僕はミニタランチュラ二号君を、こっそり口の中でお世話した。
おかげで、かれこれ一週間近くベロを出していない。女を孕ませる間も舌が使えないし、うっかり興奮して噛み潰さないよう気を遣うから、なんか
試しにこっそり口を開けて待ってみたりもしたけれど、二号君は外へは出ていかなかった。
でも彼は、僕がご飯のドッグフードを食べる時だけは、邪魔にならないように外に出て僕の
二号君は、口の中に残ったドッグフードの食べ
そこまで知的な活動ができるのなら、もういっそ牢獄から出て行って勝手に活動すればいいのに。と、思うんだけど駄目なんだ。僕の口から離れようとしない。
まったくもって目的が不明。
とはいえ嬢がくれたペットだから、僕も
ぼーっと突っ立っているフリをして壁に向かって口を開け、換気にも気をつかった。おかげで時々通路を歩く監視員の僕を見る目が、ますます
断固として出ていこうとしない二号君。
まるで基地建設反対派が座り込み運動でもしているかのような頑固さだ。僕の口の中で、はちまき巻いて「立ち退き反対! STOPブッチャーの横暴! NO口の外!」とかいう横断幕立ててそう。
そろそろ行政代執行も視野に入ってきた頃。いよいよこの日が来てしまった。
アビゲイルが牢獄にやって来た。
彼女、僕の舌をモグモグするという鉄板の会話術がある。あれが一番彼女からのメッセージで効率的なんだ。これから脱出に向けてたくさん話をしないといけないのに、口を閉じ続けるのは厳しい。
どうしよう……。
僕が憮然と部屋の奥で突っ立っていると、アビゲイルがそろそろと歩み寄ってきた。どこか不安げな表情だ。時間をおいたから、また僕のことが怖くなったのかな。
彼女は僕の眼前まで来て、僕の顔をじっと見上げると、すっと膝を突いて
まだ弛緩していた僕の逸物を、牛の乳を直接飲むかのように下から口を近づけ、あーん、パクン。唾液を絡ませて吸引しながら、舌でカリ裏をチュルチュルと刺激する。
手は使わない。彼女は四つん這いになり、頭を倒して上を向き、口だけでハムハム、チューチュー。下に引っ張られて僕の自慢の息子が伸縮するほど熱烈に。その間、視線は僕の顔に固定したままだ。
出会って五秒で弛緩した男根を下から
「む……ぐぅ……」
急膨張した海綿体に口を押し広げられて呻くアビゲイル。グググググ……と、力強く立ち上がる肉竿が彼女を釣り上げていく。
その一連の現象の中で、彼女は決して口を離そうとはしなかった。そこにプロ根性を見たり。
膝立ち姿勢になった彼女は、そのままジュボジュボと頭を前後させ、メッセージを送ってくる。
――マタ、カラダ、ウゴカナイ、?――
そうか……そうね。たしかに。部屋の隅でじっと突っ立って、前回と似たシチュエーションになってた。また僕が壊れかけだと思って怖がってたんだね。
アビゲイルの頭を片手で掴み、優しく頭蓋をキュッキュッと締めてあげる。
これがフェラチオの時の、基本会話スタイルとなった。僕が強制しているような絵面になるので都合が良い。
――クチ、ナカ、クモ、イル――
アビゲイルは僕の裏筋をぬらーっと舐め上げながら、意味が分からないといった風に眉をひそめた。そりゃそうだ。
この状況を説明するには、もう嬢のことを話すしかない。
アビゲイルは
僕はアビゲイルに嬢のことを伝えた。ご相談だ。
ブッチャーには独房送りというシステムがあること。そこで行われる行為と、その目的。そこで僕が一人のエイリアンの女を知恵と工夫で勝ち取ったこと。素晴らしい女性であること。最近彼女がますます素敵になったこと。口移しで蜘蛛をもらったこと。
アビゲイルは話の結末に、やっぱり小首をかしげてみせた。息子を咥えながら頭の上に「?」を浮かべている。
分かる。僕も最後だけおかしいと思った。
