【今回の話・西木野真姫side】
ママと相談した結果は、「距離を置いて、時間に任すべき。」と言われる一方。それは私からして、ただ言ってるだけにしか聞こえなかったけど、ママにもきっと、学生時代に私と似たような事があったのだろう。しかも、自らの体験談まで話をしてくれた。まぁ、これはこれで参考となる材料ね。あっ、そうだ。私に猫のように甘えてくる凛にも聞いてみようかな。また新たな参考の発掘ができるかもしれない。そんな期待を膨らませながら、今日のところは学校の課題をやって、ゆっくり風呂に身体を浸かってさっぱりさせようかしら。
夕方7時半。食卓で、私とママはお互いに対面して座り、夕御飯を食べ始める。パパはと言うと、海外に出張をしている。行先は、アメリカのサンノゼ。パパ曰く、「医学の事について、もっと研究したい」との事。頑張るのは良いけど、身体壊さないでよ?
真姫母「真姫。さっきの西城君の件で、少しは落ち着いたかしら?」
真姫「流石に、少しは落ち着いたわ。明日土曜のはずだから、凛にも意見を聞いてみようかなと思ってるの。」
真姫母「それもそうね。星空さんにも意見を聞いてみるのもまた、新たな参考の一つにもなると思うわよ。」
食事中に西城君の件で、ママと喧嘩にならなくて良かったな…。そう思いながら、家での静かな時間を過ごし、午後11時半に就寝をするのであった…。
日にちが変わって、今日は土曜日。午前8時に起床した。病院の始まり時間が、午前10時半と遅め。なので、朝食の支度まではママが面倒を見てくれる。でも将来は、自分が料理出来るようにならないといけない。それか、理想の彼氏に作ってもらうのもありね。そんな事は、一先ず置いといて。今日は凛が遊びにくるんだっけ。
朝食後。ママは「病院から臨時の経営仕事が入った」と言うので、支度をし始める。
真姫母「今日は、午後2時過ぎまで帰ってこないからね。友達を呼ぶにしても、少人数にして。良いわね?」
真姫「はーい。」
真姫母「じゃぁ、行ってくるから。留守番お願いね。昼飯は適当に済ませておいてよ?」
真姫「ゔえぇ…。解ったわよ( ´ㅁ` ;)」
ママは、私にそう言い残して、西木野病院へと出掛けて行った。時間は午前9時半。ママが出かけた後、早速「LIME」で、凛に連絡。最小人数と言ってたし、良いよね。
チャンチャンチャンチャッチャッチャン…(しょぼくれ系のダー○ベ○ダーのテーマ)
スマホに、何かやる気がなさそうな着信音が鳴る。画面をスワイプして、「LIME」を確認すると、凛から「今から行くにゃー!」という返事が来ていた。独りで居るより、メンバー内の友達といた方がずっと良いだろう。ただその一方で、西城君に対して「好き」という気持ちが絶えた訳でない為、彼に距離を置かれている今、もどかしくて仕方がない。「あぁーっ、もう!西城君のバカバカーっ!///いつまで、私を焦らすつもりなのよーっ!バカァッ!!(。´>д<)シ彡☆」
ピーンポーン
連絡から33分後。家のインターホーンが鳴る。
真姫「はーい、どちら様?」
凛「真姫ちゃん、凛だにゃー!」
真姫「はいはーい、じゃぁ、開けるわね。」
ガチャ
凛「真姫ちゃーん!来たにゃー!」
真姫「凛、いらっしゃい///」
午前10時10分すぎ。凛が私の家に遊びに来た。私の家に呼んだことはメンバー内でも、今まで無かった。何故なら、普段そんな余裕は無いし、勉強とスクールアイドルの両立に追われていたからである。確かに、今も追われてはいるが、μ’sに加入したての時よりは、比較的楽になったと言えよう。
凛がリビングのソファーに座り、思いっきり羽を伸ばす。私も凛の隣に座って、まずは一呼吸。緊張解さないと、相談したい事の内容があやふやになってしまう。それだけは避けなければならない事項だ。要点をしっかり頭の中で整理して、伝えなきゃ!いくら勉強ができても、コミニュケーション能力が低いと色々と問題が出てくるから。
真姫「ねぇ、凛。相談があるんだけど、乗ってくれる?」
