エロそうでエロくないちょっとエロい話 作:今欲しいものは描写力
・地の文のみ(会話は地の文に組み込むように書く)
・主観視点の描写
・言葉を水平に伸ばす
目標
読む人のちんちんが甘勃起する程度の話。
朝、痛む頭に呻きながら思考が浮上する。
昨日は飲み過ぎた。ふらふらになりながら帰路に着いたのは確かな記憶だが、そこでよくわからないノイズが走る。目を瞑ったまま、昨日のことを思い出してみることにした。
昨夜、己は酔い過ぎて夢も現も判別できなくなっていた。理性は蕩け、本能が剥き出しだった。
だから、道の端にいた女にナンパを仕掛けたのだ。
帰路の途中、アルコールで溶けた頭でスーツケースを椅子にして路肩に座り込む女に話しかけた。
吐いた言葉はよくある冗句。行く当てがないのか、暇なのか、家が近いからうちに来ないか。
こんな言葉に引っ掛かる女はいないだろうという下品さが隠せぬ言葉を吐いた己だが、ここで一つの重大な事をやらかした。
女の目の前で吐いたのである。
幸いにも、吐瀉物は女にかからなかったが、己は相手と自身の気分が悪くなったのを自覚した。顔面は蒼白だったのだと思う。飲み過ぎたからだ。だがそこに朱色も混じっていたのだと思う。ナンパした女の目の前で吐くという醜態を晒したからだ。
ナンパしている最中に吐くという情けないことをやらかした己は、恥辱に頬を染めたことは記憶に染み付いている。蒼と朱が入り混じった笑える顔をしていたと思う。
女に謝りながら己はその場を離れようとしたはずだ。こんな自分の誘いに応じる者等いないと思ったからだ。鼻で笑われてそれで終わり。その後、己はやけ酒して明日を迎えるはずだったのだ。
なんと、女は立ち上がりどこからともなく取り出したタオルで己の吐瀉物を滴らせる口元を拭き、それをまたもやどこからか取り出したビニール袋に入れると、スーツケースにしまい込み、己の片腕を掴んで自らの肩に回すと、スーツケースを引きずりながら歩きだしたのである。
己は訳も分からず抵抗した。恥ずかしさもあったし、やっと感じ始めた不気味さが身体を動かしたのである。
なぜなら、女は深夜だというのに、まるで猫のように目を淡く光らせていたし、吐いたことで幾分か覚めた目が、女の着ている服がメイド服であることにようやくぴんとを合わせたからだ。
真夜中に、たたずむ女を、ナンパして、ようやく気付く、異様な出で立ち
中々に現状を雑多に説明できた短歌が出来た。現実逃避する頭がショートし、認識した現実をそのままに出力する。アルコールにやられた脳が言うことを聞かず、思ったことそのままを口に出していた。
支えてくれる女はこちらを見やる。なんだか、笑っているようだと感じた。女は鉄面皮、能面ともいえるほどに表情筋がぴくりともせず、こちらを見ているだけだというのに。
そんなふうに、己は女に支えられ、自宅へと向かった。己は自宅について口を出さなかったが女はまるで知っているかのように己の道筋を邪魔せず支えてくれていた。
今にして思えば不思議な事である。
そうして、家路に着くと、女は震える手でもたつく己のポケットに手を差し込んで、そこにあったカギを取り出すと家の鍵をガチャリと開けて、己を玄関へと座らせた。
二日酔いで惑う頭は、少しずつ昨夜のことを思い出していく。
そう、確か己はその後、吐瀉物が跳ね染み付いた服をひっぺ剥がされ浴室にて女に洗体されたのではなかったか。
確か、確か、記憶を徐々に追っていく。女も裸ではなかったか。
陶磁器のような肌、艶やかな黒髪、それとは違う人肌の、浴室を満たす温度に比例する、生を感じる赤らんだ頬、浴室の湯気に包まれたその姿は蠱惑的な雰囲気を纏っていた。まるで一つの絵画であった。
鏡越し、湯気で曇ったその姿に見とれながら、己は女に洗体されていた。
まず、頭からシャワーをかけられ、視界を覆う水の膜と身体を包む心地良い温かさに自然と身体を預けていると、続いてシャンプーを押す音とシャカシャカと泡立てる音が響いた。
そうして、美容院等でしか味わえぬ、人に髪を洗われる気持ちよさが己をぬらり、襲ったのである。
女はまるで髪に泡を揉み込むようにして洗う。自然と目を瞑り、そのたおやかな指がなぞり頭皮を押し込む快感に身をゆだねる。
