※この作品はR-18です。

屠殺鬼   作:赤だし滑子

58 / 88
魔力

『ブッチャーのセックスって、近くで見るの初めて。すっごいねぇ……どっちもケダモノって感じ』

 

 でしょ?

 

『今日は鏡のこっちから、君の端末で話をしてるんだよ。さっきゲイズのおじさんとかわってもらって、今は私しかこの部屋にいないから安心して』

 

 リディアは鏡の向こうにいるみたいだ。なんなら格子側から生でどうぞ。

 

『この端末さ、〈ウィンドトーカー〉っていう〈スキル〉の〈クリスタル〉を使ってて、普通の人が使うと定型文しか出せないけど、私達テレパス持ちが使えば、こうやって遠隔で自由にメッセージを飛ばせる装置になるんだよ』

 

 そうなんだ。へぇー。ちょっと分からない。

 

 でも、だから電話機風なんだね? そこだけ分かった。

 

『あ、でもジェヴォーダンからは話しかけられないからね。テレパス持ち同士なら双方向いけるんだけど……それで、昨日のことなんだけど、さっき君のインプに会ってきたんだ。お話しさせてあげるって言っておいて、結局昨日は何にもしなかったからさ』

 

 なんと……律儀な。

 

 淫婦扱いはイラッとくるけど、良い子じゃないか、リディア。

 

『彼女、早く君に会いたいって。愛されてるね、ジェヴォーダン!』

 

 ほんと? それ凄い嬉しい。

 

 コクコクと頷く。

 

『あと、伝言を頼まれて。えっとぉ……今度は外じゃなくて中がいい、だって。君たちエッチもするの?』

 

 いえ、一度もさせてもらえてないんです……はて?

 

 逡巡して、すぐに伝言の意味を理解した。口の中でたむろする三号軍団だな。

 

 中……中……街じゃなくて施設の中、か?

 

 施設の中にばらまけと。

 

『でさ、君の話も伝えてあげないとね。今からそっちに行ってもいい?』

 

 コクリ。頷く。

 

『おっけー。ちょっと待っててね――』

 

 鏡の向こうの気配が消えた。

 

 アビゲイルを引き起こし、抱っこして通路側に連れて行く。

 

 格子の前に座らせた。

 

 よろめきながらも跪(ひざまず)いた彼女は、口をへの字に曲げ、僕を糾弾(きゅうだん)する目つきで見上げてきた。

 

 さっきのプレイ、ちょっと怒らせたっぽい。

 

 あの愛咬(あいこう)、アビゲイルが正気を保つ上で結構重要な役割を果たしてるっぽいな。はみはみできないと、あんな感じになるのか。

 

 ということは、僕が彼女に対してセックスでイニシアチブを取るためには、わんわんスタイルが最適ってことだ。覚えたぞ。切り札にしよう。ふふふ……。

 

 リディアが来る間、とりあえず格子の前でしゃぶらせておくことに。ついでにリディアの来訪も伝えておく。

 

 僕とアビゲイルの粘膜コミュニケーションの音が、ジュッポジュッポと牢獄に響く中、間もなくリディアが格子の外に現れた。

 

 相変わらず軽快な服装だ。尻肉がちょっと覗くホットパンツいいね。

 

 彼女はしゃがみ込み、アビゲイルのフェラチオを至近距離で凝視しながら、格子越しに手を伸ばして僕に触れた。

 

『顎(あご)、外れないの……?』

 

 今日の僕はベロを使えない。三号軍団のせいだ。そこで舌のかわりに、普通に指を伸ばして彼女の肩に触れた。

 

『大丈夫。この子はベテランだから。今日はフェリスはどうしたの?』

 

 僕の断言に、はぇ~と感心そうになったリディア。

 

『ちょっと刺激が強すぎたみたい。今日も寝込んでるけど、明日くらいには復活すると思う。この後お見舞いに行く予定なんだ』

 

 寝込んだ原因にお見舞いされるのか。さらに寝込むようなことされそう。だってそれって鉄板シチュエーションだもの。

 

 フェリス、今年は天中殺かも。いろいろと酷い目に遭いすぎでしょ。可哀想に。お祓(はら)いしてもらった方がいいのでは?