凛「OK、良いにゃー!凛に相談事って、何かにゃ?」
真姫「私が悩んでいるのは、西城君の事なんだけど。」
凛「西城君と何かあったのかにゃ?」
真姫「えぇ、そうね。先週の土曜日に自主練として、学校の音楽室でピアノを弾きながらの作曲作業をしていたんだけど、恋煩いをしてしまった。その恋の相手が、“西城君”なの。」
凛「にゃにゃー!?!?真姫ちゃん、恋煩いをしていた相手はあの西城君だったなんて、凛は驚きだにゃ!(;°ロ°)でも、これだけじゃ解らないからもっと説明が欲しいにゃ。」
凛は、「私の初恋の相手が西城君だった」という事に驚愕してしまった。それはそうだろう。西城君は、音ノ木坂学院内の女子から追われるほどの人気度を誇る紳士中の紳士なのだから。それで私も理想の彼氏として、本気で彼の事が好きになったというのに…。
まずは兎に角、凛が「これでは不十分」と言うので、話を進めることに。
真姫「その後、作曲作業の進捗状況の様子を見に来た穂乃果に、私のだらけた姿を見られてしまったのよ。勿論、穂乃果はすごく驚いてたわ。「どうしちゃったの!?」って。そんな時に、私の理想の彼氏の西城君が音楽室に来て、恋煩いでだらけた私を介抱してくれたところまでは良かった。でも、その様子を見た穂乃果が我慢できなかったようで、彼に「私を壊したのは、西城君のせいだ!全然練習にならないじゃん!」と強く干渉をした結果、彼と穂乃果の対立が激化。みるみるうちに、悪化の一途を辿って、口論が廊下に響いてたわ。正直、怖かった…。」
凛「その後はどうなったにゃ?」
真姫「海未が、彼と穂乃果の間に立って介入をしたけど結局失敗。穂乃果は、海未が西城君側に歩調を合わせた事で「2人共、そうやって私をいじめるんだ…」とか言って、カバンを持って音楽室から勢いよく目元を腕で抑えながら、悔しそうに走り去って行った。結果、西城君と穂乃果は絶交。海未も、穂乃果とは大幅に距離を置く方針を立てた。これだけで終わるかと思ってた…。なのに…グスッ」
凛「真姫ちゃん、しっかりするにゃ!(๑º口º๑;;) 」
凛が慌てふためきながら、私の心配をする。
真姫「大丈夫よ…グスッ私の理想の彼氏の西城君から、「暫く、スクールアイドルの練習を見に行かない。そして、私との距離を置かせてもらう」と言われてしまったの…グスッ何故、こんな事を言われなければいけないのか解らなくて…グスッ///いつまで会えずに距離を置かれるのかと思うと…辛くて…グスッ///どうしろと…言うのよ……っ!!!!グスッ///」
気付けば、涙を流していた。自分でも今まで、こんな涙をスクールアイドル以外のプライベートで流した事は一度もなく、今回が初めて。しかも、恋愛関係でだなんて。
凛「真姫ちゃん…可哀想だにゃ…。穂乃果ちゃんに、散々干渉をされた西城君の傷も相当な筈だにゃ…。」
ことり、海未、希と同様に、凛も泣いている私を慰めてくれる。ことりは「穂乃果による干渉の熱を待つ」と言う考えを持っているのに対して、凛は違っていた。
凛「真姫ちゃんが信じるか、信じないかは別にして、凛は思うんだにゃ。何故、西城君が「暫く、スクールアイドルの練習を見に行かない。」と言ったのか。彼がスクールアイドルを見に行かない事で、何が起きるかと言ったら寂しさだにゃ。西城君が来てくれないとなると、次第に「誰が彼をスクールアイドルの練習を見に来なくさせたんだ」という原因を探るようになるはずにゃ。」
真姫「えっ!?凛、それってもしかして…穂乃果に対する制裁って事!?」
凛「そうだにゃ。」
真姫「じゃぁ、「私との距離を置かせてもらう」と言ったのも、もしかして建前って事!?」
凛「凛は、そう考えるにゃ。」
真姫「……西城君のバカーーっ!うわあぁぁぁぁん!!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン」
私は思いっきり、凛に抱きついて泣き叫んだ。西城君、それだけの為に、私を焦らす作戦に打って出たというの!?
