次の日の夕方、高校から帰宅した
「もしもし、
『あぁ、陽。…昨日はごめんね、たいしたフォローできなくて』
『今日は一日学校を休ませて、さっきようやく落ち着いたんだ。で、話を聞けたんだけど…、やっぱり
「…は!?」
苡月への申し訳無さから、ベッドの上で正座して聞いていた陽だったが、葉月から明かされる急展開に思わず声高になり、慌てて口を塞ぐ。
『なんとなく、引っかかりはしてたんだ…蒼矢の態度に。普段から口数少ない彼だけど…昨日は輪をかけてというか、本当に必要最低限しかものを言わないな、って』
「…そ、そうだったか…?」
『うん。…昨日、『
「むぅ…」
葉月の言に、陽は同じように記憶を辿ろうと首をひねるが、その後の苡月とのことが記憶を上書きしてしまっていて、よく思い出せなかった。
『…とにかく、苡月のことで君が責任を感じたり、気に病むことはないからね。弟が迷惑をかけて済まなかった』
「!? 迷惑だなんて思ってねぇよ…! 俺が言ったことで泣かせちまったことは確かだし、…やっぱりちゃんと謝りたい」
『ありがとう。あの子はもう大丈夫だから、またいつも通り会ってあげてね』
「うん。…で、蒼兄のことはどうするんだ?」
苡月の件が一段落したところで、新たな問題の方へ話題が移る。
受話口の向こうの葉月が、長いため息をついた。
『…困ったよ。彼とあれから一切連絡が取れなくなってしまったんだ』
「電話出ねぇのか? 蒼兄」
『うん。さっきから何度もかけてるんだけど…留守電に繋がってしまって、折り返しも無い』
「家は?」
『…やっぱり見に行った方がいいかな。一応、烈にも話を伝えておこうと思ってはいるんだけど』
「一旦家見に行ってみようぜ。俺も今から行く!」
『君は遠いから、そのまま家で待ってて。居ても居なくても、ちゃんと報告するから。それから、君からも蒼矢に電話かけてみてくれるかな』
「うぅ…、わかった」
不満気ながらも了解すると、陽は電話を切る。
そしてすぐに蒼矢の連絡先を履歴から探し、電話をかけた。
「……出ねぇな」
陽は、息を吐き出しながらベッドへ寝転がる。
――蒼矢は、[
「……」
葉月の言葉を受け、陽は無音の部屋の中で今一度、冷静に昨日・一昨日の出来事を思い出してみる。
…蒼兄の何かが、
…虫刺されって言い切っちまったけど…結構腫れてる感じがしたな。…あれで気付かなかったりするか…?
…[侵略者]の外見は、刺々しいものは無かった気がする。でも、蒼兄は下半身をがっつり[奴]に喰われちまってた。…内側に何かあったりしたのかな…
そう考えを巡らせ、ふと何かに気付いたのか、きょとんとした面持ちになった。
「――俺、案外色々考えられるじゃねぇか」