※この作品はR-18です。

ガイアセイバーズ6 -妖艶の糸繰り人形-   作:独楽 悠

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第13話_決着の時_02

影斗(エイト)は、本殿の裏手へ回ってきたところで足を止める。

まばらに落ちる黄色く色付いた葉を踏みながら、同じく止まった烈(レツ)へ振り返った。

 

「――葉月から聞いたけど。"襲われた"ってどういうことだ?」

「…!」

 

にわかな問いかけに、烈は少し目を見開き、ついで気まずげな表情を浮かべる。

 

「…悪い。油断しちまった」

「謝って欲しいわけじゃねぇよ。お前はそれで、悔しいとか情けねぇとか思わねぇのかってんだよ」

 

影斗は視線を鋭くさせ、黙ったまま眉を下げる烈へ畳みかけていく。

 

「首絞められたんだってな。…モーションもかけられたんじゃねぇか?」

「…」

「いくらあいつじゃない(・・・・・・・)にしたって、いいようにやられ過ぎだろ。逆に組み伏せて、言うこと聞かせるくらいしろよ。でけぇ図体してんだから、それくらい簡単にできるだろ」

「っ…そんなこと…」

「がっかりさせんなよ、俺を」

 

なにか言い訳を漏らそうとした烈を制し、影斗は彼の眼前にまで距離を詰めた。

 

「俺は、お前だから(・・・)引いたんだ。お前以外の奴相手なら手放す気なんざさらさら無かったし、どんな手使ってでも必ず俺のものにするつもりだった。…でもお前は、俺が絶対手に入れられないものを持ってるし、それが無きゃ絶対敵わねぇと思った。だから譲った」

「……!」

「今でも腸(はらわた)煮えくり返ってるし、その面ボコボコにしてやりてぇとも思ってる。でもそれと同じくらい、お前になら賭けていいとも思ってんだ。こいつになら任せてもいいってな」

 

爆発しそうな激情を抑え込み、影斗は鼻先の烈へ、憤怒の形相で静かに言い放った。

 

「前も言ったけど、お前を認めた俺の期待を裏切るな。…二度目はねぇぞ」

 

空気も震えあがるような彼の怒気を、烈は口を半開いたまま浴びていたが、やがて止めていた呼吸と共に、小さく言葉を呟いた。

 

「……影斗も、蒼矢(ソウヤ)のこと好きだったのか…?」

「……あぁ!?」

 

その一言に、ついに声を荒げ、影斗は勢いで烈の胸ぐらを掴みあげた。

 

「…お前…、今なんつった!?」

「うわっ、ごめ…、影斗は、蒼矢が」

「言い直さなくていい!! 阿呆が!!」

 

思い切り突き飛ばすように解放したものの、数歩後ろへよろめくにとどまった烈へ舌打ちし、影斗は苛立ちを隠さないまま彼を睨んだ。

 

「…そうだよ。お前、今の今まで気付かなかったってのか?」

「うん。なんか…自分のことで結構いっぱいいっぱいで」

「じゃあ伊豆行った時の帰り、蒼矢(あいつ)を自分のバイクに乗せてくって俺に宣言してったのは、なんだったんだ?」

「…無性に乗せたくなったから。前々から、いつも影斗ばっかり乗せててずるいなとも思ってたけど。でも、お前のバイクに乗せるのが当たり前みたいになってたから、…一応言わなきゃなって」

「…それが宣戦布告だと思ったあの時の俺の思考回路を、今すぐ消し飛ばしてぇ」

「ごめん…」

「謝んな! どいつもこいつもっ…」

 

再び怒鳴った後、影斗は大きく息を吐き出した。

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