※この作品はR-18です。

黒鉄のヴァルバラド   作:かかむりょう

3 / 6
今回はエロ無しです。

登場ヒロイン

〇スツルム(グランブルーファンタジー)


寡黙な傭兵(前編)

 ある日のこと、知り合いに鉱石発掘の依頼を手伝ってほしいと頼まれた俺は、街を離れたところにある山岳地帯まで足を運んでいた。

 

「必要な鉱石はこれで全部か?」

「ああ。これだけあれば十分だ。助かったぞ、鉄也」

「いやいや、俺も鉱石をいくつか調達したかったからほんのついでだ。気にしないでくれよ」

 

 そう言って俺が集めた功績を皮袋に入れていく一人の女性。

 

 彼女の名はスツルム。頭に二本の角が生えたドラフと呼ばれる種族の女性であり、ギルド所属の傭兵として故郷にいる家族に飯を食わせるために出稼ぎしている女性だ。彼女は若くして様々な依頼を寡黙にこなし、ここ最近実力ある傭兵としてメキメキ頭角を現していた。剣の腕も凄まじく、女ドラフ特有の低身長というハンデをものともせずに次々と敵を屠っていく。依頼を淡々とこなす姿勢と凄まじい剣の腕も相まって、傭兵界隈では一流の傭兵として有名だ。

 

 そんなスツルムと俺は魔物の群れを討伐する依頼でペアを組んだのがきっかけで知り合うことになって以来、たまにスツルムの依頼を手伝ったり逆に俺の依頼を手伝ってもらったりするような仲になった。

 

「それにしてもスツルム、なんだってこんなに鉱石が必要なんだ?」

「さぁな。私は依頼者の事情には基本的に首を突っ込まないようにしている。変に首を突っ込んでトラブルに巻き込まれたらたまらんからな。私は金さえもらえれば、たいていの依頼は引き受ける」

「なるほどな……。さすがは一流の傭兵ってところか」

 

 スツルムはどんなときも契約と報酬をもっとも重視している。たとえ依頼者が救いようのない馬鹿でも、契約と報酬さえちゃんとしていれば依頼を受ける。良くも悪くも、傭兵としての線引きをしっかりしている人だ。だからこそ依頼者はスツルムを信頼するし、スツルムもその信頼に応えるために働く。

 

「けどその割には、子供の世話を頼まれた時には無償で引き受けてたよな?」

「……あれはたまたま手が空いていただけだ。本来なら絶対にやらない」

「そうか? なんやかんや言ってあんた、小さい子供とか好きだからタダ働きしそうだけど」

「うるさいっ! 私はそんなお人好しじゃない!」

「うおっ!? 照れ隠しに剣を抜くなって! あぶねぇぞ!」

 

 とはいえ、スツルムも人の子だ。本当にどうしようもなく誰かが困っていたら、報酬のこととか一切抜きに体を動かしてしまう時もある。特にスツルムは故郷に弟や妹がいるせいか小さい子供にめっぽう弱く、人手が足りない保育園に手伝いを頼まれた時はタダで働いたりと、なんやかんやで情に厚いところもある。

 

 なんてことを本人の前で指摘したら、恥ずかしいのか顔を真っ赤にして剣を抜いてくる。これがいわゆるツンデレってやつなんだろうか。

 

「……っ!? おい、鉄也」

「わかってる。お客さんだな」

 

 しばらく剣を構えたスツルムから逃げ回っていると、俺たちの目の前に何かがやってきた。そいつはがっしりとした体格に、全身を鉱石のような鱗に覆われたオーガらしきモンスターだった。しかもそいつは一体だけじゃなく、複数体で俺とスツルムの退路を断つように囲んでくる。

 

「やれるか? スツルム」

「ふんっ、誰に向かって言っている? お前の方こそ、ヘマするなよ」

「はいはい……それじゃあ、やるかっ!」

 

 俺は肩に背負っていたヴァルバラッシャーを構えてグリップを倒し、開かれたスロット部分にライドケミーカードを装填する。

 

【ガキン!】

 

【MADWHELL!】

 

【ゴキン!】

 

 重々しく唸るヴァルバラッシャーを構え直し、眼前のオーガたちを睨みながら叫ぶ。

 

「鉄鋼!!」

 

【ヴァルバラッシュ!】

 

【TUNE UP! MADWHELL!】

 

「ずおりゃあああああ!!」

 