 

『フェリスにも伝えたいことがあったら、ついでに教えてよ』

 

 タイターニアには「大丈夫、今度は中に出す。すぐに会いに行く」と伝えてもらうことと、フェリスには「リディアとお話させてくれてありがとう。今度はフェリスともお話がしたい」という伝言を頼んだ。

 

『――おっけー。ジェヴォーダンがお話してくれれば、私はその度にフェリスを調教できるし、これはお互いウィンウィンの関係だねっ!』

 

 ピスピスと両手でカニポーズのリディア。

 

『リディアの力になるよ。フェリスを調教したくなったらいつでも言って』

 

 今の僕の優先度はフェリスよりもリディアなんだ。ごめんね、フェリス。

 

 僕らは会話を続けた。アビゲイルにしゃぶらせたまま。

 

『――それにしても、昨日の独房でも思ったんだけど……ここ、なんかいい香りするね。香水みたいな。これってまさか君のザーメンの匂いなの?』

 

 アビゲイルの品評は的を射ていたようだ。お世辞かと思ってた。信じられない。僕にはそんな匂いには感じられない。

 

『分からない』

 

 と僕が答えると、リディアがふーんと声を上げた。

 

 すると彼女は、おもむろにアビゲイルの身体に付着していた僕の精液を指でぬぐって、鼻に近づけてクンクンした。

 

 前も思ったけど、君、すっっごい度胸あるね……。

 

 ペロリ。

 

 舐めちゃったよ……。

 

 なるほどなるほど、とリディアは得心(とくしん)したように頷いた。

 

『――ジェヴォーダンの精液は、強い魔力を含んでるんだね』

 

 なんですと?

 

『なーるー……昨日、お堅いフェリスがあんなに乱れてくれたのは、このせいだったんだ。フェリスは魔導の一族だから、この魔力に当てられてガツンと酔っ払っちゃったってわけか。はっはー……』

 

『魔力?』

 

 僕が思わず疑問を挟むと、リディアは隠しもせずに教えてくれる。

 

『うん……そっか、ブッチャーは根本的に身体の仕組みが違うらしいから、分からないかも知れないね。私達人間の生命力の源(みなもと)みたいなものだよ。生きるのにも、スキルを遣(つか)うのにも必要になる原初(げんしょ)の力。私達は魔力を失うと動けなくなっちゃうんだ』

 

 そういうものが、あるのか。

 

 ってかリディア……自分達のことを人間って言った?

 

『僕らが戦っている連中には、魔力が無いの?』

 

『うーん、亜人たちには魔力がないみたいだね。君たちブッチャーにも魔力は無いって言われているし、そもそもブッチャーの体液って普通の人間にとっては毒らしいんだけど、君の精液には強い魔力があるみたい。不思議……』

 

 リディアはもう一回、アビゲイルの身体に付いた僕の白濁ミルクを指ですくい、レロンッと舐めて、首をひねった。

 

 エイリアンから見ると、彼らこそが人間で、人類は亜人扱いなのか。立場が違えばってやつだな。

 

『私って〈リリス〉の一族だから、毒とか、そういうのに耐性あるんだけど……それでも直接舐めたら、ちょっと頭がふわっとするもの。これ、強いお酒に似てる』

 

『オークもびっくりだね』

 

 僕の冗談に、リディアが苦笑いした。

 

『……んー……オークの精液はいわゆる媚薬(びやく)、催淫(さいいん)効果があるだけだけど、君のは根源的に違う、もっと強いものだよ』

 

 本当にそういうのあるんだ……。

 

 リディアがさっきまで舐めていた、てらつく指を立てて続ける。

 

『オークのがムラムラして身体が敏感になる程度の効果だとすると、ジェヴォーダンのは前後不覚に酔っ払った感じになると思う。人によっては幻覚とか見えちゃうかもね』

 

 それってお酒っていうか、麻薬に近いのでは……? 現在進行形でしゃぶらせているアビゲイルは大丈夫なんだろうか?

 

『亜人にも効果があるの?』

 

『どうだろ。分かんないけど、ないんじゃないかなぁ? 亜人にとっては、いい匂いのザーメンっていうだけだと思う。いや、それでもただ事ではない……ふふ……ただ事ではないザーメンって、ちょっとウケるね』

 

『そうなんだ』

 

『でもこれ、美味しいかも。甘くて、ピリッとして……むむむ……』

 

 リディアはまた、精液を指に付けて、舌先で恐る恐るペロッ……ペロッ……。

 

 やっぱりそういう評価なんだ。

 

 ところで君、やっぱり普通じゃないね。そんなに抵抗なくザーメン舐める女の子、初めて見た。真剣な表情で喉を鳴らす姿は、さながらザーメンソムリエ。

 

 じーっと、その間もアビゲイルの口に出入りする僕の馬なみを見つめていたリディア。

 

 そこで僕はアビゲイルの頭を掴み、イラマチオを披露してみせる。アビゲイルのお口は、タイターニアほどじゃないけど、それでも結構気持ちいい。

 

「――ムン゛⁉ ……ムグ……ン゛、グッ! ン゛ッ――ン゛ッ――ン゛ッ――ン゛ッ――‼」

 

 僕に喉まで犯されて、目に涙を溜めてなすがままになったアビゲイル。

 

 じゅうぶん精子が上ってきたのを確認した僕は、彼女の口から肉棒を引き抜いて、派手にぶっかけた。

 

