※この作品はR-18です。

ガイアセイバーズ6 -妖艶の糸繰り人形-   作:独楽 悠

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第16話_罠返し_02

そう言い切ると、烈(レツ)は長く息を吐いた。

 

「…合ってますかね? 俺、あんま深く考えるの苦手だし、暴走しやすいって自分でもわかってるつもりなんで…自信無くて」

「君の判断が合ってるかどうかは、君自身が決めることだよ。同時に、合ってる方向へ切り拓いていくことも、君にしか出来ない」

「…手厳しいなー」

「――でも」

 

半笑いを浮かべる烈へ、葉月(ハヅキ)は静かに続けた。

 

「君が思い悩んで出した結論なら、君にとってきっと良い方向に拓けていくと思う。…心から応援するよ」

「…葉月さん…」

「ありがとう、話してくれて。聞いてたら、なんだか心が随分落ち着いてきたよ」

「!? ちょっ…そんな理由で聞いてきたんすか!?」

 

若干感傷に浸り始めたところで葉月がちょけてみせ、思わず烈は声高に突っ込んだ。

 

「ごめんごめん、それだけじゃないよ。ちょびっとだけ、ね」

「ったく…」

 

ふてくされるように息をつくと、ぼそりと漏らす。

 

「…葉月さん、わかってたんすね…」

「わかるよー。君ら判りやすいもの」

「そっすかー…確かに、影斗(エイト)にもバレてたみたいだしなぁ…」

 

やや頬を赤らめながらそらをみた烈は、ふと気付いたように目をぱちくりとさせた。

 

……ん? 俺ら(・)? …ら(・)って?

…俺と影斗のことか?

 

 

 

「!」

 

水深深くへと進んでいた烈(ロードナイト)と葉月(エピドート)の視界に、黒い影がぼんやりと見えてきた。

ほぼ同時に気付いたふたりは、脳内会話へ切り替える。

 

「…居たっすね」

「こちらには…気付いてないとみていいかな?」

 

はっきりと形を確認出来るまで近寄り、息を潜める。

[霆蛇(テイダ)]は丸い目を閉じ、大きな体躯を水の底に休めていた。時折血色の悪い舌が口からはみ出し、自らの口髭や唇の上をぬめぬめと動き回り、やがて口腔へと戻っていく。

その気色悪い様子を目にしながら、エピドートは装具『雷嵐(らいらん)』を呼び出した。

 

「! エピドート、いきなり仕掛けるんすか?」

「僕たちは猶予が無い…1分1秒でも惜しい。周りを満たす水は、間違いなく電撃が効く。僕が[異形]を足止めするから、君はとにかく[侵略者]へ当たってくれ。…場合によってはサポートに入るから」

「…了解」

 

防御壁の中で、エピドートが巨大な斧槍を垂直に構える。全神経を集中させ、能力を雷嵐へ注ぎ込む。

 

次の瞬間、周囲の水域が白く閃いた。

 

「…ん゛んっ?」

 

突然の環境の変化に、寝入っていた[霆蛇]は半目を開け、あたりを見回す。

寝ぼけ眼に、自らのものではない白い雷が無数に落ちる光景が映る。

主以外の雷撃を受けた[水の異形]が周囲をかき回すように動き、激しい水流に安定しなくなった巨体が浮かび上がる。

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