※この作品はR-18です。

洗脳と触手、若き女性冒険者の苦難   作:笹にとろん

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13 逸脱する生体

 

 昼の依頼を終え、ギルドに立ち寄って報告したので、夕方からはもうフリーだ。

 

「とりあえず【防音】、【防犯】、【結界】、【密筐】、…………」

 

 というわけで好き勝手やらせてもらおう。

 

 知らない知らない。ケルレンスくん含む数人の潜入者による背信行為とかガルペズの貴族殺し疑惑とかロニルちゃんの窃盗癖とか集落からの追放歴とか、しーらない。本人たちが私に打ち明けるまでは、それは無いってことだ。

 

 ……ケルレンスくんのは、彼から私に打ち明けたもの、のような? でもな(・)に(・)か(・)が(・)違う気がする。わからない。

 よし、彼は悪いことをしたくて裏切っているわけでは無い。つまり別々の事象だ。だからペトリファイに報告しなくても平気。

 何が平気なのかま(・)っ(・)た(・)く(・)私(・)に(・)も(・)わ(・)か(・)ら(・)な(・)い(・)けど、完(・)璧(・)に(・)論(・)理(・)的(・)に(・)正(・)し(・)い(・)論(・)理(・)で(・)正(・)し(・)さ(・)が(・)証(・)明(・)さ(・)れ(・)た(・)ので大丈夫だ。

 

 

 話が逸れた。ひとまず、冒険者としての装いを外していく。

 剣は一度鞘から引き抜いて状態を確認、油をつけた紙で拭ってから剣立てに立てかける。

 金属鎧は表面キレイにして、藁を詰めた箱に収納する。ベルトを外した革鎧は、脂をつけた布で擦ってから鎧掛けにかけておく。

 武器や防具の細かい整備は魔法で終わらせるより、普通にやった方が長持ちするという経験則がある。使う魔法は必要最低限だ。布についた脂だけは魔法で吹っ飛ばして、防具の片付けはおしまい。

 

 残りの衣服も脱いでいこう。ジャケットのボタンを外して肩から抜き、ズボンは腰紐を緩めてずりおろす。

 

「…………んっ♡……??」

 

 あれ。黒いインナーショーツの端々の部分から、真(・)っ(・)赤(・)な(・)ヒ(・)ラ(・)ヒ(・)ラ(・)が(・)広(・)が(・)っ(・)て(・)、(・)私(・)の(・)腰(・)や(・)太(・)も(・)も(・)に(・)張(・)り(・)付(・)い(・)て(・)い(・)る(・)……気がした。そんなわけないか。

 ジャケットとズボンは軽く叩いてハンガーにかけた。

 

 谷間を見せない大きな作りのインナーブラを脱ぐ。べろんとめくった白いお腹は真(・)っ(・)赤(・)な(・)ツ(・)ル(・)が(・)這(・)っ(・)て(・)い(・)て(・)、(・)赤(・)い(・)根(・)に(・)覆(・)わ(・)れ(・)た(・)胸(・)はまるで………………なん、のようなんだろう。

 ちょっとよくわからなくなってきたな。

 

「…………? ん……♡? んあっ……♡♡??」

 

 うずうず。うずうず。しゅるしゅる。

 

 インナーショーツの表面、陰部の周辺が蠢いていることに、私は気(・)づ(・)か(・)な(・)い(・)。

 体を覆う最後の布切れを取り払うと、女(・)性(・)器(・)を(・)割(・)り(・)開(・)い(・)て(・)噴(・)き(・)出(・)す(・)肉(・)の(・)束(・)が、胴体を蹂躙せんと至る所に赤い根を張っている。触手の蠢きで、ま(・)た(・)イった──ような、気がした。

 

 ぐちゅぐちゅ。びぐっ。ぴとり、ぴとり、

 

「うっ……♡??? イっ、♡♡、ンン〜〜っ♡♡!???!」

 

 足元がふらつく。うーん、なんだろ。体調の悪さは感じないんだけどな。 

 

 よろよろと洗面の方に向かう。いちど顔を洗おう。

 

