僕が君に変わるまで (花隈千冬乗っ取り) 作:そのやまよーく
冬の狭間の小春日和。良く晴れた空がどこまでも高く、透き通っていた。
早朝の鋭く澄んだ空気が、彼女、花隈千冬の頬をわずかに赤く染めていた。白くもやがかる呼気。それが孤独な通学路にはじけて消えた。
「あー、千冬ちゃんのカラダで吸う空気は美味しいな」
思わず千冬の顔がほころぶ。今、このカラダは完全に"彼"の支配下にあった。
「日に日にあの薬の効果が長くなって、僕が千冬ちゃんでいられる時間が長くなっている。もうすぐ、僕たちずっと一緒になれるね」
千冬が自らの身を抱き、歓喜に悶えた。その静かなつぶやきは熱を帯び、大きな湯気となって空気に溶け込んだ。
彼は以前から人間のカラダの制御権を奪うことのできる薬を服用し、花隈千冬のカラダを使い続けていた。そのたびに薬の効果が長くなっていくのを感じていた。どういう理屈なのかは分からない。彼は自分の魂と千冬のカラダの相性が良いのだろうと漠然と考えていた。
「今日は休日なのに、こんな朝から起こしちゃってごめんね。僕には千冬ちゃんが朝が苦手なことだって分かるんだ」
今の千冬の姿は普段学校に通っているときと同じ制服だった。指定のブレザーにお気に入りの緑のカーディガン、黒のデニール数高めのタイツ、彼女の華奢な肢体からすると意外性のあるごついブーツ。
「ひひ、前からこの恰好で歩いてみたいとずっと思ってたんだよな。前までは、夜中にちょっとだけ千冬ちゃんになってたけど、今ならこんな時間だって平気なんだ」
千冬が歩く。その細い脚がリズミカルに弾んで、彼の思い通りに歩を刻む。そのたびにスカートがわずかに膨らみ、そしてしぼむ。タイツに覆われた太ももが空気に触れてヒヤリとして、その感触が彼にとって新鮮だった。
「ふうん、股間に何もないのって、歩くときこんなふうなんだな。千冬ちゃんの感覚としては自然なんだけど、僕としてはまだ違和感が残るんだよな……」
思案顔で、手袋に覆われた千冬の手を握ったり伸ばしたり、裏返したりしながら、感触を確かめていく。
「なんか、僕が千冬ちゃんになってるというか、僕が千冬ちゃんを含んだ感じなんだよな。今の僕の中には、僕の部分と千冬ちゃんの部分があって、独立しているんだけど、全部含めて僕というか」
思案を言葉にして整理していく。漫画の吹き出しのように、独白がぽつぽつと湯気になって後方に流れていく。
「だから、千冬ちゃんの部分で物を考えることもできるし、こうして僕が表に出ることもできる。だから」
千冬は唐突にブレザーの隙間から胸元に手を差し込み、自らの胸を揉んだ。決して大きくはないが、確かな柔らかい感触に指を沈め、その弾力を堪能する。
「……こういうことをすると、僕の中の千冬ちゃんの部分がすごく困惑して、とっても可愛いんだよな」
喉を鳴らして笑った。実際には困惑どころか嫌悪感さえ示しているのだが、その蔑みさえも彼にとっては心地よかった。
「別に僕は千冬ちゃん自体になりたいわけじゃないのかもしれない。僕は僕で、千冬ちゃんのカラダと心が欲しいだけで」
無自覚ではあるが、それが彼が千冬の口調をあまり使わない理由だった。千冬の口調を使うとそのたびに自分が"花隈千冬"であることを自覚して、自我の境界が千冬の側に傾く、そのことに薄々ながら気づいていた。
「さて、いい感じの路地があるから……あれをやるか」
陰が差し、少し薄暗くなっている路地。そこを見つけて、千冬はうきうきとその先へ進んだ。
「うわっ、寒っ」
おもむろにスカートをまくり上げ、タイツをずりおろしていく。冷たい空気に触れた白い肌が面白いほど赤くなる。千冬が最後に残ったショーツを下ろすと、そこには程よく整えられた茂みと形の良い女性の証があらわになった。
「身体が冷えて、いい感じにもよおしてきたな」
千冬が足を開いたまま身体を屈ませて、わずかに鼠径部を前に突き出した。短く息を詰めて、そこに意識と力を込める。
「おっ、出る出る」
盛大に湯気が上がる。千冬の放尿が地面や壁にはじけて、黄金がかった黒に染めていく。見る見る間に出来ていく水たまりにギラギラと朝日が反射した。
「私、花隈千冬は日中の路地でもおしっこしちゃう、変態露出女です」
彼はしなをつくり、千冬の口調を真似ながら呟いた。その声が、声にこもった熱が、それでいて涼やかな響きが、千冬のカラダをどうしようもなく興奮させ、加熱した。
「そのうえ、おまんこまで疼いて」
自由な方の手で尿で濡れそぼった女性器の根本、クリトリスを押しつぶし、こねくり回す。そのたびに下腹部に快感が浸透し、千冬のおまんこを小便以外の液が潤した。千冬はこらえきれず切なげに身をよじらせながら、クリトリスから膣口、そして中ほどまでも指をスライドさせながら長いストロークでほじくった。
「ひぅ、ん、はぁ……あっ」
じっとりと火のついた吐息が白くはじける。千冬の嬌声が誰も聴く者のいない路地に反響した。
「お外で、おまんこほじくってぇ……!」
ブラウスの奥、ブラジャーで守られた乳首が硬くなるのを感じ、タイツをまくり上げ続ける手がもじもじとする。彼の中の千冬の部分が服を汚したくないと全力で叫んでいた。彼はそれを無視して、乳首を抓りあげた。
「きもちよくなっちゃってますぅうううう❤❤❤」
千冬の身体が小さく震え、跳ねた。抑えを失ったタイツが足元に流れ、水たまりの水分を吸って黒く染まる。それと千冬の下腹部から立ち上った快感の渦が脳を直撃したのは同時だった。
新たな水音が立ち、小便の泉に愛が混ざった。
「ひゅー❤ひゅー❤」
千冬はそのままぐったりと建物の壁に背を預け、荒波のようなメスイキの快楽の波に揺蕩いながら、深く荒い息を続けた。