※この作品はR-18です。

フォトカノ 新見線ルート   作:橘JL

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アブストラクト


前田君が数学Ⅱや化学Ⅱの小テストで満点近い点数を取って、クラスの評価が変化してきた。また、後日行われた英語Ⅱ、物理Ⅱなどの小テストでも満点近い点数を取ったとか。彼曰く、休日返上や休憩時間の返上をしてまで歯を食いしばる努力をし続けてきた成果が表れたと言えよう。前田君は織田義香の男友達である武田頼俊君と中庭で他愛のない話をして教室へ戻ってきた。戻ってきて早々、武田君は悲しい表情を浮かべる私と、涙を流す織田義香の様子を見て不憫に思ったのだろう。早速、前田君に伝達。驚いた前田君は静かな足取りで私達に近寄ってくれた。心底嬉しかった。この1ヶ月間近く彼とは全く喋っていなかったから。この時の前田君は目にクマが出来ており、「休日返上をしてまで頑張らないで欲しい。そんなこと誰も望んでない」という旨を彼に伝えたところまでが前回のアブストラクト。


第6話.蓄積された寂しい想い

【今回の話・新見遙佳side】

 

 

あれからもう3ヶ月経っただろうか。期末試験はとっくに終わった7月の下旬。前田君は休日返上をしなくなり、休憩時間の時も私やしげみん達といるように時間を作ってくれたりしてくれた。要するに勉強のON/OFFを柔軟に切り替えられるようになったというわけ。

 

 

気になるテストの結果も返ってきており、私は数学II→88点、化学Ⅱ→93点、物理Ⅱ→85点、英語Ⅱ→80点、現代文→86点、古典Ⅱ→77点、数学B→89点と言ったところ。一方の前田君はと言うと、数学II→95点、化学Ⅱ→100点、物理Ⅱ→96点、英語Ⅱ→91点、現代文→90点、古典Ⅱ→92点、数学B→94点だったという。まさに劇的な逆転。クラスの皆も「前田君、スゲエェェェ!!スゲ━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━!!!!」といった歓喜の声で彼を讃えていた。

 

 

〜昼休み〜

 

 

一也「あぁ……。やり遂げたなぁ……。」

 

 

前田君は中庭のベンチでだらんと座っていた。私はそんな彼に声をかける。

 

 

遙佳「前田君……。お疲れ様。」

 

 

一也「だな……。そして、新見さんには多大な心配をかけたよ。申し訳ない。」

 

 

遙佳「もう、1ヶ月近く前田君と喋っていなかったんだからね?( ・̆༥・̆ )」

 

 

一也「まぁ、とりあえず隣に座りなよ。」

 

 

遙佳「うん、そうする。」

 

 

私は前田君に促されて、彼の隣に座った。本当に彼の隣にいるのは滅茶苦茶久しぶりな気がする。

 

 

一也「本当にごめんな。新見さん。新見さんと話してない期間のことなどほぼ忘れてしまっていたから……。自分のレベルを上げることを最優先にしていたからな……。」

 

 

遙佳「ま・え・だ・君??」

 

 

一也「……はいぃ!?!?」

 

 

私は前田君に対してジト目を向けていた。そのジト目からは、「曖昧な発言は納得しないからね」というオーラを放って彼に伝える。

 

 

遙佳「私はずっと……ずっとあなたと喋れる日を待っていた……。私のそんなじれったい気持ちを知らないで、ひたすら勉強していたの?」

 

 

一也「……。新見さんと付き合う為に、まずは自分への自信が欲しかった。勉強などを通じて、強くなってから新見さんの元に帰りたかったんだ……。というか、今よりめちゃくちゃやっかみなど声があった時、予告していたはずだぞ??」

 

 

遙佳「え?」

 

 

一也「新見さんもかい(笑)忘れてるのはお互い様だなぁ……。え?じゃなくて、春先の時に言ったよ。俺が自信を明確に持って、メンタル面も強くなって、皆に認められて新見さんのもとへ帰ってくるとな。」

 

 

遙佳「確かにそんな事言ってたね。///じゃぁ、私がこうして前田君と喋れてるのも、あなたのメンタル面が強くなった&自信を持てたと言う事?」

 

