私は間咲ののか。前田一也とは中学時代、同じ学校の出身で知り合った仲。彼とは、同じクラスで今でも、とても仲は良い。彼と共に光河学園高等学校に入学をすると、ソフトボール部に入部し、頭角を現すようになる。各大会で、他校との試合が始まると、敵バッターを次々となぎ倒すような豪速球を投球し、チームを勝利に貢献する活躍を見せ、部長からも「中々やるなぁ、間咲は。これからの活躍にも期待をしたいね!」と一目を置かれる存在に。
ただ、その一方で、私には弱点がある。それは、やはり学校の勉強。成績は中の下で、担任の喜多川美紗先生に毎回、「間咲さん。このままだと、赤点よ。赤点となれば、1ヶ月の夏休みのうち、15日間の追試対策授業に出なきゃいけなくなるわよ?」と呼び出されては、こってり絞られている。また、課題が出されている授業に関しても、たまに忘れてやってくることもあるから、だっつん(前田一也の異名で、ダーツ好きという所からきている。)に「何故、忘れてくるの?俺だって、宿題くらいはやったのに。」と軽くお灸を据えられたり、申し訳なさそうに頼んでは、ノートを見せてもらったりとかしている。彼からしてみれば、「仕方がない奴だなぁ。まぁ、ののかだから良いとするか。」とくらいは思っていることであろう。
今日は、週の初めの月曜日。気合を入れて、今日から一週間、頑張っていこう!朝食を食べて、忘れ物が無いか、課題が出ていないか最終確認。何も無かった様なので、早速学校へ向けて登校を開始する。
歩き出してから、10分後。後方から、聞き覚えのある声が聞こえてくる。
??「おーい、ののか〜!」
この声は、だっつんだ!
ののか「あっ、だっつん!おはよぉ!」
一也「おはよう、ののか。相変わらず、発声が良いねぇ。」
ののか「えっ、本当~!?!?ありがとー!」
彼と共に登校するのは、久しぶりな気がする。いつもだと、彼ははるる(新見遥佳のあだ名)と登校をしているか、または、何か絵になるような風景画を撮っていくかのどっちかになるだろうから。
ののか「そう言えば、部活の方はどう?いい写真撮れてる?」
一也「うーん、ぼちぼちかな。写真を撮るという事は、ただカメラを向けるんじゃダメだからさ。まず、写真を撮る以前の問題で、自分は何の写真を撮りたいかという課題を決めなきゃダメだね。」
ののか「そうなんだぁ。何か、運動部の練習に似てるねぇ。」
一也「まぁ、文化部も運動部も関係なく、結局は、課題を決めるところに関しては、似てるよね。そっちのソフトボール部だって、何を練習するか決めてからやるだろ?」
ののか「確かに、言われてみればそうだね。例えば、ソフトボール部だったら、投球練習だったり、ランニングだったり、腕立て伏せだったり、打撃練習だったりと色々あるよ。」
一也「だろう?俺が属している写真部も、文化祭の発表に備えて、普段から各々が、何のお題を発表したいか?という事をまず、考える訳よ。それにあたり、こういう日常的な毎日の中で、感動したものや、美しいものなどを見つける。そして、カメラでもって、ファインダー先の対象物を撮影していく。その繰り返しよ。」
へぇ。だっつんって、そういう考え方を持ってるんだ。私と中学時代からの仲とは言え、結構頭脳が良いじゃん。羨ましいなぁ。私なんて、全然そこまで考えつかないもん。
ののか「後で、だっつんの撮った写真を見せて欲しいな。そういう風に考えられるだっつんは、凄いし、羨ましいよ。」
一也「またまた、そんな事。(笑)だから、比較しちゃダメだって。(笑)ソフトボール部の中で、お前のエース投手としての技量には俺だって、「自分には無い素晴らしきもの」として、高く評価してる訳だし。そこは自信を持っていい所だよ。俺も他人の事は言えんけど。」
こんな感じで、私とだっつんとの間は本当に仲が良い。これは友人のはるるも知っている事。ただ、私には恋の関係の話になると、あまりにも疎いのがたまにキズ。彼との関係をどうするかだなんて、今は考えなくていいかな。そんな事を思いながら、今日一日の学校生活が始まる。また私が宿題を忘れたりしたら、助けてね。だっつん。
Fin.