愉悦転生!神の遊戯場、俺はこんな世界に産まれたく無いだ(T . T) 作:rapas
んあ? 赤ん坊の目標はまず、固形物を食べる事やで!
8.人生の目標
オバ暦元年 〜 アリオス 〜
突然の凶作に、農地も食べる物も足りない俺の家は、人買いに末っ子の俺を売り払った。
売られるのは女じゃ無いのかって? 鉱山労働とか、農奴ってのは、力のある男の方が売れるらしい。
まぁ農作業なら、産まれながらにやってきた事で、今までと何も変わらないさ。
でもそんな考えは、人買いの隊商が、盗賊に襲われてあっさりと変わった。
年頃の女は味見と称して、ぶっ壊されるまで犯され、反応的な眼をした漢は縄に繋がれ、投げナイフの的として余興の中で殺された。
幼すぎる子供は、紐に繋がれての過酷な移動で、力尽きて死んだ。
反抗出来ない楽な奴隷だけに絞ったって訳だ。
そんな中で俺も力尽きる側に、片足突っ込んだ訳だが、直前に連中は、たった5人の護衛で移動している商隊の馬車を襲いに行った。
30人近い盗賊からすれば、手軽な獲物に見えたんだろうなぁ。
意外な事に、力尽きて放置された奴隷の前に、再び現れたのは商隊の馬車だった。
馬車から降りて来た女の子は、俺たちを確認すると
「隊長ー!この人達って、まだ息が有るから、拾っていきましょう。 ウチは人手不足だから、貴方も回復したらバリバリ働いてね。」
どうやら俺の命は助かったらしい、そう言葉をかけられて安心すると俺は気を失った。
目覚めた場所は、壁も天井も床すら、白い滑らかな石造りの清潔な大きな部屋だった。
俺と一緒に拾われた奴隷や、同じような境遇の衰弱した連中ばかりが、集められていた。
そんな中に俺を拾ってくれた女の子が、大量の食事と紙の束を持ってやって来た。
グズグズの液状になるまで煮込まれたオートミールと水を配りながら、あの子は1人1人言葉をかけて、何かを書き込んでいた。
「ヨシ!ちゃんと目を覚ましたわね♪ あのまま死んだらどうしようかと思ったわ。」
そう言って、俺にオートミールをよそってくれた・・・ちょっと少ない(._.)
俺の器にぬるま湯を足しながら、あの子は匙を渡してくれる。
「ほら、今までちゃんと食べていないのでしょ? まずは薄いオートミールで胃を慣らしなさい。 絶食後にがっついて食べた人は、胃腸が詰まって死んじゃったから、たぶんこれが正解よ。」
治療だったらしい、俺は自分の知識の無さが恥ずかしかった。
あの子はナニかをまたメモした後に、他の人達へ配膳を続ける。
全員に配り終わると帰るのかな?と思っていたら再び俺に会いに来てくれた。
俺の腹はおかわりを所望している。
「みんなへの配膳も終わったし、ネボスケ君には、色々教えて貰わないとね!まずは名前からよ。」
そうだ、俺はこの子に名前すら名乗って無く、この子の名前も知らなかった。
「アリオスです。 産まれはトチノキ村で、小作農の4男でした。」
メモをしながら、この子は次々と質問を続ける
「はいはい、ok ok、衰弱して力が落ちてるけど、身体の動きは正常、変な痛みもないっと、後は気になる事はある?」
「あの・・・えっと、なんて呼べばいいの?」
俺はこの子の目をまっすぐに見て尋ねる。
この子は自分自身を指差して「私のこと?」と問いかけるから俺も頷く。
「あー!そうよねぇ、初めてだから名乗って無いや! 私はガガミン!この診療所で貴方達の回復状況の記録を取っているの。 ちゃんとした医者が来るか、貴方が回復する迄の付き合いになるの、これからよろしくね!」
「おう」・・・じゃなくて、ハイ、ガガミン・・・さん、これからよろしく。」
それから毎日、ガガミンと会話して、お世話して貰って、俺は少しづつ元気になっていった。
一緒の部屋の奴らにもガガミンは人気で、いつまでもココに居たいような気になっていた。
でもお別れは、思ったより早く、突然だったんだ。
