 

 犬の芸であるところの、いわゆる『チンチン』の体勢になって、オフィーリアは「へっへ♡」と舌を出す。両手をかかげて、ガニ股になって腰を開く。

 

 チリンチリンと、鈴の音が大きく響くように、乳をブルンブルンと振り回す。

 

「ん……くぅ……」

 

 腰にぶら下がった重い鈴が、クリトリスをグイグイと引っ張る。そのような乱暴な刺激ですら、すでに感じるようになっている。

 

「わ、わんわぁん♡ こ、このメス犬の体はぁ♡ すべてご主人さまのもの♡ どうかこのだらしない乳や、しまりのない駄まんこでぇ♡ 旦那様のおちんぽ様に♡ ご奉仕させてくださいましぃ♡」

 

 くいっくいっと腰を捻って、まんこをちらつかせてオフィーリアは踊る。発情期の獣でもしないだろう痴態をふりまいて、エルフの女王が踊り続ける。

 

「ほぉれ、わんわん♡ ん……くぅ……お、おねがいしますぅ……わんわぁん♡ おちんぽ♡ おちんぽぉ♡♡♡」

 

 踊りを続けるうちに、腰の鈴音が止まっていった。汗と愛液でびしょびしょになったそれはもはや、音が鳴らなくなっていた。

 

「ふふ、お母様。よくおねだりできましたね。よしよし♡」

 

 サーシャがまさに犬にするように、頭と顎を撫でていく。オフィーリアは笑いながら泣いていた。涙だけはどうしても取り繕うことができなかった。

 

「…………」

 

 そのとき、椅子に座っていたジンが、股をわずかに開いてみせた。

 

「まあ、よかったですねお母様。ジン様がご褒美をくれるそうですよ」

 

「あ♡ ご主人さま……」

 

 踊りをやめて、そそくさと足元に座り込む。

 

「あ、ありがとうございますご主人さま。それでは本日も、たっぷりご奉仕させて頂きます……」

 

 頭を下げて、ジンの素足に口づけをした。

 

(う……うう……なんという屈辱じゃ。……また今日もこれが始まるのか……くぅ……耐えろ、耐えるのじゃ!)

 

 乳をたっぷりと見せつけながら頭を上げる。ズボンのボタンを外していく。

 

 だらん、と赤ん坊の腕のような、勃起前のペニスが転がり出る。

 

 ひと月前までは、オフィーリアが裸を見せるだけで、ジンのペニスはガチガチになっていた。しかし今はこの始末だ。

 

 オフィーリアの胸がチクリと痛む。理性では時間稼ぎが出来ることを喜ぶべきだとわかっているのに、メスのプライドが焦っていく。

 

「そ、それでは失礼します。……あーん」

 

 舌を下品に突き出して、ペニスをぱっくりとすくい上げた。

 

 いまだ皮をかぶったままの亀頭を舐める。

 

「あむ……んじゅ……ん……んんん!」

 

 ゆっくりと、棒飴でも溶かすように、大きなペニスを濡らしていく。じんわりと、包茎チンポの中身が溶けだしてくる。

 

(お! おえええええ! ひぃ! に、苦い! 臭いぃぃぃ! ぼえええええ!)

 

 皮の中にたっぷりと残った恥垢の香りが逆流してくる。ねっとりとした、小便の腐った芳香が、鼻孔を内部から侵していく。

 

(うう! なんという恥辱じゃ! ……し、しかしそれでも、他と比べれば遥かにましじゃ……なんとか長引かせねば……)

 

 オフィーリアは懸命にフェラチオをする。自分はもうすっかり諦めて降参しているとアピールして、拷問や、種付けの時間が短くなるように奉仕する。

 

「ふふ♡ お母様、私にもさせてください♡」

 

 そのとき、右隣にサーシャが入り込んできた。

 

「むちゅぅ……じゅぷ……じゅぱぁ……」

 

「れろれろ……くぷぷ……じゅるるるる……」

 

 エルフが、それも最も高貴な王族の母娘が、人間の股間にうずくまり、下品にペニスを頬張っている。ひとりは屈辱に身を震わせながら、そしてもうひとりは心の底から幸福そうにしている。

 

「ふふふ♡」

 

 むきぃ……と、サーシャが包皮を剥き上げる。『むわぁ……』と、雄の匂いが立ちこめて、恥垢にまみれた亀頭が現れた。

 

「すぅぅぅぅ……はぁぁぁぁ……ああ、なんていい匂い……」

 

(こ! こやつ正気か? こんなものがいい匂いなどと……おええええええ!)