マッサージも兼ねているのだろう。とても気持ちがいい。己の語彙力を恨むほどだった。この快感を言葉にできるよう、明日は語彙力を増やそう等とくだらぬことを考えていたと思い出した。
そうして、頭を洗われた己は続いて身体を洗われることになるのだが、なんとそこで鮮明に記憶に焼き付くことが起きた。記憶を振り返る前、微睡んでいた頭に差し込まれる情景、己が昨夜何があったのかを振り返らせる要因にもなったPCに厳重にロックされた秘蔵のファイルがごとき記憶である。
身体全体を使った洗体である。
最初はスポンジを使わず、手に泡を付け、身体を擦られた記憶だ。
確か、身体を洗うときは、下手に目が粗い布で洗ってしまうと皮膚を傷つけてしまうし、汚れ自体は手に泡を付けてこするだけで毎日洗う分ならば問題ないというのをどこかで聞いた気がする。そういうことなのだろうか。
しかし、なんと、なんということか。己は幾分か現実よりも理想に生きる人間であったものだから、このようなことはまるで漫画か小説の中でしか起こりえないものと思っていた。現実に起こるとしても、そういうお店に行かなければ実現しないだろうと思っていた。
だから、己がここらあたりで夢であると断じたことは間違いではないと思っている。
身体洗われながら、こう口にしたのを覚えている。忘れたい、下心で性欲に塗れた言葉だ。
手だと効率が悪い。胸や体で洗ってくれないか。
態々、胸と主張したところに己の欲が垣間見える。
ここで一つ、女の身体を言い表すならば、芸術品という言葉が似合うだろう。
太くも無く細くもない均整の取れた身体。肉付きがよく、かといって瘦せすぎていない、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
個人的な好みだが、尻から太ももにかけての肉付きがまぶしく必死に目に焼き付けたのを覚えている。もちろん、胸もである。己は所謂草食系というもので、とある事件ともいえぬ経験から、女性への経験何ぞてんでない。耐性なんてものも持ち合わせていない童貞だ。初めての体験がこんな二度と会えぬような女でいいのか。この女に見捨てられた日には、二度と性で満足することは訪れないだろうという確信があった。
だが昨夜は、そんな未経験さからくる奥手さや、相手を考える理性もなにもかもがアルコールに全て溶けたがゆえのしでかしであった。
下劣な言葉を吐いた。いまでさえ羨む者がごまんといるような状態でだ。贅沢にもほどがある。もしかしなくても不快に思い、見捨てられただろう。普通に考えればわかることだ。しかし、己の草食的受身思考は、アルコールにやられた脳が夢と断じたので、都合よくこの場を解釈し類稀なる強引さを発揮したのである。
今にして思う。首を吊って死にたいと。
ベットの中で身悶えする。頭を抱え蹲る。
犯罪者級の、通報されてもおかしくないことをした。
今すぐにも忘れたい、しかし、整理されていく記憶が虫食いの記憶を穴埋めするようにずるずると戸棚から記憶を引き出していく。
その後から、幸運にも女は身体全体を使った洗体となったはずだ。
浴室は広く、人が一人寝そべっても問題ない程だ。亡くなった両親が必要以上に金をかけてこだわりぬいた自慢の浴室である。そのため、家の家具のほとんどをDIYした両親はどこかネジが外れていて、その血を引き継ぐ己もネジが数本外れていた。
己は腕を横に伸ばした。ついで鼻も下に伸ばした。端的に言えば調子に乗っていたのだ。そんな己に、女が身体全体にまぶした泡を使って身体になぞらせるように腕を自身の裸体に滑らせていく。温かく柔らかな肌、きめ細かく色を募らせる感触、我が世の春だ、そう舞い上がる。鼻歌のように「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」と藤原道長の句を詠んだほどである。己は阿呆か凡愚かと、そう責めたところで覆水盆に返らない。つらつらと、今や過去を戒めるしかないのだ。
腕が泡塗れとなり、胴体を洗われていく。背中に押し付けられる胸の感触、身体の前へと伸ばされた腕の感触、密着する女の、そのぬくもりを全身で味わっていく。浴槽の椅子から立たされ、足も絡められ、全身を擦り付けられる。鼻の下は今までにない程落ちきっており、その気持ちよさを、快楽を、余すことなく味わおうと肌が粟立つ。寒さで鋭敏となった肌が粒立つのではなく、その逆、温かさを全身で感じようとして、肌が触れ合う直前に感じていた表面温度を寒さと断じて感覚を鋭敏にしたのである。性欲が生理現象に勝利した瞬間であった。
