※この作品はR-18です。

ガイアセイバーズ6 -妖艶の糸繰り人形-   作:独楽 悠

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第11話_傷心に触れる柔肌_04

蒼矢(ソウヤ)は影斗(エイト)へ身体を寄せ、肩に両腕を回す。

近付き触れそうになった唇は影斗の口元を過ぎ、耳傍で囁く。

 

「今までずっと想って下さってた先輩に"誠意"を見せなければならないって、思いを改めました」

「…誠意?」

 

言葉を続ける代わりに、蒼矢は片手を懐へ戻して自分のシャツの前を開けた。

密着する彼から柔らかな肌の温かさが伝わり、小さな二つの突起が影斗の胸板を布越しにくすぐる。

それらを呆然と受け止め、影斗は眼前の襟足をただ眺めていたが、少しずつ思考が回るようになり、冷静になっていく。

 

「…これが、お前の"誠意"か?」

「はい。…受け取って頂けませんか…?」

 

…誰だ? こいつ。

 

「…」

 

影斗は遊ばせていた両腕を蒼矢の背中に回し、ややきつめに抱いた。

そして艶っぽく吐息を漏らした彼を一旦引き離し、その顔を真正面から見やった。

 

「…"お前"は、それでいいんだな?」

「はい」

 

問いかけに薄く頷いた蒼矢を、影斗は抱き寄せたままフローリングへ落とし、馬乗りになる。

シャツを払い、仰向けに寝そべる白い肌へと手を滑らせる。

 

「…」

 

蒼矢の裸体を間近で目にするのは、たぶん4年半前のあの日…不良に襲われた彼を助け出した時以来だと思われた。

その時でさえ、気持ちが冷静ではなかったことに加え、気絶する彼の着衣を即刻整えて背負ったため、あまり鮮明には覚えていない。

それでも微かに残る記憶の限りでは、中性的で起伏の浅い、未成熟な痩躯だった。

 

今眼前に見える彼は、影斗が知らない成長期という空白の間に、変貌を遂げていた。

滑らかな肌に骨張って浮き出る首筋と鎖骨。骨格を薄く覆う曲線の中に、地道に積み重ねてきた武術修練により確かな陰影の入った腹と胸。

 

美しさと、紛いようもない男性らしさを表出するその身体を見、影斗の中に形容しがたい感情が湧き上がってきた。

感慨深さと寂寥感を、ないまぜにしたような。

 

…お前、俺が気付かねぇ間に…知りたくても知りようがなかった間に、こんな風に成長してたんだな…

 

近くにありながらも手を出せなかったものは、いつしか手の届かないところへ行ってしまった。

溢れ出しそうな悔しさを噛み殺すと、影斗は蒼矢の脇腹を撫でていた手を移し、彼の顎を辿って下唇を軽くつまむ。

 

「……本当に、俺の好きにしていいんだな?」

 

触れる口元が、黙ったまま微笑を浮かべた。

その妖艶な面差しを、影斗は静かな表情で眺めやった。

 

…蒼矢じゃない(・・・・・・)なら、どうしたって構わねぇ。

 

タンクトップを脱ぎ捨て、少し浮かせていた身体を蒼矢の腰へ落とす。

 

「…目、閉じてろ」

 

言われる通り目を閉じた秀麗な面差しを見下ろし、影斗はその艶やかな唇へ顔を近付けていった。

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