それにしてもこのモールス・粘膜コミュニケーションは相変わらずスローだ。これだけのことを伝えるのに僕は二回も射精した。特にフェラを介する方法は、頭や舌を忙しなく動かす必要があるアビゲイルの体力を使う。もうヘトヘトだった。
監視の目もあるから体位を変える。アビゲイルを床に転がして覆い被さった。
正常位による会話は効率が良い。彼女は横たわったまま僕の舌や身体を噛むだけでいいからだ。
それでも膣全体で僕の力強いメッセージを受け取る彼女にとって、これは全力走に近いので、彼女の身体にかかる負担自体は大きい。
僕はもうアビゲイルのことを孕み袋としても、慰みものとしても見ていない。この監獄から脱出するためのパートナーと考えているから、彼女の身体には、あまり負担はかけたくないんだ。
もっと普通に会話ができないものか。
早くこの間抜けな会話方法から脱却したい。
「――う、んっ! ……ん゛っ……く、はぁ、ぁぁ、ぁ、ぁ、ぁぁぁ……」
アビゲイルの綺麗に閉じた割れ目は、ひとたび僕の熱したブッチャーランスの先端をあてがえば、それをもう難なく受け入れてしまう。
組み伏せた彼女の顔が一瞬だけ歪み、すぐにその整った顔に朱に混じって、ゾクゾクと愉悦が浮かんでくる。だいぶ僕の巨根に慣れてきたようだ。すごく達成感ある。
――クモ、ナニ、?――
アビゲイルは僕の肩を噛みながらそんなことを聞いてきた。
まず、蜘蛛が何か伝わってない。まぁ、口移しで蜘蛛を渡されるシチュエーションなんて、まず想像できないだろう。
僕はアビゲイルの尻を少し上に向かせて迎え腰にし、彼女の頭を抱え込む姿勢になった。こうすると周囲の視線を一時的に遮れるんだ。
アビゲイルの顔に緊張が走った。これは僕が彼女の子宮を蹂躙した時の姿勢に近いからだ。だからまずは、この姿勢のまま、ゆっくりと動いてやって彼女の恐怖心をなだめてあげる。君を
そのまま何度も彼女の膣道を行き来する内に、やがて、身体の芯から強張りが抜けてきた。アビゲイルは僕の意図を理解したようだ。
そこを見計らって、僕は周囲から見えないように彼女に顔を寄せて口を開ける。
パカリ。
彼女の瞳孔がキュッ。膣もキュッと締まった。
びっくりしたよね。ブッチャーの歯茎剥き出しの口が開いたと思ったら、中からタランチュラだもの。声を上げなかった君は偉い。
この蜘蛛を世話していることと、持て余していることを伝えた。
最後にどうしたら良いか彼女の意見を聞いた直後、アビゲイルの素晴らしい蜜壺が返してくれる快感に、僕の我慢に限界が来た。
本能的に腰をグイッと押し出す。肉棒がピタリと彼女の膣にはまった。
「――はっ、はっ……はん、あ、ああっ! あああっ⁉」
奥を圧迫され、反射的に収縮した膣肉。ジョリジョリっとした、その刺激が最後のひと押しとなって、陰嚢にパンパンに溜まっていた精液が、
「あぅんんんんんっ‼」
彼女の
「ぁぁぁ――ンッ! ――ンッ! ――フッ! ――ンンンンッ! ――んんんんん……はんぁ……はぁ……はぁ……」
アビゲイルは僕が送り込む長い吐精に合わせて。何度も繰り返し小さなオーガズムに悶えてから、床の上でぐったりとなった。
そのまま額に手を当てて、何かを考える素振りだ。
彼女の思考を邪魔しないように逸物を引き抜いた。
「ん……」
ブチュッと下品な音がして、僕らの結合の証が糸を引いて光り、どろりと逆流してきた白濁液が彼女の尻に垂れる。
その感触にアビゲイルが尻をビクつかせるたびに、てらつく陰唇が、吹き出す精子をもったいなさそうにクチュクチュと音を立てて咀嚼しているように見えるのが卑猥だった。
部屋をぐるぐる周回しながら、薄暗い牢獄に展示されたアビゲイルという芸術品を三六〇度鑑賞し、僕も考える。
答えはまったく浮かんでこない。僕の頭じゃ無理だ。彼女のエリートな脳に期待しよう。そのために、彼女と手を組んだのだから。
――犯せ。仕事をしろ。
指令だ。ちょっと間を開けすぎた。
ハーフタイム終了。僕とアビゲイルは肉欲の会話を再開した。