 

一也「そうだね。じゃなきゃ、また新見さんを独りにさせていたところだからな。」

 

 

遙佳「そうなんだ...。今回の中間試験や期末試験を通して、去年からすごい成長しているね。前田君。///」

 

 

一也「新見さんの言葉はありがたい。ただ、俺自身からしてみたら、普通のことだと思うよ。自分に負荷をかけるのは。」

 

 

遙佳「ううん、普通のことじゃないよ前田君。その当たり前のように見えて出来ないのが大半の人達よ。」

 

 

一也「えっ、そうかね?」

 

 

遙佳「もう、鈍感なんだからぁ...。前田君は、能動的に勉強を人一倍か二倍やっていたからそう言える。多くの他人は、受動的に勉強をしているからあまり覚えられなかったり、苦戦をしているんだと思う。」

 

 

一也「新見さんは頭脳明晰だからな。流石だなぁ...。(笑)」

 

 

前田君に頭脳明晰と言われちゃった。別に私はそんなつもりはないんだけど...。そして、まだどこか私との距離が遠いと感じる。「新見さん」とか言われちゃうと、他人行儀という風にしか聞こえてこない。

 

 

遙佳「ねぇ、前田君……。」

 

 

一也「はい?」

 

 

遙佳「私の事、新見さんと呼ばないで欲しい……。遙佳と呼んで欲しいんだけど……。ダメ……かな?」

 

 

私がそう言うと、唖然とした表情をする前田君。彼からすると、私のことを「新見さん」と呼ぶ事で、一定の距離を取っていたのだろう。でもそれでは私の方が彼との距離を縮めたくても、一向に縮められない気がしてきたから……。

 

 

一也「すぐには難しいかもしれないけど、新見さ…じゃなくて、遙佳と呼ぶように善処するよ。」

 

 

遙佳「あーっ!今のわざとでしょーっ!///」

 

 

ポカポカポカポカ!!

 

 

一也「いててて……。ごめん遙佳。1ヶ月近く俺があまりにも何もかもが情けなかった身勝手な理由で常に勉強に明け暮れて、遙佳と話す時間を作らなかったこと。重ねてお詫びする。」

 

 

遙佳「1ヶ月間近くも前田君と喋れなくて私はしげみんの膝で哀哭したり、相談乗ってもらっていたんだからね……!本当にあなたと喋れない日々が長くて毎日辛かったんだから!(⸝⸝> н<⸝⸝)」

 

 

一也「そうだったんだ……。しげみんって、浅野さんの事か?」

 

 

遙佳「そうだよ。」

 

 

一也「成程。浅野さんと言えばこっそりと時々俺の様子を見に来てくれたなぁ。」

 

 

遙佳「孤立していた前田君の事を心配していたんだと思う。というか、私から声をかけると更にあなたは学力の差とかで葛藤してしまうから、しげみんに依頼をして前田君の様子を見に行って欲しいとお願いしてたの。」

 

 

一也「そうか……。浅野さんが様子を見に来てくれていたのって新見さんの依頼だった訳なんだ……。」

 

 

遙佳「新見さんじゃなくて、遙佳と呼んでって言ったでしょ……??」

 

 

一也「あ゛っ……。」

 

 

遙佳「フフッ(笑)」

 

 

一也「ハハハハハ……(笑)」

 

 

私の辛かった心境を前田君に伝えた。彼は1ヶ月間近く寂しい思いをさせたことについて謝ってくれた。自分のあまりにも情けない身勝手な理由でとか言っていたけど、それは私にも一端の責任はある。(一端の責任→綺麗になったことや、勉強ができるようになったこと、スポーツもできるようになったこと。)そんな1ヶ月間近い辛かった思いを吹っ飛ばすように、今はこうしてお互い笑うことが出来ている。ごく当たり前のようで実は当たり前じゃない……。私は前田君の隣で喋ったり、楽しんだりすることが好きなだけ。あとは小さい頃からずっと彼の事を一途であるということ。この想い、前田君に伝わると良いなぁと思った私がいたのでありました。

 

Fin.  

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