 

「んんん……ちゃぷ。ちゅるる! ぱくぱく、……んく」

 

 オフィーリアが呆然とする目の前で、サーシャが亀頭にしゃぶり付く。それも媚売りや演技ではなく、ただ純粋な愛情で舐めあげる。

 

(わ、妾もやらねば疑われる……ええい! ままよ!)

 

 ぱくぅ! 黄ばんだ恥垢に口を付ける。腐った卵のようなドロドロを舌ですくって食べていく。

 

(おえええええ! ひいいいいいい!)

 

「ふふふ……どうぞ、おかあしゃま……ぐぷぷ……じゅぷ」

 

「んん……さぁしゃ……んんんん!」

 

 ちゅぴぃ……ちゅぱぁ……亀頭を挟んで、母と娘がキスをする。恥垢と涙と唾液を、お互いの口内で混ぜ合わせていく。

 

「んん! んんんんん!」

 

(おええええ! 気持ち悪い! 気持ち悪い! 気持ち悪いぃぃぃ!)

 

 ぽろぽろと涙が溢れる。それがたまらなく恐ろしい。本心などとっくにバレているのではないか、そう恐怖しながら、賢明に汚物を口にする。

 

「うむ、いいぞ、ふたりとも」

 

 ジンが言う。その言葉を証明するように、ペニスがバキバキに勃起していく。

 

「ん! んんん!」

 

 オフィーリアは喉を開いて、なんとか肉棒を受け入れる。体を起こして、キツツキのようにフェラチオをする。

 

「ふむ、だがまだまだ上品すぎるな」

 

(う、嘘じゃろ? これ以上どう下品になれると言うのじゃ!)

 

「どれ、手伝ってやろう」

 

 そっと、ジンの手が頭を撫でる。やろうと思えば女の頭など西瓜のように握りつぶせる戦士の両手が、がっしりとこめかみを抱え込む。

 

(ま、まさか――)

 

「ふうん……」

 

 ずぶぅ! と、万力のような力で、頭が腰に押し付けられる。亀頭が喉輪を乗り越えて、食道の入り口に潜り込む。

 

「むぐううう! んんんん!」

 

 ずるるるる! まるで蛇が獲物を貪るように、口腔をチンポが這いずり回る。

 

(い、息が……頭が……)

 

 両手が容赦なく前後して、そのたびに視界が明滅する。

 

「おお、いい具合だぞオフィーリア。褒めてやろう」

 

 ジンがガッシガッシとチンポをしごいて、オフィーリアの穴を称賛する。

 

(ひ、ひどい……わ、妾を、この偉大なる女王の頭脳を、チンポしごき穴としか評価していないなんて……)

 

 オフィーリアは死体のように揺さぶられている。腕をダラリとぶら下げて、巨乳をゆっさゆっさと揺らしている。

 

 視界がぐにゃぐにゃに歪んでいく。エルフでもっとも優秀な脳みそが、頭蓋骨にペチペチとぶつかって死んでいく。

 

 涙が流れる。その涙すら潤滑液にしてチンポがしごかれる。

 

「うむ、そろそろ出すぞ」

 

 喉の中の肉がさらに膨張していく。血管が内側から圧迫される。

 

 脳に……血が……足りな……。

 

「ふぅ! んぐぅ! ぐうぅぅううう!」

 

「まあ、お母様ったら、ふふふ、気持ちよさそう……」

 

(そ、そんなわけ! ……あ、あへ? なんれぇ?)

 

 酸欠を絶頂の先触れと勘違いして、脳みそが快楽物質を垂れ流している。

 

「ふん! ふん! ふん!」

 

 ジンが、髪と耳を同時にひっつかみ、いよいよ激しく腰を振った。

 

(ひぎぃ! 耳! とれちゃうう! エルフの高貴な耳が! ちんぽしごきの取手にされてるぅ! なんたる屈辱じゃ! ああ! だが! だがぁ!)

