騒動を受け母から休業許可を貰った
ミニバンから降りてくる影斗のもとへ、陽が駆け寄ってくる。
「
「おー。お前は
「おう、今でも実感湧いてないくらい!」
「そりゃなにより」
同じように後ろから歩いて寄ってくる烈へ目をやりながら、影斗は陽と言葉を交わし合うと、
表の喧騒さに引き戸を少しだけ開け、隙間からうかがっていた
「よぉ、久々だな」
「…お久し振りです」
「ちったぁ男らしくなったか?」
「…」
軽い調子で笑いながら近付いてくる影斗へ、返す言葉に困ったのか苡月は少し眉を寄せながら目をそらす。
彼も"現状の蒼矢"から被害を受けたと葉月から聞いていたので、影斗もそれなりに気を遣ったか、うつむくその頭に優しく手を置いた。
「…びっくりしたな。まぁ具合悪くなってちっと不機嫌だったんだろうな。気にすんなよ」
「…すぐ良くなりますか…?」
「なるなる。生理みてぇなもんだから」
「
影斗の下世話な軽口に、苡月は両手の拳を握り締め、染めた頬を更に真っ赤にしながら声を荒げた。
そんな様子に影斗は目を丸くした後、一気に破顔した。
「悪ぃ悪ぃ、冗談だって。…あいつにも後できっちり謝らせっからな」
くしゃくしゃと頭を撫でられた苡月は、上目遣いに影斗を見上げた。
「…みんなで探しに行くんですか?」
「おー。念のためしっかり戸締りして、留守番中は家に人入れんなよ」
小さく頷く苡月へにやりと笑いかけ、影斗は葉月の方へと戻っていく。
「…ありがとう。気を遣わせちゃったね」
「いや? 単にからかってきただけ。…なんかあいつ、泣いたって言ってたけど結構大丈夫そうじゃね?」
「うん? あぁ、トラブルがあってからもうだいぶ経つしね。いつまでも気にしてるようじゃ、兄としても手が焼けるよ」
「いや…そういう感じでもないっつーか…、…まぁいいか」
葉月と言葉を交わすと、影斗は離れて待機する烈へ再び視線をやった。
「葉月、出る前にちょっと時間くれ。――烈!」
「!」
影斗のトーンがやや変わり、葉月の面持ちに緊張が走る。
「影斗…」
「すぐ終わる。なんなら先出ててもいいぞ」
影斗はそう一言だけ短く返し、呼ばれた烈が後ろからついていく形で、ふたりはその場を離れていった。