最後に姿を確認してからまだ数時間しか経っていないが、一昨日蒼矢が
「好きにどっか行っちまったってよりは、俺らから隠れてるんじゃねぇかと思うけどな…」
「狙いが
「ひとまず公民館だ。…どうにしろ、[
「了解」
固まって移動した方がいいだろうということで、手分けはせず4人でまとまって
辿り着いたコミュニティセンターは、初戦の時と変わらず人の気配がまばらに感じられる空気感で、静かながら休日のほど良い活気をかもし出していた。
駐車場から建物正面へ回り込んできた一行は、それぞれ方々へ視線をやりながら、敷地内へ足を踏み入れる。
「まだ、何かが起きてるって感じは無いね…」
「全く見当がつかねぇな」
「…こういう時、無意識に
途方に暮れる中、ついつい無い物ねだりし始める
「!!」
「…まじか」
[異界のもの]の気配を感じ取ったなら、それぞれが携帯する起動装置が各々のパーソナルカラーで光るところ、全員の鉱石はひと揃えに
蒼矢がひとり先に[異界のもの]と接触し、『転異空間』へ入った。
全員の面差しが、緊張を帯びる。
「…行くしかねぇ」
やがて自身のカラーに発光が移行し、全ての転送準備が整った4人は、視線を送り合いながら鉱石を握った。
『転異空間』へ転送してきたセイバーたちは、『現実世界』から様変わりするその空間にやはり様変わりする装いで立ち、辺りをゆるりと眺め回す。
初見の烈――『セイバーロードナイト』と影斗――『セイバーオニキス』は平然と受け入れ、辺りを見やっていたが、二度目である葉月――エピドートと陽――サルファーの面差しは幾分か曇っていた。
「さて、どうしようね。
「[
「うん…前戦は、
「あーもー、頭数揃ってたって、俺らじゃ何もわかんねぇじゃんか! たりぃー」
一同が手をこまねきだす中、オニキスはおもむろに籠手の装具『
「面倒くせぇな、割ってみりゃいい。水属性なんだろ? エピドートが雷喰らわせてやりゃ飛び上がってくるんじゃね?」
「え゛えっ!? 嫌だよ、割ったところからヒビ入って落ちたらどうするんだ…!!」
「前回やったみたいに
「そ、そうだけど…、待って! まだ心の準備が…っ!!」
「うるせぇな。アズライトが手遅れになってもいいってのか?」
『暗虚』の鉤爪を地面に振り被ろうとするオニキスの腰にエピドートがすがる中、彼らをあわあわと見守っていたロードナイトとサルファーの視界の端で、薄青の地にぴしりと亀裂が入る。
気付いた二人の眼前で、丸く切り取られるように地面が下へと消え、気味が悪いほど真っ青な、大きな水溜りが現れた。
「!」
動きを止め、全員が目を見張る中、丸い池はその中心から徐々に黒くなり、ドーム状に水面を押し上げ、滑らかな漆黒の塊が浮かび上がる。
現れた侵略者・[
条件反射的に、セイバーたちは装具を呼び出し戦闘態勢に入る。
が、[霆蛇]は口の上に生やした太い髭をしならせてから口端を嫌らしくにやつかせると、再び水の中へその巨体を沈めた。
「っ!! あいつっ…」
追うように池の縁へ駆け寄ろうとしたサルファーだったが、目線上に感じた別の気配に足を止めた。
サルファー以外のセイバーも、[霆蛇]が消した水面から視線をそちらへと移し、驚愕の表情を晒す。
「…アズライト…!」