女は丁寧に己を洗っていく。詳しく思い出す。
最初、最初は首だ。まるで首を絞められるように手を添えられた。この女になら首を絞められてもいいと思えた。だから、子猫が親猫に首を食まれて大人しくなるように、己も身体を脱力した。そんな己をまるで弄ぶかのように、這わせた指が徐々に首筋をかけあがっていく。一本一本がまるでピアノでも弾くかのように首筋をタッピングしていく。陶磁器のような白魚のような手指が掻き鳴らす、かすかに漏れた肉を叩く音。そのまま力を籠めれば生を奪える僅かな音が耳を打つ。
とんでもないASMRがあったものである。首絞め直前タッピングASMRという己の人生でまったく味わったことのない命を震わす恐怖と快楽が入り混じる音を聞いたのだ。
ここで己の性癖が外れたネジのように捻じれるのを理解した。
そうして、首を洗われる。両手を添えられて、上下にしごくように。陰茎をしごかれるみたいだと直球で間抜けな思考が頭を走った。どこかでそういう絵をwebサイトで見た気がする。朝起きたら調べようと、また一つ、次の日にやるべきことが増えたと無関係なことを考える己を戒めるように、首に力を入れられた。
首が絞まる。なるほど、頸動脈が狭むというのはこういう感覚か。明滅する意識と眩む視界、苦しげに漏れた呼吸音を他人事のように感じていた。己で首を絞めてもある一定の所までしか絞めることが出来ない意気地なしだから、こうして許容以上に首を絞められ、命が潰えようとする力感覚というものを初めて理解し感心していた。アルコールというのはやはり怖いもので、命の危機であるというのに、快楽を優先する。
そのとき、浴室に設置された鏡に映る己はやはり狂っていて、快楽に溺れていて、口元がかすかに、酸素を求めて苦し気にかすれた声を出す口元は確かに、笑っていたのである。
その後ろ、己の首を絞める女は、まるで自らの極上の獲物を見つけたような嗜虐的な表情が一瞬垣間見えた。しかして、それは本当に一瞬のことか、はたまた己が望んだ幻覚か。女はあったときと変わらぬままの鉄面皮で、今まで首を絞めていた手も嘘のように、肩へと移り、こりをほぐしているのである。
先程のことは嘘だったのか。そう思っても、命の危険にいきり立つ己の分身が、これは嘘ではないことを教えてくれる。命の危機に子孫を残すために活発になるという知識が現実を教えてくれたのである。
まるでじらされるように、上から順番に洗われていくものだから、まるでお預けを食らった犬のように体をよじり、落ち着かなかった。なんとかごまかすために、手で分身を押さえて、足に挟んでみるが、まるで理解しているかのように、抵抗は無駄だというように、足と足の合間に脚を入れられ、陰嚢陰茎共々、太ももに持ち上げられる。
柔らかで、滑らかで、優しく、かといって絶対に隠させないという強い意志で陰嚢を持ち上げられ、それに合わせて足に挟んだ陰茎が跳ね上がる。己のものを見知らぬ女に見られる経験なんて生まれてこの方なかったものだから恥ずかしさでとっさに手で隠した己を責める者はいないだろう。居たら言え。はっ倒す。
だから、まさか腕を掴まれ後ろ手に持っていかれ、女の太ももをなぞり、尻を揉ませるように誘導されたことには心底驚いた。痴漢誘導である。本人の同意があったのだと騙された男が喚くように、誘導されるがままに、欲望の赴くままに揉みしだいたことは記憶に焼き付いて離れない。
結論を言えば、極上であった。女の尻の触り心地なぞ、人と比べられるような経験もないから比較しようがないが、きっとこの女はこの世界に居る誰よりも素晴らしい尻を持っていて、きっとこの女は尻だけではなく身体すべてがこの世界に居る誰よりも素晴らしいモノを持っているのだと悟った。
そんな女が、己を明らかに身体を洗う以外の目的も含んで洗体をしている。その事実に、己の陰茎はさらにいきり立ち、太ももに全てを預けている陰嚢はその上でぐつぐつと性を滾らせている。
極上の女体に溺れた哀れな男はまた体を洗われていく。