 

 ぷしゃあああああ! 先走った体が潮を吹く。クリトリスの鈴が『リリリン』と清涼な音を奏でる。

 

「受け取れ! オフィーリア!」

 

「おご! へごおおおおおおおおお!!!!」

 

 びゅるるるる! 体の、奥の、さらに奥、食道を超えて、胃に直接中出しされる。

 

「~~~~~~~~~~~~!!!」

 

 針金のような陰毛に顔を埋めながら、オフィーリアは白目をむいて絶頂した。ぷしゃ、ぷしゃぁ! と潮を吹いて、胃の噴門から幽門までを白濁液で犯し尽くされた。

 

「ぷはぁ! はぁ……はぁ……」

 

 ぱっと頭を放される。

 

「お……おお……げええっぷぅ……おげ、げえっ」

 

 胃の中の空気が逆流して、オフィーリアは盛大にゲップした。体内から精液の香りが立ち上り、口臭となって振りまかれた。

 

「おえ……ううう……ううううう……うう……ううう……」

 

 仰向けに倒れて、オフィーリアは顔から汁を垂れ流す。涙、よだれ、はなみず、そして備考を汚す精液が、鼻提灯となってぷくぅっと膨れた。

 

(これが……わらわ……エルスタッドの女王の……すがた……)

 

 屈辱、恥辱、だがもう怒りも出てこない。ただただ情けなさで死にたくなる。

 

「ううう……ひっく……えぐ……うぐ……ひっく……」

 

「ああ、お母様、いいお顔……」

 

 だが、地獄はまだ始まったばかりだった。

 

「体もすっかりゆるんだ様子。さあ、親子で仲良く、種をつけてもらいましょうね♡」

 

#娼婦衣装・下★

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「あら、お母様、もったいない……ん……ちゅぴぃ」

 

 サーシャが、口にかかった精液を舐め取っていく。オフィーリアはされるがままに、娘に口をまさぐられていた。

 

「んちゅ……もう、ジン様ったら、出すなら腟内にいただきたかったのに……」

 

「ゆるせ、このあと必ずしてやるからな」

 

(……あ、相変わらず、なんという絶倫ぷりじゃ)

 

 驚愕しながら、しかしオフィーリアは笑う。

 

(ふん、とはいえ、これほど絞り出したのじゃ。次はずいぶんと薄くなろうて)

 

 悪臭と痛みに耐えながら、オフィーリアは努力を実感する。かならずや、この忍耐の日々が報われる事を夢に見る。

 

(くっくっく、いまはせいぜいよがっているといい。こうして時間を稼いでいる間にも、陰謀は続々と進んでおるのじゃからなぁ! ふふふ、あんなバルバトスなど、あくまで前座にすぎん! ああ、できるなら教えてやりたいのぅ。あの『ビスカーブの猟犬』や『吊るし屋バギンズ』、そしてあの伝説の殺し屋『顔なしのドッペルゲンガー』に命を狙われていると知ったら、さすがのこやつも青ざめるだろうとも!)

 

 オフィーリアの目的、それはもちろん勇者ジンの暗殺だった。監視をすり抜けて発動した計画は、すでに十以上に登っている。

 

(こやつの死に際が見れるのなら、もはやプライドなど捨てる! 徹底的に媚びて時間を稼ぎ、油断させてやる! くっくっく!)

 

 いまこの瞬間も、戦いは続いていた。オフィーリアはにっこりと微笑んで頭を下げて『お射精ありがとうございます。旦那様』と媚を売った。

 

「まあ、いい心がけですねお母様」

 

「うむ、見違えるようだ」

 

(くっくっく! バカ夫婦め! 今に見ておれ! サーシャ、お前はオークの苗床にしてやる! ジン! 貴様はこのふにゃちん切り落として口に詰め、見世物小屋の目玉にしてやる!)