「――ぷはぁ……うっ……」

 

 どろどろとアビゲイルの顔を覆っていく白濁液。

 

 彼女は口を開けて大人しくそれを受けていたけど、僕がペニスでペチペチと唇を叩いて要求すると、アビゲイルは目を閉じたまま舌をべーっと突き出した。

 

 その上にカリ裏をこすり付けて、プニュプニュ、ザラザラとした刺激で舌射を続行する。ビュルビュルと放出し続ける亀頭が、白濁液でコーティングされた舌の上をぬらぬらと動き回った。

 

 この前、外の拠点で同棲した時に、アビゲイル自身が開発した顔面射精の一形態だ。アビゲイルみたいに強い女が、自らこういう仕草をするとグッと来るものがある。

 

「コポ……」

 

 アビゲイルの口に溜まった白い泉から、大きな泡が膨らんだ。

 

 彼女の喉が上下し、少しずつ水面が下がって行く。

 

 うおぉ……と言わんばかりの険しい顔つきで、そんな顔射の様子を見ていたリディア。

 

『舐める?』

 

 と、スペルマまみれになったアビゲイルの顔を格子に押しつけた。

 

 ゴクリと、リディアが生唾を飲み込んだのが見えた。

 

 はぁはぁと荒い息をつくアビゲイルの前で膝立ちになり、顔を寄せたリディアは、しばらく彼女の顔をじっと見つめていたけど、やがて彼女は、アビゲイルがだらしなく出しっぱなしにしていた舌を、チュパチュパとしゃぶり始めた。

 

 そのまま格子越しにフレンチキッスに移行する二人。二枚のベロが、僕のザーメンを潤滑油にして、ねっとりと絡み付く。

 

「む……ちゅ……」

 

「はぁ……む……」

 

 なるほど。アビゲイルは美人だから、リディアのストライクゾーンに入っていたのかも知れない。リディアもリディアだけど、アビゲイルもアビゲイルだ。レズキッスを嫌がらないんだね。ちょっと意外。

 

 胸の底で小さな対抗心が動いた。

 

 静かにアビゲイルの後ろに回り込んで膝を突き、そのままバックの姿勢で彼女に挿入した。

 

「――ン゛ッ! ――あ゛ぁっ⁉ あっ……あひっ♡ む、んぐ……⁉ ……んん……んぷぁ♡ はぁ、あ、んむ……クチュ……あむ……」

 

 アビゲイルの豹変に、一瞬驚いて顔を引いたリディアだったけど、彼女はすぐに何が起こったのかを理解した様子で悪戯っぽい笑みを浮かべ、キスを続行した。

 

 僕は挿(い)れたまま。じっと動きを止めた。アビゲイルの膝が心配だから激しい動きは厳禁だ。

 

 ゆっくりと腰を引き、クチャッ……とエラが膣口を引っ掻いたところで、またじっくりとアビゲイルの奥に向かって腰を進める。そのまま密着させて、彼女の陰核を押し潰し、また腰を引く。

 

 そんなマッサージにも似たスローな刺激に、アビゲイルは格子を掴んで耐えていた。

 

「ムグ――んぐ――ん゛ぁぁあむ……! クチュ……へぁ――ぁあ゛あ゛あム……グゥ――チュッ……れぁ……ぁぁ……!」

 

 僕の亀頭が彼女の子宮におじゃまするたびに、アビゲイルは目をチカチカさせて大きな声を上げた。

 

 その口をすかさずリディアが塞ぎ、隅から隅まで口内を舐め上げる。アビゲイルが呼吸に喘いでも、お構いなしに口を塞いでいく。リディアには女を責める才能があった。

 

 とても楽しいリディアとの共同作業ではあったけど、そうやって僕らの責めに懸命に耐えるアビゲイルの嬌態に、ついには僕が我慢できなくなった。

 

 アビゲイルを格子から強引に引き剥がして正常位で上から覆い被さった。

 

 そのままリディアの目の前で、アビゲイルを犯し始める。

 

 本気の密着セックスだ。

 

 僕の汚らわしい肉の下で、理性の飛んだ声で悶え啼(な)くアビゲイル。

 

 すでに十分リビドーを高められていた僕は、ほどなくして、アビゲイルの子宮壁に灼熱の獣欲を吐き掛けた。

 

 彼女は僕の両腕で締め上げられ、焦点を失った目でビクビクと僕の吐精を飲み干していった。

 

 そんな獣のセックスを数回ほど鑑賞し、リディアは帰っていった。帰り際に目を潤ませていた彼女の表情に、なんとも言えない満足感を覚えた。

 

 その後、ようやくアビゲイルに状況を説明したのだけど、彼女は大層ご立腹モードで、「今日のジェヴォーダンは嫌い」というひと言を最後に、その日は口を利いてもらえなかった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。