「みんなー!ゆっくりだけど、全員無事に元気になって来て嬉しいわ!1ヶ月の短い間だったけど、正式な医者が来るから私はお役御免で次の仕事に行くの!まぁ花嫁修行を兼ねて王都から来る貴族夫人の下でメイドをするんだけどね!私は明日から新しい職場へ行くけど、同じ領内だからまた会うこともあるでしょ!その時は挨拶ぐらいはしてね?忘れちゃってたら怒るわよ♪」
俺の想い描いてた明日は、いつも突然に変わるんだって、嫌なほど理解した。
ガガミンが居なくなって1ヶ月、順調に回復してリハビリってのも終わりになる頃、俺は医者の先生に尋ねた。
「ガガミン嬢に、また会いたいねぇ。 ガガミン嬢は領主様の所で、メイドをしているから、出世して領主館に出入り出来るようになれば、会う可能性はあるなぁ。」
「出世って、どうすれば出来んだ?」
「読み書き算盤に優秀で官僚になるか? コミュ力が高く人の扱いが巧くて執事や家宰を目指すか? 腕っぷしと根性で兵士やるか?じゃ無いかな?」
「先生は俺が、官僚や執事になれると思うのかよ!?」
「無理だろw お前は馬鹿だし、口も悪い。 世話になってる目上に対する言葉使いですらなっちゃいねぇ。」
「兵士一択じゃねぇか〜。」
「頑張れw若者! 早くしねぇとガガミン嬢が嫁に出されちまうぞw」
「ちょーっとそれは気が早くねぇか?」
「花嫁修行でメイドやるって、ココから移動だろ? 確かにまだ子供だが、お前が出世出来るのに、何年かかると思ってんだ? 5年もすればガガミン嬢は18歳だ、良家の大半が17〜19で娘を嫁に出すんだぞ?」
「2年ぐらいで、出世出来ないかな?」
「無理だね、ココを出たらお前は1年間の領民教育して、次は兵士の訓練が1年間だ。 出世レースは2年後からだなw」
「2年って・・・残りは1・2・3って3年しかねぇのか!?」
「指折りで数えんなよ、まぁ3年で現在の領内最高位である百人長が目標かなぁ・・・遠い遠い、無理無理w」
「無理なんてこたぁねぇ!やってやる!」
宣言した翌週に、診療所を退所した俺は、その足で領民学校へ飛び込んだ。
領民学校は6歳〜12歳のガキをゆっくりと丁寧に思想も知識も教育するのが目的って最初に教えられた。
領外からの難民は、最大1年間の食事付き無料講習が認められていて、卒業希望者は試験を受ける事で期間を短縮出来るそうだ。 よく分からんが、試験ってのを受けて合格すれば1年早く出世出来るんだな!
1番大事なのが思想試験らしく、これに不合格だと領民不適切って事で領地そのものから追い出されるらしい。
俺は早速試験を受けて、見事に不合格になった。
思想は合格、法知識と読み書き不合格・・・医者ーーー!兵士どころか、領民になるのも、読み書きがいるじゃねぇかーー#
それから半年間は、机に齧り付いて慣れない文字の勉強漬けだった。
農民に学なんかいらねぇって考えだった親父と、それに共感して学ばなかった幼い頃の俺に対する怒りで、頭の血の巡りは良くなってたぜ・・・あー殴りてぇ#
毎月の恒例になった卒業試験を遂に俺は合格で通過した。
思想試験は、相変わらず口頭形式でウザイおばさんが根掘り葉掘り、聴き出そうとする。
担当官は毎回変わって居るのになんで聴いてくる内容が同じなんだよ!
「つまり、君はガガミンちゃんラブで、あの子に、もう一度逢うために頑張ってるんだねぇ♪ 青春だ♪」
「ちげぇって、ラブラブ煩えよ!ババア!」
回答結果は、100点って数字が斜線で消されて、合格ラインの70点とされていた。
注意書きに「女性への口の利き方悪し」って書かれてた・・・?(;´д`)
法知識は簡単さ「盗むな!騙すな!人殺すな!」だろ!
回答結果は、70点・・・「簡単に人を殴るな」って書かれてた・・・?(;´д`)
読み書きは1番難しく自信がねぇ
回答結果は、80点・・・「字を美しく書きましょう・・・汚くて読み辛い」って書いてあった・・・ごめんなさい(;´Д`A
半年かけて領民学校を卒業した俺は、少ない荷物をまとめて、その足で兵士訓練所の門を叩いた。
これから兵士になる訓練が始まる。
将来なんか、また突然変わるかもしれねぇ。
ただなりたい自分に向かって最短距離を進むんだ!
〜 fin 〜
へーほーふーん(興味なし)