※この作品はR-18です。

フォトカノ 新見線ルート   作:橘JL

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第2話.私の哀哭&密かな前田君の決死の覚悟

こないだ前田君が私の家に来てくれた時、私の部屋でこの先、私が彼に話しかけたとしても、周囲の目線の関係で最低限なことしか答えない旨を伝えられた事を受けて、とても悲しい思いをした。小さい頃からの仲なのに……。そんなに私が、綺麗になったことがいけなかったの?最近なんて、前田君から声をかけられることが無くなる事に加えて、見ても見なかったことにされてしまっている。とても辛い。けど、周りの空気は「影が薄い前田君と付き合わないで、他の男と付き合えよ。」と言った声が大多数。私の友人にまで、反前田交際論が紛糾しているのが現状だ。私に「女の子らしくなれ」と言ってくれたのは彼なんだけど。

 

 

そんな私の辛い思いを他所に、何としてでも、私と付き合えるような状況を作る為に、前田君は自分磨きを毎日欠かさずやっていると言う。皆に認められるまでが大変だ。それでも彼は諦めずに、自分の魅力の欠点などを追求している。部活動だけじゃなく、勉学にも人一倍に取り組み、文系・理系の教科で平均8割くらいを取れるようにやっているらしい。私と喋るくらいなら、勉強に集中した方がより効率的だという考えなのだろうか。

 

 

また別の日。私のテニス部の友達の一人である、浅野茂美から聞くと、前田君は休日返上で学校で勉強をしているとの事。しかも、彼が猛勉強しているところを見たと。浅野さんは、彼が休憩をしているところを狙って直撃してみたという。勇気ある行動だ。

 

 

茂美「ま、前田君?」

 

 

一也「ん?誰なの?あなたは。」

 

 

茂美「私は、はると同じテニス部の浅野茂美よ。前田君が心配で、見に来ちゃったの。」

 

 

一也「そうか……。じゃぁ浅野さんは、あのことは知ってるな?」

 

 

茂美「え?あのこと?」

 

 

一也「俺と新見さんは不釣り合いで似合わないと、俺以外に他の男と喋ればいいのにと、裏でコソコソと陰口を叩かれたりしていることだ。俺も、浅野さん以外のテニス部の一員だとは思うが、言われたからな。新見さんと付き合えると思うなと。」

 

 

茂美「可哀想に……。私はそう思わないんだけどなぁ……。見た目で判断するだなんて……。」

 

 

一也「ありがとう。そう言ってくれてさ。俺は、孤立無援だと思っていたよ。学力で成績が特に良い訳では無いし、はたまた学年一に輝いたことも無い。そして、部活動でも運動部に入って、前線で戦って大活躍をしてる訳でも無い。どうせ俺は平凡な男さ。」

 

 

茂美「そんな自分を追い込まないで……。そんな事されても、私は喜べない……。前田君が葛藤をしているのに、そんな陰口を言う人は最低よ……。人間、評価されるのはステータスじゃないのに……。」

 

 

一也「浅野さんの気持ちは解った。周りの空気に流されないでいてくれる事だけ、感謝をするよ。でも、これだけは止めないで欲しいんだ。これは今の俺自身との戦いでもあるし。いずれかは必ず、新見さんのもとには帰る。それだけは安心をして欲しい。いいかい、この事はしっかり新見さんに伝えてくれ。もどかしいかもしれないけど、周りの空気に決して屈服するなともね。」

 

 

茂美「そこまで言うなら……解ったわ。止めない。けど、食事と体調管理をしっかりしてね。皆が居ない時間、昼休みや、放課後にこっそりと来るかもしれないけど。」

 

 

一也「了解。浅野さんも、俺と喋ったことで部員仲間から批判を買わないよう、くれぐれも気をつけてな。」

 

 

前田君とは、上記のようなやり取りをしたと言う。彼の本気度はとてつもなく凄まじく、やり遂げてやる感が満載だったと話を聞いた。

 

 

遙佳「ま……前田君……。グスッ」

 

 

茂美「はる……。それが今の彼の状況よ……。私も見てて辛かった……。周りは全部敵。自分を犠牲にしてまでも頑張らねば、誰も自分のことを認めて貰えないと言う決死の覚悟で勉学を頑張っているところを間近で見てしまったから……。」

 

 

遙佳「何故……。彼はそこまでして、頑張ろうとするの……。グスッ」

 

 

しげみん……。もう、私は泣きたい……。

 

 

遙佳「しげみん……。ちょっと、中庭のベンチに行きましょ……。」

 

 

茂美「そ……そうね……。」

 

 

涙をポロポロ流す私と、それを心配するしげみんは、光河学園の中庭に移動した。そこで、悲しみの気持ちがとうとうMAXになってしまい、しげみんの膝に顔を押し付けて哀哭をしてしまう。

 

 

遙佳「うわあぁぁぁぁん!!!!。°(´∩ω∩`)°。しげみん〜!!!!」

 

 

茂美「はる……。前田君とは、幼馴染でよく遊んだ思い出話を聞いてる。その中で、私は別に不釣り合いだなんて思ったりしてないの。それでね、定期的に彼の様子を見に行くわ……。私とはる以外の部員仲間に知られないように、そっとね……。」

 

 

遙佳「頼んだわ……。私が声をかけると、ただでさえ苦しい彼に更なる葛藤をさせてしまうから……。暫く話せなくなるのは寂しいけど……当分は、しげみんからの彼に関する続報報告を聞くね。」

 

 

茂美「彼の為にも暫くは、そっとしておいてあげようか。前田君の続報はまた持ってくるから。」

 

 

遙佳「えぇ……。お願いね。」

 

 

私にとっては辛いけども、彼にとってはもう後が引けない大事な時期。中間試験、期末試験で戦功を挙げなければいけない。この二度の戦いで勝たないと、恐らく彼は、私のもとへ二度と来ないだろう。

 

 

彼がこんなに必死に勉学を頑張るのは、かたや成績優秀でスポーツ万能な私と、写真部で成績は中の下の何も取り柄がない前田君といった評価のままで終わることを何としてでも避け、少しでも「おっ、コイツやるなぁ!」と言った好評価に持っていきたいだろうから。

 

 

私は、彼に対しての想いは諦めていない。いや、他の人の外圧によって恋事情をねじ曲げられるのは違うと感じているから。もし、その外圧によって彼への想いをねじ曲げられるのであれば、そんなのは恋じゃない。拷問だ。私の彼への想いを批判するしないは任せるけど、学力の差で見ないで欲しい。そんなのはステータスにしか過ぎないからね。現段階、前田君はそんな学力の差で悩んでいる事から、私との会話を拒んでいる。彼自身が、この時期をぐっと歯を食いしばって勉強に取り組みたいなら、その協力を陰ながら惜しまないつもり。友人を介して、彼に関する情報を貰えばいい。私と釣り合う様にするのは、簡単では無いかもしれないが頑張って欲しい。そう思った私がいたのでありました。

 

 

Fin.

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