 さて、私の自室、というか“葦と楔”の各個室には水道が通っていて、鏡付きの洗面台が備わっている。普段はここで顔を洗ったり歯を磨いたりしている。

 これがあれば自室で喉が渇くこともない。とはいえトイレやお風呂や厨房が置いてある個室は流石に無いので、生活の営みをぜんぶ個室の中だけで済ませられるわけじゃ無いんだけどね。

 

 いま、洗面台には排(・)水(・)溝(・)か(・)ら(・)這(・)い(・)出(・)て(・)き(・)た(・)触(・)手(・)が(・)溜っている。

 それを両手です(・)く(・)い(・)、顔面に張り付けていく。

 

「ふぅっ。んむぐッ、じゅぶっ、カハッ!? ん、れろ、ゴぽっ」

 

 喉を何かが通り過ぎる感覚。残りの触手の大部分は私の顎先から胸元へ駆け抜け、赤い波と化して私の前面を覆っていった。

耳(・)や(・)鼻(・)か(・)ら(・)も(・)くすぐったい感触が広がり、顔全体が生暖かい触手のざわめきに包まれる。──いつから耳穴にまで侵入していたのだろうか。

 

「ぎぃぃっ♡?? あ、ああ、ふっぎゅっ♡♡ぅ♡♡♡」

 

 先ほどの赤い波が私の股をすり抜けて、会陰で堰き止められる。今度は肛(・)門(・)か(・)ら(・)大(・)量(・)の(・)肉(・)塊(・)が(・)溢(・)れ(・)出(・)し(・)、尻の割れ目を埋めるような大きなコブを作っていた。

 

「んごぉ♡!? かっ、はぁ♡♡、むぎゅっ♡!? オオ、オゴおおぉッ♡♡♡♡」

 

 肉膜に覆われた視界は真っ赤に染まった。

 耳や鼻の奥の中で掻痒感が爆発する。

 喉奥を深く抉られてえずく。

 心臓が壊れてしまったのかと思うくらい、激しい血流が私を揺り動かす。

 肉膜がさざめく。乳首の周りを、執拗にこそがれる。

 

「ごっ♡!? ンっ♡! がぱッッ♡♡ヴっ♡!?」

 

 膣の触手が、陰唇に張り付く根を引っ張り上げながら、出たり入ったりしている。どうやらこの触手は子宮に根を張って体を動かしているらしく、寝床にされた私は奥の奥から激しい痛みと快楽に襲われ、悶絶する。

 

 肛門の触手は、おかしいな、これ。根(・)っ(・)こ(・)は(・)ど(・)の(・)く(・)ら(・)い(・)の(・)長(・)さ(・)な(・)の(・)だ(・)ろ(・)う(・)か(・)? 

 おなかの、奥深くの、さらに奥深くまで─────腹周り全体を収縮させながら、腸壁を擦っている。

 

 立っていられず、実際もう脚の力は抜けているのに、倒れ込むこともない。

 足腰や肩に巻き付く太い感触から察するに、洗面から伸びたツルが私を絡め取って、無理やり立たせているみたいだ。

 

 そういえば、私(・)は(・)な(・)ん(・)で(・)真(・)っ(・)先(・)に(・)自(・)室(・)に(・)来(・)た(・)ん(・)だ(・)っ(・)け(・)。夕飯の時間だし、普段なら食堂に行くかな。

 料理長でもあるグラナダの秘密はと(・)て(・)も(・)恐(・)ろ(・)し(・)い(・)けど、今の私にとって、そのことで彼を避ける理由にはならないわけだし。

 

 あるいは、お爺さんで得た経(・)験(・)を試したっていいのに。

 どうして私は、全(・)裸(・)で(・)立(・)っ(・)た(・)ま(・)ま(・)何(・)も(・)し(・)て(・)な(・)い(・)ん(・)だ(・)ろ(・)う(・)。

 

 

 それは気絶することも許されない、まさに地獄と極楽。

 

 

「ぶっ────♡♡♡ひゅ♡、ゔ───────♡♡、ッ、はっ♡♡───っあ♡」

 

 こだまする。

 

「───♡ヴっ─────は♡─────ッ───♡♡──────ぎぃ♡」

 

 触手に包まれた私の、更に中で。

 