 

 油断しきった二人の態度に、オフィーリアは勝利を確信した。

 

 そのときだった。

 

「ああ、そういえばオフィーリア。お前に聞きたいことがあった」

 

「は、はい? な、なんでしょうご主人さま!」

 

「これについて、なにか知っているか?」

 

 オフィーリアは顔を上げた。

 

 するとその眼前に、エルフの生首が突きつけられた。

 

「へ? ……ひゃ! ひゃあああっ!」

 

 一拍遅れて、オフィーリアは悲鳴を上げた。首は、ただの生首ではなかった、血の気を失った真っ白な顔は、オフィーリアにそっくりだった。

 

「ふむ、やはり似ているな。どういうことだオフィーリア。……ん? どうした?」

 

「ひぃ! ひぃぃぃ!」

 

「ふふふ、ジン様、お母様はその生首が怖いのですよ」

 

 サーシャが背後から抱きしめて、子供にするように『よしよし』とあやした。

 

「なぜ怖がる? 生きているならともかく、死体は敵にはならんぞ」

 

「それは戦士の考えですわ。女子供は、こういうものが怖いのです」

 

「ふむ……だが、お前は平気じゃないか?」

 

「私は、ジン様と一緒に地獄を見ましたから。でも初陣では、こんなものでしたよ?」

 

「そうだったか……ふむ、これでどうだ? こわくないか?」

 

 ジンが生首をおずおずと遠ざけた。

 

 そのずれた気遣いを見て、オフィーリアは悟った。

 

 彼らは別に、脅迫しようとか怖がらせようという意図はなく、死体をただ日常にあるものとして、気負いなく扱っているだけなのだ。

 

 オフィーリアは思い出す。目の前の男女はたしかに傑物なのだと。死など日常とかした戦いを繰り返し、あの魔王を倒した勇者パーティの一員なのだと。

 

「ふふふ、それにしてもお母様。女王ともあろうものが、生首一つで大変な取り乱しようですね? あまり見たことはありませんか?」

 

「あ、当たり前じゃ……こんなもの……」

 

 オフィーリアはこれまで何万人もの人間を虐殺してきた。だがそれはあくまで魔法や陰謀の結果でしかない。拷問や虐待で好むのも、生きた人間の悲鳴や慟哭だ。

 

「で? これはなんだ」

 

 ぐいっと、髪の毛を掴まれて、再び生首と対面させられる。

 

(ああ、そんな……そんな……)

 

 顔かたちも、目の色も、それどころか髪を引っつかまれて吊られているところまで、すべてがオフィーリアにそっくりだった。

 

 そんなことが出来る存在は、この世で一人しか知らない。

 

(ううう! そんな! バカなぁ!)

 

 絶望が心を暗くする。希望の一つが砕かれる。

 

「答えろ」

 

「は、はい。……この者はおそらく、旦那様の命を狙った殺し屋です」

 

「ほう、そうだったか、……で? 名は? 分かるか?」

 

 ぐっと、喉が詰まる。値千金の、しかしもう無意味になった情報を吐く。

 

「こ、これなる者は伝説の殺し屋『顔なしのドッペルゲンガー』だと思われまする」

 

 陰謀の大本命だったはずの、オフィーリアの虎の子の暗殺者は、物言わぬ生首に変わっていた。

 

「か、彼の者は標的の親しいものに化けて近づき、暗殺するのだとか……」

 

「なるほど、それでこの顔か」

 

 ジンがしげしげと見比べる。オフィーリアはちらりと目線を上げる。

 

「……ド、ドッペルゲンガーの変身は、誰にも見破れぬと聞きます。だ、旦那様は、どのようにして見破ったのですか?」

 

「いや、見破ってなどおらぬ。会ったときは、本当にお前だと思っていたぞ」

 

 ジンがあっけらかんと答える。……ではなぜ? と上目遣いだけで聞く。

 

「わずかな違和感があってな、試しに切ってみた」

 

「な、なぜそのような無体を……」

 

「別に、お前なら光のヴェールに弾かれるし、もしなにかの偶然で死んだとして、それはそれでかまわん」

 

 ああ……、そうか……。

 

 オフィーリアはいまさらのように思う。

 

 この男は、本当に、当たり前に、自分を殺すつもりなのだ、と。

 

「なるほど、つまりこいつは俺のもっとも信頼する者に化けて、油断したところを殺すつもりだったわけだ。それがまさか、ほんの少しの違和感で首を切られるとは、思わなかったのだろう」

 

