僕が君に変わるまで (花隈千冬乗っ取り) 作:そのやまよーく
寝静まった夜。小ぎれいに片づけられた部屋。その部屋で一番目を引くのは部屋の一角を占めるカメラとその備品たちだが、ところどころにちりばめられたぬいぐるみや丁寧に畳まれた制服の存在により、かろうじてここは女性の部屋だと分かる。
その清潔な部屋に、不似合いにも淫らな水音が満ちていた。
「はぁ……んっ、ふうっ」
部屋の主、花隈千冬がその身体を一心不乱に慰めていた。
その女性器は黒々とそびえたつディルドによって貫かれ、それを飲み込み、グラインドしていく。ぬらぬら濡れそぼったディルドの太さは子供の腕ほどもあり、凶悪なうねりを持っていたが、鼻にかかった吐息とともに、千冬の穴はそれを易々と受け入れていた。
「ふひ、ふひひ……もう、こんなに開発されちゃったね、千冬ちゃん」
千冬の端正な顔が歪んだ笑顔で満ちる。口元が卑屈な弧を描き、まるで他人事のような乱暴な言葉を吐き出した。
はだけたパジャマの上から胸をまさぐる。その乳首は石のように固くなっており、爪を立てるとグミのように弾力ある感触を返した。
「こんな、ドスケベな、いやらしいことを……僕が千冬ちゃんにさせているんだ」
千冬が陶然と呟く。その間も、そのまたぐらは黒い恋人をくわえてはしゃぶり、愛ある唾液で濡らしてゆく。
「いや、僕が千冬ちゃんなんだ」
その頬に手を当てた。やや癖のあるボリュームのある髪、なだらかで整った頬のライン、小ぶりで愛らしい唇、緑差す利発な瞳。そして、ガラスのように透き通った声。それは今全て、"彼"のものだった。
「魂を好きな女の子に憑りつかせることのできる薬なんて眉唾物だと思ってたけど、まさか、こんなことがあるだなんて」
彼は花隈千冬の視界で、花隈千冬の部屋を見渡した。こうして見ると、この部屋は花隈千冬という人物のこだわりがあちこちに見える。カメラ一式の手入れの行き届いた様子や、整然と片づけられた勉強道具、折り目正しく用意された明日着る制服、お気に入りのぬいぐるみのラークパッチ。それらが、その背後にある花隈千冬の感情まで含めてすべてが見えた。
「すごい、僕に、千冬ちゃんの記憶が見えるようになってきてる」
千冬の声が興奮に震えた。
「初めての時は、ほんの少ししか見えなくて、カラダの主導権もちょっとしか握れなかったのに……」
彼がその薬を使ったのは、今回が初めてではない。これまで何度も彼は花隈千冬となり、そのカラダを堪能してきたのだ。その成果は淫らに開発され切ったおまんこやじんじんと切なさを訴えている乳首が伝えていた。
「千冬ちゃんのオマンコ最高ォ!!」
夜であることも忘れて、興奮のままに叫んだ。
「もう、全部……全部僕が貰っちゃっても、いいよね?ね。千冬ちゃん?」
千冬は独りよがりな言葉を一息に吐き切り、小首を傾げて問いを投げた。
「はい。私、花隈千冬のすべてを、あなたに差し上げます。大切にしてくださいね」
震える声を整え、透き通った冷徹な少女の声で、それに応える茶番をした。そのまま千冬はベッドに乱暴に倒れ込んだ。
「次は、どんな楽しいことをしようかなあ……千冬ちゃんの先輩にも会ってみたいなあ、めちゃくちゃ可愛いんだけど、お調子者の六花先輩。一見厳しいけど、ちょっと抜けたところが可愛い、美人の花梨先輩。三人きりの軽音部、楽しくないわけがないんだよなあ!」
千冬の思い出から、彼女たちの顔を呼び起こす。千冬の興奮、千冬の敬愛、それらすべては彼のものだった。
「千冬ちゃんのカラダで、楽しくないことなんて、ないよな、ひひっ」
千冬はベッドの上で悶えた。その拍子に咥え込んでいたディルドが間抜けな音を立てて抜けた。
「――お"っ"?!」
それをきっかけに高まっていた快感の蓄積と興奮が、稲妻のように千冬の細い身体を走り抜けた。背を海老ぞりに反らせ、おまんこから潮を噴いて、清潔なベッドに染みを作った。
静寂。そして、ベッドにぐったりと沈み込む身体。
「あは、あはははは……」
自然と笑いがこぼれ出た。この調子なら、近いうちにこのカラダは完全に自分のものになるという確信があった。
彼はその日を夢見ながら、幸せな余韻に包まれて花隈千冬のカラダでまどろみに沈んだ。