「…………………………♡♡……………………♡♡♡……………………」

 

 何度も。何度も。

 

「…………ぷはっ!? ハァッ、ハァあぁ♡♡♡♡──いギヤぁっ!?!? ♡♡ゴぉぷ♡♡♡、ん〜〜───…………♡」

 

 かつてのわ(・)た(・)し(・)の、絶望が。

 

 

 何度も。

 いつまでも。

 

 

 

 ***

 

 いつまでそうしていたか。

 ふと、顔を覆っていた触手が引き下がっていく。喉に突き刺さっていた触手が巻き戻されるように顎を伝う。

 

「ずろっ、じゅろろろ…………ごぼっ、ごほっ」

 

 視界が返ってくる。洗面台の鏡に映る私は相変わらず突っ立ったままで、淫蕩に歪んだ顔をしていた。

 洗面台から伸びた触手ががっちりと私の肩と脚を掴んだままだったけど、上半身を覆っていた触手は捲り上げられながら、下へ下へ降っていく。

 

 鏡に映らない下半身を、顎を引いて目視する。

 

「はっ…………はっ…………はっ…………あ゛あ〜〜♡♡」

 

 肉塊は触手を巻き取りながら、私のお腹を通過して行った。

 いつの間にか肛門から肉塊が侵入していて、腸を圧迫された腹部がボコボコと形を変えている。

 内臓を揉みくちゃにされて、でも温かく、どこか心地よい

 

 そのまま肉塊は下へ、下へ──私のまんこへ。

 周囲の触手を取り込み、人の頭ほどに膨れ上がった肉塊が、落ちないように触手を伸ばして私のお腹に抱きつく。

 

 

「ああ……♡♡」

 

 大きな肉塊は、抽送を繰り返していた触手の付け根(先端? どっちだろう)を掴んで自分にくっつけたようだ。肉塊が身じろぐと、膣肉が引っ張られ、めりめりと子宮口が悲鳴を上げる。

 

「アっ、あぐぅ♡♡……はぁ、はぁ…………♡」

 

 だというのに、私はなんだか愛おしくなってしまって。自由な両腕に力を振り絞って、お腹の肉塊を撫でてみる。

 ねっとりとした粘液が、私の手のひらで汗と掻き混ざっていく。赤黒い粘膜は、つるりとして繋ぎのない表面をしていて、先ほどまで複雑に蔓延っていた肉の根の面影は無い。全体が粘液で湿っていて、私のお腹に巻き付いた触手もぬたぬたとお尻や背中に粘液を塗りたくっていた。

 

 ふと、指の隙間から、粘液の光沢とは違う光が漏れていることに気づく。

 

「なんだろう、これ……?」

 

 ゆっくりとしたペースで、肉塊の中心が明滅している。

 分厚い肉は少しだけ透けていて、それが何色の光源なのかはわからない。

 

 ゆるゆると、突き刺さったままの触手による、膣への抽送が再開した。

 抽送、というか、触手が太さはそのままに、奥を起点にして伸び縮みしている。この不可思議な快感を味わうと、腰から力が抜けてしまう。

 

「んおぉっ♡、おゔっ♡、うゔっ♡、うっ♡、うっ♡♡」

 

 伸びた膣はそのまま肉塊の内側に飲み込まれているようで、赤黒い魔物は私の腰にしがみついたまま、じっとしている。

 性感が昇りつめてきて、肉塊をぎゅっと押しつぶすように両手に力を込めてしまう。

 少しだけ指先の形にへこんだ肉塊は、けれど怒った様子も見せず、淡々と愛撫を繰り返していた。

 

 徐々に、刺激のペースが速くなる。

 

「う♡、う♡、っ♡、♡♡♡ッ、グッいぐっ♡いぐっ♡ッ♡♡」

 

 触手に固められた上体を必死に逸らそうとする。

 両手に掴んだ肉塊に全力で力を架け、それでもびくともしない肉塊は、ただ一度ぼこりと触手でナカを掻き広げたあと、沈黙した。

 ほとんど意味もなく腰からぶら下がっている両脚が、膝からカクカクと震える。

 

「───♡」

 

