【今回の話・西木野真姫side】
今日は金曜日。絵里に任された西城君と、彼の補佐役の私、希で動いていた。穂乃果を上手く引き寄せれば少しは気持ちも変わるだろう。私達はそう考えていた。その先鋒隊が西城君。私と希は彼女にバレないように身を隠す手筈になっている。
この日も、穂乃果は一人屋上にいた。
穂乃果「私……西城君に先入観で無礼な事を言っちゃった……。そのせいで、海未ちゃんにも距離を置かれてしまった訳だし……。本当、何なんだろう……。私って……。スクールアイドル失格だよ……。」
ボソッとそんな事を口にして、ベンチに寝そべっている。どこか寂しそうな顔をしながら。
ガチャッ……。
先鋒隊の西城君が、ゆっくりと彼女の背後へと近づいていく。その間に私と希は、彼女にバレぬよう、一言も喋ることも無く、ドア付近の壁に張り付く。
寝そべる穂乃果のもとに、忍び足で近づいていく彼。そしてタッチできる距離まで近づいた彼は、彼女の肩にポンポンと軽く叩く。
西城「よっ!俺だよ、西城だ。」
穂乃果「……うわあぁぁぁぁ!?!?!?!?((((;゚Д゚)))))))さ、西城君!?!?!?ど、どうしてここに!?!?」
西城「それは、こっちのセリフだっつーの!(笑)穂乃果がスクールアイドルの集まりに来なくなった事を心配してだな。全く、いつまで抱えてるんだよ……。( ̄▽ ̄;)」
穂乃果「私の事が心配……??あれだけ、激しく私と対立したのに……。」
西城「それはそれ。これはこれ。対立したからと言って、放っておくのは違うと思うんだよ……。あの時は、俺も悪かった……。絶縁と言う言葉が、どれだけアンタの心を傷つけていたかと思うと、心が苦しくて苦しくて、正直、いても立ってもいられなかった。」
穂乃果「西城君……。( ・ω・` )」
西城「もう、ここで終止符を打たないか?これ以上、休まれると、アンタが発起させたスクールアイドルフェスティバルμ'sが空中分解をしてしまう危険性が高まるし。ここは踏ん張ってさ、また再出発しようよ。それでも、嫌か?」
穂乃果「いや……。他人の恋愛沙汰で、スクールアイドルを欠席し続けることにもう疲れを覚えちゃって……。西城君が来てくれるまでの間、コミニュケーションが落ちていくのを日に日に感じた……。」
西城「そうか……。そこで何だが、気晴らしに日帰り旅行に行くのはどうかな?」
穂乃果「そんなぁ……こんな自己中な私が一緒に行っていいの?申し訳ないよぉ……。」
何と西城君、予想以上に上手く交渉を展開しているではないか。私と希が出る幕が無いし。まぁ、でもその方がかえってよかったのかも。何故ならば、対立した者同士で交渉をした方が、ずっと和睦への道が近くなるから。ここに私と希が出た場合、穂乃果からすれば、「事前に打ち合わせをしていたんだな。」と見られてしまい、態度が硬化したままだったかもしれない。
西城「穂乃果はバカだなぁ。素直に受け取れば良いっつーの(笑)変な遠慮はいらないから。あっ、勿論その日帰り旅行には、μ'sメンバー全員が行くから。」
穂乃果「バカじゃないもん!(笑)そうなんだ。失われつつあるコミニュケーションと、人間関係の再構築が目的?」
西城「まぁ、そういうところだ。俺が付き添ってあげるから、絵里のもとに行こう。別に怒ったりとかはしないとは思う。俺に免じてな……。」
穂乃果「うん!本当にごめんね。私がいけなかった。これからは、もっと客観的に見るようにするね!」
あっ、穂乃果がいつもの穂乃果に戻った!これは、結構喜ばしい事。そして西城君!お見事な腕前!一人でこんなに説得して、納得させるとは。私と希は、顔をお互いに見合わせ、驚き顔になっていた。
そんな中、彼が穂乃果の手を引き、絵里のもとへと向かっていく。私はすぐさま、希と共に、穂乃果のもとへと駆け寄る。
真姫「穂乃果。」
希「穂乃果ちゃん。」
穂乃果「真姫ちゃんに、希ちゃん!?!?」
西城「なっ。アンタを支えてくれる人がここにいる。もう、一人で抱えることは無いんだ。」
穂乃果「うんっ……!うんっ!真姫ちゃん、それに希ちゃん。勝手に一週間以上も、スクールアイドルの活動を休んじゃってごめんね。許されることではないと重々解っているけど、ちゃんとここで謝らせて欲しい。西城君も自分勝手な事ばかり言っちゃって、ごめんね。m(_ _)m」
真姫「もうそんなに謝らないでよ。」
希「せやで。今をもって、対立事案は終わったんだから。もう二度としなきゃ良いだけなんよ。(笑)」
穂乃果が最終的に、私と希に頭を下げて謝罪をした事でゲームセット。西城君とも和睦が成立をし、いつも通りの彼女に戻った。ただ、彼女曰く、「先入観でものを言わないように気をつける。客観的に見てからものを言うようにする。」との事なので、その辺は完全ではないが、とりあえずは安心して良い。こうして、穂乃果を説得・和睦へ持ち込むことに成功した西城君と私達。とは言っても、私と希は彼の補佐役と言う名ばかりの後詰にしか過ぎなかったけど。まぁ、結果良ければ全て良し。あとは、絵里にこの事を報告しに行かねばならない。勿論、穂乃果を連れてね。
Fin.