 ヴァルバラドとなった直後、俺は挨拶代わりに一番近くにいたオーガの一体を頭から真っ二つに両断した。それを見たオーガたちは驚いたように半歩ほど下がりつつ、俺の動きを見逃さないように睨んできた。

 

「……相変わらずすごいな、それ」

「まぁな。何せ俺の自作した武器だから、実戦で使えなきゃ話にならねぇ」

「……それもそうか」

「よし……じゃあ行くぞ、スツルム!」

「ああ」

 

 スツルムに声を掛けつつ、俺とスツルムは同時に動き出した。俺はオーガの拳をヴァルバラッシャーで受け止めつつ、攻撃後の隙を突いてヴァルバラッシャーで両断していく。スツルムもまた、両手に構えた剣を振るって次々と切り捨てていく。

 

「グォォォ!」

「……ふっ!」

 

 複数でこちらに襲いかかってきた時も慌てずに片方のオーガの攻撃を躱しながら、躱した勢いのままもう片方のオーガにカウンターの一撃を入れる。躱せないものはヴァルバラッシャーで切り払い、がら空きとなった部分に攻撃を加えて一体一体確実に潰していく。

 

 そうして順調にオーガたちを片付けていった俺とスツルムだったが、ここで厄介な奴が現れた。

 

「グゥゥゥ……!」

 

 オーガの群れの奥に潜んでいた、一際巨大な体格で全身がオレンジ色の鉱石鱗に覆われた明らかにヤバいオーラを放つボスオーガがこちらに何かを飛ばそうとしていたのだ。そいつの目はスツルムをじっと睨んでおり、彼女を狙っているのは明白であった。

 

「くっ! 次から次へとっ!」

 

 当のスツルムは他のオーガの対応に追われてボスオーガの存在を把握できていない。このままではスツルムが奴の餌食になってしまう。いくらスツルムが凄腕の傭兵とはいえ、オーガの群れと戦っている状況で不意打ちを喰らってしまえば対処できないだろう。

 

「ギャアアアス!」

「……っ!?」

 

 そんなことを考えている傍から、ボスオーガは全身の鉱石を勢いよくスツルムに向けて発射したのだ。その量は凄まじく、ヴァルバラッシャーで切り払うのはもちろん、エネルギー弾で撃ち落とすのも到底間に合わない。

 

 スツルムはボスオーガの咆哮を聞いてようやくその存在を把握したものの、その時には既に鉱石弾がスツルムの目と鼻の先まで迫ろうとしていた。

 

「だったらこれだっ!」

 

 ならばと俺はバックルに備わっているカードホルダーから一枚のライドケミーカードを抜き、ヴァルバラッシャーに装填する。そのカードにはショベルカーらしきケミーが描かれており、『8』の数字が刻まれている。

 

【ガキン!】

 

【GUTSSHOVEL!】

 

【ゴキン!】

 

「ガッツショベル……お前の力を使わせてもらうぞ」

 

【ヴァルバラッシュ!】

 

【TUNE UP! GUTSSHOVEL!】

 

 ガッツショベルのケミーカードを装填した俺は、トリガーを引いて強化錬成を実行する。すると俺の左腕にショベル型の強化アームが装着され、俺は二重錬成形態となってスツルムの前に立つ。

 

「鉄也っ!? 何を……」

「そらぁぁぁぁぁ!!」

 

 驚くスツルムを無視して俺は左腕の強化アーム『ショベルバーサーク』から、巨大なショベルカーのエフェクトを展開しながら力いっぱい振るい、ボスオーガが放った鉱石弾をすべて打ち払った。ついでに奴とスツルムの周りにいた取り巻きもまとめて硬い鉱石鱗に覆われた首の上から掘削し、えげつない量の血をまき散らしながら首無し死体として地面に倒す。

 

「グォォォォォ!!」

 

 仲間をやられてブチぎれたボスオーガは、怒りのままに爆速で突進してくる。しかし俺はショベルバーサークを正面に構えて真っ向から受け止めると、そのままタイテンスクラッパーを締めてヴァルバラッシャーのリミッターを解除する。

 

【SCRAP!】

 

「これで……くたばれやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

【ヴァルバラブレイク!】

 

 ボスオーガを突き放してエネルギーがチャージされたヴァルバラッシャーとショベルバーサークの怒涛の連撃を浴びせ、とどめにショベルバーサークのアッパーを喰らわせてボスオーガを爆散させた。生き残ったオーガは軒並みスツルムが斬り殺し、一体も逃がすことなく片付けた。

