※この作品はR-18です。

ガイアセイバーズ6 -妖艶の糸繰り人形-   作:独楽 悠

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第17話_決死_02

「オニキスー!!」

 

陽(サルファー)が『閃光(せんこう)』を構え、ふたりの元へ飛ぶ。

金色の瞳を歪ませながら、躊躇なく細剣の切っ先を蒼矢(アズライト)へ向ける。

 

「アズライト、やめろー!! 正気に戻れ!!」

 

アズライトは膝をつく影斗(オニキス)から猛接近するサルファーへと視線を流し、周りの氷気から眼力だけで氷の刃を造る。

宙に浮かぶ無数の刃の切っ先が、光速で迫るサルファーへ向けて鋭く光る。

 

が、次の瞬間アズライトの眼がわずかに揺れ、冷たく生気の無い瞳が鮮やかな藍色を取り戻していく。

そのまま目が閉じられ、傾いていく身体をオニキスはわずかに残った意識で受け止め、そのまま双方崩れ落ちる。

氷の霧も刃も、一瞬その場に時が止まったように動かなくなり、四方へ霧散した。

 

「…オニキスっ…アズライト!!」

 

 

『転異空間』の[脅威]は消え去った。

 

 

「……!!」

 

…[侵略者]を倒した…!!

 

そう悟ったサルファーは装具を収めてふたりの元へ飛び、オニキスからアズライトを受け取って地に寝かす。

 

「オニキス…!!」

 

身体の半分を氷の結晶に覆われていたオニキスは、そのまま横倒しになった。

 

「……しんど…」

「オニキス死ぬな!! ロードたちすぐ戻ってくるから!!」

「…あーぁ、…いっそ死にたかったわ…」

「馬鹿言ってんなって…! !? おいっ…!!」

 

小さく漏らした後、半目だった瞼を閉じて動かなくなるオニキスを、サルファーは必死に揺り動かした。

 

「!! 無事か!?」

 

彼の後方で水飛沫があがり、烈(ロードナイト)と葉月(エピドート)が帰還する。

 

「ロード!! オニキスが…っ!!」

 

振り返り、涙目になりながらがなるサルファーに、ロードナイトは顔色を変え、ふたりの元へひと跳びで着地する。

サルファーの傍らで、氷に覆われ傷だらけになりながら横たわるオニキスの姿を目にし、即座に『灼熱』へ切り替え、両手を氷へあてがった。水蒸気のあがる音が鳴り、身体に貼りついた氷塊は見る間に溶かされていく。

 

熱を送りながら、目の端でエピドートに抱き起こされるアズライトを確認する。

いまだ全身から青白い氷気を飛散させながらも、接するエピドートに霜が降りることは無く、目を閉じる穏やかな面持ちからも、無事であることは感じ取れた。

 

…元に戻ったみたいだな…

 

「…オニキス!!」

 

氷が溶かされ、エピドートが治癒を施し始めても、オニキスの目は開かない。

ロードナイトは冷えきった彼の身体へ手を当て、微量の熱を送りながら名前を呼び続けた。

 

「オニキスっ…、…影斗(エイト)、影斗起きろ!!」

「影(かげ)兄ぃっ!!」

 

サルファーも一緒になって声を掛け続ける中、固まっていた指先がぴくりと動く。

 

「……るせぇ」

「…!!」

「…耳元でうるせぇんだよ、きょうだい。…こちとら身も心もズタボロなんだ…、…静かに寝かせろ」

 

か細く途切れとぎれながらも、いつもの調子で毒づく不良男の声に、ふたりは深く胸をなでおろし、エピドートはくすりと微笑った。

 

「それだけ軽口が叩ければ、大丈夫そうだ」

「…黙ってろ、じじい」

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