言い忘れていたが、コリをほぐされた肩はまるで背中に背負いこんだ荷物を下ろしたかのように軽い。そのまま、洗われる場所は下へと移り、胴体となる。
胸で背中を洗われ、前は蛇のように手が隅々を這いまわり、抱き着くように洗われていく。
まるで大切なものを片時も離さぬようにという想いを感じられるほどだった。今、この時、己は女の所有物になったと錯覚したくらいだ。
背中に意識を集中させる。すると、背中を撫でる胸の感触がありありと伝わってくる。
餅のようにやらかく、しっとりとしたましゅまろは、上へ下へと丹念にこすり合される。
その二つの双丘の中心、女の乳首に神経を、背中の皮膚を尖らせる。
なぞるように動くそのしこりは胸の動きに合わせて上下に追従する。たったそれだけなのに、己の興奮をこうも募らせるのだから女体というのは恐ろしい。
それだけでも十分大金を積めるほどだが、女はさらに己の前を愛撫し始めた。
まず、胸の中心を指でなぞられる。上から下へ、首元の鎖骨の間、少し窪んだ中心点から下へ下へ蛇行しながらなぞられる。
指の先、少し伸びた爪がかりかりと胸の皮膚を引掻き、指の腹が下に引っ張るように愛撫する。人差し指の蛇行は、ときに大きく、ときに小さく、まさしく蛇が道を行くように動くものだから予想が出来ず、己をさらに期待と興奮の渦に飲み込ませた。
胸から腹へ、臍まで指蛇が這って来ると、牙のような爪で、臍を一周するようになぞると噛んだ。
鋭い痛みは気つけ薬となり、酔いに蕩けていた脳に理性を呼び込んだ。非現実的な状況を理解させ、さらなる興奮を煽るための毒牙であった。
まんまと理性という毒を流された己は今更にことの大きさに気付いて逃げようとした。
遅すぎである。蛇に絡まれ、牙を突き立てられた状態で逃げ出そうとする滑稽な己を、やはり弄ぶように、女は挟ませた脚をさらに上げた。
さらに持ち上げられた陰囊は、陰茎までもをまとめて後ろから圧迫した。己はその極上の圧迫感にぶるぶるとその身を震わせるしかなかった。
いや、震わされていたのではないか。
今だからこそわかることだ。あれは女に揺さぶられ、その太ももに擦り付けられていたのではないか。
すりすりと、陰囊の裏を摩擦され、太ももにて愛撫される。それに合わせて、足全体をしなやかな脚で絡め取り、決して逃さないように密着させ、快楽の海に沈める。
理性という毒を流し込むことで、今の状態を理解させ、己に食べられることを認識させる。
今更気づいたのかと嗤うように、己の分身である陰囊、陰茎の快楽の生殺与奪ともいえるものを握り、玩具にしていたのではないか。
男は女に太ももで陰囊を持ち上げられると、快楽と圧迫感で逆らえなくなる。未経験の己が身にしみて理解したことだ。
そのまま、指は手のひら全体の愛撫となり、下腹部を撫でつけ陰毛を玩ばれる。しかして、陰茎には触ってもらえず、もどかしい快楽だけが全身を走る。
太ももだけで満足しろ。そういうことなのか。あまりにもあんまりではないか。駄々をこねるように、己は後ろに回された手で、強く尻を揉みしだいた。
もっちりと、ぬっとりと弾むような沈むような感覚が手のひらに広がる。低反発ではない、かといって強く弾けるものではない。表面少し先までは、吸い付くようなしっとりとした感触なのに、その奥を行くと驚くほど指を跳ね返すような弾力感がある。
やはり極上の尻だ。そう思った。もちろん、触ってもらえないもどかしい快楽を押しつぶせるほどの強い快楽に己は心底喜んだ。
尻を揉みしだくだけでこの快楽なら、その先、もしこの女と交わることができたならどれほどの快楽を味わえるだろうか。
おそらくは桃源郷、現実に存在しないとさえ考えられる至上の快楽、生を受け、三大欲求を持つ人間が、その一つ、性欲が存在する意義はこのためにあったと思わせるほどに違いない。
天国のチケットを実際に手にしている己の顔は、無様なほどに蕩け解けきっていた。
だから、これから味わったものは、まさしく天罰と呼ぶようなもので、調子に乗った己を戒めるには十分なものだった。
女は己の乳首をぴんと摘み弾いた。
お読みいただきありがとうございます。感想は書いてくださると諸手を上げて喜びますし、こうしてほしい、ああしてほしい、こういった物を書いて等ありましたら、自分の描写力と相談し精査したうえで、盛り込んだり書いたりします。
改めて、よろしくお願いします。