手狭な一室。剥き出しの湿ったコンクリートっぽい内壁。
そこに寂しく灯るのは、たったひとつの裸電球。
エイリアンは人体改造をやってのけるほどのテクノロジーを持っているのに、どうしてこういう殺風景な部屋を好むのか。もうちょっと未来チックな部屋がいいな。ここにくるたびに、そう思う。
ここはブッチャー専用の独房だ。先日、金髪の女をちょっとやり過ぎた件に加えて、リザードマンっぽいエイリアンを二人
ブッチャーは暴走するとここに放り込まれてメンテナンスされる。僕も今、そのルーチンに組み込まれているところだ。先日の殺傷事件は僕の暴走ということになったみたいだ。
暴走ではなく、自分の意思なのだけど、エイリアンどもはそれを知らない。
ここに入れられて、そろそろ丸一日になるだろうか。
実は僕、この独房が嫌いじゃない。
素っ裸のまま壁に
断片的な記憶の整理。ブッチャーに秘められた能力の使い方について。エイリアン達の装備や設備のこと。脱出計画。フォートへの潜入経路。復讐――。
ガキリと手枷が鳴った。ちょっと力が入ったようだ。
復讐したい。その一念は強く心に焼き付いている。
でも誰に復讐すべきかは、分からない。
多くの記憶が失われている。自分の名前すらも思い出せない。散々思い出そうと努力したけれども、駄目みたいだ。今日もあれこれと頑張ってみたけど、結局自分の名前は思い出せなかった。
そしてつい先ほど、諦めた。
もういっそのこと、
どうせ
くだらない感傷だけど、それでもやっぱり名前が欲しい。自分のことを考えるときに、自分で自分を
……アブドーラ。
やめておこう。
そうだな、ブッチャーとは元々屠殺人、あるいは、お肉屋さんでお肉を切り分ける人たちのこと。似たような言葉でスローターという単語がある。
でも何か安直だ。なにかもっとパンチの利いた名前はないだろうか……。
アベンジャー……トーチャー……ハート……ブオーン……。
そんなことを考えていたら、独房のドアがガチャガチャと鳴った。
ギィィと、立て付けの悪い音を立てて分厚い金属扉が開かれる。
ぽっかりと開いた長方形の光の中から部屋に入ってきたのは二人。
一人は男のエイリアン。人型に近くて、それなりに体格が良く、体色を合わせてホブゴブリンっぽい。この独房の看守だ。
もう一人もよく知っている。女だ。
僕の、
看守は扉近くの壁に背をかけてニヤニヤ笑っている。
そんな彼に見送られて、嬢が僕にしずしずと歩み寄ってくる。銀髪を
この独房に入れられたブッチャーは、落ち着くまでここで動きを拘束され続ける。ところがその間も性欲は無尽蔵に湧いてくるものだから、それを放置するとブッチャーの暴走が収まらないどころか、悪化してしまう。
だからここでは、こうして性欲処理用の嬢が定期的に回ってくる。
彼女はブッチャーの性欲処理女の一人。そして、僕のお気に入り嬢でもある。
ブッチャーの性欲は呆れるほどなので、何人もの嬢が
嬢は僕と密着寸前の距離に立った。
彼女の息遣いを間近で感じる。薄衣を羽織っただけの肢体。その布を押し上げる豊かな乳房。ツンとした先端が僕の腹をくすぐるのがこそばゆい。
わざとだ。彼女はわざと僕をじらしている。くそぅ。
血流と一緒になって期待が否応なしに僕の息子に流れ込んでいく。それに従い、僕の張り詰めた亀頭がズリズリと彼女の太腿をこすり上げた。
彼女の香りを吸い込むだけで僕の息子はバッチリ臨戦態勢。彼女は嫌な顔ひとつせず、その様子を静かに見下ろしていた。
僕が嬢に魅了されて獣芯を猛り立たせる様子を満足そうに見届けた嬢。彼女は、僕の前で
初めは指先でくすぐるように優しく、下から上へ丁寧に満遍なく愛撫していく。
鼻息がかかるほど近くまで顔を寄せ、しかし紙一枚の差でまだ口をつけない。絶妙な距離感を保ったまま、吐息を絡ませて手淫を続ける。
肉棒越しに、
この子、とっても上手なんだ。
しかも嫌々感や義務感がなく、集中して熱心に奉仕してくれる。職人気質の僕としてはシンパシーを感じざるを得ない。
僕が初めてこの独房に入れられた当時は酷いものだった。幽鬼のように虚ろな女どもが機械的に僕の精液を絞りだしてくルーチンは悍ましく、拷問に近かった。僕はここの性処理女たちを密かに
そんな中で、この子だけは光っていた。
独房も十回目くらいになると、いい加減その仕打ちに耐えられなくなって精神をやられそうになった。そこで僕は、この嬢以外の貞子が来た時には激しく暴れるようにしてみたんだ。
手足を拘束されているとは言え、ブッチャーが身をよじって暴れれば、女はまともに奉仕なんかできない。
そんなことを繰り返していると、やがてこの嬢だけが残った。
嬢が、ちろちろと舌を出し入れし始めた。
まずは玉袋から。チューチュー、はみはみ。次いで裏筋に沿ってカリ、亀頭へと舌先を沿わす。
ざらついてぷりっとした生暖かい舌の腹を押し付けて、ぬらぬら、ぬらぬら。
鼻息を絡ませながら何度も頭を上下させて舐め上げていく。そのたびに僕の性感が優しく高められていった。
少し心が疲れた時は、わざわざ独房に囚われて彼女のフェラで元気にしてもらうこともある。嬢の丁寧な口唇奉仕は、まるで母親の愛情のようにも感じられ、この独房と彼女の存在は、孤独な僕の精神的なオアシスとなっていた。
彼女の口淫は頭を横に倒し、舌を肉茎に絡ませながらしごくというフェーズに入った。すると長い銀髪がはらりと落ち、彼女の顔が僕からもはっきりと見えるようになる。
彼女は、はっきり言って
おそらく、別のブッチャーにやられたんだろう。
可哀想に。僕だったらこんな雑な扱いはしないのに。
この嬢が何故、今このような立場に追いやられているのかは知らないけれど、同情と憤りを感じる。これも、僕がまだ正常な人間としての精神を保てている証拠だろう。こういった人としての