Fate/Holy Grail Dismantling Record 作:ボルメテウスさん
深夜の森の中。
そこは、かつてアインツベルンの城があった跡地であり、その周辺には誰も近づく事はない。
そう、夜空に月が目立つ最中で。
「なんというか、まさかこういう方法で認めさせる事が条件だとは」
そうしながら、俺は肩を回しながら、今回の相手を見つめる。
その相手は無表情かつ冷淡な美女で、煙管をよくふかしている中華服を身に纏っている。
「何、こういうのがかなり手っ取り早いだろ」
そう、煙管を置きながら、ゆっくりとこちらに向く。
彼女は暴食のサーヴァントである江華。
そんな彼女が出した条件とは、素手の喧嘩であり、それに勝つ事。
「何よりもあんたは、どこか似ている気がしてねぇ!」
その叫びと同時に江華がこちらに殴りかかる。
真っ直ぐと拳がこちらに襲い掛かり、俺はそれを受け止めて横へと流す。
しかしそれは囮だったらしく、足払いからの蹴り上げという連撃が俺を襲う。
(中々に強い!)
腕を組んでいるせいで上手く回避できず、防御するしか方法が無い。
しかし江華の攻撃の手が止まらない。
しかも一撃一発に力を込めており、少しでも油断すれば押し切られかねない程だ。
(これは長期戦になるかもしれない……)
とはいえ、このままではいずれ防御しきれなくなりそうだから、ここは一つ賭けに出よう。
そう思いながら一旦後ろへ下がると共に、体勢を整え直す。
そして俺は、少しだけ挑発する事にした。
何故なら江華は、今の状況を見て明らかに楽しそうな笑みを浮かべていたからだ。
ならば、この行動自体に意味があるはずだ。……よし、乗ってきたな。
そのまま江華は再び突撃を仕掛けてくるものの、今度はそれを敢えて受け流さずに、拳を掴み取る事にした。
その結果、江華は勢い余って倒れ込みそうになるも、どうにか耐えきった。
だがそこで終わらせるつもりは無い。
ここから一気に反撃を行うべく、今度は此方から仕掛ける事にする。まず、相手の足に向かってハイキックをお見舞いすると、見事に命中させた。
やはりか、思った通り足の方に重点的にダメージを与えれば動きを止める事は可能らしい。
今の江華には膝の裏辺りにも攻撃を与えた事で、立っているのが非常に困難になっているようだ。
次に俺は相手の顔面を狙って右ストレートを放つが、あっさりと受け止められてしまった。
どうやら江華の方もそのくらいの迎撃手段は既に準備していたようである。しかしそれこそが俺達の狙い目でもあったのだ。次の瞬間、受け止めた右腕を掴むと同時に投げ飛ばすつもりだったのだが、それが仇になってしまったらしく、逆に腕ごと身体を持ち上げられてしまった。
「うおッ!?」
そのせいで投げ飛ばされないように踏ん張ろうとした結果、逆にバランスを崩してしまったが、何とか踏み止まる事が出来た。……ただ、それだけではないようだ。どういうわけか、先程の攻防により、お互いに距離が出来てしまっている為、間合いを測る際に一瞬とはいえ隙が生まれてしまうという欠点がある。それは向こうも同じ事ではあるが、問題は俺の方がそれに気付くまでにタイムラグがあったということだ。
この僅かな差というのは致命的なもので、すぐに追撃される。
「さて、お前の力は、そんなもんか」
そう、不敵な笑みを浮かべる。
「あぁ、こんだけやられたんだ、こっちも少し本気を出すぞ」
「っ」
それと同時だった。
俺の額に黒い痣を出す。
それは魔神族としての力を解放している状態を示すものだ。
そしてそれを見た途端、奴は警戒するように後ろへ飛んだ。
「さぁ、行くぜ!」
「っ!」
同時に江華に向かって、これまで以上の力で拳を振るう。
「ちぃっ……!」
奴はなんとかかわしたが、俺は更に追撃を加える。
だがそれも全て紙一重で回避された。
「流石にやりますね、まさかこれ程までとは思いませんでしたよ」
「そりゃどうも」
俺の攻撃を回避しながら、その表情は楽しそうだった。
互いの拳、蹴りが激しくぶつかり合い、そして互いに攻撃を避けたり受け流したりして防ぎながら、攻防を繰り広げていく。
正直言うと、かなり手こずるだろうと思っていた。
同時に、楽しくなっていく。
「はははは!!」
俺は笑みを浮かべて蹴りを放つと、江華も笑みを浮かべて反撃として回し蹴りを放ってきた。
「オラァッ!!」
「フンっ……!」
互いに蹴りを放ち、直撃する。
だが俺の蹴りの方が威力が高いのか、そのまま江華を蹴り飛ばした。
すると地面に叩きつけられた江華は空を見上げ、笑い声を上げた後立ち上がる。
「……ハハッ!いいじゃねえか」
「お前こそ、中々にやるようだな」
お互いに楽しそうにしながら構え直すと、戦いは激しさを増していく……。
やがて、数時間が経った。
互いにボロボロとなりながらも、尚も拳を交えている。
俺はもうヘトヘトだったが、それでも尚倒れぬように必死だった。
ふらりとよろめき、膝をつくと江華はゆっくりと近付いてくる。
そして、俺の前に立つと微笑む。
「本当に面白い奴だよ、お前さんは」
それだけ言うと、俺を抱える。
「まさかの子供扱いかよ」
「良いだろ、何よりも、気に入ったんだから」
そう、彼女に抱えられて、そのままアインツベルン城跡に向かう。
第五次聖杯戦争で、最も関係があった人物は?(その人物によって、ルートは変わります)
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セイバー
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遠坂凛
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間桐桜
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キャスター
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ライダー
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イリヤスフィール
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蒼崎橙子