「――こ、来ないでッ! あっちにいって‼」
そんなことを
新人さんだ。茶髪ショートヘアの女の子。
快活そうだけど、ちょっと目が垂れていて、そのギャップが魅力的だ。
女性兵はある程度慣れてくると髪型で遊び始める傾向があるから、初々しい髪型のこの子はまだ新兵なのかも知れない。
彼女は戦闘服を着込んでいる。僕のところに来る女達は始め、こうして捕まったときの服を着用の上で牢獄に放り込まれる。次回以降は素っ裸で放り込まれる。初回で僕に剥かせるのは儀式みたいなものらしい。
ところでこの子、
捕まったばかりの捕虜は、人に依るけど、僕を目の前にすると舌を噛み切って死のうとする子もいる。そういった無駄な行為をやめさせるために、初めてブッチャーに捧げられる女は口枷をはめられて放り出されるのが慣例だった。
でもやっぱりエイリアンは雑。たまにこうして口枷無しで連れてこられる女もいる。プロを自認する僕としては、こういうところが本当に腹立たしい。
ある程度経験がある兵士はみんな知っているんだけど、舌を噛み切るのって、意味ないんだ。猛烈に痛くて身体に負担がかかるだけで、死ねない。舌の奥を噛み切れればあるいはだけど、ものすごく難しいし、エイリアン達には回復魔法がある。舌切りでは絶対に自決できない。
だから女の子達には、そういった無意味でデメリットしかないことをして欲しくない。そんな痛みの中で本物の快感を感じられるわけがないもの。
「なんで……こんな……こんなのって……ッ!」
ショートヘアの子が乱暴に髪を掻き上げた。何かが納得がいかないご様子。
この子は元気が良い。
それでいて兵士の経験も浅そうだ。大体こういう血気盛んな青い子が舌を噛み切ろうとするんだ。僕はこういうこの子達のことを、舌切り娘って呼んでる。危ないなぁ。
驚かさないように、ゆっくり距離を詰めていく。
もう、なんていうか、怪我をした野良猫を捕獲しようとしているような気分だ。大丈夫だよー、怖くないから、こっちにおいでー。なんて声をかけたくなる。
実際のところ、距離を詰めてくるのはブッチャーだ。まぁ怖いだろうね。
「来ないでって‼ ――それ以上近付くと舌噛み切って死ぬからッ‼」
ほらぁ……。
一回噛み切らせて、回復魔法で治して意味ないことを教えてあげてもいいんだけど、僕は優等生ブッチャーだから、鏡の向こうの監視員以外は、近くに回復魔法要員とかが常駐していないんだ。
だから結構長い間苦しむことになるし、僕も早く君を凌辱したいから、お互い損だよ。
仕方がない、頑張るか……。
大きく一歩を踏み出す。
それを見たショートヘアの子が、目を剥いて大口を開けた。
「! やめグ――ッ⁉」
何かを言おうとしたその瞬間を狙って、
僕の舌は異様に病的な色をしている。死体の色というか、強くぶつけた
「ングッ――ン~~~~~~‼」
必死に僕の舌を掴んで引き抜こうと頑張るショートヘアの子。
意外だ。思いっきり噛んでくるかと思ったけど、そこは遠慮しているみたい。
正解だよ。舌はウィークポイントなんだ。
皮膚とか、肉とか、骨とかはめちゃくちゃ頑丈なブッチャーだけど、舌だけは比較的弱い。伸縮性があるせいだと思う。人間の女の
だからって僕の舌を
そんなことで、女の子が抵抗している間は、滅多なことで舌を突っ込んだりはしないんだ。うっかり殺してしまうことがあるから。
こうやって僕のベロで女の子の舌切りを防ぐ時は、ブッチャーの肉体が暴走しないようにすごく頑張って衝動を抑えないといけない。
今回も覚悟してたけど、この子は大丈夫そうだ。行儀が良い。偉い偉い。
一気に距離を縮めて彼女の手を掴んだ。
戦慄するショートヘアの子。
そのまま壁に押し付けて、爪をそっと戦闘服の襟に引っかける。
「ン゛ン゛グ……ン゛ッ‼」
そのままゆっくりと爪を下に動かしていけば、頑丈なはずの戦闘服がピリピリと紙のように切れていく。