 意識が飛びかけて白む視界で、腰の魔物を見下ろす。

 今のそれは目がなく、口がなく、手脚の代わりに数本の触手が生えている。ふつうの魔物のように、生物の常識外の見た目だ。

 

(────どうしてこの魔物は、私を犯すんだろう)

 

 たまたま生殖器のような形状を生やした魔物はたまにいる。体液や卵のような物体を体外に放出する魔物も居なくはない。

 しかし、それらの殆どはただそう見えるだけの、多くは戦闘に関する部位だ。腕のように振り回す武器だったり、吐き出されたものは毒液だったり、可燃性の物質を含んでいたり。

 

 人と。あるいは他の生物と。ましてや、魔物同士でなど。──生殖行為を行う魔物の事例は、無い。

 かつては魔物もどこかで繁殖しているのでは無いかと、穏性魔物で交配実験が行われたことがあった。魔物同士で体の突起をあちこちの穴に差し込んだりしてみても、どんな刺激を与えても、実験は失敗。

 

 魔物は、ある時突然、一切の由来を必要とせず、多様性を伴いながら発生する。

 彼らに、生存戦略として繁殖は必要ない。だから、生殖能力もない。

 

 

 

 ──けれども、そうでないとしたら。

 

 肉塊がごぼりと揺れるのを、手のひら越しに感じた。

 赤黒い組織をすり抜け、光が溢れる。怪しく、不気味で、悍ましい。

 さっきまでと違う、明確な意(・)図(・)と(・)目(・)的(・)を伴った──魔力の光だ。

 

「この、魔物は……」

 

 膣奥のぼんやりとした心地よさに揺られながら、呟きが漏れる。

 

(どんなものでも取り込んで、融合して、上書きできる。──もしも)

 

 肉塊から溢れる輝きはさらに強くなり、沸騰するように揺らめきながら、肉塊の内部を移動する。

 

「……上(・)書(・)き(・)し(・)た(・)も(・)の(・)の(・)性(・)質(・)を(・)、(・)自(・)由(・)に(・)模(・)倣(・)で(・)き(・)る(・)、としたら……。上(・)書(・)き(・)し(・)た(・)私(・)の(・)体(・)を(・)、(・)望(・)む(・)ま(・)ま(・)に(・)作(・)り(・)替(・)え(・)ら(・)れ(・)る(・)…………としたら………………」

 

 輝く光が奥へ奥へ進むと、徐々に光が弱くなった。

 違う。私(・)の(・)中(・)に(・)、(・)入(・)り(・)口(・)に(・)差(・)し(・)掛(・)か(・)っ(・)た(・)ん(・)だ(・)。

 

「胃の中……取(・)り(・)込(・)ん(・)だ(・)精(・)子(・)の(・)、(・)構(・)造(・)を(・)学(・)習(・)し(・)た(・)、のかな……。私のお腹の中は……全(・)部(・)都(・)合(・)よ(・)く(・)作(・)り(・)替(・)え(・)ら(・)れ(・)て(・)た(・)り(・)、とか……はは……♡」

 

 まさか。そんなわけはないか。

 

 私はそんな魔物なんか見てないし。

 たまたま精液は飲んだけど、胃の中に魔物なんか飼ってないし。

 昨日から、肛門の中に触手が入り込んだり、子(・)宮(・)口(・)を(・)こ(・)じ(・)開(・)け(・)ら(・)れ(・)て(・)、(・)目(・)玉(・)大(・)の(・)魔(・)物(・)な(・)胎(・)内(・)に(・)巣(・)食(・)っ(・)た(・)り(・)なんかしていない。

 当然、いま魔物に犯されてもいない。

 

 ずりゅ、ずりゅ、と、真実から目を逸らすことを許さないとばかりに、膣肉が激しく撫でられる。

 私に、本当のことなんか認識させる気ないくせに。

 

「おお゛っ!?! ♡♡♡ほっ、ほぉ゛っっ♡♡」

 

 私の子宮から膣道までは、魔物の肉で埋め尽くされている。

 その通り道を、蠢動するナニカ(魔物の精液)が、魔力を撒き散らしながら侵入(はい)ってくる。

 

 感じる。

 これは私を、孕ませる。

 

