前回は、友人で理解者の浅野茂美が滝川秀孝という男子に恋をしていたこと、その彼としげみんの学力の差に対して、やっかみや嫉妬から来る反滝川交際論が起き、私と同様に胸が張り裂けそうな辛い思いを経験したこと。他人に何と言われようが、彼は我武者羅に頑張って結果を出し、皆が「おっ、滝川はやるなぁ!」と見る目が変わったことを契機にしげみんと付き合えたことまでの経緯を私に教えてくれた。そう言われてみると、確かに今の前田君は大きな分かれ道に立たされているのだろう。何の取り柄もない彼で終わるのか、皆の見る目が変わるのか。この点は彼の努力次第で変えられる変数だよということを忘れてはならないと思ったところまでがアブストラクト。
<今回のお話>
前田君に距離を置かれてから1週間程度が経過した。この頃から、クラス皆の見る目が刻々と変化。「そんなに勉強をして大丈夫か?」と言った気遣う声や、「何か悪い事をしたなぁ。ここまで本気で猛勉強をするとは思わなかった」と言った声まで広がっているという。それは私の親友で理解者の浅野茂美から報告を受けているから。更に彼女情報によると彼女のもとに反前田交際論から寝返った人達まで現れたとの話も。これは私も驚きだ。
〜昼休み〜
私と浅野茂美は、いつものように屋上で昼食をとった後、のんびり過ごしていた。しげみんが前田君に関する新情報と反前田交際論から寝返った者までの情報を聞かされる事になる。
遙佳「ねぇ、しげみん。前田君との交際反対論に属していた同じテニス部から寝返った人達がいるって本当??」
茂美「そうね。どんな心情で前田君との交際反対論から寝返ったか知りたいところだね。実はね、その張本人達が来てるから紹介するわ。」
遙佳「えっ!?!?複数人なの!?!?」
茂美「そうなのよ。これには私も意外だった。1人だけかと思ってたんだけどね。」
そう言うとしげみんは、離反者達に合図を送って私と彼女の前に来させる。
??「反前田交際論に属して、積極的に活動をしていたこと、心から謝罪をします。」
??「偏見が本当の話のように思えてしまって一緒になって活動してました。本当にお恥ずかしい限りです。申し訳ございません……。」
??「本当に馬鹿な事をしてました……。ごめんなさい……。」
しげみん「謝罪は受け取るわ。自己紹介をしてくれる?」
織田「私は前田君と同じクラスではるると同じテニス部に属す織田義香よ。」
羽島「私は義香とは違う2年A組の羽島怜子です。」
美原「私は1年C組の美原亜依です。」
織田「はるるやまえかずと同じクラスでありながら、彼の事を猛烈に影で反前田交際論を叫んでた……。」
美原「私は前田先輩のこと、写真部で大活躍するすごい人なんだなと思ってました。許されることでは無いのは解ってますが、周りの分厚い偏見の壁に屈してしまった事……。後悔してます……。」
羽島「私なんか前田君に激しく詰め寄って嫌な事を言ってしまった節があるわ……。ある種、周りの空気に洗脳されてしまったんだと思う……。前田君に土下座をしてでも謝りたい……。彼の幼馴染のはるっちにも謝ります。本当にごめんなさい。」
私としげみんの前で彼女達3人が謝罪をしてきた。やった事は3人とも許される事では無いなと私個人として思うが……。
遙佳「織田さん、美原さん、羽島さん
。やってしまった事は仕方ないにしても、こうして寝返りという形で名乗り出てくれた事は嬉しい。普通、偏見の壁に屈してしまったなら突き通すか、名乗り出ずに平気で他人を傷つけに行動に出ていると思うの。」
茂美「確かに。偏見の壁に屈するという事は、即ち洗脳されたと同じ事として私も考えるわよ。でも、織田っちや美原さん、しまれいもこうして私達の前に偏見思考勢力から離反して出てくれている。これだけでも勇気のある行動だよ。中々出来る事じゃない。」
織田「浅野さんやはるるにそう言われると、救われた気持ちになる。」
美原「織田先輩の言う通りですね。あとは、前田先輩にどう顔合わせをしたらいいのか……。」
羽島「偏見思考にハマって他人が傷つく事をしでかして悪い事をしたなという気持ちが芽生えたと共に、偏見思考そのものの恐ろしさに青ざめた。」
遙佳「その青ざめると言うその事自体が本っ当に大切。走っている列車から窓を割って飛び降りるくらいの痛さを味わないと何してたんだろう私はという思考に辿り着かないと思う。」
茂美「織田、美原、羽島。貴方達の謝罪は受け取るわ。ただし、許すか許さないかは私じゃなくてはるが決める事。これから先、一つ一つの行動を見て判断するものと思いなさい。私には許す許さないの決定権は無いわよ。」
織田・美原・羽島「はい、解りました!!」
織田さん、美原さん、羽島さんの3名が反前田交際論(偏見思考勢力)から離反をして降伏してくれた。しげみんの言う通り、謝ってくれたから即許すという訳でもない。許す許さないの決定権は私にあるという事を言ってくれた。日常の学園生活を通して一つ一つの行動で決める。前田君関連情報の更なる続報をしげみんから受けつつ、彼女3人の行動をよく見ていかないとと思った私なのでした。
fin.