僕の爪の危険性を教えるために、あえてこうしている。押さえつけている時に暴れられると、爪が皮膚を裂いてしまうから。
とにかく女の子には抵抗して欲しくないんだ。抵抗は君達の命の危険に直結する。それを、できるだけ早く教えてあげたい。
すると下から現れたのは日焼けした健康的な肌。乳房はほどほどに膨らんで、
「ン゛~~~~~~ッ‼ ン――」
僕の爪がズボンにかかった。ショートヘアの子はそこでひときわ大きく暴れたけど、頑丈なはずの皮ベルトがプツリと、いとも簡単に断ち切れたのを感じたのか、彼女は息を呑んだ。
分かったみたいだ。動いたら危ないって。
「……」
彼女の服が縦一直線に開いた。
バストはしっかり焼けていたけど、恥丘の付近にはショーツの日焼け跡が残っていた。トップレス・ビキニ派かな。全体的に汗で湿っていて、なんとも素敵な生き生きとした身体だ。早く僕の体液で白く上塗りしたあげく、ぴったり抱きついて犯したい。
爪を当てないよう慎重に、手のひらを静かに彼女の胸に当てた。
「ン……」
ゆっくりと脂肪の塊を押し潰し、
彼女は身体をピクリと震わせたけど、じっとしていた。僕の舌を噛む歯に少し力が入った。
これは前戯じゃない。
僕は君を傷つけるつもりはない、という意思を伝えている。
ショートヘアの子の顔が恐怖に青ざめ、引きつっていた。彼女の視線は正面の僕の顔に固定されている。ベロを口に突っ込んでいると、まともに僕のホラーフェイスを見ることになるからね。彼女、行儀が良いというか、怖くてまともに動けないだけかも。
もうほとんど抵抗はなくなった。そろそろ大丈夫かな。
ゆっくりと黝い舌を引き抜いてやる。
僕の舌先が透明な唾液の糸を引いた。直後――。
「――ッ~~~~~~~‼」
あ、舌噛んだよこの子。
慌てて彼女の口に指の関節部分をねじ込んでやめさせる。
よかった。痛みに負けて噛み切れなかったみたい。
舌を噛み切るのって、いろんな創作物で見るから簡単そうだけど、実はかなり難しいよ。自分の本能的な反射反応を意思の力で押し切らないといけないからね。
しかも訓練が出来ない類いの動作だ。だって訓練したらベロ無くなっちゃうし。
やるには鍛え抜かれた強靱な精神力が必要。それこそ、敵陣のど真ん中でたった一人で何日もチャンスを待つ狙撃兵のごとき鉄の意志が。
ブッチャーを目の前にしてテンパってる、君みたいな新兵ちゃんでは無理無理。
結局、うっすら血が滲んだけど、それだけだった。
「はわひへぇええええええええええええ! ひふほおおおおおおおおお‼」
気が
緊急で僕の指を
もー、面倒臭いなぁ……。
このまま押し潰してブッチャーランスをねじ込んでも良いけど、痛いだけだし、ある程度は自主的に受け入れて欲しい。どうしよっかな。
そんなことを考えていると、ガシャアンッ! という、けたたましい音が牢獄に響いた。
見ると、お隣さんの牢獄に新しい供物が届いた様子だった。
僕の牢獄の格子側には通路が走っていて、その通路を挟んだ向こう側にもブッチャーの牢獄がある。ちょうど通路を挟んで対称的な構造になっているんだ。
そしてそこには、もう一匹のブッチャーが放り込まれている。
彼は、僕が心の中で密かに鬼軍曹と呼んでいるお隣さんブッチャーだ。
これはタイミングが良かった。この活きが良すぎるショートヘアの子を、ちょっと鬼軍曹に新人教育してもらおう。
暴れる彼女を抱きかかえて通路側に連れて行き、格子に押し付けた。
舌を噛まないよう、後ろから彼女の口に指を突っ込んだまま、もう片方の手でその頭を格子の合間に押し付けて固定する。向こうの牢獄がしっかりと見えるように。
「いはああああああああああああああ⁉」
格子を両手で掴んで、涙を流しながら大声で喚くショートヘアの子。そんな彼女を後ろから拘束し、先生の講義が始まるのをワクワクと待った。
――ほら、始まったよ。
この講義が終われば、君は大人しく僕を迎え入れる。
間違いないって。あの先生すごいんだから。