 産道を跨ぐ触手が激しく広がり、狭い子宮口に通り道を作る。

 激痛。快感。

 

「……〜〜〜──ぎっ!? ♡」

 

 人間のものから造り替えられた精子が侵入する。

 お爺さんの遺伝子は全部捨てられて、全然違うものになってるのかな。

 

 私の胚も、それに応えていた。

 例えば、生理周期を無視して排卵を促すことなんかも、できるのかもしれない。

 ──もちろん、魔物の種を受け入れられる、卵子で。

 

「♡ふぅっ! ♡? ……♡いく、いっちゃう、──♡!? 、う、い? ──」

 

 

 そのときのことは、興奮で頭がおかしくなった私にも、誰にも理解できないことだけど。

 

 

 子宮内部の肉塊は、卵管の先にも手を伸ばしていた。

 

 魔物の魔力を宿した、元は人間用だった精子と。

 

 とても人(・)間(・)の少女アーサのものとは呼べない、私の魔力を色濃く受け継いだ卵子が。

 

 

 触れ合い────────

 

 

 

 ***

 

 私は、じっ……としていた。

 洗面の前に。全裸で。仁王立ち。

 

「……??」

 

 鏡に映る自分を見る。何(・)故(・)か(・) 全身がべっとりと謎の粘液塗れだ。

 

「【清浄】。ふぅ、綺麗さっぱり」

 

 視界の端に、赤く蠢く肉塊が映る。

 すぐに、視界からも、認識からも消えた。

 

 とりあえず全裸は恥ずかしい。人として。

 お腹も空いたし、夕飯を食べに行こう。

 

 脱ぎ去ったばかりのインナーブラを身につける。目線を下に向けると、腹(・)部(・)は(・)腸(・)の(・)形(・)が(・)浮(・)き(・)彫(・)り(・)に(・)な(・)り(・)、(・)ボ(・)コ(・)ボ(・)コ(・)と(・)蠢(・)い(・)て(・)い(・)る(・)。

 インナーショーツを穿く。黒い生地の裏側で、陰(・)裂(・)か(・)ら(・)は(・)み(・)出(・)し(・)た(・)触(・)手(・)が(・)、(・)優(・)し(・)く(・)ま(・)ん(・)こ(・)を(・)撫(・)で(・)さ(・)す(・)る(・)。

 

 子宮が、沸騰したように熱い。激しい魔力のぶつかり合いで、お腹の壁が光っている。

 

「うーん……【魔力盾】【認識逸らし】【偽装】。鎮静魔法は……」

 

ど(・)う(・)や(・)ら(・)使(・)わ(・)な(・)い(・)で(・)あ(・)げ(・)た(・)方(・)が(・)い(・)い(・)らしいので、これだけにしておく。魔力盾で魔力の漏れは抑えこんだので、あとは補助的な魔法でこの部位の違和感をごまかしてあれば十分だろう。

 

 あとは分厚い服を選んで……もう仕事着でいいか。

 ジャケットとズボンに改めて身を包み、姿見の前に立つ。

 

 ──血色のいい、色白の肌。

 ──目線はまっすぐと正面を見つめていて、いやらしい表情ひとつしていない。

 ──衣服の乱れもなく、さらりと伸びた銀髪が我ながら今日もキレイ。

 ──金級冒険者らしいしっかりとした立ち姿で、緩やかな呼吸で肩を揺らし、指先、目線、瞼、体のどこにも震えはない。

 

 くるりとターンする。外観にも、体にも、体臭や思考にも、何の変わりもない。

 

 

 でもたぶん、私は少し、壊れてしまった気がする。

 

 いつからか。なぜなのか。わからないけど。

 

 

 鏡に映る私は、まるで何事もない、平常心のように見えるのにに。

 私が感じる私は、さっきから莫大な快楽を、必死に受け止めている。

 

 

 

 

 ずっと、絶頂していない。

 体のどこにも、震えは許されていない。

 

 




次回は執筆途中なので明日の更新がないかもしれません。
あるように頑張ります。

次々回はほぼ確実に明後日以降になりそうです。
別に幟を掲げていたわけじゃないけど連続更新にサヨナラ……
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