へぇー。エイリアンにしては大人しそうな子だ。珍しい。
そうやって僕が感心した風に眺めていると、格子の外から男が腕を伸ばしてきて、彼女のベレー帽を奪い取った。
すると下からぴょこんと現れたのは綺麗な三角形の耳がふたつ。
女の子は頭の上にピンと立った耳を両手で押さえて、へなへなとその場にへたり込んでしまった。
猫耳……いや、狐耳? これは……獣人系かな? 街でもたくさん見た。
それはいいんだけど、ちょっと腹が立ったぞ。男がベレー帽を取ったから。
これから使おうと思っていた貴重な布を……なにしてくれるんだ……。
状況を考える。
僕の予想はこうだ。この狐っ子は、何らかの理由で罠にかけられた。実行犯が外の二人だ。この狐っ子は僕にあてがわれたわけではなく、事故に見せかけて僕に凌辱させるために、ここに放り込まれた。
いいように利用されるのも
僕の答えは――。
ビシュッと音を立ててカエルのように舌を伸ばし、男の手にあったベレー帽を瞬時に奪い取った。
男達はびくりと身体を震わせて、後じさった。
足元に倒れていたソバージュの子を脇に抱えてのしのし。狐っ子を後にする。
離れた場所でベレー帽をバリィッと引き千切りってふたつにし、ソバージュの子の膝の下に敷いた。
布さえあれば狐っ子に用はない。
そんなことよりもバックだ。念願のわんわんスタイルだ。彼女をわんわん、わんわん鳴かせるんだ。
ズプリと、僕の赤黒い獣根がソバージュの子の、たぷっとした尻肉の割れ目に差し込まれていった。
「――んぁああああ……ああああああっ!」
やっぱり四つん這いだと
うんうん。これはちょうど良い。ベレー帽がフェルト素材だから、ほどよいクッション性を発揮してくれている。彼女の膝は守られた。
「――ンア゛ッッ⁉ あ゛ッ、あ゛ッ、あ゛ッ、あ゛ッ‼ あっ……あ゛ん! はひ……ひぃぃぃ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁ……ッ‼」
ソバージュの子も髪を振り乱しながら無心に喜んでくれている。声に張りが戻った。後ろから挿入して、乱暴にひと突きしただけで小さなオーガズムを迎えたようだ。今も突くたびに肉襞がしきりにビクビク痙攣して、ピストンを続ける僕の裏筋を細かく刺激してくれる。
彼女、ずっとイキっぱなしじゃないか。大小のオーガズムを乗り越えて、背中を反らしてよがりっぱなし。
ついには僕の動きに合わせて尻をグイッと上に向けてくる。そんなに欲しいの? バックってあんまりできないもんね。任せて。
そこで腰のくびれに手を回して固定し、ストロークを大きく、深くしてパンパンと尻肉を叩いてあげれば、彼女のエクスタシーは最高潮を迎えた。
「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ンッ‼ ア゛ア゛ア゛ア゛ンッ‼ ア゛ア゛ア゛ア゛ンッ‼」
理性なんてない、発情した雌の啼き声。
僕も夢中になって彼女の尻肉に
突き込んで、ソバージュの子が啼いたら、密着させたまま中をグリグリかき回す。
すると彼女はお尻をキューっと閉めてくれるから、その緊張を揉みしだいてほぐし、柔らかくなった肉壺なら中でしっかり愛液を絡ませる。
バキュームに逆らってゆっくり引き抜いて、ピタリ。
そのまま彼女の膣口の緊張が抜けるのを待って、勢いをつけてからまた尻肉をパァンと叩く。
ソバージュの子の最奥を貫通し、彼女の子宮壁まで僕のブッチャーランスが突き刺さるたびに、彼女の引き締まった形のいい尻が、僕の下腹部に心地よい弾力を返してくれた。
「――ヒァ……⁉ ひん……♡」
ついでに舌を伸ばして、彼女のアナルにグリグリとねじ込むのも忘れない。
こうするとソバージュの子の蜜壺の絡みがグッとよくなるんだ。
実は彼女、後ろの穴も開発済みの貴重な女でもある。
彼女が最高傑作たる所以のひとつだ。ソバージュの子はお尻が大好き。
尻孔に挿入するのは、生殖行為とは関係ないから、バレると止められてしまう。だからあんまり出来ないわけだけど、たまにこうしてほぐしておかないと、次に使う時に辛いからね。
今日は久々に突っ込んでみようか。凄く欲しそうにヒクついてる。このまま帰すのは残酷だ。
そうと決めたらまた尻を叩く。あ゛あ゛と啼く。舌を差し込む。ひんと啼く。尻を叩く。啼く。グリグリ。啼く。叩く――。
無限に繰り返せそうな魔性のルーチン。
これぞケダモノのセックスって感じ。
後は一回
今日という日がソバージュの子でよかった。この子とバックの相性は抜群だ。この密着感は素晴らしい。僕の精子も盛り上がってきた。今や突き込むたびに陰唇の隙間からプシュ、プシュって愛液を噴き出してる。このまま、中イキしっぱなしの彼女の蜜壺の奥に吐き出したら、さぞや――
いてぇ‼
僕が
瞬時に視界が真っ赤に染まり、僕の中のブッチャーの凶暴性が爆発した。
気が付くと、僕は剣を振り下ろした男の頭蓋を――殺す――噛み砕いて、中の桃色の
