先週の金曜日は、前田君ことだっつんから個々が持つ魅力について教えて貰った。「好きな事に一生懸命に打ち込めば自然とその人の魅力が出てくる」と。私はそんな事を考えたことが無かった。それと、「俺もそうなんだけど、他人と比べては自分の魅力さが下がる。」とまで言われたなぁ。確かにそうなんだけど。でもどうしても、私はだっつんの幼馴染でクラスのアイドル的存在のはるる(新見遙佳のこと)が羨ましいと思ったところまでが前回のアブストラクト。
【今回の話・間咲ののかside】
今日は翌週の月曜日。今週始まりの学園生活が始まる。1時限目が英語Ⅱで担当は、担任の喜多川美紗先生。小テスト、補習、宿題を出すのが好きな先生で、スタイルが良く綺麗な先生とも言われている。そんな担任の授業で私は宿題を忘れるという大失態をやってしまった。当然、喜多川先生はそんな状況を見逃すはずもなく、放課後に職員室へ来るようにと呼び出しを受けてしまった。その後の2時限目の数学IIの授業、3時限目の化学Ⅱの授業でもあまり集中力が続く状況では無かった。喜多川先生にまた怒られるかもしれないと思うと、とにかく気が重い……。
キーンコーンカーン……。
2時限目と3時限目が終わり、ようやく昼休みの時間になった。
一也「おい、ののか。」
ののか「・・・・・。」
一也「ののかっ!!」
ののか「ひゃぁ!?!?だ、だっつん!?!?ど、どうしたの!?!?」
一也「ひゃぁ!じゃないよ。全く、ののかの目がまるで死んだ魚の目ようになってるぞ。もしかして、さっきの英語の宿題の事でどんよりしてるのか?」
ののか「恥ずかしながら、そうなんだよ。やってこない私の自業自得と言ったらそれまでなんだけどね……。」
一也「おう……。解ってるじゃないか。とりあえず、屋上で昼飯食べながら話を聞くよ。」
ののか「やったー!だっつんと昼飯食べられるー!」
一也「おいおい、そこまで特別な事じゃねぇぞ。誰かと一緒に食べるというのは普通の事だからな。」
ののか「う゛ぅ゛ーっ。だっつんは超現実派思考でいじわるだぁ!( ー̀εー́ )」
一也「何とでも言えっ!(笑)」
そう言いながらも、私はだっつんの後に続いて屋上へと移動した。確かに、一人で食べるよりも誰かと一緒に食べるというのはメンタル的にもずっと良い。
<学園の屋上>
一也「担任の喜多川先生の授業で宿題を忘れたというのは流石にやべぇぞ……。」
弁当を開けて食べながらだっつんはそう言った。
ののか「まさか、宿題が出てるとは思わなかったんだもん!」
一也「うーん……。喜多川先生は高確率で宿題出すからなぁ。」
ののか「そうなんだよねぇ。たまには宿題なんて出さなければいいのにー。」
私をはじめ、学生の多くはそう思ってると思う。毎日毎日宿題を出されては、遊ぶ時間もなければ部活をやっても存分にできない。それを言うと、まただっつんに「ののかは甘ったれてるなぁ。」なんて言われかねない。それだけは避けなくては。
一也「だよね。俺もそう思う。けど、現実を見て学生生活を送らないと卒業は出来ても自分が希望する大学へは行けないしな。」
ののか「そこなんだよねぇ……。私の問題は。中々現実が見れなくて……。」
一也「それはののかだけの問題じゃないさ。誰しもが持っている問題だよ。」
だっつんは私だけの問題では無いと言ってくれる。相変わらず優しいし、私の事をしっかり見てくれる。それだけでも本当にありがたい。そのありがたみを無駄にしないように宿題があるかないかの確認の上また確認くらいやらないと。まただっつんに迷惑をかけちゃう。
ののか「先生が怒るのって、学生が言われたことをやってこなかったことに対して憎いからって訳じゃないよね?」
一也「お前なぁ……。(汗)憎いわけないだろ。言われているうちが華という言葉があるくらいだからな。」
ののか「え?言われているうちが華なの?どうして??」
一也「そうだよ。言われなくなるということがどういうことかと言うと、それは無関心であるということなんだ。簡潔に言うと、あなたの事なんかもう知りませんということ。」
ののか「え゛ぇ゛ぇぇー!?!?私の事なんてもう知りませんってことでしょ!?!?恐ろしすぎるんだけど!!!!」
一也「だろう?一切の面倒を見てくれないってことだ。自分で何とかしろと同様の事だからな。」
ののか「そう言われると確かにってなる……。だからまだ怒られたりしている方が一時の恥で終わるんだね。言われないでいる方が一生の恥って事だもんね。」
一也「そういう事だな。だから、やだなと思っても、喜多川先生に怒られているうちは、面倒を見てもらえていると考えた方が良い。」
ののか「そうなんだぁ。また一つ勉強になっちゃったよ。だっつんの現実発言はグサッときた(笑)」
一也「そのグサッとくることが大事だからな(笑)その意気だよ。ののか。俺も一緒に行ってあげるからしっかり怒られようぜ。」
ののか「だっつん……。///」
本当は私一人で行くはずなのに、だっつんが私と一緒に行ってくれるんだ……。彼の心の広さに感謝をしなきゃ。そして、それが当たり前だと思ってはいけないね。本来ならば私一人が解決をしなきゃいけない重要な事だから。だっつんから頂いた言葉を胸に、午後の授業をしっかり受けて、放課後に彼と共に喜多川先生がいる職員室へ行き、英語の宿題を忘れた件について怒られた私でした。
fin.