凛「西城君がそこまで言うのって、余程の事が無い限り言わないにゃ。彼からしてみれば、本当は真姫ちゃんと一緒にいたいけど、穂乃果ちゃんとの対立で、そうはいかなくなった。散々、干渉を受けて不快だった筈にゃ。だから、穂乃果ちゃんに唯一制裁をかけられる方法として、皮肉にも「真姫ちゃんとの暫くの距離置き」、「スクールアイドルの練習を暫く見に行かない」という選択をしたと、凛は考えるにゃ。」
真姫「うっ…ぅっ…グスッ///穂乃果への制裁が…私との距離置き?イミワカラナイ…グスッ」
凛「真姫ちゃん。普段から、穂乃果ちゃんと仲良くしてなかったかにゃ?」
抱きつくのを止めて、凛の話を聞く私。
真姫「そう言えば、そうだわ…///」
凛「西城君は、そこに注目して「真姫ちゃんとの距離置き」という制裁策を打ち出したかもしれないにゃ。穂乃果ちゃんと絶交するなら、真姫ちゃんとも距離を置くのがベストとしてにゃ。」
真姫「そんな…。彼からして、私の後ろに穂乃果がいるとでも考えたとでも言うの…?」
凛「凛はそれ以上の事は解らないにゃ。あくまで、凛の個人的な考えにゃ。」
その時。
ピロン♪♪
スマホが鳴った。「誰だろう?」そう思って、スマホの画面をスワイプして、メールを確認する。
真姫「あっ///」
凛「誰からなのにゃ?」
真姫「西城君よ!///」
凛「良かったにゃ!(=^・^=)」
私と凛で、西城君のメール内容を確認する。そこには…。
From.西城 京汰
件名:先週の土曜日の事、ごめんな
本文:先週の土曜日、どうかしてた。穂乃果への制裁が目的だったのに、真姫まで巻き込み、「真姫との距離を置かせてもらう」だなんて言うのは、今になって考えてみれば、大きな間違いだった。ごめんな。m(_ _)m俺はどうやら、真姫のバックにμ’s発起人の穂乃果がいると思い込んでいた。迷惑な話だよな(;-∀-)だから「距離置き」はもう解除だ。1週間くらい寂しい思いをさせて、本当にごめんな。今度は、穂乃果が居ないところで…ね?ベタベタして来ていいから✰︎(๑•̀ᴗ- )✩また少しずつ、スクールアイドルの練習を見に行く事にするよ。
2年B組 西城 京汰
先週の土曜日の事についての謝罪のメールだった。「もう!1週間も距離を置かれた、こっちの身になってよ!///寂しかったんだからー!」そう思った私は、西城君に返信をする。
to:西城 京汰
件名:寂しかったんだからー!。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!
本文:もう!バカバカバカーッ!(ノシ≧o≦)ノシどれだけ私を寂しい思いをさせたと思ってんのよー!グスッ///もう嫌われてしまったのかなと思って、悲しくて、もどかしくて、仕方がなかったんだからーー!。゚゚(´□`。)°゚。ワーン!!責任とりなさいよーっ!。゚(/□\*)゚。わ~ん
1年A組 西木野真姫
ポチッ
シャラーン♪
これで送信完了っと。もう本当に、1週間も距離置きされて寂しかったんだからね…。バカ///
返信してから、10分後。
ピロン♪♪
また彼からのメール///今まで寂しいあまりに、泣いていたのが嘘のようだ。メールの送り主の西城君の名前を見ただけで、デレデレしてしまう。本っ当に、私は西城君が大好きな女の子ね…///
凛「真姫ちゃんがいつも通りに戻ってくれて、良かったにゃ!ฅ(´ω` ฅ)ニャー」
真姫「凛、心配かけたわね///ごめんなさい…( 。>ㅅ<。)」
凛「凛は、別に大丈夫にゃ。ฅ( ˘ω˘ )ฅ」
さて、彼からどんなメールが来たのか早速、確認しようかしら♪///
From:西城 京汰
件名:本当に、ごめんな(>人<;)
本文:1週間、距離を置いて本当にごめんな。(>人<;)俺も実は、真姫に一刻も早く会いたかったんだ。最初はそれで良いと思っていたけど、日にちが経っていく事に「俺は、何やってるんだ…。何の罪も無い真姫を、1週間も放置プレイをして寂しい思いをさせるだなんて最低だ…」と考えを改めるようになった。「真姫の為に」と思ってやった事が、結局は何の為にもならなかった。真姫をもどかしく、寂しい思いにまでさせた俺は最低だな…。本当に申し訳なかった…。罪滅ぼしでという訳じゃないけど、真姫の行きたい所があったら俺に言ってくれ…。プランを立てるから。勿論、国内でだけど…。(´・ω・`) ショボーン
2年B組 西城京汰
えっ…。西城君…。旅行の計画を立ててくれると言うの…!?!?しかもこの文面から、滅茶苦茶反省をしていると見て取れる。私の事をしっかり考えてくれているみたいだし…。って、こっちも泣けてくるじゃない…。(´;ω;`)「私に一刻も会いたかった」だなんて書かれてしまったら、これ以上責められないじゃないのよ…。西城君のバカっ…。でも、そんなとこも大好きなんだからっ…!///
気付けば、正午を過ぎていた。彼の2通目の返信メールを見て感涙してしまった私を、凛はハンカチを出してくれる。本当に面倒かけるわね…。
距離置きが解除された事で、これでまた、来週の月曜から西城君と一緒に昼飯食べたり出来る。そう思うと、何だか嬉しい。そんな期待を改めて持ち始めた私であった。凛と一緒に弁当を買いにでも行って、楽しく食べるとしましょ!
fin.