歯茎剥き出しの口を大きく開けて、吠えた。
何度も、何度も。僕の中で渦巻く狂気を吐き出しながら。
少しずつ落ち着いてくる。
――馬鹿だろこいつら。看守だって僕を直接傷つけたりなんてしない。ムチで叩くか、スタンランスで刺激を与えるだけだ。
わざわざ中にまで入ってきて剣で切りつけるとか……エクストリーム自殺なら別のとこでやってよ。これでまた独房送りじゃないか。
嬢がその後どうなったか気になるから、それはそれでいいけど、長いこと牢獄を留守にすると、今度は先日の金髪の子が気になる。
僕があまりに長期で仕事を休むと、彼女が別のブッチャーに渡る可能性があった。それはすごく嫌だ。一発で破壊されてしまう。彼女はまだ道半ばなんだ。彼女は僕が仕上げる。彼女は僕のものだから。誰にも渡さない。
……僕は、仕事を、途中で、邪魔されるのが、嫌いナンダ! ナンテコトシテクレル! コノウスラクソボケガッ‼
ブッチャーの怒声が再び牢獄を恐ろしげに鳴動させた。
ペキリと割り箸を折った時の音が聞こえた。首を締め上げていた男の眼球がギュルリとひっくり返って、その身体が弛緩した。
ぽたぽたと、彼のズボンの下から湯気を上げる液体が漏れていた。
静かに手を離すと、男の身体は湿った音を立てて床に落ちた。
「ひっ、ひっ、ひっ、ひっ、ひっ……」
その隣で腰を抜かしていた狐っ子が、尻をずって後ろに下がっていった。引きつけを起こしたのか、細かい息を繋いで苦しそうだ。顔も真っ青。
そうだ、この狐っ子に証言してもらえないかな。僕は剣で切りつけられて、正当防衛で殺したんだって。
……駄目だ。分かってはいたけど、言葉無しでは無理だ。それに、よしんば僕が話せても、今の彼女の動転した様子だと言い含められる気がしない。
使えないなぁ、この子。
ならせっかくだし、
ソバージュの子が引き締まった地鶏だとすると、この狐っ子はぷりっぷりの若鶏といったところ。美味しそう。まずは腹ごしらえだ。
食べかけだった男の頭の中身を勢いよく腹に収めた。
口からボタボタと、いろいろな肉を零しながら、頭部を失った身体を引きずって狐っ子に歩み寄る。
僕が一歩踏み出すたびに、彼女は大粒の涙をこぼしてズリズリと後じさった。目はまん丸。狐耳はぺたん。尻尾はぶわーっと逆立ってる。何か言いたげだけど、唇が震えているだけだった。
まぁ、何言われても僕分かんないけどさ。
それにしても柔らかそうな唇だ。でも、ちょっと小さい。
正直あまり興味はない。どうせ僕の息子は入りきらないから。
彼女の小さな口は見るからに入らないし、下の口をフル活用しても無理だろう。それこそ、殺す勢いでハメないと楽しめそうにない。
――アナルか? アナルなのか? 後ろの穴なら全部入るかも?
いやいや、駄目だ駄目だ。直腸へのダメージの方が致命的だ。あっという間に細菌感染して、やっぱり死んでしまう。これがあるからアナルセックスはハードルが高い。
ああ、でもどうせ死ぬなら、気兼ねなく遊べばいいのかな?
――落ち着け。落ち着け……。
僕は今、攻撃されたこと、肉を食ったこと、そして射精を寸止めされたことの三重苦で、ブッチャーの凶暴性に飲まれかけている。
この狐っ子も狐っ子で、すごく愛らしくて、僕の中に眠るブッチャーの
僕は人間だ。
正常な、精神の、持ち主だ。
ここでこの狐っ子を犯し、殺し、食らったら、また一歩獣に近づいてしまう。そんな気がする。それでは駄目だ。ただでさえ思考回路がブッチャーの肉に引っ張られているのに。
僕は人間なんだ。だから、人間らしく――。
人間らしく――。
深呼吸して、太い息を吐く。
狐っ子レイプは諦めて、男どもの肉を食うことにした。
肉を食べるのは好きだ。セックスと同じくらいのエクスタシーを感じる。
生きたままが一番良いんだけど、今回は死体で我慢しよう。
バリボリと男どもの身体を骨ごと咀嚼して胃に送り込んでいくと、何かがその底から湧き上がってくるのを感じる。
血肉を胃袋に落とすたびに、熱い水面がせり上がってくるんだ。
それはオーガズムとは違う、別種の、そら恐ろしい何か――。
二人の男を平らげるのに、さほど時間は必要なかった。
振り返ってみると、狐っ子は失禁。白目を剥いて床に倒れていた。
床に残された血痕。主を失った遺留品。遠くには白濁液まみれのソバージュの子が倒れていて、鑑の前にひっくり返ったおもらし狐っ子。そして血塗れのブッチャー。
このシンッとしたバイオレンスな無音空間の中で、さてこれからどうするべきかと自問する。
とはいえ、覆水盆に返らず。狐っ子の小水
食べてしまったものは戻ってこない。僕にできることは少ない。
――ふと思い至って、足元に落ちていた“それ”を拾い上げた。使いどころが分からないけど、でもこれはいつか役に立つ気がする。
そういえば射精寸前で邪魔されたことを思い出した僕は、とりあえず引き続きソバージュの子に覆い被さることにした。
男の遺留品から覗いていた、小さなメダルを握り締めながら。