「あらあら、ふふふ、なんとも間抜けな暗殺者ですね」

 

「そういうなサーシャ。お前に化けられていたら、どうなっていたか分からんぞ? とても首など切れなかっただろうからな」

 

「まあ、ジン様。うれしいことを……うふふ」

 

 いちゃいちゃした雰囲気を出しながら、夫婦が死体の前でキスをしている。

 

 オフィーリアは、こんどこそ鏡を見ている気分になった。

 

 青ざめて、ぴくりとも動かない、まるで未来の自分の姿。

 

「さて、では本物のほうも殺してやるか」

 

 ぱっと手が離される。二つの頭が地面に落ちる。

 

 目の前の、死体の自分と目が合った。

 

「ひぃ! ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

「あら、どこに行くのですか? お母様」

 

 這いつくばって逃げるオフィーリアの体を、つる草がしゅるしゅると捉えていく。身につけていた下着が変化して、死んだカエルのように仰向けにされる。

 

「いやああ! いやあああああああ!!!」

 

「あら、お嫌なのですか? やはりお母様が諦めたというのは嘘だったのですね」

 

「まあそう言うなサーシャ。そんなことは最初から分かっていたことだ」

 

 ペニスをいきり立たせたジンが近づいてくる。

 

「ひぃ! ひぃぃぃぃ!」

 

「どうせこの暗殺者も、お前の手筈なのだろう? かまわん、存分に抵抗するがいい」

 

「や! やめてぇぇ! いやじゃ! いやじゃああああ!」

 

 あまりの恐怖に、もはや演技することも叶わず逃げようとする。だが拘束は解けずに、ただぷるぷると乳を揺らして男を誘うだけだった。

 

「そら、孕めオフィーリア。孕んで、死ねぃ!」

 

 ずっぶうううううううう!

 

「いっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡♡♡」

 

 恐怖と痛みが、オフィーリアの心を切り裂いていく。だというのに、体は幸福と快楽を喜んでいる。

 

「やぁぁぁ♡ ぬいてぇぇ♡ しにたくない♡ しにたくないぃぃ♡」

 

「うふふ、だから、言っているでしょう? お母様」

 

 背後に回り込んだサーシャが、オフィーリアを抱きかかえる。

 

「お母様は、いままで一度でも、命乞いをしてきた相手を救ってやりましたか? あはは! あははははははは♡」

 

「ほごぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 股間に灼熱の火が灯る。肛門に異物が入り込んでくる。

 

「あはは! あはははは!」

 

「へぎょぉおおおおおお!」

 

 それはジンのペニスをかたどった、特大の双頭ディルドーだった。

 

「ああ! お母様の中! 気持ちいい!」

 

「ひゃべてぇぇぇぇ! 妾のお尻! 壊れる! こわれちゃうぅぅぅ!」

 

「おお、いい締りだぞ」

 

 ぎゅううう。前後から抱きしめられる。体が勝手に快楽を貪って、チンポを締め付けて射精を促す。

 

「しにたくない! しにたくないぃぃ!」

 

「だめだ、お前は死ぬのだ、オフィーリア」

 

 ペニスが交互に体を貫く。快楽の緩急がなくなって、つねに高みに追いやられる。

 

「快楽と法悦のなかで逝くがよい。オフィーリア……死ね……死ねぇ!」

 

「あ! ああああ! だめ! だめぇ! しぬ! しぬしぬしぬぅ! ああ!」

 

 ずぎゅううううう! ペニスが子宮に口付けをして、零距離から射精した。

 

 びゅるる! びゅるるるるるるる!!!

 

「しぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡♡♡♡♡♡」

 

 ビカビカと視界が明滅する。頭が馬鹿になっていく。

 

「お……おごごご……おごごごごごご……」

 

 唇から泡を吹く。胃の精液が逆流して、生臭い泡を口から漏らす。

 

(こ、殺される……)

 

 拘束を解かれて、死体のように転がりながら。オフィーリアは彼女を見つめた。

 

 すべての苦しみから開放された自分の生首が、穏やかな顔でこちらを見ていた。

 

(殺さなければ……殺される!)

 

 一瞬、彼女が羨ましかった。

 

 それが、なによりも恐ろしかった。

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