 

 オーガの群れを全滅させたことを確認した俺は鉄鋼を解除して、スツルムの無事を確認する。

 

「大丈夫か、スツルム?」

「……ああ。すまないな」

「気にすんなって。オーガたちもぶっ殺したし、とっとと帰ろう」

 

 そう言って俺とスツルムは帰路に就こうとした時、突如として足元が激しく揺れ始める。戦闘の影響で揺れたのかと思ったが、それにしては揺れが異常に激しく、やがて近くから嫌な音が聞こえ始める。

 

「お、おい……なんだあいつは?」

 

 直後、俺とスツルムの目の前にさっきのオーガたちよりも比べ物にならないほどに巨大な化け物がやってきた。その化け物は犬のような頭をいくつも繋げたようなグロテスクな姿をしており、口元からは何かを食った後なのか血が滲み出ている。恐らくオーガたちの血の匂いにつられてこちら側に来たのだろう。

 

 俺はその化け物について、心当たりがあった。

 

(こいつはまさか……ナベリウスか?)

 

 ナベリウス。それは一部の錬金術師の間で噂されている存在であり、いくつもの犬の死体を錬金術によって継ぎ接ぎに合成させることによって蘇らせた化け物だ。ナベリウスは圧倒的なパワーと異常なタフネスで敵を蹂躙するが、知性は完全に失われているために制御が非常に難しく、何より死体を利用するという点からナベリウスを生み出すことは禁忌とされた。

 

 しかし、それでもナベリウスの戦闘力の高さは一定の利用価値があるようで、一部の錬金術師が運用しているという噂もある。もしかして、このナベリウスも……。

 

(いや、今はそんなことを考えている場合じゃない)

 

 ナベリウスはその戦闘力の高さから、よほどの実力者でもない限り単独で戦うことはご法度とされている。本来ならば複数人でパーティを組んで連携を取りながら対処するのが鉄則だ。そんなヤバい相手に俺とスツルムだけで戦おうなどというアホな考えは持ち合わせてはいない。それはスツルムも同様だったようで、隙を見て逃げ出そうとしていた。

 

(スツルム、俺が合図をしたら一気に逃げるぞ)

(わかった。タイミングはそっちに合わせる)

 

 俺はスツルムにアイコンタクトを送り、逃げ出すタイミングを窺う。そしてナベリウスが一瞬俺たちから目を反らした瞬間、俺とスツルムは同時に駆け出した。

 

「グルルルル……ワォォォン!!」

 

 しかしナベリウスもすぐに走り出し、俺とスツルムに猛スピードで接近してくる。俺たちは必死に走り続けるが、四足歩行のナベリウスの方が圧倒的にスピードが速く、追いつかれるのは時間の問題だった。

 

「……っておいおい、嘘だろっ?」

 

 更に最悪なことに俺たちが逃げる先には崖があり、逃げ道が完全になくなっていたのだ。ナベリウスから距離を取ろうと後先考えずに走っていたことが仇となり、気が付けば俺とスツルムは逃げ道を失ってしまったのだ。

 

 スツルムもそれに気が付いたのか、顔に焦りの表情が見える。しかし今更後悔してももう遅い。もうナベリウスは逃げ場を失った俺たちを食い殺そうとすぐ近くまで迫っているのだ。

 

「こうなったら……スツルム、ちょっと失礼するぞ!」

「はっ? ちょ、おい!」

 

 俺はスツルムの体を抱きかかえると、一か八か崖に向かってそのまま全速力で駆ける。そして俺はスツルムを抱えたまま、崖下に流れていた川の中に突っ込んでいった。川の中に突っ込む直前に崖の方を見ると、ナベリウスは俺たちを追ってくることはなく、そのまま踵を返していった。

 

 こうして何とかナベリウスから逃げ切った俺とスツルムだったが、俺とスツルムの災難はこれで終わりではなく、ここからさらなる地獄を目の当たりにすることになるのだった。




今回だけで話が収まらなかったので、前後編に分けました。

次回はスツルムのエロ回です。

スツルムのドスケベなボディに鉄也の性欲が爆発します。

この中でエロ回を書いてほしいキャラは?

  • マシュ(Fate)
  • ライザ(ライザのアトリエ)
  • スツルム(グランブルーファンタジー)
  • モードレッド(Fate)
  • 四楓院夜一(BLEACH)
  • 津村斗貴子(武装錬金)
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